僕は自宅の台所で熱心に戸棚や冷蔵庫を物食して、在らん限りの調味料を食卓に並らべている。
塩、砂糖、ソース、醤油、味醂、酢、唐辛子、わさび、生姜、にんにく、胡椒などである。サフランやナツメグなどもあるが、日頃料理をする習慣の
無い僕には何なのかの区別はつかない。
そんな僕が何でこんな事をしているかと言うと、急に料理愛に目覚めた訳でも消費期限を確認しようとしている訳でも無かった。どちらかと言えば、これから僕がしようとしている事には料理は一切関係無いし、期限が切れていようが知った事じゃない。
いや、ひょっとしたらむしろ期限切れの方が効果があったりするかも知れないのだ。この"かも知れない"という響きがそもそも怪しかったりするのだが、こればかりはやってみないと判らない。
そう、僕が今からしようとしている事は常識のある人ならたぶんやらない事だ。けど僕は少しだけワクワクしている。
ほんのつまらない思いつきだけど、暇な僕には割と重要なのである。僕は戸棚に入っていた大きめの透明なガラスボウルを取り出して来ると、その中に適量ずつの調味料を合わせながら、ノートにその配合を記し始めた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-07 00:08:56
29380文字
会話率:20%
輝かしい卒業パーティにて、レーヴ王国第3王子ルヴァン・ヴィゼットとナタリー・ドミニクの婚約が白紙になったと発表される。大人しく気弱で、いつだって壁の華である彼女は黙ってそれを受諾し、最後のサインを行った。そんな彼女を貶める声がいつまでも響
き渡る。その中で聞こえて来たある声に、ナタリーはピクリと耳を震わせてそちらへ向かった。
獰猛な本性を露わにして。
〜*〜*〜*〜
本編は1話完結のつもりですが、補足的なおまけや過去の話、その後の話などをいつか入れたいと思っているので連載形式になっています。気長にお待ちください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-04 16:19:16
42123文字
会話率:48%
冬から春へ
あなたからわたしへ
交わり響き合う音色
キーワード:
最終更新:2024-02-03 23:24:52
283文字
会話率:0%
湧き出る思考の狂気と、の続き。
死んでもおかしくない理由を手に入れたものの、僕の心は軋み過程よりも結果を求めてしまう。
そして響きすらしない笑い声が枯れるまで……
最終更新:2024-01-30 00:47:03
1559文字
会話率:0%
庭を眺めて、身の回りをしてくれる妖精たちが作ってくれた朝食を食べる。
壊れて動かないオートマタのガーネット。
ふと気づくと他の場所に立ち、夢を見ているような感覚。
意識が薄れ目が覚めるように起きて、一人の家で過ごす。
時たま霞が形
を取った怖いモノが現れ、妖精たちは霞を恐れて姿を消す。捕まるとどうなるか分からないが、自分を探しているのは分かり、霞が消えるまで隠れて息を潜める。
誰にも呼ばれたくないのに、誰かに呼ばれて頭に響き、呼ばないでと叫ぶ。
勝手に異世界に呼ばれ、勝手に神にされて自分を呼ぶ声を黙らせようと、変異した姿で暴れる。
悪魔に騙された人間に殺される直前、オートマタのガーネットの身体と入れ替わった。
勝手に神と崇められた身体は消滅し、悪魔の笑い声が響き、意識が他に飛んで気づくと見なれた庭にいた。
身体はガーネットの物で、雨が降る中佇む。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-06 13:36:51
21623文字
会話率:12%
目覚めると、中沢修一は記憶喪失で、時計が逆回転し、超能力が存在する鏡の中のような世界にいた。
町の散策や、町の外へ冒険することで徐々に記憶を取り戻していくが、
記憶の奥には血塗られたレインコートを着た赤く光る瞳を持った人の姿があった。
光る
眼は亡くなった人の超能力が移っているという。
修一はさらに自分の記憶を探っていくが、廃旅館で冒険者の遺体を見つけてしまう。
そんな中、町にサイレンが鳴り響き、
記憶にある血塗られたレインコートを着た赤く光る瞳の殺人鬼が……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-29 18:18:09
117379文字
会話率:51%
兄を訪ねてガルドランの街を訪れた少年、アルノー。五年ぶりの再会もつかの間、兄は彼を置いて探索に出てしまう。そして、そのまま行方不明に……。兄を探そうとするアルノーに、手を差し伸べたのはただ一人、黒服の吟遊詩人だけだった。けれど、彼の歌は破
滅的に……。
中世欧州設定のファンタジー世界に、ロックンロールは響き渡るのか。(8話完結)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-26 12:30:39
77453文字
会話率:44%
動画で偶然目にした「黒白(コクハク)稲荷」という神社。
告白と同じ響きから縁結びの神社として密かに人気になっていると知った雫音は、山奥にあるその神社へ向かうことにするが……。
他のサイトでも公開しています。
最終更新:2024-01-24 21:14:23
3020文字
会話率:27%
(どうしようかなー。枝鹿木の花と春の子、……あと高豆の採取なら、鷲啼山で集められるし、あの三つにしようかなー)
両の腕には短い羽毛、鱗で覆われた四本指の手足、獣人の一種たる翼人に似た種族の少女、素楽(そら)。
小柄な彼女は冒険者組合の掲
示板で、目当ての依頼を剥ぎ取っては、受付へと駆ける。
呼び鐘をカンカンと叩き 組合の職員を呼ぶ。
「依頼請けまーす!これー!」
早朝。人のごった返す組合には、よく通る少女の声が響き渡る。
冒険者らからすれば、毎朝の見慣れた光景だ。
職員から依頼紙の控えを受け取った素楽は、人並みを掻き分け外へ飛び出してゆく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-21 20:11:49
645977文字
会話率:48%
俺、千羽 総司《せんば そうじ》は、小学三年以来の幼馴染み、雪城 詩音《ゆきしろ しおん》と共に、昨日と変わらない今日、今日と変わらない明日をその日の朝も変わらず迎え、学校に通い、放課後を迎えるものだと思っていた。
それなのに――――
その日は違っていた、放課後になり詩音と二人帰り支度をしていると、俺の耳に少女の声が聞こえたかと思うと、急に空が暗くなり、天気予報にもなかった雨が振り出した。
雨はやがてゲリラ豪雨となり、雷を伴なったそれは激しさを増すばかり。
教室で詩音と二人、暗い雨空を見てどうするか悩んでいると、一際大きく鳴り響き、閃光が弾け、視界が暗転。
そして、目覚めた俺が眼にしたのは―――
※一章から視点を一人称に変更中。
※登場人物の視点、切り替えがあります。
※7章から登場人物視点になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-14 03:25:28
804504文字
会話率:38%
社畜として生きてきて少女が、全てを失いVTuberとして転職する。
だが、作った設定を裏切るレベルのポンコツだった。
『芸人じゃなーい!!』
響き渡るその声と楽しむリスナー、そんな彼女の日常と青春。
最終更新:2024-01-11 23:18:00
17672文字
会話率:55%
僕の耳に沢山の人が歩く足音が聞こえて来た。
しいな ここみ様主催企画「冬のホラー企画2」参加作品です。
「真冬の怪異」の「軍靴の響き」を加筆修正した作品です。
最終更新:2024-01-10 13:00:00
799文字
会話率:10%
侯爵令嬢であり、特殊な予知能力のあるリリアーナは、幼い頃から王太子妃候補だった。
王太子が苦手なリリアーナは、ある日少年マオと出会う。
出会った当初、マオは厚切りメガネをかけた普通の少年だった。
マオは、リリアーナと出会い、一緒に過ごす中で
、リリアーナを守れる強さが欲しいと努力するようになる。
とにかく、かっこいい男の子にキュンキュンしたくて書いてます!
ゆるふわ設定です。
設定、名前等、は何となく響きが好き。というだけでつけてますので、ありえないモノがあってもお許しください。
なんちゃって中世ヨーロッパですので、現代のモノや言葉も出てくるかと思います。
色々お許しください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-08 20:28:50
67287文字
会話率:33%
「魔法(マジック)警報(アラート)! 魔法(マジック)警報(アラート)!」。戦場に警報が響き渡る。
「剣と魔法」の世界から「近代文明」への過渡期。銃と大砲が、剣と魔法の力を越えようとしていたとされた時代。
世界には魔力を持つ者達と持たない者
達がいて、持つ者達は魔力を根源とした魔法による文明を築き、持たざる者は近代科学文明を築き対抗した。
そして必然により、両者は対決の時を迎える。
(近代戦争の方は「第一次世界大戦」あたりの時代がモチーフです。気が向いたら、長編小説にするかもしれません。)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-06 10:05:03
3804文字
会話率:36%
夜会会場に王太子の婚約破棄の言葉が響き渡る。だが、皆が婚約破棄に対して心構えや起こった際のシミュレーションをしていた結果どうなったのか。
最終更新:2024-01-02 12:41:22
2058文字
会話率:17%
シオン・トゥルース子爵令嬢は変わった令嬢だった。トゥルース家の祖父が趣味でやっていた古物店のお店が子爵家の屋敷の側にあり、幼い頃から出入りしていた。
この独特の雰囲気と古物の匂いが好きだった。祖父から様々な物の見方を習い、シオンが成長する
と、その店を継いだ。
その過程でシオンの父親も、貿易商を営んでおり、輸入品についてシオンに学ばせていた。
気付けばトゥルース子爵家の古物屋『トゥルーアイ』は国内でも知る人ぞ知る隠れた名店となっていた。
「う〜ん、良い仕事してますねぇ~」
今日もシオンの口癖が店内に響き渡るのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-01 07:00:00
12254文字
会話率:40%
「きゃあああぁぁっ!」
王宮に男爵令嬢フェリエラの絹を裂くような悲鳴が響き渡る。
今日も彼女の取り巻きが無残な姿で見つかったのだ。
アルファポリス様でも公開中です。
最終更新:2024-01-01 06:00:00
4400文字
会話率:13%
[公開中]
深い深い森の奥、そこは迷いの森と呼ばれており立ち入ることはおろか、入ったものは、2度と戻って来られないと言われる場所。神獣が住むと言われるフルアの森。
そこに住んでいる森の木霊。ルノ、コハク、リコリス。
彼ら木霊の子供たちは戦う
術を持たず、平和に暮らしていた。3人は外の世界に憧れを抱きいつかその目で世界を見てみたいと。そんなある日、長老の声が森に響きわたった。森に黒い服を纏った者達が現れる。彼らは、木霊の子供たち、長老を捕らえる。彼らの目的はいったい何なのか。
少し切なくてあったかい物語
僕と君と死んでいく世界のお話
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 20:34:34
40627文字
会話率:50%
第三次世界大戦中に現われた妖は、戦争が終わっても跋扈した。
国は余儀なく日本を鎖国し、陰陽師の育成を始めた。
そして―・・・
時は西暦四千四十年。
四代目、にあたる安倍晴明の称号を付与された男がひとりいた。
塾と寮を卒業し、こじんまりとした
邸宅を建てたその男は、妖と暮らしていた。
『第四の清明』。
その名は【阿部野清蓮:あべのせいれん】。
『せい』と言う響きを名に伝承している家。
彼の御仁とは、血のつながりはないとされている。
ただ、狐の子供であると言う不思議な話をまとった者だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-24 16:42:39
67259文字
会話率:40%
ギターを伴奏に歌いましょう。
最終更新:2023-12-24 08:00:00
411文字
会話率:0%
眠り姫の物語で、お姫さまを眠りにつかせてしまう錘(つむ)
おなじ響きの名前であるツムギは、引っ越してきたばかりの男の子に、悪者扱いされてしまいました。
ツムにさわると眠りについて、目覚めなくなってしまう。
眠ることがすっかりこわくなってしま
ったツムギのもとに、夢を喰らうという幻の動物・獏がやってきました。
「ふてえ野郎もいたもんだ。まあ、あっしにとっては、どんな夢でも極上の味よ。おめえさん、夜が寝られないってんなら、あっしと一緒に夢のなかへ行ってみねえかい?」
べらんめえ口調の妖怪バクと、不思議なモノが見える血筋の少女による、悪夢退治の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-16 20:14:37
8951文字
会話率:37%