春風に舞う桜の花びら、開け放たれた窓から差し込むやわらかな光。
かつての高校の図書室に吹いていたあの風が、歳月を越えて、今も私たちの心を静かに揺らしている。
『風の図書室』は、ひとつの短歌をきっかけに、再び交わる「私と彼」二人の人生を描いた
、優しい再会の物語です。
いつしか忘れてしまっていた「人生の宿題」に向き合いながら、同窓会で再開した二人が、短歌を通して、静かに思いを重ねていきます。
人生の迷いや挫折を経た先で、誰かと再びつながることのかけがえのなさ。
かつて読んだ一冊の本、交わした一言が、時を越えて人と人を結び直すことがある。
胸の奥でふわりと風が吹くような物語を、どうぞお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 20:10:00
2655文字
会話率:13%
大学をある理由で休学し、現役ぬいぐるみ修繕師の、祖父の家に身を寄せることになった高橋晴翔。晴翔は小さい頃に、祖父にぬいぐるみの作り方を教えてもらって以来、ぬいぐるみ作りを続けていたため、バイトをしながら祖父の手伝いをする日々が始まった。
そんなある日、晴翔は玄関先で、いびつでぼろぼろなネコのぬいぐるみが置かれているのを見つける。不思議に思いつつ祖父に見せると、「お前が直してやれ」と言われ。なぜ現役の祖父ではなく自分が? と疑問を抱きつつも、言われるまま修繕し、元の場所に戻したのだった。
しかし、誰が取りに来るのか気になった晴翔は、その夜そっと玄関を見張る事に。そして現れたのは……。なんと、しっぽが二本あるネコだった!?
驚く晴翔に、ネコは笑いながら言う。
「よう、久しぶりだな!」
実はこのネコ、普通のネコではなく猫又で。かつて祖父母と暮らしていた時、幼い晴翔と遊んでいた野良猫だったのだ。
こうして猫又と再会した晴翔。するとこの再会をきっかけに、晴翔はもとには次々と不思議な依頼が舞い込むようになる。
そして願いや想いの詰まったぬいぐるみを繕い、人と妖の心に触れていくうちに、止まっていた晴翔の時間も、少しずつ動き始め。
これは人と妖の想いを紡ぐ、小さな工房のやさしい物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 18:00:00
28093文字
会話率:56%
「助けて」――その言葉を、彼女は震える声でつぶやいた。
橘千早は、ずっとひとりで耐えていた。
家族に愛された記憶はなく、日々を生き延びるだけで精一杯だった。
ある日、限界を超えたその心は、衝動的に両親を殺してしまう。
血まみれの手で電話
をかけた先は、たった一人の親友・夏目葉月。
言葉を聞いた葉月は、迷わなかった。
「大丈夫。私が、全部受け止める」
そう言って、千早の手を取り、ふたりは夜の街を逃げ出した。
行くあてもなく、ただ“生きる”ために。
夜行バスに揺られ、知らない街を歩き、身を潜める日々。
そのなかで、千早の心は少しずつ壊れていく。
血の幻覚、夢の中でよみがえるあの日の声。
何度も「もう無理だ」と言いかけた。
それでも、葉月はそばにいた。
怒ってくれて、泣いてくれて、黙って抱きしめてくれた。
罪からは逃れられない。
でも、それでも生きていたいと思った。
誰かと一緒に、生きたいと思った。
これは、「逃げる」ことでしか「生きる」ことができなかった、
ふたりの少女の、長くて、痛くて、それでもやさしい物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-01 09:29:25
492文字
会話率:0%
名前を呼ばれなかった風は、
誰にも気づかれず、空に溶けていくー
山あいの小さな村で、ひとりの少年が倒れていた。
記憶はない。名前もない。自分がどこから来たのかも、わからない。
彼に手を差し伸べたのは、風の音に耳を澄ませる少女・アム。
彼女
は、こう言った。
「風が、きみを“リク”って呼んでたよ」
言葉にならなかった想いが風に宿り、
“誰かの声”にふれたとき、再びめぐる――
これは、風に名前を贈ることが
「ここにいた」という証になる物語。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
静かな物語,
やさしい物語,
名前の意味,
精神世界,
存在の証明,
ノスタルジー,
癒し,
見えないもの,
自然と共に,
優しい死生観,
精霊的存在,
詩的,
最終更新:2025-05-30 21:00:00
4869文字
会話率:28%
夏の終わり、三日間だけやってきた「特別」な子との時間。
最後に渡された、たったひとつの手紙が、すれ違っていた心をそっとつなぎなおす――
これは、誰かの記憶に残るかもしれない、小さなやさしい物語です。
最終更新:2025-05-12 15:14:47
1312文字
会話率:26%
森の中での、動物たちのやさしい物語。
幼い娘を寝かしつける時に、繰り返し語った創作童話です。
旅先で絵本を忘れた時などご利用いただけたら嬉しいです。
最終更新:2022-07-13 09:34:53
1604文字
会話率:49%
幼稚園の年長になってから、ある夢を見るようになった裕也。それは、ちょっと意地悪で人間味のある竜の子どもの夢。その竜は竜斗という同じさくらんぼ組の子と性格が似ている。あまりにも頻繁にその夢を見るから、竜に「竜の助」と名前を付けた。
時に竜
の助とケンカしたり、助けられたりする。これは、そんな夢の中の経験を経て、一人の男の子が精神的に成長するやさしい物語だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-29 09:35:03
6516文字
会話率:30%
ふゆはきらいと少女は言った
一昨年までいっしょに話していた祖母が亡くなった
とても冷えた晩のことだった
*やさしい物語を心掛けましたが、心温まるほのぼのかというと違うのでタグ注意です~*
最終更新:2019-12-26 07:25:46
1630文字
会話率:46%
フルダイブ型のゲームが当たり前になると様々なゲームが開発された。
シューター、対戦格闘、体験型ホラー。だけど、メタリックゲームス株式会社が開発したのは日常シュミレーター「8月32日オンライン」だった。
あるときこのゲームに心が回復する
効果があるという噂が流れる。
そんな中、疲れ果てた元サラリーマンである佐藤慶一は社会復帰への一縷の望みをかけてこのゲームをプレイする。
だが慶一が遭遇したのは自称「魔法少女で中身は汚いおっさん」のプレイヤーだった。
彼女(?)との出会いが慶一の世界を変えていくことになるとはまだ誰も知らなかった。
傷ついた少女と傷ついたダメな大人たちのシニカルだけどやさしい物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-19 01:45:15
71843文字
会話率:34%
恋って、なにかな?
そのちいさな疑問に、ちいさなたぬきが挑み、やさしいきつねがそっと助ける。
これはそんな、ちいさなやさしい物語です。
こちらは、たぬきつねシリーズ第3弾!
↓↓過去作(読んでなくても読めます)
https://ncode
.syosetu.com/s7117e/
>シークレットマンション
>屋根裏暮らしのたぬきつね折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-30 22:16:05
9790文字
会話率:21%
オリーブオイルが大好きなコメデュの日常
やさしい物語
最終更新:2018-11-02 22:33:58
324文字
会話率:0%
世の中にはいわゆる「使えないヤツ」がいる。
人間関係が保てない、子種がない、気が利かない、力がない、仕事が無い……。
生きてて何が楽しいのか、疑問に思う人も居るだろう。
それでも生きてるんだから仕方が無い。
気の合った人間同士の会話には人
生の至福が潜むという。
俺たちのような、使えないヤツでもそれを享受する資格だってあるはずだ。
これは、月が二つ浮かぶ異世界の、素晴らしき酒精と美食と文化と、使えないヤツらの、やさしい物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-06 17:00:00
52670文字
会話率:49%
あなたは「美しさ」の本当の意味を知る。
毎話3分程度で読める、やさしい物語集。
最終更新:2016-08-24 01:53:34
2423文字
会話率:5%
「よし、この学校で学年トップになってやる!!」転校早々の岡田君は,かわいいくせして変人なヤツに出会う。ささやかな恋心がやさしい物語。
最終更新:2007-07-12 00:25:03
10533文字
会話率:63%
愛を求めるヒトじゃない少女と、愛の意味を知らない少年の運命を描いた、やさしい物語。
最終更新:2007-05-14 17:41:06
682文字
会話率:0%