目立たず、普通でいようと心掛けている中学三年生の一番(いちま)合戦(かせ)順風(じゅんぷう)は、黄金週間明けの登校中に、気になる存在であるクラスメイトの百鬼(なきり)万里(まり)の姿を見つけた。しかし、この日の百鬼万里は様子がおかしく、一番合戦順風は、百鬼万里がいじめに遭っているのではないかと懸念する。
この日はまた別の事件があった。隣町で起きた中学生誘拐殺害事件の犯人が遺体で発見されたのである。それも一番合戦順風のいるこの町で。
そしてその遺体には特別超法監殺機関認定監殺官(とくべつちょうほうかんさつきかんにんていかんさつかん)、略称『特監(とっかん)』が刑を執行した証があった。
一番合戦順風は、この事件に興味を持つ。
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