王妃が死んだ……。
その日、既に冷たくなった王妃アルテーシアを見つけたのは彼女に食事を届けに来た侍女だった。その侍女が上げた悲鳴で王宮内は忽ち喧騒に包まれる。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなっ
てから既に2、3日が経過しているだろうとの事でした」
餓死だと……。この王宮でか……?
余りの衝撃に言葉も出ない国王ジュリアスに、宰相アルドベリクは更なる追い討ちを掛けた。
「亡くなった王妃様は陛下のお子をその身に宿しておられました」
子の父でありながら、彼はその事実を全く知らされてはいなかった。
国で一番恵まれた場所であるはずの王宮で、女性として国で一番の高貴な身分であるはずの王妃が餓死した……。
然も彼女は大国ジルハイムからジュリアスの元に嫁いで来た彼の従兄妹だった。
彼女は何故この様な悲劇的な最期を迎えなければならなかったのか……?
その真相を知ったジュリアスは愕然とする。全ては彼の過ち故の悲劇だった。だが、それに気付いた時はもう遅かった。軈てロマーナはジルハイムにより追い詰められていく。
これは王妃の死を発端とする彼女の死に関わった人々の群像劇。
✴︎✴︎アルファポリス様に投稿したものを増筆、改稿した作品です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 21:38:03
59965文字
会話率:25%
諜報活動を生業とする家で育ったアレナ・サンクシュア侯爵令嬢。その殺伐とした子ども時代の反動で、ラブロマンス小説に憧れるお花畑な乙女(諜報スキルあり)に成長。
培った諜報スキルで、難易度Sのジュリアス・レーウェン公爵令息を攻め落とすの!
そして、私だけの溺愛生活が始まるのよ!!
え…なんか上手く行き過ぎ…?
こちらの計画がばれて…??
まぁ、そんな些末なことは後で考えましょう。
勢いのまま、侍女兼諜報員(プロ)のレネとその部下ハンクと共にジュリアスに仕掛けていこうとする、そんなお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 19:57:48
56685文字
会話率:43%
共和制ローマは、建国700年を数えて内憂外患の状態だった。
拡大した領土は、良心的な高官が何とか領土の維持を守っていたが、一部の高官が高い税をかけ、好き放題をしていたため奴隷の反乱や逃亡が相次いで属州の多くは疲弊していた。
ローマを含むイタ
リアの諸都市は、難民や職を失った市民が増え、ローマの福祉政策、麦の配給量の増加によって一般のローマ市民の生活を厳しくさせ、国庫は赤字続きだった。
それでも、元老院は共和政体の維持を最優先に考え、目的に突出した個人の活躍を厳しく制限する。
時代は英雄を求めていた。
さっそうと現れたのはグエナス・ポンペイオス・マーニュス。
ローマの外敵を駆逐した英雄だった。
ローマは栄光の時を迎えるかと思われたが、元老院は英雄的行為を貶める活動に出る。
はるか昔に救国の英雄スキピオを抑え込んだのと同じように。
ローマは新しい英雄の時代を迎えるのか、共和制の理想を守るため、元老院が英雄を抑え込むのか。
それともまだ表舞台に出ていない時代を超越する者が出現するのを待っているのかもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 15:00:00
120091文字
会話率:28%
ローマの権力者から逃げるように大学に進んだユリウス・カエサル。
2年の時を経てローマに戻ってくる。
叔父であるアウレリウス・コッタの活躍で反目していた元老院派と民衆派のわだかまりも少し減り、カエサルも政界進出ができるようになった。
叔父に感
謝しつつ、ローマの政治権力に近づくためカエサルはローマに戻り
活動を開始する。
社会はより混沌としてきていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-21 15:00:00
178173文字
会話率:30%
ポエニ戦争での勝利から地中海世界を股にかける大国に成長しつつあったローマは、国内外に大きな問題をかかえていた。腐敗した元老院。公職者の汚職。国家の拡大による市民層の分離。急増する難民や増加する貧民への福祉政策による国家財政の破綻。また、外部
では蛮族たちが我が物顔でローマの同盟国を蹂躙しつつあり、地中海では海賊たちが自由に横行する。
そんななかで共和制ローマは機能不全に陥っていた。
そんななかで、家族の愛に恵まれた少年ガイウス・ユリウス・カエサルは、大きな力によって自分で道を歩みことを求められる。紆余曲折を経ながら、少しずつ、国家ローマ再建の道を進みはじめる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-26 15:00:00
513084文字
会話率:26%
剣から銃に移り変わる転換期にあって、リエール公国のブルーリボン騎士団は侵略を続けるルマンド帝国が作った国境の山間にある砲台陣地攻略を命じられた。騎馬突撃をしようものなら、確実に大砲の餌食になる。作戦立案に頭を悩ませていた団長アレスはある日、
難民キャンプで1人の少年と出会う……
ー登場人物ー
リエール公国側
アレス 騎士団長 50歳 魔法剣の使い手
ブリッジ 副団長 20歳 剣の実力はあるが魔法剣は
使えない、次期団長
ダン 騎士見習い 16歳 戦略魔法、オキツカカ"ミ、
八柄の剣を使う少年
サヤ リエール公国の王女 16歳
ルマンド帝国側
ジュリアス 皇位継承第八皇子 リエール方面指揮官
黒騎士 黒色槍騎兵団団長 年齢不詳
フルプレートアーマーの騎士
斬鉄剣、デスブリンガーの使い手
オドボール卿 皇位継承で実権を握ろうと画策する
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 13:33:52
54424文字
会話率:55%
【少女小説】セレイア国随一のみそっかす貧乏貴族、エモンティエ家。エモンティエ家令嬢ミュリナには、ある目的があった。目的を果たすため、ミュリナはセレイア国の〈魔物を殺した数で家の格付けが決まる制度〉で格付けを上げ、注目されることを手段に選ぶ。
「わたし、お母様の娘よ。魔祓士として国家から有望視されていた、あのお母様の娘なのよ」。美貌で怪力の貴公子ジュリアスの助けを借り、曲者が蠢く社交界と厳しい魔祓いの戦いを乗り越えて、ミュリナは宮廷の「序列絵」に描かれることができるだろうか――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 12:30:00
108211文字
会話率:45%
神代の時代、神と共に邪神を倒し、神去りし後も現在に至るまで邪悪の台頭を打ち払い続ける聖なる剣士
"聖剣士[セフィター]”
そんな聖剣士に憧れを持つ少年、ジュリアスとレヴィン。
共に育った村を失い、少年達は聖剣士になるための学び舎
の門を叩く。
その先に予想だにしない闘いが待ってるとも知らず…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-08 12:41:26
157946文字
会話率:50%
私はもう、貴方の為には生きられませんーー
幼くして政略結婚してから十年。年下で病弱だった夫のジュリアス皇子の看病をしながら妃として身を粉にして働き続け尽くしてきた。
だが快気したジュリアスから告げられたのは離縁だった。更に別の女性と結婚
すると宣言される。だがその直後「これからもずっと一緒だよ!」そう言って彼は無邪気に笑った。どうやら浮気相手と三人で暮らすつもりみたいだ。その瞬間、エヴェリーナの我慢は限界に達する。
誰も守ってくれないなら、自分で自分を守るしかない。エヴェリーナは全てを捨て国を出た。
(無邪気に笑う貴方が世界で一番嫌いだったーー)
*この作品は、アルファポリスとエブリスタにも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 15:42:29
177665文字
会話率:38%
我々はあの男(カエサル)を殺さなければならい
独裁官は不機嫌そうな顔で、元老院議員たちに言った。
共和政ローマは暴力と内戦の恐怖に支配されてから早十数年の月日が流れた。国内では元老院議員側に反旗を翻した民衆派への粛清の嵐がようやく収まりつつ
あるなか、突如としてローマの秩序回復・維持を担う独裁官は一人の若者(カエサル)の名を挙げた。民衆派の代名詞となりつつあるカエサルに恐怖を感じた独裁官は、一刻も早く若者の首を取るべきだと主張する。
本作は、カエサルの処刑を心からの望む独裁官の後世と民衆派の為に生き残ろうとするカエサルの半生に焦点を当てた作品である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-28 13:47:54
25675文字
会話率:7%
見目麗しい人間が集まる王都、見目麗しくない人間辺境の第二の王都。
その第二の王都の領地を運営する見目麗しくない、輝く光る頭、けれど心はとても優しい男性、ジュリアスの元に、巷で有名な悪役令嬢が押しかけ女房にやってきた!
しかしその実は、悪
役令嬢はただの噂で?
でも、その事を利用して商売をしていて!?
判断が早いリコネルと、おっとりした禿げた年上のジュリアスとの、騒がしくも忙しい領地改革!
(他サイトにも掲載しております)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 18:10:00
235021文字
会話率:51%
かつて「武人皇帝」と呼ばれ、剣と戦術のみで帝国を支配した皇帝ジュリアス・フラヴィウス・クラウディヌス。彼は32歳の若さで革命によって処刑された。
ジュリアスはただ戦場で生き、妻も子もなく、恋愛とは無縁の生涯だった――そう、彼は生涯童貞で
あったのである。
それから三百年後。
彼の遺物である魔剣「クラウディヌスの誓剣」が奉納されている、辺境にある小さな村。なぜかこの村では、彼が「恋愛と結婚をつかさどる神」として崇められていた!?
訳も分からぬまま現世に降ろされ、村の神官である少女ティトゥリに祀られるようになったジュリアス。今、彼の恋愛神としての生活が始まる!
「……童貞の私に恋愛相談してどうするんだ!?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-13 00:39:34
3531文字
会話率:42%
フォルドおうこくにすむエリックは2さいになる。
あるときに、おとうとのエレンばかりがかわいがられることにかれはいやけがさしてしまう。
そこでごえいきしのジュリアスやエルとさんにんでにわにでたが?
最終更新:2024-12-13 19:35:31
1358文字
会話率:45%
あるおとぎの世界。魔法と魔術が支配する世の中。国は魔法を独占する教会に支配されていた。教会と対立する強大な存在である魔女に討伐隊長ジュリアスは立ち向かう。しかし、惨敗し魔女に熊に変えられてしまう。途方に暮れたジュリアスは魔獣に襲われている少
女と出会う。ジュリアスは彼女を救うがその少女は訳アリだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-19 21:13:51
14681文字
会話率:41%
※あらすじは必ず読んでください。
とある帝国の公爵家の5人兄弟の話。
血の繋がった弟を狂気的に愛してしまった兄弟。
その兄弟から殺された姉が死に戻り未来を変える話。
前回の人生
公爵の寵愛を受ける母を持つ少女リリエンタと弟のハルモニア
は公爵家の闇の部分に触れずに生きてきた。
ある日父と母が死に、公爵から冷遇されていた3人の妻、その子どもであるジョシュア、ジュリアス、ジェラードと跡目争いをすることになってしまった。
公爵から虐待を受けていた3人は、甘やかされ温室育ちであるリリエンタたちを憎んでいたため、殺されないためにもリリエンタは弟のハルモニアを公爵にする必要があった。
血で血を洗い疲弊する争いの中、リリエンタはハルモニアを立派な後継者にするべく厳しく躾ける。
そんな姉に嫌気が差し、ハルモニアは逃げ出し3人の兄弟と仲を深める。
純粋なハルモニア。狂気的に愛してしまう3人は、ハルモニアを閉じ込めてしまったのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-09 17:59:35
20164文字
会話率:27%
1683年、城塞都市ウィーンはオスマン帝国の大軍に包囲されていた。
第二次ウィーン包囲である。
戦況厳しいウィーンからは皇帝も逃げ出し、市壁の中には守備隊の兵士と市民軍、避難できなかった市民ら一万人弱が立て籠もった。
彼らをまとめ
、指揮するウィーン防衛司令官、その名をシュターレンベルクという。
敵の数は三十万。
戦況は絶望的に想えるものの、シュターレンベルクには策があった。
ドナウ河の水運に恵まれたウィーンは、ドナウ艦隊を蔵している。
内陸に位置するオーストリア唯一の海軍だ。
彼らをウィーンの切り札とするのだ。
戦闘には参加させず、外界との唯一の道として、連絡も補給も彼等に依る。
そのうち、ウィーンには厳しい冬が訪れる。
オスマン帝国軍は野営には耐えられまい。
そんなシュターレンベルクの元に届いた報は『ドナウ艦隊の全滅』であった。
もはや、市壁の中にこもって救援を待つしかないウィーンだが、敵軍のシャーヒー砲は、連日、市に降り注いだ。
【主な登場人物】
シュターレンベルク…ウィーン防衛司令官。オスマン軍の包囲から市を守る。
リヒャルト…シュターレンベルクの息子。プライドは高いが無能っぷりをさらけ出してしまう。
マリア・カタリーナ…シュターレンベルクの娘で、フランツの妹。偏屈でトラブルメーカー。
フランツ…シュターレンベルクになつくパン屋。変人。
グイード…シュターレンベルクの従兄弟で右腕的存在。歌手志望だが、ひどい音痴。
バーデン泊…有力諸侯。シュターレンベルクに反発心を抱いている。
ルイ・ジュリアス…フランス出身の貴族。リヒャルトと仲が悪い。
ヨハン…ウィーン市長。シュターレンベルクとはそりが合わない一面も。
アウフミラー…ウィーンに住む絵描きの青年。マリア・カタリーナの恋人。
エルミア…シュターレンベルクの愛人。
※完結済。毎日更新します※折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 22:00:00
174111文字
会話率:20%
貧富の差が拡大した近未来。父親に捨てられた17歳の少年、木島樹理は、妹の木島小鳥とともにつましい暮らしをしていた。あの男が現れるまでは……。
人々の『見たい』が暴走した世界。富める『視聴者』は貧しき『配信者』を煽り立て、犯罪非犯罪を問わず
刺激的な行為を強要し、社会問題と化している。しかし『視聴者』たちの欲求は肥大化し、もはやそれだけでは満たせなくなっていた。
裏社会は、いちはやくその渇望に応える。ディメンション・アーツ。最新式の人型軍事ロボットが各国から流出し、少年少女を乗せて殺し合いをさせるという過激なショービジネスが暗密裏に催されていた。
最強のディメンション・アーツ、GX-84、通称カエサル。胴元(ブストゥム)にそのパイロットとして選ばれた樹理は、自らディメンション・アーツに搭乗し、闘いを勝ち抜くことで、肉体を弄ばれた小鳥を救うことができるだろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-11 21:05:31
8794文字
会話率:45%
伯爵令嬢フィオナは義妹になる予定の有名モデル、アテナの水着姿を見て自分と比較してしまい意気消沈する。
その後フィオナは超絶美形婚約者ジュリアスに岩場に引っ張り込まれ、一緒に海水浴に来ていたブラッドレイ家の者たちの声が聞こえる中で愛される。
美形揃いの魔法使い一家の兄弟たちとその婚約者たちによるオムニバスラブ話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-27 20:09:18
28145文字
会話率:33%
獣人に殺された家族の敵を討つために、兄のフィリップであると偽り男装して銃騎士となった伯爵令嬢フィオナ・キャンベルは、銃騎士隊二番隊長代行ジュリアス・ブラッドレイの専属副官であり、彼の恋人でもある。
恋人ジュリアスは輝かしい美しさをもつ国一
番のモテ男であるが結婚願望がなかった。令嬢としてのフィオナと婚約関係ではあるものの、元々は女除けをしたかったジュリアスと、銃騎士になるためにジュリアスの協力を得たかったフィオナの利害が一致した果ての偽装婚約だった。
協力の条件の一つとして「俺を好きにならないこと」と提案されたが、フィオナが成人を迎えた時に二人は付き合い出す。
フィオナはジュリアスを愛していたので、一生そばにいられれば結婚できなくとも構わないと思っていたが、ある出来事をきっかけにジュリアスの結婚観が変わる。
美貌の完璧超人からいつの間にか執着されていた話。
※別作品「獣人姫は逃げまくる」の幕間として書いていた話(サブタイトル「男装の令嬢」と「前夜」)をまとめて独立させたものです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-09 16:00:00
6537文字
会話率:3%
栄華を極めた砂漠の大国が滅びるとき、「最後の女神」と呼ばれる異能を授かった女性の神託が告げられる。
反乱軍の先鋒に立つジュリアス第三王子と、かつての婚約者であった最後の女王ライラ。
彼らの「最後の女神」を救う為の思惑が動き出す。
も
ともと中編予定のものを削りに削って短編にしたものです。結果的に恋愛パートが激しく削られてうっすい要素になってしまいました。
世界観が共通のシリーズには入っていますが、単体でも読める内容です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-16 15:00:00
7989文字
会話率:62%
公爵令嬢の私フローラは、この国の王子であるジュリアス王子の婚約者だけど、王宮で暗殺に怯えながら過ごすなんて絶対に嫌!
「そうだ! 悪女を演じて婚約破棄をしてもらおう!」
……と思ったのに、罵倒すればするほど王子が喜んでいる気がするんだけ
ど!?!?
※こちらの作品は「アルファポリス」「カクヨム」にも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-04 20:04:58
7161文字
会話率:36%
侯爵令嬢のトレシアは、社交界きっての理想の花婿候補と名高い若き公爵ジュリアスと結婚することになる。
しかし、これから新婚生活を送ることになる公爵邸には、彼と幼なじみである美女も一緒に暮らしていると言うのだ。
「誤解のないようあらかじめ言っ
ておく。俺はお前を愛するつもりなんて毛頭ない」
「はいはい」
「妻であるお前より、俺は彼女を優先する。それを念頭に置いて丁重に接してくれ」
「あらそう。初めまして、ミカエラさん。よろしくお願いします」
そんな経緯を経てなぜか仲良くなるトレシアとミカエラだったが、ミカエラも彼女なりにいくつか秘密を抱えているようで……。
妻トレシアと、夫ジュリアスと、夫の幼なじみミカエラによる、奇妙な共同生活がここから始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-30 21:38:01
8003文字
会話率:46%
とある事情により若くして辺境伯を継いだジュリアス。
その代替わりの隙を狙って蛮族達が侵攻してくるも、無類の武勇を誇る妻キャロルと力を合わせ、これを無事撃退するなど、忙しくも充実した日々を送っていた。
だが、今でこそ息の合った連携が獲れるよう
になり、二人の仲も良好なのだが……ジュリアスには密かな悩みを抱えていた。
実はジュリアスは女性であり、辺境伯を継ぐ裏技的手段の一環としてキャロルと結婚した。
つまり元々は純然たる政略結婚であり、初夜には「あなたを愛することはない」などと言ってしまったのだが……諸々あって様々な問題は解決。
二人が愛し合う障害はなくなったのだが……未だにジュリアスはキャロルを愛することが出来ないでいた。寝床の中的な意味で。
毎晩一方的に攻略され、それはそれで愛されている実感がありつつも、すっかりキャロルを好きになってしまったジュリアスは自分からもしたいのに、それが許されない。
そのことを経験豊富な侍女に相談したところ、有益そうなアドバイスを得ることが出来たジュリアスは、キャロルをデートに誘うのだが……?
※『「愛することはない」と言われましても、そもそもその必要はございません。』の続編となります。
※この作品の前作に当たる『「愛することはない」と言われましても、そもそもその必要はございません。』がマユタマナム先生作画にてコミカライズされ、『『悪役令嬢ですが、ヒロインに攻略されてますわ!? アンソロジーコミック』②』に収録されました!百合でハッピーエンドな異世界恋愛5作品が収録されておりますので、ご興味ある方は是非是非お求めいただければ!なお、Kindleでも電子書籍が配信されております!(ダイマ)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-30 12:00:00
11149文字
会話率:27%
辺境伯の元へと嫁いだ子爵令嬢キャロルは、夫となったジュリアスから、初めての夜に酷い言葉を投げかけられた。
「私があなたを愛することはない」
この婚姻を望んだのは辺境伯側、だというのに余りに不誠実な態度。
だが、色々とたくましいキャロルは
取り乱すこともなく、夫の真意を尋ねる。
そして語り出されたのは、いかに貴族と言えどもあまりにあまりな事情で……。
それを聞いたキャロルは、全てが終わった最後にこう告げる。
「あなたがわたくしを愛する必要はありません」
と。
これは、どうにもならないしがらみに満ちた貴族社会を、己の力一つで乗り越えていく女の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-22 06:12:10
10107文字
会話率:44%