主人公の時松愛音(ときまつあいね)は高校一年生の夏休み前に部活を辞めた。愛音が入学した百合蘭高等学院は吹奏楽部強豪校。愛音は自身のトランペットの実力を過信して百合蘭吹部に入ったものの、周りとのレベルの違いに劣等感を感じ、挫折してしまった
のだ。
トランペットを封印した愛音がつまらない毎日を送っている時に現れたのが、ジャズ研究会の部長、二ツ森奏真(ふたつもりそうま)だった。
毎日18時更新。
カクヨムにも掲載中。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 18:00:00
51224文字
会話率:41%
商店街の一角、少し奥まった路地にある小さなカフェ── Café Lueur(リュール)。
名前の通り、「ほのかな光」に照らされたようなその店は、
通りすがりには気づかれにくいが、どこか足を止めたくなる不思議な空気をまとっている。
古い建物
を改装した店内には、カップとスプーンの音、低く流れるジャズ、誰かのささやかな話し声。
騒がしくはないが、完全な沈黙でもない。
ちょうど良い温度で、誰かの記憶や、まだ名前のない感情を受けとめてくれる。
そんな場所に、ある年の冬、一人の男が通いはじめた。
黙ってコーヒーを飲み、なにかを見て、なにかを考えている。
誰にも話しかけず、誰とも交わらず──けれど、その沈黙には、言葉以上の“視線”があった。
カウンターの奥から、その背を見つめる青年がいた。
ふたりは、名前より先に、“見る”という感覚でつながっていく。
季節がめぐるごとに、人々の心の奥にあるものが浮かびあがる。
それは時に、誰かの視線の話であり、誰かの消えた心の話でもある。
なかには、血と記憶の交錯する事件や、古い家に残された謎めいたしきたりさえ──
そんな“影”のひとつひとつに、ふたりは寄り添い、そっと踏み込んでいく。
けれど、すべての始まりと終わりには、いつもこのカフェがある。
ブレンドコーヒーの香りと、ひとときの沈黙と、まだ言葉にならない想いを乗せて──
やがて、見つめた先に残るものは、消えかけた火ではなく、誰かのための灯であるように。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-07-16 07:00:00
55060文字
会話率:29%
潮鳴り、そして空白
記憶の空白を抱えた青年アオは、あてもなく海辺の町、潮鳴町へとたどり着く。夜明け前の静寂に包まれた町で、彼が偶然見つけたのは、ひっそりと佇むジャズ喫茶「ハーモニー・ストローク」だった。
店内でアオを迎え入れたのは、静かで謎
めいた店主のミコ。ジャズに縁がなかったはずのアオだが、店に流れるマイルス・デイヴィスのクールな音色は、彼の心深くに響き、どこか懐かしい感覚を呼び起こす。
その夜、アオは奇妙な夢を見る。白い砂浜を歩く彼の頭上には、嘲笑うかのように鳴くカモメ。そして、心臓に直接響くような不穏な和音──「真夜中のコード」がこだまする。夢と現実の境界が曖昧になり始める中、アオの潮鳴町での日々が静かに幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 00:36:14
2007文字
会話率:27%
1920年代、アメリカ。
禁酒法、ジャズ、拝金主義、ギャングの台頭で世の中は乱れ切って、狂騒の20年代――ロアーリング・トゥエンティーズと呼ばれていた時代。
片田舎でジプシー・サーカス団がならず者の襲撃を受けて、サーカスは一人の少年を
除いて全滅する。
家族同然だったサーカスを守るはずだった〈守り手〉の少年ジャンは謎の男ファウストと少女エリスに助けられ、復讐のために武器を取る……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 07:10:00
67095文字
会話率:37%
故郷のフランスを離れ日本で活躍する白咲 陽は、フランス人の血を色濃く残した美貌と卓越した演奏技術、そしてその柔らかく研ぎ澄まされた感性で、若き天才ジャズバイオリニストとして名高く、私生活においても、美しい年上の恋人と結婚の話しも出ている。
人生は正に順風満帆であった。
けれど彼にはたったひとつ、思うようにいかない事があった。
それは居候として陽の家に棲みつくひとりの男の存在である。気難しく奔放で傲慢なその男、眞鍋 聖月は、フランスに住んでいた幼い頃からの謂わば幼馴染でありながら、陽とは全くと言っていいほど気が合わない。だが、聖月には陽すらも圧倒する程の才能があった。まるで音楽の神に愛されたかのような、才能が。
音楽を愛し、音楽に愛され、互いの才能を認め求め合いながらもぶつかり合う二人の男の物語────。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 12:22:15
72788文字
会話率:36%
ひょんなことからバーでジャズピアノを弾くことになった「僕」が、さまざまな人生模様とすれ違う群像劇
最終更新:2025-06-17 00:00:00
50151文字
会話率:52%
──プログラム外の記憶シリーズ、続編。
アニマヒューマノイドを治した精神科医……ジャズと名乗るアニマヒューマノイドの言葉は、マコがひっそりと行った活動の一端が、人知れず広まっていることを示唆していた。
診察を進める中で、ジャズが働
くアミューズメント施設「ファンタイムプレックス」での異変、そして彼が目撃した「不審者」の存在が浮かび上がる。警備スタッフの騒ぎ、そして施設のイメージにそぐわない謎の男──その銀髪の人物が振り返った一瞬、マコは息を呑む。拡大された映像に映し出されたエメラルドグリーンの瞳は、マコの記憶の書庫に保管されていた一つの名を呼び覚ました。
再び動き出す運命の歯車が、マコを新たな謎と対峙させる。ジャズの抱える症状は、単なるバグなのか、それとも──?
物語は今、再起動する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 12:00:00
43742文字
会話率:56%
霧深き都市、レンブラ。そこは、光と影が極端に分かれた、敗戦国家アルドリア共和国の首都。輝かしい光の街「クレストリア」と、忘れられた者たちが沈む闇の街「ダスクウォード」。
ダスクウォードの片隅で、ジャズの流れるバー『Stray Cat』を営む
寡黙な男、ノクト。しかし、彼にはもう一つの顔があった。法で裁けぬ悪を狩り、決して光の当たることのない闇へと葬り去る非情な“掃除屋”。かつて大陸を揺るがした「灰の戦争」で心に深い傷を負った彼は、過去を捨て、ただ静かに夜の街で息を潜めていた。
そんな彼の日常は、一人の少女の訪問によって終わりを告げる。
「兄を探してください」
ジャーナリストの兄が失踪したと語る少女、リナ。最初は冷たく突き放すノクトだったが、事件の背後にダスクウォードで急速に勢力を伸ばす暴力組織「鉄槌党」の影と、彼が最も憎むべき悪の匂いを嗅ぎ取り、やがて重い腰を上げる。
失踪した兄が遺した一枚のメモ。それは、単なる人探しの依頼を、国家転覆を目論む巨大な陰謀へと変貌させる。東の超大国「ウロボロス連合」と、亡国「ゾル帝国」の残党が手を組み、共和国の記念式典を狙った大規模テロを計画していたのだ。
陰謀の核心に近づいた矢先、ノクトの目の前でリナが敵の手に落ち、誘拐されてしまう。これまで孤独な「仕事」として悪を裁いてきた彼の心に、守れなかったことへの自責の念と、烈火の如き個人的な怒りが初めて灯った。
国家を揺るがすテロ計画と、囚われた一人の少女。
巨大な陰謀の渦の中心で、ノクトの戦いは、共和国を救うための戦いと、リナを取り戻すための私闘という、二つの貌を持つことになる。
霧深きレンブラの夜を舞台に、孤独なダークヒーローの、硝煙と哀しみに満ちた闘いが、今、始まる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-12 23:30:33
13340文字
会話率:23%
神戸で活動するガールズバンドの物語。
主人公は女子高生の春香。
ある日バンドメンバーが失踪したことから騒動が始まります。
名探偵(自称)も出てきます。
1話あたり1000字〜2000字。
青春 × 音楽 × コメディ × ファンタジーなガー
ルズストーリー。
『ぶるがる』をよろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-05 19:19:17
66360文字
会話率:38%
この物語は、心が男のまま女体化した男子が闇に堕ちたときに変身する『ガーネットプリンス』と、心が女性の女体化した男子が乙女覚醒したときに変身する『コバルトプリンセス』の対比を中心に展開する。
シャープは、女の子になって百合百合した生活を送り
たい願望を抱き、悪の組織の研究所に潜入して魔法の薬を盗み出し、自ら心が男のまま女体化する。一方、女の心を持つラルゴは、幼馴染のフォルテと体が入れ替わり、心が乙女として覚醒していく。
シャープは、トイレやお風呂、生理、メイクといった女性ならではの初体験に大胆に挑み、ラルゴはお淑やかにそれらを乗り越えていく。二人は友情を築いてきたが、ラルゴが徐々に女性社会に受け入れられていく一方で、シャープは孤独感を募らせていく。
悪の組織が女体化男子を生み出そうとしている理由は、男の心を持った女体化男子が闇に引き込まれやすく、強力な戦争兵器として覚醒するからだ。組織は大量の女体化男子を戦場に送り込み、戦争の形を変えようとしていた。彼らは、男を女体化させ、心を壊す研究に情熱を注いでいた。
闇に堕ち、破壊活動を繰り返すシャープ。ラルゴは彼の魂を救うため、サックスを手に取り、音楽魔法で彼に語りかける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 20:46:08
141671文字
会話率:43%
ケーンはモダン・ジャズの帝王、マイルス・デイヴィスが好きなのに、なぜかハードでロックな毎日を送っている。
#重複投稿
最終更新:2025-05-30 17:11:15
11673文字
会話率:46%
メインCPとあらすじ:クラシックピアニスト×ジャズピアニスト。ニューヨークのある夜、ピアニストの寅海(つつみ)は公演を控えた会場に向かう途中で、何者かに追われる謎の青年サヤトを拾う。開演まで彼を匿う交流の中、寅海は自分がこの町で、ある一人の
ジャズピアニストを探し続けているのだとサヤトに明かす。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-28 09:37:18
15812文字
会話率:45%
時は第一次世界大戦、電気よりも蒸気が発展した世界で、蒸気機関と人体を合成された少女たちの苦悩を書きます
最終更新:2025-05-26 21:53:12
2234文字
会話率:53%
幼い頃から音楽に触れていたが、段々ピアノが嫌いになっていった。合唱や吹奏楽、ジャズ、西洋音楽色々な音に触れ自分の好きな音、リズムに目覚める。大人になってピアノを弾き始め、音の新しい魅力に目覚めていく。
キーワード:
最終更新:2025-05-19 08:57:31
5900文字
会話率:24%
──この店は、まだ名前を知らない「物語」のためにある。
どこにあるのか、誰が開いているのか、誰も知らない。
それでもふとした夜、心に雨が降ったとき、人はなぜかこの店にたどり着いてしまう。
小路の奥、薄明かりの看板。その上には、一匹の黒猫
が静かに座っている。
扉を開ければ、古びた木の床と、ジャズのレコード。そして、無口なマスターが出迎えてくれる。
名前も、年齢も、性別すらもわからない。けれどその声は、なぜか、ずっと昔に聞いたようなぬくもりがある。
──この喫茶店「月夜ノ猫亭」は、誰かの心が迷ったときだけ、姿を現す。
訪れる人々は、皆、何かを抱えている。
過去の痛み、未来への不安、言えなかった言葉、消えてしまった夢。
だがここでは、猫たちが静かに寄り添い、マスターがひと匙の言葉を差し出してくれる。
一杯のコーヒーの香りと、記憶をそっと撫でる猫のまばたき──
そして、帰り際にポケットの中にそっと残された“なにか”が、彼らの物語に続きを与える。
これは、“誰かの人生の一夜”にだけ灯る、静かな灯りの物語。
すべての回は独立した短編として読めるが、やがて店の秘密やマスターの正体が、少しずつ明かされていく。
読んだあと、心のどこかに、そっと温かい余白が残る──
そんな物語を、あなたに。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-17 07:00:00
10618文字
会話率:22%
壁は深い藍色。扉は古びた黒い木製で、
その取っ手には真鍮の鈍い光が宿っている。
小さな灯りが、まるで心の中だけを照らすように、静かに揺れている。
扉を開けると、そこは別の時間が流れる場所──「The Tale’s End」。
カウンター
だけの小さなBar。
音楽はレコードのジャズ。時間を告げる時計はなく、
ただ静かに揺れる振り子だけが、店内にかすかなリズムを与えている。
バーカウンターの向こうに立つのは、穏やかな瞳をした“マスター”。
名前は明かされないが、訪れる者の心をすっと読み取るかのように、ぴたりと寄り添う一杯を差し出してくる。
その酒は、不思議と懐かしく、そして少し切ない。
あなたが抱えてきた感情を、まるで味にしてグラスに溶かし込んだような…そんな一杯。
そして、グラスの縁が空気を切り、余韻が舌に残る頃──
いつのまにか、あなたは語り始めている。
誰にも話せなかったこと。
自分でもうまく言葉にできなかったこと。
忘れたふりをしてきた、大切なこと。
一言、一文、そのすべてが物語となり、
バーカウンターの奥に並ぶ背表紙のない本の一冊に、
まるで筆が自然と走るように記されていく。
文字は淡く光り、ページはほんのりと温かさを帯びる。
語り終えたとき、本の背にあなたの名が刻まれ、
それは静かに棚へと納められる。
そうしてあなたは席を立ち、
「The Tale’s End」をあとにする。
振り返れば、扉はもう、なかったかのように夜の闇へ溶けている。
けれど、その夜に語った物語は、確かにこの世に残る。
記憶に形を与え、心に灯りをともす、ささやかでかけがえのない一冊として。
「The Tale’s End」──それは、感情の果てにだけ現れる、語りと記憶のBar。
あなたが語る物語が、今夜もまた一冊の本になる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 17:30:00
35083文字
会話率:20%
大学生になったばかりの渋屋蓮は「ジャズ研究部」なる部活の門をたた…いてないのに入部させられ?!?!青春?キャンパスライフ?ナニソレオイシイノ?彼の大学生活はいったいどうなるのか!
最終更新:2025-04-20 13:07:18
1568文字
会話率:73%
とある星物語の過去編になります。
本作はメロウと楊の出逢い、そして維千の出生についての物語です。
本編よりもゆっくりゆーっくり更新していきます。
走り書きで申し訳ありませんが、箸休めにどうぞ。
最終更新:2025-04-12 23:24:12
14900文字
会話率:61%
純文学と大衆文学。浪漫主義と自然主義。クラシックとジャズ。何方もその分野に足を踏み入れてない輩からしたら、大きなカテゴリに分けれる範囲である。
だが間近で見ると随分違う。
ティーカップとコーヒーカップって、同じカップだけど、近くで見ると全
然違うんだよね。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
イタリアンとフレンチ、どっちも美食ですが、間近で見ると全く違う。
違いはうどんと蕎麦ぐらい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 18:08:20
1476文字
会話率:43%
薄暗い部屋の中を満月だけが覗く。
七夜によって行われる行為を知っているのは、私達と夜空に浮かぶ月だけ。
けれども其れも今日で終わり。
また、会えるから。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注
意事項2
夜眠る時、考えるのは同じ事なんです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-05 19:03:29
797文字
会話率:44%
狂った自立神経の調律を一週間掛けて行った。
今まで好きだったものが楽しめる様にも、新天地に向かう気力も出てきた。
だから今日は、別の喫茶店を訪れることにした。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
幻想奇譚、番外編です。渡の友達だと思います。
ゆっくりし過ぎたなぁと、思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 12:31:00
764文字
会話率:9%
カフェ、灯珈《とうか》は裏通りの路地を入ったところにある。冬の朝には、身も心も冷え切った男を温かく迎えた。カフェには様々な人々が訪れ、去っていく。そんな店のカフェラテには、独特のラテアートが施され、ジャズの音色と共に別世界のような癒しをもた
らす。「神の実」と呼ばれる伝説のコーヒーがあるという噂があり、そこには、人間ばかりでなく ───
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-10 05:37:20
7183文字
会話率:17%