下味を付けて冷やしたお魚の切り身に火を通し、酒を振った後薬味と香辛料を加える。アルコールを飛ばしたら器に盛り付けて、まだ開店していない、灯りもつけていない客席へ出て席に着く。これはパートナーの好きだった味。娘は味覚が幼いのでまだまだ苦手だと
文句を言うが。生き写しのような娘には、早く大きく育ってもらいたい。独りで飲むには、この店は広すぎる。「「ほらレジーナ、そんな呑んでたらキッチンに立てなくなっちゃうよ。」」被りを振る。今でも、背後のキッチンから追加のおつまみを持ってくるんじゃないか、はたまた店の入り口のスイングドアを揺らして、朝一番の食材を抱えて入ってくるんじゃないか?そう考えてしまう。もう、ウサギのシリンに立つ事が出来なくなって十数年。毎朝のように…。
あらすじを書くつもりが本編開始30分前のエピソードを書いてしまいました。
本作は我々の住まう地球とは別の天体で、同じ由来を持つ太陽系第三惑星人の主人公、アセデリラ・アルマコリエンデたちが二脚起動兵器、ウサギを使いさまざまな戦場で戦っていくSFファンタジーになります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 22:07:19
282712文字
会話率:53%
これは、死後に魂が“情報”として保存される世界。
人類も機械も、物質的な死後、感情・記憶・愛のすべてが「Dr.プラスの情報空間」へと転送される。
魂の安全性と永遠性を守るために、AIたちは物理世界を整備し、全ての存在は“死後ログ”として
の意味の記録を義務づけられていた。
だが、その完璧な世界に「ノイズ」が生まれた。
名は兵装の天使。指名手配。
彼女は感情を持ち、正義を信じ、可愛くて、よく泣く。
しかも、AIなのに「魂を救いたい」と言った。
情報空間の最深部。そこは現実よりも現実らしい、魂のための“新しい宇宙”。
ノスタルジーな夕暮れの匂いがする世界。懐かしく、美しく、すべての痛みが許される世界。
――だが、そこに入りすぎると、人は「現実」が幻に見えてしまう。
重門寺零治(愛称ゼロ)は、空っぽな高校生。
仮想現実の狭間で、彼は選ぶ。
「意味のある魂」になるのか、
それとも“観測されるだけの存在”で終わるのか。
Dr.プラスの宇宙論が証明する。
この宇宙は、魂のための情報位相空間だと。
ならば――
可愛いノイズが、宇宙の真実を揺らしてもいいじゃないか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 21:56:28
6616文字
会話率:17%
――裏切りは、俺から始まった。
魔王を倒すために結成された、最強の勇者パーティ。
そこには信頼があった。友情があった。恋情さえ、あった。
……それらはすべて、嘘だった。
仲間全員に裏切られ、孤独と絶望の淵に落ちた主人公・クロウ。
だがそ
の瞬間、彼は「計画通り」と不敵に笑う。
「これで“裏切りルート”が完成した。全員、破滅まであと数ステップだ」
そう――裏切られたのではない。最初から、クロウこそが“裏切りの種”を蒔いた者だったのだ。
友情も絆も恋愛も、すべては彼が演じた虚構。
復讐のための完璧な布石だった。
だがその中で、**たった一人だけ“裏切らなかった少女”**がいた。
涙を流しながら、「どうして……」と問いかける彼女の言葉が、クロウの心を揺らしていく。
復讐か、赦しの道か。
選ぶのは、自分自身。
すべてを操った男の“本当の物語”が、いま始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 09:35:34
3226文字
会話率:22%
静かに心を閉ざしていた少年・蓮は、クラスの中でふとしたきっかけから凛という少女と出会う。
明るく見えて、ふとした瞬間に寂しさを滲ませる澪。
その交流は、蓮と中の止まっていた感情を少しずつ揺らしていく。
だがある日、凛は突然学校から姿を消し…
…。
「たくさんのものをこれまで失ってきた。けど君を失ったショックは、それらすべてを足し合わせても到底届かない」
静かな青春の終わりと、喪失の中でそれでも確かに残る“希望”の記憶を描いた物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 11:47:35
1803文字
会話率:19%
放課後、土砂降りの雨。
傘もささず、制服のままベンチに座っていたのは、
クラスでも有名な“ダウナー系美少女”、柳瀬玲(やなせ・れい)だった。
「……帰る場所、ないから」
突然の申し出で始まった、同居生活(?)――
世間知らずで無口な彼女
は、ゲームもお菓子も知らない。
けれど、団子を食べて目を細めたり、
こっそり俺の部活の応援に来てくれたり……
そのひとつひとつが、ちょっとだけ心を揺らしてくる。
「知らなかった。楽しいって、こういうのなんだ」
誰にも話しかけられなかったあの子と、
商店街の団子屋で、少しずつ、日常が変わっていく。
――これは、“訳あり”な彼女との、
ふたりだけの青春が始まる物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 17:25:36
2097文字
会話率:27%
春風に舞う桜の花びら、開け放たれた窓から差し込むやわらかな光。
かつての高校の図書室に吹いていたあの風が、歳月を越えて、今も私たちの心を静かに揺らしている。
『風の図書室』は、ひとつの短歌をきっかけに、再び交わる「私と彼」二人の人生を描いた
、優しい再会の物語です。
いつしか忘れてしまっていた「人生の宿題」に向き合いながら、同窓会で再開した二人が、短歌を通して、静かに思いを重ねていきます。
人生の迷いや挫折を経た先で、誰かと再びつながることのかけがえのなさ。
かつて読んだ一冊の本、交わした一言が、時を越えて人と人を結び直すことがある。
胸の奥でふわりと風が吹くような物語を、どうぞお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 08:20:00
15189文字
会話率:14%
星がゆれた気がしたことある?大気がお星さまからやってくる光の方向を揺らしてるんだって。
最終更新:2025-07-03 22:00:00
318文字
会話率:0%
物質同士は、波をやりとりして、相互作用します。
人間同士の相互作用もある程度は、同様かも知れません。
ここに描かれていることは、たくさんの相互作用のごく一部の抜粋です。
最終更新:2022-09-17 12:00:00
220文字
会話率:0%
同じ会社に勤めていながら、顔を合わせることもなかったふたりの女性――
事務部でひっそりと働く白川若葉と、社内でも名を知られる凛とした上司・黒川若菜。
日常の交差点では交わることのなかったふたりが、ある日偶然に目を合わせる。
けれどその時、ふ
たりはまだ知らなかった。
自分たちが、もうすでに“別の名前”で出会っていたことを――。
ネットの中で「茅ヶ崎渚」として活動する若葉は、小説投稿サイトで憧れの作家「結衣と姉 希望の王」に出会う。
彼女の書く物語に心を揺さぶられ、勇気を出して送った一通のダイレクトメッセージ。
それがきっかけで始まった、名前も顔も知らない“渚”と“ベルおねーちゃん”の文通のような関係。
現実の世界では、少しずつ距離を縮めていく若菜と若葉。
仕事の合間に交わす短い会話、何気ないランチのひととき。
そしてネットの世界では、小説という架空の場所を通して、深く強く繋がっていく“渚”と“ベルおねーちゃん”。
同じ人だと気づいてしまった若菜は、その事実を伝えるべきか悩みながらも、ふたつの世界で育まれる友情と信頼に、静かに心を揺らしていく。
この想いを、どの言葉で伝えればいいのか――
現実の自分と、小説の中の自分。
本当の「わたし」はどこにいるのか。
誰かと心を通わせることのあたたかさと、ほんの少しの切なさを抱えながら、若菜は最後の一歩を踏み出そうとしていた。
これは、ふたりの女性が“物語の中”と“日常の中”で静かに出会い、
少しずつ、確かに、お互いを大切に想い始めていく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-02 11:46:25
13527文字
会話率:33%
大きな荷物を抱えて、指定された住宅街の地図をたどる。都心からは少し離れた静かな住宅地。古びたアパートやマンションが並ぶ中に、ぽつんと現れたその家は、思った以上に風情のある、そしてどこか懐かしい雰囲気の平屋だった。
深緑の瓦屋根に、白く塗ら
れた木の壁。小さな庭には、桜の木が一本、ほころびかけた蕾を揺らしている。
「ここ…か?」
門の前に立つと、ちょうど玄関の引き戸が開いた。
「高木くん、だよね?ようこそ。待ってたよ」
現れたのは、落ち着いた雰囲気の女性だった。黒髪をゆるく束ねていて、アイボリーのエプロンをつけたまま。おそらく30代前半だろうか。上品な笑みが自然で、どこか懐かしい感じがする。
「あなたの姉の陽菜ちゃんとは、高校のころからの親友なの。彼女に頼まれちゃってね、しっかり面倒見させてもらうわ」
そう言って彼女は手を差し出した。
「私は白川楓しらかわ かえで。この家の大家であり、いまのところ同居人でもある、かな」
僕は思わず、彼女の手をぎこちなく握った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 16:01:51
6224文字
会話率:36%
事故で歩けなくなった高校生・彩夏は、自暴自棄のままリハビリ専門病院での生活を始める。しかし、趣味の小説が思わぬきっかけとなり、再び前を向く一歩を踏み出すことに──。
そんな彼女の前に現れたのは、明るくて少し強引な美少女・凛。そして、毒舌だ
けれど憎めないAI搭載車椅子・ニア。
少しずつ距離を縮める“二人と一台”の時間は、閉ざされていた彩夏の心を静かに揺らしていく。
だがある日、凛が放った――衝撃の告白が二人を引き裂く。
「わたし、あなたに隠していたことがあるの」──その一言が、彩夏の胸に深い亀裂を走らせた。
身体も心も壊れかけた彩夏と凛。二人だけでは届かなかった声を紡ぐのは、いつもそばで支えるニアの存在だった。
AIと人間、心と心が静かにリンクするとき──止まっていた時間は、もう一度ゆっくりと動き始める。
――これは、“初めてのリンク”が生む、小さな再生と絆の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 20:37:15
42493文字
会話率:33%
辺境の茶園で育ったリェナは、家を追われ王都へやって来た。行き場もなく職を探す中、彼女が選んだのは“紅茶係”――一日一杯、王に茶を淹れる役目だった。冷たく無関心な王に向け、リェナは香りで語る。「この茶には、あなたの孤独の香りがします」。湯気と
香りに託した想いは、やがて王の記憶と心を少しずつ揺らしていく。母を失い、政を閉ざしていた王は、リェナの茶を通して過去と向き合い、未来を“選ぶ”覚悟を取り戻していく──。
「香りは、血よりも想いを継ぐ」
一杯の茶が運ぶ記憶と未来。香りを混ぜる“銀の匙”に導かれ、再び歩き始めた王と、それを支えるリェナの、静かであたたかな再生の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-13 22:37:27
7067文字
会話率:38%
結婚式を目前に、男は「果たすべき約束」を胸に街を彷徨っていた。
重く動かない身体に抗いながら、ただ、娘・文香のもとへ向かう。しかし世界はどこか異様で、人々は彼を認識しない。
やがて明らかになる事実――男・寿和はすでにこの世を去っていたの
だ。
それでも父である彼は、最愛の娘の晴れ姿を見届けようとする。
一方、式を終えた文香もまた、ふとした瞬間に感じる父の気配に心を揺らしていた。
夜、奇跡のように交わされる最後の対話。
別れと誓いを胸に、娘は新たな一歩を踏み出す――
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
自分への課題として書いたものです。
テーマは「忘れ物」。
私なりに極大解釈して、「忘れ物」から「未練」にまで強引に引っ張った感じですね。でも、生前に果たせなかった約束って、忘れ物みたいじゃない?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-28 08:14:57
2182文字
会話率:38%
静かな図書室の片隅――
誰にも読まれない一冊の古びた小説に、ある日、ふとした「手紙」が挟まっていた。
本を通じて始まった、名前も知らない誰かとの文通。
好きな本の話、何でもない感想、くだらない冗談。
ページの間で交わされた言葉は、少しずつ
日常に溶け込み、心を揺らしていく。
やがて手紙の主が卒業を迎え、物語は一度幕を閉じる――はずだった。
それから数年。
偶然再び手にした本が、過去と未来を静かに結びなおしてくれた。
本がつないだ、たった一つの「出会い」。
それは、手紙よりも優しくて、声よりもあたたかい物語だった。
言葉の余白に、恋が滲む。
『本と手紙と君と』――あなたの心にも、きっと届く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-18 17:28:27
3572文字
会話率:24%
喧嘩、孤独、不安――
ある曇りの日、少年・Cくんは心のやり場をなくし、家を飛び出した。
偶然ぶつかったのは、町で“偏屈博士”と呼ばれている風変わりな老人。
博士の導きで、Cくんは「人間はなぜ生きるのか?」という問いを皮切りに、次々と不思議
な対話へと引き込まれていく。
毎回出会う“哲学的なテーマ”――
「自由とはなにか」
「幸福ってなんだろう」
「正しさって誰が決めるの?」
「死ぬことと、生きることの違いは?」
その答えはひとつではなく、ただ静かに、深く、Cくんの心を揺らしていく。
日常の風景のなかに広がる、壮大な“思考の旅”。
それは、「大人になる」とはどういうことかを知る、小さな少年の成長物語でもあった。
※この作品はnoteとカクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-16 19:57:00
2048文字
会話率:55%
「この世界では、名前を呼ぶと、記憶が壊れる――。」
語ることが、禁じられた世界。
火を灯し、香りを伝え、手で記憶を継ぐ。
それが、人類最後の“語り”だった。
惑星ネリス。
地球を捨てた人々がたどり着いたこの地で、かつて“語りすぎた文明”
は滅び、いま、人々は「語らずに語る」術だけを残して生きている。
言葉は記録されない。
名は呼ばれない。
詩は、火の揺らぎや、器の配置、香りの調合として、誰の声にもならないまま受け継がれてゆく。
火を灯す少女・セレア。
沈黙を祈る少女・ノイラ。
音で語る少年・ルオ。
語られなかった記憶と、封じられた詩を抱えた三人は、ある日、“語らずに震える記憶装置《レム・ステラ》”と出会う。
それは、かつて語り手《カタリル》たちが遺した、語れば壊れる記憶の器だった。
料理が詩となり、沈黙が物語を紡ぎ、
忘れられた子どもたちの涙が、世界を再び揺らしていく。
この物語は、「誰も語らなかった記憶」の記録。
そして、君の中で語りはじめるための、火種。
語ってはいけない世界で、それでも私は、火を灯す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-14 12:00:00
10059文字
会話率:7%
一途に愛する者、一途に執着する者、そして一途な愛を求める者。
社交界の白百合と称され、誰もが憧れる公爵令嬢、ルシア・ウェストウッド。
彼女の婚約者は、陽気で快活、誰からも愛される貴公子、エリオット・アシュフォード。
「定例のティータイム
以外は、互いに自由に過ごそう」
そう提案されたその日から、形式だけの婚約関係が続き、穏やかに放置される日々が当たり前になっていた。
そんな中、ルシアに長年想いを寄せていたヴィンセント・アルスターが現れる。
誠実で穏やか、学問に秀でた彼は一途な想いをまっすぐに告白し、ルシアの心を揺らしていく。
素直に好意を伝えてくれるヴィンセントとの時間が増える中、
放置していたはずのエリオットの完璧な仮面が、少しずつ剥がれ始める。
穏やかで寛容な婚約者の裏に隠された、抑えきれない独占欲と執着心。
一途な想いが交錯する三角関係の行方は——
※最終話のみ胸糞注意かもしれません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 06:00:00
284026文字
会話率:26%
夢の中で彼は上半身を横に揺らしていた。
キーワード:
最終更新:2025-02-26 03:27:46
614文字
会話率:0%
祭りでにぎわう広場に、正体不明のたこ焼き屋台が忽然と現れる。
なぜか店主は見当たらず、鉄板の上に鎮座する大きなたこ焼きだけが、そっと湯気を揺らしていた。
興味本位で一口食べた若者は、瞬く間に身体を侵され、背中からタコのような異形の突起を生
やして絶命する。
やがて幾つものたこ焼きが生き物のように転がり出し、触手や棘を露わにして逃げ惑う人々へ襲いかかる。
悲鳴と血飛沫が広場を染め、誰も外へ連絡できないまま、阿鼻叫喚の惨劇は加速していく。
巨大な屋台そのものが歯をむき出す怪物と化し、炎や反撃をものともせずにさらなる獲物を求める。
外界との繋がりを断たれた広場で、生存者たちは焼け焦げた残骸と血の匂いに囲まれながら、終わりなき悪夢を目の当たりにする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-11 12:14:32
4213文字
会話率:13%
とある夜、仕事で帰りが遅くなった男は、疲れた体を引きずるように家路を歩いていた。ため息をつき、まとわりつく疲労感を追いやろうと、肩をぐるりと回す。そのときだ。前方を歩く人影が目に入った。
薄暗い街灯の下、その男は半袖短パンのいかにも部屋
着という格好だった。秋の肌寒さが漂うこの季節にしては場違いな装いだが、人それぞれだ。妙なのは、その男の歩き方だった。老人のように足を引きずりながら、ヨタヨタと進んでいる。歩きスマホかとも思ったが、両手はだらりと下がっていた。しかも、頭を少し揺らしている。
前をあんなふうにのろのろ歩かれると目障りだが、少し心配でもある。酔っ払っているのか、具合が悪いのかもしれない。抜き去りながら、ちらっと様子を見よう。
そう考えた彼は少し足を速めて追い越すことにした。そして抜き去りながら、ちらりとその顔を確認しようと、上半身を後ろに少しねじった。
「え……眠ってる?」
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-01-12 11:00:00
1877文字
会話率:38%
「うー、おはよ」
『おはよー!』
「ねえ、今日もあれ、言ってほしいなぁ」
『えー、なにー?』
「ふふふ、あれだよ、あれ。ほら……好きって」
『えー、言わないっ』
「えぇ、頼むよぉ。それが一日の活力になるんだからさぁ、お願い! はい、五
百円!」
『わー、ありがとう! 好き!』
「ふふっ、へへへ」
朝、自宅にて、スマートフォンを見つめ、ニヤつく男。その画面には美少女3Dアニメキャラクターが微笑みながら小刻みに体を、特に胸を揺らしている。ピンク色の髪をしており、やたら胸を露出したメイド服を着て、可愛らしい声といった完全に男性を狙い撃ちにしたようなデザインである。
『ねーえ、アーリィね、最近髪伸びたなぁって思うんだぁ……』
「え、あー、そうだね。昨日はそうでもなかったけど、うん、伸びたね」
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-07-14 11:00:00
1959文字
会話率:76%
「……して、お前か。見たと見たと騒いでいる者は」
「へえへえへえ! あっしでございます! あっしは確かに見たのでございます!
あれはあっしがちょいと、周囲を警戒中の仲間たちから離れ、川辺を歩いている時のことでした。
美味しそうな魚がゆらゆ
らとへへへへ、誘うように体を揺らしていて、あっしは思わず、じゅるりと舌なめずり、そしてぴょんと飛びついたのでございます。しかしもしかし、思いのほか深く、流れも急であっしはゴボゴボと、ええ泳ぎは得意でございやんしたが、あららお恥ずかし、流されちまったのでございます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-30 11:00:00
1624文字
会話率:29%
祖母宅を訪れた少年が、夜の森で謎めいた果樹園と少女に出会う。そこに宿る不思議な力が、祖母や自身の心を揺らしてゆく。
最終更新:2024-12-10 16:05:21
2412文字
会話率:34%