春。高校入学を迎えた澄乃は、制服にまだ慣れないまま、坂道の途中で見慣れた後ろ姿に足を止める。団子を手に、静かに腰掛けていたのは、数年前に紅葉の坂で出会った青年・蒼だった。
数年ぶりの再会に言葉を交わすふたり。けれど蒼は、どこか当たり前のよう
にこの町にいた。
澄乃はふとしたきっかけから、彼に「常夜」という古びた温泉宿でのバイトを紹介される。
それは、止まった時を生きる不老の青年と、変わりゆく季節を歩む少女の、静かな日々の始まりだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 21:17:37
2559文字
会話率:40%
【あらすじ】
——ある日突然、家族が何者かに殺された。
寂れた神祠・八岐神社で孤児として育てられた少女【桜華】は、突如として何もかもを失った。絶望に打ちひしがれた彼女は自害を試みるが、唯一自身と共に生き残った友に止められ、生きて復讐すること
を誓う。喪失によって開いた穴を埋める方法は、仇討ち以外に見つからなかったのだ——。
※1本作は私の過去作「天ノ恋慕」の設定の一部をピックアップ、拡大改変したものです。
※2本作は基本的に一人称視点ですが、場面によって変わることがあります。視点変更の際は、本文中に下記のように表示します。
・◇◇キャラ名◇◇:そのキャラ視点
・◇◇◇:三人称視点
【主要登場人物】
〇桜華(おうか)
十七歳の少女。綺麗な桜色の長い髪を馬尾結で束ねていて、目は透き通った濃い紫色をしている。背丈は五尺四寸強。赤ん坊のころに「高祠之国(こしのくに)」の桜並木の下で拾われ、「八岐(やまた)神社」にて孤児として育った。だがある時、八岐神社は何者かの襲撃を受け、桜華は家族のように思っていた孤児仲間たちを亡くした。それ以来、報復を目標にして生きるようになる。何よりも家族や仲間という存在を大事にするが、その中でも小町に対しては並々ならぬ情を抱いている。好物は豆大福。自称、お淑やかな美少女。
〇小町(こまち)
十七歳の少女。黒曜石のような黒い髪で、長さは肩につかない程度。目は透明感のある淡い青色をしている。背丈は五尺三寸弱。赤ん坊のころに八岐神社の鳥居の前に捨てられており、孤児仲間に加わった。襲撃から生き残り、桜華と共に報復を誓う。小町もまた家族や仲間を大事にする。昔なじみの桜華のことは特別に思っているが、素直な想いを口にすることは滅多にない。好物はみたらし団子。勝ち気な性格でありながら、甘えん坊でもあるという二面性を持つ。
〇大河(たいが)
享年四十歳の男性。黒髪の散切り頭。幼少期を孤児として過ごした経験から、辛い思いをする子供が少しでも減るよう願っていた。自身が宮司を務める寂れた神社、八岐神社に孤児を集めて育てるという活動に生涯を捧げた。優れた剣の腕前を持っていたが、八岐神社襲撃の際は子供を守る責務のために敗北してしまう。愛用していた刀には、とぐろを巻いた蛇の装飾が施されている。時に優しく時に厳しく孤児たちを育てた。
※カクヨムでも連載中
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 19:17:13
477210文字
会話率:60%
プーリンプロティン王国で最も盛大な祭りであるプリン祭り開催まで残り数ヶ月。 王国の中心であるところの王城内では、御歳七歳の王女様がダッシュで第三練兵場に向かっていた。/
プリン王国で起きた、勝手に召喚陣事件の数日後のお話。/
最終更新:2025-06-06 22:00:01
4871文字
会話率:23%
この世界では過去を、歴史を調べてはならない――
十一年前から軟禁されているレイトーマ王国第一王女マナ・フール・レイトーマは嘆く。US2103年以前の歴史を調査する事を禁じられている事を。
そんな中、閉鎖された国・江月からの縁談が届く
。そこは唯一歴史調査を行える国。
マナはその縁談を呑む決意をするのだが、彼女の護衛の片桐緋媛を始めとして様々な過去や秘密を知ってゆく。自身の天命も――。
やがて過去への扉が開かれ、危険に遭いながらも彼女は決意する。「この時代を変える」と――。
だがそれは、禁忌を犯す事であった。
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2019/04/21 23話まで改稿済み。24話作業中。
2019/07/20 あらすじを修正しました!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 21:48:36
631812文字
会話率:42%
おいしいりんごをあげよう。
すっと差し出した真っ赤なりんごが嫌いな白雪姫は、女王様のような態度だった!
このままでは物語が進まない……。
物語を進めようと、七人の小人達が奮闘する!
最終更新:2017-12-14 18:47:46
3312文字
会話率:44%
【現代日本の高校生のボクが、気づいたらおとぎ話の主人公に――しかも設定が毎回バグってる!?】(「小説家になろう」限定!)
桃太郎、浦島太郎、かぐや姫――誰もが知るおとぎ話。
……の、はずだったんだけど。
目が覚めたら、ボクはその“おとぎ
話”の主人公になってて、
しかも設定が毎回どこかおかしい。
いや、バグってるレベルで。
「きび団子じゃなくて、ポイント制って何!?
鬼が起業してるって聞いてないんだけど!?」
現代から無理やり放り込まれたボクは、
性別も見た目もコロコロ変わりながら、
バグだらけの物語を“なぜか”修正させられる羽目に。
やる気ゼロで巻き込まれ体質、
でも優柔不断で断り切れない――そんな“ボク”の
とんでもない「おとぎ話旅」、はじまります……。
1話完結・ゆるギャグ短編集、開幕!
和風×ギャグ×巻き込まれ主人公が好きな人、ぜひ!
※この物語は、和風ファンタジー長編『転生陰陽師は男装少女!?~月影の少女と神々の呪い~(ライト版)』と同じ作者による、ちょっぴりギャグ強めのパロディ短編集です。
長編はシリアス寄りですが、ギャグやドタバタも時々入ります!
長編も気になる方は、ぜひプロフィールからどうぞ!
お気に入り登録や感想もいただけるとうれしいです!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-31 10:10:00
39635文字
会話率:32%
人間冷蔵庫という技術の実用化と、それにまつわるちょっとしたエピソード群。
最終更新:2025-05-25 02:25:44
16411文字
会話率:34%
名前の通り、いつでもお盆の森。
亡くなった愛鳥や愛犬、愛猫が、いつでも飼い主に会いに来れる森。
その森を守っているのが、妖怪、赤目守り。
森に入った人間に、牡丹餅を求める。
「牡丹餅おくれ、ほっぺがおちる牡丹餅おくれ」と言わ
れて、
何も持っていなければ、森が怒り、大樹の影に襲われる。
主人公は、入寮初日に泣きを見る。無謀なルームメイトが、赤い包みから取り出したのは、どろ団子だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-23 23:18:16
3207文字
会話率:45%
名前の通り、いつでもお盆の森。
亡くなった愛鳥や愛犬、愛猫が、いつでも飼い主に会いに来れる森。
その森を守っているのが、妖怪、赤目守り。森に入った人間に、牡丹餅を求める。
「牡丹餅おくれ、ほっぺがおちる牡丹餅おくれ」と言われて、何も
持っていなければ、森が怒り、大樹の影に襲われる。
主人公は、入寮初日に泣きを見る。無謀なルームメイトが、赤い包みから取り出したのは、どろ団子だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-13 20:43:39
104755文字
会話率:36%
この物語は、古くから語り継がれる「桃太郎」の物語を、深遠な人間心理と官能的な探求の視点から再構築した作品である。
登場するのは、この世の全てを偽善と欺瞞と見なし、自己の存在さえ呪いと捉える卑屈な犬。度重なる男たちの裏切りに傷つき、男という存
在そのものを信じられなくなったメスの雉。そして、人間の束縛から逃れ、真の自由を渇望する猿。彼らはそれぞれ、疑念、傷つき、不信という異なる心の闇を抱えて生きている。
そんな彼らの前に現れたのが、一点の曇りもない瞳を持ち、神々しいまでの肉体と純粋さを宿す桃太郎であった。桃太郎の偽りのない微笑みと、素朴な言葉、そして彼自身の存在が放つ抗いがたい官能は、彼ら動物たちの凍てついた心に、これまで感じたことのない衝動と熱情を呼び起こす。
犬は、桃太郎の純粋さに触れることで、自身の長年の疑念に揺さぶりをかけられ、彼こそが「真実」であるという、唯一の光を見出す。雉は、桃太郎の完璧な肉体と揺るぎない魂に、再び男に惹かれる自らの情動に抗えず、甘美な破滅の予感を抱きながらも、彼こそが「最後の幸福」であると確信する。猿は、桃太郎が何の条件もなく差し出すきび団子に、失われた「自由」の象徴を見出し、彼の理想のために己の身を捧げようと決意する。
三者三様の「信じられない」理由と、それに抗うかのように桃太郎へと向けられる「信じたい」という切実な願い。これは、単なる英雄の鬼退治物語ではない。人間の根源的な孤独、裏切りへの恐れ、そしてそれでもなお他者に求めずにはいられない救済の探求を描き出す、深く、そして時に背徳的な魂の旅路である。彼らは、桃太郎という絶対的な存在を通して、自身の内なる葛藤と向き合い、それぞれの「真実」を探すために、鬼ヶ島という未知の場所へと足を踏み入れる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-22 17:24:25
31380文字
会話率:19%
地球で人々、いや全ての存在が、死んだ。
これは、地球上に存在する全てが死ぬに至った経緯と、特別になろうとする大学三年生の少年・佐原泰樹が地球を破壊しようとする謎多き少女と出会い、彼女の狂気とも言えるその行動を止めようとする、新感覚地球破壊型
恋愛物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-22 16:11:56
121744文字
会話率:38%
五月、高校二年生の田宮芯人は人の願いを歪に叶える存在である『奇怪』に出会った。そしてなんやかんやあって『奇怪』と仲良くなった芯人は『奇怪』と共に悩める少年少女達と関わっていく話。青春というほど爽やかでもない話。
最終更新:2025-03-29 16:07:37
94162文字
会話率:42%
実力不足を理由に冒険者パーティーから追放された主人公のレメトは、一人で迷宮に挑む。しかし、現実は甘くなく、実力不足と仲間の必要性を痛感し、別な冒険者パーティーへ加入することに。
新たな仲間を得て、次々と迷宮の攻略を進めていく先で待っている運
命とは……。
剣と魔法と迷宮を舞台に主人公の苦悩と成長を描く異世界ファンタジー。
※GWの間(4/26~5/4)に作品を作って投稿しようという思い付きで走り出したので、誤字脱字や単語の誤用、推敲や校正が不十分な点がありますが、それも含めてお楽しみいただければと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-06 20:00:00
33415文字
会話率:41%
5歳の私は世界初のプロ泥団子職人をめざす。
10歳の私は第三の目と右手に闇の力を封印されていたことに気付き、悪の組織と戦い世界を救うことに人生を費やすことを決める
そして
15歳の私はロックスターになると決めた
ロックスターを目指
す少女とそのファンの少年の物語折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-05 21:37:42
6439文字
会話率:45%
前回までのあらすじ。
団子頭がトレードマーク。
大学生の飯治(いいはる)小春(こはる)は、不慮の事故で異世界に転移してしまった!
魔族の国を彷徨う彼女は、危うく奴隷商人に売り飛ばされそうになりながらも、持ち前の機転と度胸で危機を脱
し、逆に商会を乗っ取ってしまった。
裏稼業で名をあげる小春──広く名前が知られるようになった彼女の前に現れたのは、魔族を統べる王──魔王インディゴであった。
果たして、小春の運命や如何に──新本格青春エンタここに開幕!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 04:00:00
70354文字
会話率:63%
時は正徳四年十月二日――江戸・八重洲の片隅にある茶屋「風見庵」。
かつてこの店には、ひとりの浪人が度々姿を見せていた。
雨に濡れた蓑を払いながら、桂木新之助は久方ぶりにその暖簾をくぐる。
女将・お艶との再会。
静かに差し出されるみたらし団子
と湯気の立つ茶――
その茶碗の中で、運命を示す茶柱が立っていた。
忘れたい過去、取り戻せぬ誇り。
しかし、この町には、未だ消えぬ幕府の影が漂っている。
茶屋の灯りが揺れる中、新之助とお艶の再会は、やがてこの町の裏に潜むある秘密へとつながっていく――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 16:24:34
7524文字
会話率:14%
友達ができないことが悩みの女子中学生・鈴夏がある日眠ると、眺めの良い夏の田舎へと辿り着く。
そこで出会った少年・寝子丸と、のんびりとした時間を過ごしていくにつれ、鈴夏の悩みは時期に消えてゆく……。
最終更新:2025-04-13 19:08:08
41650文字
会話率:28%
この街にはどんな依頼でもこなすと言われている探偵がいた。その名は「黒崎 摩耶」。
次は一体どんな依頼が舞い込むのか……そんなことを考えるはずもなく、今日も彼女はスナック菓子へと手を伸ばす。
最終更新:2025-04-12 18:10:28
38582文字
会話率:40%
32歳、重度のネットゲーマーでアニオタの運野小太郎は、ある日突然とても情けない死に方をしてしまう。
神様によって精霊に転生させられた小太郎。その最初の形は泥団子だった———
土精霊として頑張る主人公。でも意に反して、形はどんどんアレなモ
ノに進化していってしまう。しかしネトゲで動じぬ心を鍛えられた主人公は、全てを受け入れてクールに無双していく。
これは長い時を生きる主人公の成長と、異世界の人々との交流を描いた、バカバカしくも心温まるバトルファンタジーのお話です。
ギャグ多めで真面目に不真面目。
そして非常にネットミーム(しかも昔ながらの)が多いです。気になる言葉が出てきたら調べてみると楽しいかもです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 09:19:12
262194文字
会話率:35%
桜の季節に思い浮かべる梶井基次郎に坂口安吾を台無しにした感じのホラー。
桜の美しいこの季節、怪しい女と出会った僕の話。
最終更新:2025-04-05 00:09:56
1679文字
会話率:43%
普通の高校生、高橋悟はつまらない日常を送っていたが、ある日、術式探偵と名乗る灰崎紫音と出会い、怪奇現象・心霊騒動などに直面していく。
キーワード:
最終更新:2025-04-02 07:25:54
6065文字
会話率:48%
人は死ぬと魂の行く先は二つに別れるという
一つは潔く神様に魂を返す者
それを人は仏(ほとけ)と呼んだ。
一つは醜く魂を現世に縛り悪意に染まり
化け物になってしまう者
それを人は骸(むくろ)と呼んだ
だが稀に第3の例が現れる
それは骸に変わる
寸前に人の姿を留め
生き返る者。それを人は屍人(かばねびと)と呼んだ。
屍人の青年(シンク)と刑事(獅子神)のバディバトル!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-29 13:11:30
90455文字
会話率:94%
こちら「いでっち51号」さん主宰、「わがままなザッハトルテ」の二次創作小説の参加作品になります。
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登場人物
幸美/サチ……メンヘラ少女。幼なじみの男子にもてあそばれる。
朔(さく)……少年。サチの幼なじ
みで、同じ幼なじみの少女と綾世と結婚する。
綾世……少女。朔と結婚する。
兄……幸美の兄で刑事。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 23:35:12
9694文字
会話率:49%