ギャンブル依存と原因不明の痛みに蝕まれながら、孤独と空虚のなかを彷徨う男。大腿骨頭壊死症と診断され、心も体も壊れかけたある日、ふとした電話で彼の人生は静かに動き出す──。
電話の向こうにいたのは、サポートセンターの女性。「もしもし」という
一言が、なぜか胸の奥に響いた。ただの声なのに、なぜか惹かれて離れられない。彼女の名前も顔も知らない。ただ“声”だけを頼りに、彼の心は次第にその音色を追い求めていく。
霊能者の除霊を受けたことで、彼の内面には「直感」という新たな感覚が芽生え始める。「北へ行け」という不思議な啓示に従い、彼は動き出す。目指すは、被災地・岩手。そこに何があるのかはわからない。ただ、自分の内なる声が、彼を突き動かす。
災害地の風景は、彼の心の荒廃と奇妙に重なる。誰のためでもなく、ただ「導かれたから」そこにいる。旅の果てにたどり着いた博多駅の構内。なぜか手を合わせたくなり、祈る。まるで「ありがとう」と伝えるように。
その帰り道、偶然乗り合わせた高速バスの中で、彼は再びあの“声”に出会う。少女が口にした「もしもし」の響きは、あの日、電話越しに恋をした声とまったく同じだった。現実か幻想かも曖昧なまま、彼は静かに涙を流す。
パチンコ依存、病との闘い、霊的体験、そして「声」に導かれた旅。その全てが、彼にとって必要な浄化であり、魂の回復だったのかもしれない。顔の見えない“誰か”への想いが、人生を再生させる力になる──これは、実話をもとにした奇跡と再生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-24 18:44:29
14586文字
会話率:24%
東日本大震災からの復興がすすむ三陸地方の港町で犬の散歩中に出会った二人の小学生・明日海と、海斗。
一時・海斗の転校で、疎遠になるも、中学校の入学式で再会。またふたりと二匹は一緒に海辺を散歩する。
屋がふたりは将来の夢なども話し合い、それぞれ
がなりたい職業などを語り合う。
互いに励まし合うことを約束し合うふたりの頭上には、海にかかる虹のアーチが浮かび、その虹をくぐって、船の航跡が沖へと、続いて行った・・・。夢を語る、被災地の町の子どもたちの未来へ続く航路が虹色のように輝いていてほしいと願ったものです。被災地の小学生の恋の物語? です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-08 14:40:52
13158文字
会話率:38%
有名な男性アイドルが、性犯罪を行った。番組で知り合った女性タレントを遊びに誘い、肉体関係を迫ったというのだ。そのアイドルにはクリーンなイメージがあり、災害などが起こるとアピールし過ぎない飾らない好感の持てる態度で被災地の支援などを行う事で知
られていた。慈善家にしか思えない。それだけにその事件は衝撃をもって世間に受け止められていた。
「なんで、こーいう奴が成功できるのだろう?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-22 11:04:35
2398文字
会話率:42%
「災害で被災した地方の切り捨てを『経済合理性』の名のもとに主張する風潮に対する批判的考察。筆者は政治的無関心を装っていた自身の姿勢を見つめ直し、2024年能登半島地震や大船渡の山林火災などの具体例を通じて、国家とは何かという根本的な問いを投
げかける。国家は単なる経済単位ではなく、すべての構成員の生存と尊厳を守る共同体であり、被災地支援はその最も基本的な責務であるとする。経済的「効率」だけを追求する論理の非人間性を指摘し、真の連帯の価値を再確認するとともに、影響力のあるインフルエンサーたちの責任ある発言を求める。右翼的・国粋主義的立場ではなく、人道的観点から国家の在り方を問い直す。」折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-09 23:29:55
3338文字
会話率:4%
生まれた時から膨大な魔力量を持ち、神童と呼ばれ周りから大切に育てられてきた少女、ユア・ルクタス。
墓守の家に生まれつき、世間から不吉・穢れた存在と忌み嫌われてきた少年、クラル・エイベルト。
二人が初めて出会ったのは、墓地の入り口へと続く
道の途中にある大きな木の下。木陰に隠れて泣いているクラルをユアが見つけ、声をかけたのが始まりだった。
年の近い二人はすぐに仲良くなり、遊ぶ時はいつも一緒だった。
ところが今から八年ほど前、国を覆う結界が破壊され、近隣の魔物が町に攻め込み人々を襲う事件が発生した。
多くの被害者を出したこの事件で活躍を見せたのは、クラルを含む墓守一族だった。彼らは被災地に赴き、今まで散々忌み嫌われ、避けられてきた弔いを行い、送り火を上げて残された被災者の心の傷を癒した。
そのことが高く評価され、特にクラルの活躍を目の当たりにした国王は、エイベルト家に栄誉を与えた。
しかしそれと同時に、この事件を引き起こした張本人としてユアに疑いがかけられてしまう。
この事がきっかけで、今までユアに向けられていた羨望は悪意に、クラルが受け続けてきた誹謗は称賛へと逆転し、二人を取り巻く環境が大きく変化してしまったのだ。
これは、元神童と呼ばれていた少女ユアと、墓守の息子クラルの、二人のその後のお話――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-11 02:03:32
128013文字
会話率:36%
名家の御曹司として将来を約束された御子柴龍之介は、窮屈な人生に疑問を感じていた。一方、貧困家庭出身の村瀬真琴は、劣悪な環境から抜け出すべく必死に努力を重ねていた。正反対の二人は、大学の卒業パーティーで運命的な出会いを果たす。互いに惹かれ合い
、それぞれの苦悩を打ち明ける中で、龍之介は真琴に問う。「君が持っていて、僕が持っていないもの、それは、何だ?」。真琴の答えは、龍之介の人生観を大きく変えるものだった。そして、未曾有の大震災が発生。全てを失った被災地で、二人は偶然にも再会する。過酷なボランティア活動を通じ、真の「生きる意味」を見出した二人は、それぞれの道を歩み始める。エリートの道を捨て、発展途上国での教育支援に身を投じる龍之介。災害弱者を救うため、社会福祉士となり、災害支援のスペシャリストとして活躍する真琴。数年後、国際会議で再会した二人が見据える、持続可能な未来とは――。これは、運命に導かれた二人が、真の「豊かさ」を掴むまでの、希望と再生の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-08 21:00:00
10987文字
会話率:59%
音楽百合小説。全7回。
「伝説の」というほどではないが、10年代に鮮烈な印象を残したガールズバンド『ブラック・マジック・オーシャン』は2011年に活動を開始し、2016年に内紛を起こして解散した。被災地出身の時計坂カナエとその恋人海野シズ
クが創始したBMOは当初から鎮魂をテーマを孕んでいたが、抽象的な歌詞をメロディアスなロックにくるんでその全貌は容易にはうかがえなかった。この記事は代表曲『走れ!』が2023年に映画の主題歌になり再評価されているBMOの軌跡を追い、彼女たちが何者だったかを明らかにしようとする試みである……。
ガールズバントをつくったふたりの恋愛を描こうと思って書き始めましたが、思いがけず時計坂と海野以外のバンドメンバーの関係性も描くこととなりました。ガールズロックバンドの内情をお楽しみください。文章は音楽記事を模しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-21 19:10:00
18195文字
会話率:2%
被災地に対して私は何もしていません。何もできません。
所詮他人事かもしれません。
それでも書かなければいけないと思った事を書き連ねました。
地震にトラウマがある方は読むのをお控えください。読んだ後の苦情は受け付けかねます。
※被災地の描写が
あるため、残酷な描写ありにしておきました折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-05 08:30:00
4479文字
会話率:2%
「……レインボーインパルスを飛ばそう」
首相官邸の会議室。テーブルに肘をついて、顔の前で手を組んだ首相が静かにそう提案した。ブラインドカーテンから漏れ入る光が眼鏡に反射している。
総理の言葉に一同波打ったように身じろぎや咳払いをし、や
がて「それしかありませんな」「やむを得ない」「ううむ」と老齢の議員らが唸った。その中、比較的若い議員が目を瞬かせて「え、レインボー……?」と呟いた。
「なんだね?」と、その彼の隣に座る議員が眉を上げ訊ねた。
「いやあの、ブルーインパルスならわかるのですが、レインボーインパルスとは……」
「ああ、知らないのか」
暗い会議室に、ほのかな笑いが広がった。彼は恥ずかしさで顔を熱くしたが、この重苦しい空気を少し緩和することができたことを喜ばしく思い「へへっ、すみません」と笑みを浮かべ、無知な若者という役割を受け入れた。
「まず、ブルーインパルスが何か知っているね?」
「はい。航空自衛隊のPRのためのチームで、アクロバティック飛行でイベントを盛り上げていますよね。以前、新型ウイルスが流行した時に、対応に追われ疲弊する医療関係者にエールを送るために飛んだとか。ああ、あと地震の被災地にも飛んだはず。まあ、自分は医療従事者でも被災者でもないので、飛行機が飛んだくらいで喜ぶのかな、と思いましたけど、あ、すみません」
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-07-29 15:00:00
1651文字
会話率:58%
モンスターによって汚染された被災地の清掃が、俺の仕事だった。
ある日、教皇庁から被災地に一人の女性騎士が派遣されてきた。
復興を手伝いたいと言う彼女に、俺は試す目的で汚物の前で告げた。
「シャベルがもうないみたいだ。あんたは手でこれを片付け
てくれ」
彼女は――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-26 18:10:00
10033文字
会話率:54%
闘病中の私が頑張って募金してきたのになぜかお母さんにめちゃくちゃ怒られた意味不明なお話しです。。
最終更新:2024-01-27 10:07:07
1101文字
会話率:0%
阪神淡路大震災の発生。
1995年1月17日 5時46分。
あと1年もすれば30年の節目を迎える。
----
まず光を失った。
そして時間を見失い、床はない。
動きを封じられ、安全も情報もなかった。
日常生活や生命活動を維持するために
必要な命綱。
生命線を意味する「ライフライン」も全て失った。
「ライフライン」は1995年のこの時に産まれた言葉だ。
戦後未曾有の震災による惨状が失わせたもの、それがこの概念を産み出した。
場は時間経過に従って悪くなる一方だ。
死や怪我や瓦礫は容赦なく増え続けていく。
まず生死を分けたのは空気の有無。
阪神淡路大震災の死因で最も多く占めたものは圧迫による窒息死。
その命綱である空気ですら、後に生命を脅かしていく存在となった。
その後、空気による5つの攻撃が容赦なく被災地を襲っていた。
・寒さ
・乾燥
・インフルエンザ
・アスベスト
・火災の煙
幸いなことに、風は強くなかった。
もしここに6つ目の攻撃、火災時の強風が加わっていたら為す術もない。
日常では何気ない自然のちょっとした機嫌次第で人間は簡単に翻弄される。
死を免れたとしても、その場にいれば「いつ死んでもおかしくない」。
被災者とは「死と隣り合わせの場で生き残これた者」とほぼ同義だ。
----
2024年の奇しくも正月。
能登半島で震度7が観測される大震災が発生した。
2011年の東日本大震災の頃より更にSNSが一般に広く浸透した。
震災とセットで飛び交う流言飛語か否かの判断材料になれば幸い。
実体験からの情報に触れる機会が一つでも多くなることを願い、ここに記す。
時代も場所も違えど、共通点は多い。
同じ正月に起こった1995年の大震災では、どういう状況に陥ったか。
日常と非日常を比較して、覚えている限り残しておこうと思う。
まずは今年で29年目となる震災祈念日によせて。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-26 23:15:50
3234文字
会話率:0%
大地震の被災地で、復興どころか、避難所の整備もままならぬ、ニホン国。地震大国なんだから防災に金かけろ云々の声が上がる中でも、裏金問題が収まりそうなことに安堵しているキジダダ総理だったが…
最終更新:2024-01-24 19:00:00
4992文字
会話率:45%
2000年に入り様々な天災が起っていますが、私たちはそれについての行動も学び、情報を得ることもできるようになってきています。ネットが不得意でネットのなかった時代のようにしか行動できない人もあります。でも少なくともネットにアップロードできる人
には自分にできることがあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-09 14:39:56
1705文字
会話率:7%
令和6年能登半島地震で心を痛めたあなたに提案したい支援方法を伝授する。東日本大震災で被災した書き手が、実際にやってみた方法から伝授します。手軽なものから覚悟が必要なものまで3つの間接的支援方法を書きだしました。子供から大人まで誰でもできる支
援方法です。今必要なのは、あなたの笑顔です。笑顔が支援になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-06 09:13:01
1898文字
会話率:0%
我が国は地震国家であります。
2024年の正月ーー、それ以前にも。
レビューやご感想でも、被災地に還元できるように。
最終更新:2024-01-04 23:53:36
200文字
会話率:0%
自然災害。
豪雨に見舞われた地域の方々は今もなお懸命に励み
ようやく落ち着こうとしていたのかもしれないが
大自然は揺るがない。
いい加減、天候を操るテクノロジーが出来ても良いと思います。
( 。゜Д゜。)
最終更新:2018-07-27 18:00:00
748文字
会話率:7%
被災地の方への御見舞
最終更新:2024-01-02 19:05:43
201文字
会話率:0%
2011年3月11日、大きな揺れの後、私は御茶ノ水の職場から徒歩で池袋駅へと向かっていた。しんしんと冷える戸外で、かつて愛犬を連れ、車中泊旅行で日本一周の冒険をした時に知り合った老夫婦のことを思い出す。私はほとんどつけ回るようにして、行く先
々で彼らと遭遇していた。旅先で出会ったバイク旅のイラン人青年との淡い恋と別れ、そして老夫婦の愛情と妻の突然の失踪を経て、彼らの過去を知るにつけ、私の夫婦への憧憬は募っていったのだった。しかし悲劇は突然訪れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-30 17:06:58
139080文字
会話率:49%
東日本大震災の被災地を訪問した記録を、日記風にまとめました。
以前発表した、「東日本大震災 体験日記 ~小さな被災地~」の続きのようなものとお考え下さい。
最終更新:2022-12-27 02:00:29
16340文字
会話率:4%
東日本大震災発生時、筆者が記録していた10日間程の記録をまとめました。
甚大な被害を受けた地域が多くある中、被災地とすら呼べないような地域ではありましたが、
普段体験することのない非日常の世界が、間違いなくそこにありました。
少しだけ日
常と異なる日々の様子をご覧いただけたらと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-21 00:28:27
17903文字
会話率:3%
その王国は突然現れた魔人による災害に見舞われ、甚大な被害を受けたという。これはその魔人災害に翻弄されながらも生き抜く決意をしたルーナという少女の物語──
魔人災害を止めた勇者は、元は平凡な農夫でありルーナの父親でもあった。しかし勇者は
魔人の消滅とほぼ時を同じくして死亡してしまう。独り残されたルーナは十五歳にして為す術もなくブロッド侯爵家令息の婚約者とされ、王国貴族の政治の道具とされてしまった。
ルーナは婚約者から農夫の娘だという差別的感情だけで酷い虐待を受けた。やがて少女は精神を病んでしまい生きる望みを失いかけるのだが──そんな少女に救いの手を差し伸べたのは、中年独身男のソレイユ辺境伯爵だった。彼は王国の恩人である勇者の娘への仕打ちが許せなかったのだ。
ソレイユとの生活で徐々に健康を取り戻してきたルーナはある日、魔人災害の爪跡である瘴気を浄化する異能を発現させ、周囲の者を驚かせた。
ルーナがその能力で被災地の復興に尽力する姿を見たソレイユは、いつしかルーナを愛する様になるのだが、少女との歳の差を恐れた彼は自分の心に嘘をつく。
一方ルーナは虐待された心の傷を乗り越えようと前を向いて歩きだし、日々の生活の中でソレイユに愛情を感じてゆくようになる。
だが幸福は一筋縄では訪れない。ルーナを政治の道具にする事を諦めていない婚約者が、再びルーナを地獄へと引き摺り込もうとしていたのであった。
*他サイトにも掲載
*全二十二話(完結済)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-24 13:19:15
82659文字
会話率:33%