「――春もたけなわですね」
と、あたしは地面に横たわったまま、かたつむりが這うくらいの、のんびりした気分で言った。
新学期が始まったばかりの、高校の屋上。あたし(千瀬凛)と先輩(志坂律子)は詩を作るため、放課後の屋上にいた。あたしたち
は、たった二人の文芸部なのだ。
そこであたしは、学校の壁に書かれた詩のことを話題にする。誰が、いつ書いたのかもわからないその詩は、文芸部の仕業だと目されているのだった。あくまで無関心な先輩を誘って、あたしたちはその犯人探しへとのりだす。
ちょっとした好奇心だったはずの、その探偵ごっこは、やがて一つの真実にたどりつくのだった。先輩についてのある秘密を巡る、一つの真実に――
これは、四つの物語。
詩人にも、何にもなれないあたしが、それでも何かになるための。
(21/3/24~21/6/17)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-02 09:28:05
172997文字
会話率:39%
D大学ミステリ研究会は、思わぬ出会いから孤島の邸宅に招待されることになった。そこは古代ギリシャの時代に染められた異色の島であり、ギリシャ神話に登場するオリュンポスの神々の神像が列せられた奇怪な邸宅だった。ミステリ小説の定石を踏むように主人は
行方不明に。果てには豪雨と颶風に閉ざされた孤島で、ギリシャ神話に擬えた死体が姿を見せる。残虐性に塗れた犯人は誰なのか。その糸口は、そして真相は――。
定番のクローズド・サークル、絶海の孤島、見立て殺人、凶器のアリバイ。読者への挑戦状を載せたロジック系「犯人当て」第二弾。
この作品はカクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-25 20:10:02
90735文字
会話率:44%
館内にいる全員を呼び集め、探偵が自らの推理を披露しようとしたそのとき、館の管理人である犯川人志が「私が犯人です」と言った。そして始まる犯人の自白、その後の惨劇の果てに――!?
フーダニット、ホワイダニット、ハウダニット――すべてが適当な
ミステリーふうな何か。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-16 14:08:00
1634文字
会話率:64%
警視庁捜査一課に所属の鴇和田-ときわだ-は、久々に取れた休暇を使い、自由きままな一人旅をしていた。
移動中の新幹線は夏休みだからか、ほぼ満席状態。自由席を購入したことに少し後悔しながら空席を探していると、三つ並んだ席の真ん中が空いているのを
見つける。
空いているかどうか、イヤホンを付けて読書をしている手前の女性に声をかけるのだった。
やがて、女性は鴇和田に、かつて友人が成し遂げたという完全犯罪を語り出すのだが、その犯罪とは殺人であった……
鴇和田は降車するまでの短い時間で、完全犯罪のトリックを見破ることはできるのか?
※本作は、対話体小説です。地の文は一切ありませんので、ご了承を。
※前編後編を事件編真相編、として公開しております。順にお読みになることを強くおすすめします。
※縦組み表示推奨
この作品は「カクヨム」でも、掲載をしています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-25 09:07:07
15000文字
会話率:100%
これは「あなた」への挑戦状。読者は必ず問題編を読み返す。
【読者への挑戦状あり】
この物語は「あなた」に語りかける心の舞台。三人の視点から織りなす邪の偽書。
さあ、ここにひとつの死が転がっています。「彼」はこれからあなたに一つの問を投
げかけます。それはフーダニットでもハウダニットでもホワイダニットでもない挑戦状。あなたが知るべきことは唯一つ。死者は舞台となるとある庭園の主。
あなたの「知恵」は既に、この物語の答を「知って」いるのです。
この作品はカクヨムにも掲載しています。
邪の偽書 - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054887361908 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-08 20:00:00
12253文字
会話率:47%
謎の言葉を残し、瀬戸藍児は大学を去った。それから半年経ったクリスマス・イヴ。緋村奈生と若庭葉の二人は、ある人物と謁見すべく、絶海の孤島に建つ館──“流浪園”を訪れる。図らずも、亡き当主の遺言を公開する場に立ち会うこととなった彼らは、そこで
奇妙なお告げを聞かされ……。直後、その内容をなぞるかの如く、「幻獣の骸」が出現した!
剥製、標本、美術品、古武器、錬金術、託宣、迷宮──博物学的趣味の横溢する「珍奇の園」で、想像を絶する悪意が胎動する。見立て殺人の謎に挑む、シリーズ第二長編。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-31 09:14:16
363771文字
会話率:45%
暗証番号と専用の鍵により厳重に管理されていた次村家の金庫から、保管されていた現金が盗み出された。友人から事件の話を聞かされた若庭は、例により協力を拒否した緋村に代わり、捜査に乗り出す。果たして、犯人はどのような方法で、この「堅牢な金庫」を突
破したのか。モラトリアム・ミステリシリーズ短編第四弾。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-03 19:31:02
36263文字
会話率:49%
美しい自然に囲まれた、自由恋愛の国、リバサイド王国。そこに伝わる二人のお話。
最終更新:2020-12-22 00:00:00
13463文字
会話率:64%
バレンタインの日、とある高校で男子生徒が監禁された。チョコを食わせたいクラスメートの女子によって。
用意された証人は、なんと被害者である男子高校生の「感覚」達だった。彼の視覚や聴覚あげく第六感までもが、それぞれが見聞きしたことを証言する!
擬人化された五感+第六感の証言が謎を解く鍵という、おそらくミステリ史上初の構成に加え、熱い読者煽り。貴方の探偵心をくすぐること間違いなしの「解答当てミステリ」ここに誕生。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-14 08:00:00
9513文字
会話率:15%
資産家平藤正次郎の腹違いの子ども5人は,正次郎の遺言に基づき,正次郎が建てた「潜水館」という館に集められた。
この館には午後9時になると,広間全体が水で満たされるという特殊な仕掛けが施されており,広間が水で満たされることによって,5人
のいる客室は密室となる。
水が作り出した密室で起きる連続殺人。
作者が初めてHOW DONE IT(ハウダニット)に力を注いだクローズドサークルミステリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-25 02:19:10
29097文字
会話率:30%
迷信を駆逐し、科学を啓蒙せよ。
女王の勅令に基づき、自然哲学を学ぶ大学生のカミルは、博物学者のワーズワースとともに、怪現象の調査のため辺境伯領アルデラを訪れる。
二人を迎える晩餐会で語られる奇妙な噂話。しかし、その最中に事件が起こる。死か
ら蘇った聖職者は都市を席巻し、魔女の恐怖が村を襲う。戦災を免れた辺境に溢れる怪現象には、貴族も司教も手に負えない謎が潜んでいた。
「何か隠している」
「何をですか?」
「それが会話だけで分かれば、私だって学者なんてやっていないさ」
科学知識と推理そして巧みな話術を頼りに調査を行う彼らは、怪現象を解き明かし《迷信狩り》を成功に導くため奔走する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-01 20:13:45
439673文字
会話率:43%
昭和二十一年、京橋の探偵事務所に奇妙な依頼が舞い込んだ。それは詳細な依頼内容が伏せられた状態で、まずは太平洋上にある首飾り島への来島を望むというものだった。
首飾り島は、島の形状からその名がついたとされるが、その島には密かに囁かれるも
う一つ別の呼び名があった。それが首狩り島である。
島を訪れた金田一探偵事務所の三人が、依頼主である島の女王と対面した時、その依頼に行き違いがあったことが判明する。
その行き違いとは、探偵の名前によって依頼先を間違えるというものだった。依頼主は名探偵・金田一耕助に依頼したつもりだったが、島を訪れているのは、姓は同じ金田一でも、名は敬助といい、まったくの別人であった。
しかし依頼主は、敬助に本物の金田一耕助の振りをしてもらうことを条件に、改めて依頼するのだった。
※本作は二次創作ではないので、金田一耕助、並びに横溝正史作品の登場人物は一切登場いたしません。すべてのキャラクター、及び作品舞台、ストーリー等は筆者のオリジナルとなっております。
※メイン・トリックを成立させるために、技法としてのパスティーシュ(模倣)を作品に取り入れています。
※著作権の侵害、及びサイトの規約違反が認められた場合、予告なしに投稿作品を削除しますので、ご了承ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-31 22:00:00
186078文字
会話率:45%
あるクイズ番組で、元ピアニストが脅威の二週連続全問正解を成し遂げた。
そのピアニストは、多額の借金を背負っていたため、何かしらの不正が行われているのでは? と疑いがかかり……。
最終更新:2019-04-15 18:00:00
3991文字
会話率:76%
クリスマスを間近に控えたイベント会場で、フライドチキン販売店の社員が他殺体で発見された。手で首を絞められたことによる扼殺(やくさつ)が死因だった。死体の周囲には凶器となり得るものが多数あったにも関わらず、扼殺という殺害手段が取られたことに
、素人探偵の安堂理真(あんどうりま)は疑念を憶え……。
「カクヨム」にも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-14 20:00:00
52386文字
会話率:66%
縁あって知己となった、楠谷タスクと澤ノ倉クナリ。
二人は妖狐伝説を追って訪れたY県の山中で道に迷い、ある山荘にたどりつく。
その夜、山荘で起きた殺人事件。
ミステリファンである二人の小説書きは、「足跡なき雪中の殺人」の謎を解き明かせるのか…
…!
※この作品はフィクションであり、登場する楠谷タスクと澤ノ倉クナリは架空の楠谷タスクと澤ノ倉クナリのため、実在する楠谷タスクと澤ノ倉クナリには一切関係ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-12 14:49:18
29103文字
会話率:46%
ADHD殺人事件、問題編。
Twitterでの掲載あり
最終更新:2019-01-02 23:28:29
5396文字
会話率:64%
ある日、私こと『朝田奈央』は殺人を企てる。計画は成功し、上手く事故に見せかけたかに思ったが、そんな私の前に、とある刑事が立ちふさがった。果たして私は逃げ切ることができるのだろうか。
最終更新:2018-06-10 21:00:00
28137文字
会話率:57%
ある日起こった殺人事件。町中で天才と呼ばれた少女、岡崎詩織の死は、不良と名高い少年、坂井智弘の自首で幕を閉じたかに思えた。けれど、その後、被害者自身の手によってアリバイが証明される。一体だれが犯人でなぜ少女は殺されたのか。幼馴染の少女、松
崎恵理子、刑事の竹内時康、青木瑞希、そして坂井智弘。四人はそれぞれの思いを胸に、思い思いの行動をとる。そうして、すべてが絡み合う時、あなたはあまりにも残酷な真実を知ることになる。
この作品は、前作『十六夜の秘め事』のセルフリメイクです。トリック等は変更はありませんが、キャラクターやエピソードを追加して読み応えのある内容になっているので、ぜひ読んでもらえると嬉しいです。毎日20時更新予定、手元で完結させているので、エタることはないのでご安心ください。それから、漢字の読み方は『いざよいにいざなわれ』です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-31 20:00:00
90040文字
会話率:53%
ある日、不良と名高い少年が人を殺したと自首をする。その供述通り少女の遺体が発見される。街中で天才と呼ばれた少女の死。しかし、少年には鉄壁のアリバイがあった……。それも、被害者自身によって証明されたアリバイが。同一時刻に別の場所で殺された被
害者。これは不可能犯罪なのか。そして果たして少年は犯人なのか。だとすればその動機はいったい何なのか。それとも真犯人は別にいるのか。あるいはこれはそもそも事件なのか。
全ての謎が解き明かされたとき、あなたは十六夜に消えた真実を知ることとなる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-19 06:00:00
14231文字
会話率:46%
普通の高校一年生の生野亨はある日、友人の浅倉剣也と共に不可思議な事態に遭遇する。頭を悩ませる二人だったが、眠って事件を推理できるというクラスメイトの白本由姫がその謎を解決してくれる。その日から亨は様々な謎に見舞われ、由姫や仲間たちと共に奮闘
する学園青春日常ミステリ。
※カクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-03 21:00:00
369786文字
会話率:57%
無門学園中等部の『ヤス』は、復讐のため完璧なトリックに基づいた殺害計画を立てる。
それは『自分が犯人とわかっていても解けない殺人』。
ヤスは恨みを晴らすべく、能う限り遊戯的に殺人を行おうと謀っていた。そして殺害予告状を送りつけ、探偵であ
る『ひねり』に真っ向から挑戦する。
真相を暴こうとあがくひねりの目の前で、あざ笑うように殺害計画を遂行するヤス――。
不可能犯罪に翻弄され、惨劇を止める術も持たぬひねりに、果たして『実行不可能な殺人』の謎は解けるのか……。
★注意★
【冒頭の章『XX 闇の中の私刑』に殺人の具体的描写がありますので、残酷な描写が苦手な方はその章を飛ばして下さい】
■読者への宣誓
『ひねり』は、形式はライトノベルですが、内容は本格推理物に準じております。
1.『謎とトリックの提示』
2.『犯人および犯行方法当て』
3.『読者の推理で事前に解明が可能』
以上の約束事は、いずれにおいても堅く守っております。
ご自身、または名探偵スフィーの推理を玩味して頂けたならさいわいです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-06 22:20:02
17138文字
会話率:47%
自殺が相次ぐ人口1000人にも満たないこの御守村で、いったい何が起こっているのか……。
そうした村の謎を解くために、3人のエセ探偵が立ち向かう……。
――可我見の求道者・羽槻道育(はねつきみちやす)
その失われた記憶と、失われた時間の謎を
解き明かそうと奮起する少年。
自分の脳髄だけで堂々巡りするやいなや、退屈きわまる日常に泣き寝入り。犯行(ハウダニット)探偵
――停滞する小法師・蒲生春秋(がもうはるあき)
戯れ言には興味を示さず、名ばかりの読書に現実逃避を求める物憂い人物。
過去も未来も求めず現在のみ見つめるという、達観した自分を諦観する彼はその無念を抱えている。動機(ホワイダニット)探偵
――おどけた与太郎・福洗二双(ふくあらいにそう)
合理的な性格に相対する楽観的な思考能力を、蒲生の論理でおぎなう体裁を取る怠け者。
退屈な日々を取り戻そうと事を荒だてる彼は、矢も楯も堪らぬ毎日とは裏腹に角が立つのをやっかむ。犯人(フーダニット)探偵
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-12 20:03:20
79467文字
会話率:50%
かつての美貌を失った女は全ての鏡をなくすことを望んだ。
男はそれを受け入れ、鏡のない家を作り上げた。
だが女は死んだ。それは鏡によるものなのか。
お気楽ニートの半ひきこもり青年が探偵役を勤めるミステリです。
解明部分まで書いてあります。読
者への挑戦状つき。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-25 19:06:51
12757文字
会話率:51%
面接試験も終わりいよいよ最終試験。その内容は要人の暗殺だった。
要人の周りには動く壁SPが囲んでいる。江角千穂はどうやって要人を暗殺するのか。最終試験いよいよ開始。
最終更新:2012-09-17 08:13:51
1356文字
会話率:43%
ゲームが欲しい、と謎事(めいじ)は思った。それを知ったメイが、なら放課後、古本屋に寄道しようと提案した。メイによると、学園近くにあるその古本屋には、中古ゲームも売っているらしい。しかし古本屋に立ち寄ってみると、そこで事件と遭遇した。どうや
ら中古ゲームコーナーから、ゲームの「箱」だけが盗まれたらしい。犯人の目的は? そして、限りなく証拠が無い中で、犯人を追い詰める方法は? ※私が運営している個人サイトで公開済みのものを、加筆修正して投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-02-08 18:00:00
18703文字
会話率:51%