王妃が死んだ……。
その日、既に冷たくなった王妃アルテーシアを見つけたのは彼女に食事を届けに来た侍女だった。その侍女が上げた悲鳴で王宮内は忽ち喧騒に包まれる。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなっ
てから既に2、3日が経過しているだろうとの事でした」
餓死だと……。この王宮でか……?
余りの衝撃に言葉も出ない国王ジュリアスに、宰相アルドベリクは更なる追い討ちを掛けた。
「亡くなった王妃様は陛下のお子をその身に宿しておられました」
子の父でありながら、彼はその事実を全く知らされてはいなかった。
国で一番恵まれた場所であるはずの王宮で、女性として国で一番の高貴な身分であるはずの王妃が餓死した……。
然も彼女は大国ジルハイムからジュリアスの元に嫁いで来た彼の従兄妹だった。
彼女は何故この様な悲劇的な最期を迎えなければならなかったのか……?
その真相を知ったジュリアスは愕然とする。全ては彼の過ち故の悲劇だった。だが、それに気付いた時はもう遅かった。軈てロマーナはジルハイムにより追い詰められていく。
これは王妃の死を発端とする彼女の死に関わった人々の群像劇。
✴︎✴︎アルファポリス様に投稿したものを増筆、改稿した作品です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 12:16:17
48875文字
会話率:23%
世界を守れなかった人のお話をイメージした詩です。もうとっくに終わっている。
キーワード:
最終更新:2025-03-23 12:02:59
305文字
会話率:0%
ライオ・ルエンディルは『雑魚専門』と他の冒険者からも罵られるEランクの底辺冒険者であった。
簡単な依頼をこなして日銭を稼ぎ、ただ同じ毎日を繰り返すだけの青年は――かつて、とある国で『剣帝』と呼ばれる騎士でもあった。
そんな変わらぬ日々を送る
ライオの下に、ある日一人の少女がやってくる。
その姿は、かつてライオが『守れなかった人』と同じ姿をしていて……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-29 16:43:45
5285文字
会話率:37%