「ねえ、あの『ロリータ』の主人公ってさ、マジで精神的に終わってると思わない?」私は体育館裏で友だちの由香に向かって声を潜める。
「ああ、あの中年の男? 未成年の女の子にベタベタ執着してるやつでしょ。聞いただけで吐き気がするんだけど」由香は上
履きの先で砂利をかきまわしながら、しかめっ面になる。
「しかも自分はただのロマンチストだって言い訳してるのがサイテーだよね。あの男のどこが愛なの? ただの身勝手な欲望じゃん」私は呆れたように口を開く。
夕陽の光がガラス窓に反射して目にしみる。私は手で遮りながら、今度は『痴人の愛』の男の方を思い出す。
「あっちも負けず劣らずヤバい。子供同然の女の子を自分好みに育てようとか、正気の沙汰とは思えない」
由香は眉間にしわを寄せて振り返る。
「それで女の子が言うこと聞かなくなると被害者ぶるんでしょ? 虚栄心の塊にしか見えないよ。コントロール欲求エグすぎ」
「本当にさ、自分の都合よく『若い娘の純粋さがどうたら』とか『美の権化を育成したい』とか言ってるけど、要はペット感覚で支配したいだけじゃん」私は肩をすくめて嘆く。
「だよね。しかも、都合が悪くなると『おれは愛してただけなんだ』って悲劇ぶるんでしょ?」
由香は溜息と一緒に言葉を吐き出す。
「こっちは全然同情なんてできないよ。自分の欲求を愛だの芸術だのにすり替えてるだけで、ぜんぜんロマンチックじゃない」
私の言葉に、由香は強くうなずく。
「そういう奴らにとって若さってアクセサリーなのかな。何でも思い通りにできる人形扱いとか、本当に悪趣味だと思う」
まばらに聞こえる吹奏楽部の練習の音が、微妙に物悲しく響く。
私はスマホの時間を確認して、そろそろ昇降口に戻ろうと促す。
「……まあ、結局ああいう主人公を美化するのって、自分も同じ欲望を持ってる読者が『そういうのもアリかも』って免罪符を得たいだけなんじゃないの。私らからしたら、どっちもただの醜い言い訳にしか見えないけど」
そう言い捨てて、私は校舎のほうへ歩きだす。
夕空の下、由香はもう一度大きくため息をついてから、小さくつぶやいた。
「……ああいうの、早く時代の遺物になればいいのに」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-15 09:01:33
892文字
会話率:37%
30代終盤アラフォーでありながら、二次元専門ガチオタな俺。そしてその守備範囲は『ロリ』である。
そんなある日、俺の隣に越してきた美少女とその母親に、勝手に、一方的に、自主的に意識し困惑する俺の日常は、傍から見ればそのザマは身体的特徴も相まっ
て、甚だキモチワルく直視もはばかられる惨憺たる気色悪さであるだろう。
しかし、これまで自分と近しい同類意外との交流を極力避けてきた俺にとって、コレが期となり一般社会と関わり自らを見つめ直さざるをえない状況へと引きずりこまれていくこととなる。
この話は、普通の世間一般からすれば余りに見窄らしく、眉間にしわを寄せ鼻を摘ままれる様な存在のロリコンオタクの、怪しく奇妙なドタバタの日常である。
◆
お気づきの方も居られるかと思いますが、第7章・8章に時系列の間違い(矛盾)を今更発見してしまいましたが、一旦直さずにそのままにしますので、お気づきの際は脳内補完して頂けますと幸いです...orz,折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-13 21:00:00
305513文字
会話率:0%
ギターを伴奏に歌いましょう。
最終更新:2023-12-24 08:00:00
411文字
会話率:0%
「イザベラ公爵令嬢! 今日この場で君との婚約は……」
壇上のアラン王子がそこまで口にしたところで、異変が起こりました。ステージの近くにいた生徒達がことごとく眉間にしわを寄せ、鼻をつまみ、膝をつき、苦しみ唸りだしたのです。あっという間に会
場にいた全員が強烈な悪臭に見舞われることになりました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-05 20:07:23
2059文字
会話率:42%
【最終話まで執筆済み】
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が私に言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。
ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇
護欲をそそる美少女でした。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知無ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
最終話まで予約投稿済みです。
全31話。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-09 22:20:55
44069文字
会話率:38%
某コンテスト一次通過。少し改訂してます。
★☆★毎日20時更新を予定しています★☆★
エブリスタ→https://estar.jp/novels/25562775
NOVEL DAYS→https://novel.daysneo.com/
works/6bb18ad1f81b4a1d752d45468a38b499.html
こちらにも掲載しております。
あらすじ
大人しく、見た目が幼い高校生、ハジメのもとには唯奈、紅輝、麗という三人の不良女子高生が訪れていた。亡くなった姉、芳香を慕っていた三人は、ハジメのことを可愛がっているのだが、最近はいつも別々でやってくる。芳香が居た頃とは違い、彼女たち同士の距離は開いていた。ハジメは三人に仲直りしてもらいたいと思っていたが、上手くいっていなかった。
紅輝のことを慕って友人となった千愛莉と共に、ハジメは仲直りさせようと動き始めるのだが、三人の事情は思っていたよりも複雑なものだった。芳香の死から今までの彼女たちのことを知り、ハジメが思うことは――。
登場人物
・三木本一(みきもとはじめ)
幼く、女の子みたいなルックスの男子高校生。大人しいが、三人の不良娘にだけは強気で、時に彼女たちを説教する。三人を敬愛しているがツンデレなところがある。
・梅木唯奈(うめきゆいな)
ぼさっとした髪と短いスカート、眉間にしわを寄せながら歩く様はどう見ても小物な不良。一種の背伸び行為であり、子供っぽく見られることを嫌がっている。普通にしていると無邪気さとその童顔によってかなり可愛い。
・竹原紅輝(たけはらこうき)
黒髪ショートで、中性的なほど整った顔立ちをしているが、喧嘩が強い一番の問題児。その凛とした美しさとは対照的に、過去には数々の暴力で問題を起こしている。普段は大人しく、ただの優しい年上の女性。ちょっと天然ボケ。
・松坂麗(まつざかれい)
ウェーブした髪で、上品そうな見た目をしている。背は唯奈よりも少し高いくらいだが、雰囲気から年上に見える。時に子供っぽくキーキー怒る。三人の中では一番の常識人。極道の娘ということを利用しつつも負い目を感じている。
・佐久間千愛莉(さくまちえり)
紅輝の子分を自称する元気っこ。同じく年下の兄弟の居る唯奈と気が合う。その純粋さは敵を作らず、三人の橋渡し役を買って出る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-26 20:00:00
97134文字
会話率:51%
冬になると、赤いリボンのついたプレゼントが頭に浮かぶことがあると思います。誕生日とはまた違うキラキラとした特別な日がやってきます。
さて、あなたは大切な誰かとクリスマスを送る予定はありますか? プレゼントは決まりましたか?
プ
レゼント選びは実に苦労しますよね。心がこもっていればどんなものでもかまわない。なんて言いますが、やはりそこにはある程度のセンスが必要な気がします。まるで見えないプレゼント審査員がいて、試されてるような気がするんです。彼らは眉間にしわを寄せ、プレゼントを選ぶあなたの背後にいます。「うーん、微妙だな」とか「趣味が悪いな」とぶつぶつ言いながら。
趣味の良し悪し、それは自分の感覚ではなかなか測れないもの。誰かに贈り物をする時、「どうしよう」と頭を抱えた。
そんな経験はありませんか?
注 これはあらすじではありません。あらすじを書くのは苦手なんです。言ってしまえば、あらすじを書くセンスがないんです(文才もありませんが)
この文章には目を瞑っていただければ幸いです。
ちなみにタイトルは知らない誰かが着ていたTシャツの英語から拝借しました。ハイセンスというのは和製英語なので、気をつけましょう。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-21 19:04:05
3432文字
会話率:25%
目つきが悪く、いつも眉間にしわを寄せた顔。
その顔で生まれてしまったせいで、不幸な人生を送ってきた熊無煌心。
高校入学早々、先輩には目を付けられ、見ず知らずの少女にまで顔から不幸が滲み出ていると言われたこともある。
人生を悲観する彼に追い打
ちをかけるように目の前に現れた少女は彼から心臓を奪っていった。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-02 00:53:48
23047文字
会話率:24%
美行藩江戸留守居家老の片杉左内は若干18歳で家老に抜擢された切れ者と花のお江戸で大評判。こっそり彼をモデルにした錦絵が爆発的に売れる清楚系和風美男子でもある。しかし、華やかに見える彼の主な職務は、浪費家で女好きの藩主が起こす様々な事件のも
み消し工作であった。眉間にしわを寄せ、職務を全うせんと生真面目に突き進む彼を助けるのは、盟友(?)マッドサイエンティスト「クレージー右京」しかし、彼の助けはますます左内を窮地に追い込むのであった。(実在の人物と同名のキャラクターが出てきますが、もちろん虚像で全く関係ありません)
以下、各章のあらすじなど。
ドリアン騒動:将軍献上予定のドリアンを、忠助忠太郎が食べてしまった。妙な忍者軍団も加わってドリアンを巡っての大騒動が始まる。
春が来た来た美行藩:春になってますます調子に乗る美行藩(みくだりはん)藩主。いきなり混浴をしに町の風呂屋に行きたいとごねだした。もちろん無事に済むはずはなく、小伝馬町からの脱走者が湯屋に立てこもったからさあ大変。
お江戸に炎の雪が降る:今日も今日とて御乱交に忙しい藩主の命が狙われた。事件解決に奔走する左内の前に立ちはだかったのは、芍薬の花の思い出を共有する娘。
黒曜:本作(現時点では)唯一のシリアス。江戸の町に怪異が頻発。それを探っていた左内は、朝顔づくりの名手と出会い意気投合する。ぬばたまの闇が今開く。(本シリーズのなかでは、私が一番好きな話です)
寸白:ゲテモノ好きの遊び人の殿の体内に、寄生虫が。それを退治しに体内に潜入する右京と左内だが。(マクロの決死圏、鳥野式)
大奥暴走編:現在連載中。大奥でなにやら不穏な動きが。大奥の探索を依頼された殿は、頼まれもしないのに自分が女性化して大奥に潜入する。道連れになったいつもの二人だが、大奥には予想もしなかった秘密が隠されていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-12-31 23:00:00
394321文字
会話率:42%
美行藩江戸留守居家老の片杉左内は若干18歳で家老に抜擢された切れ者と花のお江戸で大評判。しかし、華やかに見える彼の主な職務は、浪費家で女好きの藩主が起こす様々な事件のもみ消し工作であった。眉間にしわを寄せ、職務を全うせんと生真面目に突き進む
彼を助けるのは、盟友(?)マッドサイエンティスト「クレージー右京」しかし、彼の助けはますます左内を窮地に追い込むのであった。今回は本編と違ってお色気シーンが多いため独立させていただきました。説明には本編との重複も多いかもしれませんが、独立編のためご了承ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-05 03:12:48
10466文字
会話率:39%
季節は夏の盆。写真でしか見たことがないけれど、眉間にしわを寄せて鋭い眼光をしたちょっと強面なお祖父ちゃん。そんなお祖父ちゃんのお墓参りに向かった主人公が遭遇する少し怖くて不思議なお話。
最終更新:2015-08-09 22:10:32
7181文字
会話率:33%
自分のことは自分が一番良くわかってる。どんなに出来損ないでポンコツかなんかは誰よりも自分が熟知している。いつもいつもどうしようもないこの気持ちを勝手に誰かにぶつけてしまう。だから少しでもゴミクズな自分を変えてやるんだって思ったが……「先輩。
そんなに眉間にしわを寄せたら元からどうしようもない顔がもっと気持ち悪くなるわよ」「うるせぇ死ね!」「あら部長である私にそんなこと言っていいのかしら? ぶち殺すわよ」誰もこんなやつには頼んでない!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-03-30 12:06:16
22282文字
会話率:52%