──私のせいではない。断じて。いや、断固として、である。
そう心の中で言い切るたびに、なぜか己の胸に鋭く突き刺さる何かがあるが、それはまったくの無関係だ。
お嬢様がまたしても婚約破棄をされ、部屋の隅で膝を抱えて沈んでいるのは私のせいでは
ない。決して、決して。なぜなら私はただの執事──いや、元蜘蛛の執事に過ぎないからだ。
「──私のせいです。申し訳ございません、お嬢様」
◆◆◆
元はただの蜘蛛だったクロードは、ある少女の優しさによって命を救われる。そして彼は誓った──いつか必ず彼女の傍に立つと。
時は流れ、クロードは人の姿を得て、彼女の執事となる。誰よりも忠実に仕え、完璧に職務をこなす彼だったが、ある問題があった。彼女の婚約者たちは皆、彼の恐ろしい視線に恐れをなし、次々と逃げ出すのだ。
だが、ある日彼女が王都の騎士団長に求婚され、クロードの世界は揺らぎ始める。彼女のために身を引くべきか、それとも──。
「──不肖ながら、お嬢様は渡しません!」
忠誠と愛が織りなす糸の行方は、果たして“幸福”へと紡がれるのか──?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 22:30:03
83793文字
会話率:33%
王都で連続殺人事件が起きた。
被害者はいずれも腐敗した貴族たち──そして、その傍には必ず【道化の仮面】が置かれていた。
人々はその存在を「道化の騎士〈ピエロ・ナイト〉」と呼ぶ。
仮面の男は、闇にまぎれ、法では裁けぬ悪を断罪する。
誰も彼の
素顔を知らない。
だがその正体は、かつて高潔と謳われた若き貴族。
無実の罪ですべてを奪われた彼は、法も正義も信じず、ただ“闇”の中で嗤う道化となった。
──これは、正義を喪った男が「仮面」を被って闇を断つ、血と復讐と希望の物語。
悪を欺き、民を救え。
道化はただ、夜に笑う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 20:00:00
23954文字
会話率:29%
「お会いしとうございました、魔王様。これより先は、魔王近衛隊隊長である私が常にお傍に仕えさせていただきます。」
高校入学式後の新入生で賑わう廊下にて。山之辺優菜の前に跪く一人の少女。粉雪魅由は、中学時代の優菜のトラウマ的人物だった。
「覚悟しなさい魔王!あなたは!私が!勇者である私が!今度こそ倒す!」
更には、勇者まで現れて!?
優菜の高校生活はどうなってしまうのか!?
異世界転生した魔王と勇者が織りなす学園コメディ、ここに開幕!
「ゆ、優菜ちゃん、どうしましょう?ま、まさか勇者が現れるなんて、お、思いもしませんでした。」
いや、それ私の台詞だからね。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 10:03:31
458511文字
会話率:45%
親友の桜子が異世界に転生した。折角見つけたのに、黒竜騎士になった彼女があたしのことを忘れた。彼女があたしの事を思いださせる為には、ずっと傍にいなくちゃ!なんやかんやで、あたしは彼女のドラゴンの世話係になってしまった!
主人公は腹黒い
元聖母キャラです、異世界で出会った幼馴染を利用して、元の世界の親友を探す物語です、腹黒い主人公が好きな方は是非読んで見てください。
序章:聖母>>>人間不信 本編:人間不信>>>腹黒い 冒険編:腹黒い>>>????
前置きは長いけれど、面白いですよ。最初のクライマックスは本編 第9話からです。百合が好きな方は是非本編 第11話まで見てください!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 10:00:00
443058文字
会話率:69%
伯爵家の令嬢・リシェルは、侯爵家のアルベルトに密かに想いを寄せていた。
けれど彼が選んだのはリシェルではなく、双子の姉・オリヴィアだった。
二人は夫婦となり、誰もが羨むような幸福な日々を過ごしていたが――それは五年ももたず、儚く終わりを迎
えてしまう。
オリヴィアが心臓の病でこの世を去ったのだ。
その日を堺にアルベルトの心は壊れ、最愛の妻の幻を追い続けるようになる。
そんな彼を守るために。
そして侯爵家の未来と、両親の願いのために。
リシェルは自分を捨て、“姉のふり”をして生きる道を選ぶ。
けれど、どれほど傍にいても、どれほど尽くしても、彼の瞳に映るのはいつだって“オリヴィア”だった。
その現実が、彼女の心を静かに蝕んでゆく。
そして、遂に限界を越えたリシェルは、自ら命を絶つことに決める。
短剣を手に、過去を振り返るリシェル。
そしていよいよ切っ先を突き刺そうとした、その瞬間――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 17:07:52
23486文字
会話率:13%
駅でユーレイに驚いて階段から落ちて死んだ。
気づいたら、知らない場所で知らない少女に憑依していた。
傍には、私を殺したユーレイ。
とりあえず、新しい人生を頑張って生きなければ。
あれ? ユーレイは見えるだけだったのに触れる。
もしかして霊
力レベルが上がった?
2025年4月21日より新作始めました、よろしくお願いいたします。
更新予定日:月曜日、水曜日、金曜日
用事で更新できない日があります。ごめんなさい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 15:15:01
37511文字
会話率:56%
セナという主人公が異世界から来た勇者の一人のカイトに救われてから聖女に覚醒してからカイトのために色々してあげたいというような純愛物語を書こうと思ってます。
最終更新:2025-05-19 11:26:39
3187文字
会話率:37%
【前のあらすじがかつてないほど不評だったので変更しました】
異世界に転生した元警備員のトモは、軽い気持ちで冒険者になってみた。
しかしそこは魔王城のすぐ傍にある『終盤の街』で、周囲のモンスターは総じて最強クラス。心が折れたトモは初日で辞め
ることを決意する。
他人のステータスを自由に調整できるチートスキルを所持していたものの、新参者な上に転生者なので素性が明かせず、しかも即日退職したこともあって、街での信頼はゼロ。そんなトモに、素直にステータスを弄らせてくれる者はいないという。
そこでトモは前世の経歴を生かし、暗黒系の武器を専門に扱うヤバい武器屋で警備員として一からコツコツ働き、信頼を得ようと試みる。でも終盤の街はいろいろ規格外で、メスガキの怪盗が大暴れし、ヒーラーが回復料を搾取し、商業ギルドがカチコミにやってくるなど毎日が修羅場。
それでも、大学デビューに失敗し虚無の14年を過ごしてきたトモにとっては毎日が充実しているようで、変な人達と大好物のパンに囲まれ、割と楽しく過ごしているようです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 20:57:22
2757511文字
会話率:46%
滅びた王国、封じられた邪竜、新たに生まれる神竜。
そしてそれを巡る人々の葛藤と祈りが、再び“竜の歌”を響かせていく。
これは、
過去に罪を背負った者たちと、未来を選ぼうとする者たちの物語。
――あなたは、竜を愛せますか?
最終更新:2025-05-18 18:34:19
72499文字
会話率:25%
「Dragon's Song-竜は祈りを捧ぐ その傍に在る者と共に」
の世界に存在する、ストーリア王国王都の雑貨屋メルヴィルと二匹の猫の日常?
最終更新:2025-05-14 20:05:59
26471文字
会話率:23%
――30代の「僕」は、長く続けた在宅の仕事から一歩踏み出し、初めての面接に臨む。料理を通じて見つけた新たな夢、そして家族との何気ない日常。そのすべてが静かに、そして確かに彼の背中を押していた。
新しい環境に向かって歩き出す「僕」の姿は
、等身大の不安や迷いを抱えながらも、どこか優しく、あたたかい。
これは、人生をやり直そうとする一人の青年と、その傍にある“家族の絆”を描いた、静かで力強い再生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 22:13:15
25701文字
会話率:37%
病弱な王子アルバートのもとに贈られた、一匹の白い子猫。
人間の言葉を話せないけれど、子猫いつだって彼の傍にいた。
「いいか?生まれ変わったら、絶対にまた僕の元においで。今度は絶対、人間に生まれてくるんだよ」
「にゃあ~」
「……ちゃんと
分かってる?」
・
それから数百年。
公爵令嬢ソフィア・シャルロッテ。彼女は、大切な誰かを探しているそうで……。
『わたしは、もう一度あなたに会いたかったの』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 16:50:22
9576文字
会話率:31%
ある日、主人公のアキラ36歳は、娘、ハル16歳と名前が同じ主人公が活躍する漫画、『ドッペル』を偶然発見する、読んでみると娘のハルを主人公として書かれている事に気づいた、そして未来の事まで描かれており、最後には死ぬかもしれない事がわかった。そ
れを回避するために父親が奮闘する物語。
ハルには3歳の頃に母親を失った日からドッペルゲンガーのヨルが傍にいつもおり、その事を漫画で知る。
漫画をヒントに自分もヨルを見られるようになるが、未来が変わってしまう事を危惧したアキラは知らないふりを演じ、漫画の事は秘密にしようと決意した。
知らないふりをする二人、お構いなしに行動するヨル、奇妙な三角関係が織りなす家族の生活が始まった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 17:30:00
59467文字
会話率:58%
僕は所属する劇団が持つ練習場の中で鏡の前に立つ。発声練習の最中で、鏡の傍に置いた今月の公演の売上表を見つめ、思わず笑みが出た。
貴族は好奇心旺盛だ。誰かの不幸話には真っ先に食いつく。庶民相手をするよりも、金を持つ相手に劇を披露する方が金にな
ることは明らかだった
今まで入っていたそこそこ大きな庶民向けの劇団を辞めて、個人で活動することにした。どのみち劇団では孤立していた。ちょうど良かったと思った。
売上が上がってきた頃、自分1人で披露することを条件に、その劇団に売り上げの何割かを取られる代わりに、名だけを借りて披露し始めた折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-16 16:43:22
633376文字
会話率:62%
久しぶりに友人と会うことになったので、話題提供をしようと思う。私の中ではそこそこ生々しい話。
良い話のネタになると良いのだけど。
そうそう、父が『ワシも族』、叔父が『モラハラ気質』。何、それだけだよ。
其れで母が私に依存しちゃっただけ。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
依存させる人ってね、見境ないんですよ。
本人ではなく、『周り』が。
傍に居るだけで皆、魅了されて、依存してしまう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 21:04:27
1448文字
会話率:13%
我が家のリビングの端に棚がある。
毎年絵との置物が置かれていたが、辰を超えてから見ることは無くなった。
もう、守る方はいらっしゃらないのだろうか。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答
が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
気が付いたら居なくなって、帰って来なくなりました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-23 21:47:19
833文字
会話率:13%
俺の父は芸術家で、母は作家だった。
だから部屋の一つに作品部屋と呼ばれるものがあった。
そこには多くの人形が居て、中央の席で愛でる事が出来る。
だからだろう。精巧に作られた物に目がないのは。傍に置きたがるのは。
注意事項1
起承転結はあ
りません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
一応、幻想奇譚に入れて起きます。
瑠衣と趣味嗜好の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-20 12:30:48
1010文字
会話率:20%
一人旅行が好きな20代前半の会社員の田尾的矢(たお まとや)はある日、翌日からの旅行の準備をしていた。旅行でスマホを多用する的矢にとってモバイルバッテリーは必需品であり、頼れる相棒だ。
その時、モバイルバッテリーから眩いばかりの光が放
たれ、大学生くらいの女の子が立っていた。名前は茂庭照乃(もば てるの)、モバイルバッテリーが擬人化した姿だという。
旅行で常に的矢の傍に寄り添っていた照乃は、人間になって初めての的矢との旅行よろしくデートを希望する。一人旅行も好きだが、彼女との旅行にも憧れていた的矢にとってまさに渡りに船。
「だが俺の旅行は甘くはないぞ、ついてこれる自信はあるか?」
「もちろんです、今までずっと的矢さんの傍に寄り添っていたんですよ?」
二人の甘々な旅行ライフが始まる。
※カクヨム様でも投稿しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 07:38:23
24305文字
会話率:82%
ある日、女の平穏な日々は壊される。多くの使用人を失い、目の前でメイドも失ってしまった。女は必死に逃げたが結局殺されてしまう。
目を開けると、そのにはいつもの自室の天井がある。これが、自身の前世であると気づいた彼女は今世では殺されないように生
きようと決意するのだが、、、。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 23:45:23
40878文字
会話率:19%
幸せって、レシピ通りじゃ作れない
恋にも仕事にも挫けたアラサー女が辿り着いたのは、くせ者揃いのパティスリー〈FUKUSHI〉だった。
玉砕癖があるパティシエ・小豆田(あずきだ)、堅物な柏森(かしわもり)、笑顔の裏に鋭い毒を隠す同
僚・わらび。
クセ強な仲間と過ごす毎日で、燈架(とうか)は「自分の存在意義」と向き合う。
心に残る想いは、きっとどこにも行かずに、傍に寄り添ってくれる。
玉砕男が、スイーツで心の奥に触れ、絆をもう一度焼き上げる。
ほろ苦くてあたたかい、不器用な再出発の物語。
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・吉日に更新
・2024年春~夏頃、noteで公開済み
・カクヨムでも公開中
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1冊分書けたら更新をするので、2章の更新時期は未定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-13 20:00:00
12905文字
会話率:29%
世界には無数のダンジョンが存在する。
そしてそのひとつひとつが、名を持ち、性質を持ち、意志を持っている。十年以上のキャリアを持ちながらも凡才で、地味なダンジョン専門の“掘り屋”として働くベテラン冒険者・ノア。
今日もまた、誰も見向きもしない
「蟻のダンジョン」で単独任務をこなしていた。
探索報酬は少なく、敵の素材も換金性は低い。だが、ディグアント――ダンジョンそのものを掘り進める大型の蟻――が巣を広げるのを防ぐため、定期的に討伐任務が発注されている。
その日、ノアは女王蟻―ディグアント・クイーンに遭遇。激闘の末、撃破する。
その死骸の傍に落ちていたのは、見たことのないネームドアイテム《アント・ピック》。
それは“ダンジョンそのものを掘る”という、世界の常識を覆す力を持ったツルハシだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 23:23:42
5018文字
会話率:19%
国に満ちた瘴気を浄化するため、聖女として異世界に召喚された少女、ミミ。
初めは驚き怯えていたけれど、今ではすっかり帰る気なんてなくなってしまった。何故なら、転移先の炎を操る騎士、グレンに一目惚れしてしまったから!
「あの、私、……ずっ
とグレンさんと、お話したいなって、思ってて……っ」
「……良かった。俺はどうも顔が怖いらしくてな、聖女様に嫌われていたらどうしようかと思っていたんだが……杞憂だったらしい。俺も、あんたと話がしたかった……ずっと」
自分は無欲だなんて思っていたのに、彼のことは欲しくて欲しくてたまらない。
元の世界に戻れなくたって構わない、ずっとグレンさんの傍にいたい! けれど……なんと次の満月の日、夜の鐘が鳴るまでに誰かに抱かれないと、元の世界に強制送還されてしまうと魔女から告げられて──!?
「お願い、です……一度だけで、いいから」
「……悪いが、それだけはできない」
勇気を出して願い出るも、すげなく断られてしまい泣き明かすミミ。……でも、他の人にお願いなんてしたくない! その果てに縋ったのは──
「! は、ッやめろミミ、何を……クソ、……ぁ、さわ、るな……ッ」
「……ごめんなさい」
恨まれても、嫌われていても、どうしてもグレンさんと同じ世界にいたい。けれど──忍耐強い彼の様子が、段々おかしくなって……?
「……なぁ、綺麗で無欲な聖女様。俺はきっと狂ってるんだろうな、あんたを一目見た時から、ずっと」
「滅茶苦茶にして、俺のことしか考えられなくしてやりたかった……ああ抵抗はするなよ、人としてまともな生活を送りたいだろ」
「逃すものか、絶対に──何をしてでも、俺に縛り付けてやる……ッ」
え、あれ? 私のこと、触れたくないくらい嫌いだったんじゃないんですか──!?
自分のことを無欲だと思っていた鈍感聖女と腹黒ヤンデレ騎士の、お互いの大きい矢印が拗れまくってすれ違う、媚薬を巡った恋の話!
※R-15は保険です
※アルファポリス様、カクヨム様でも投稿予定です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 19:27:01
53125文字
会話率:33%
ここは竜人の王を頂点として、沢山の獣人が暮らす国。
厄災を運ぶ、不吉な黒猫─────そう言われ村で差別を受け続けていた黒猫の獣人である少女ノエルは、愛する両親を心の支えに日々を耐え抜いていた。けれど、ある日その両親も土砂崩れに巻き込まれて
亡くなってしまう。
不吉な黒猫を産んだせいで両親が亡くなったのだと村の獣人に言われて絶望したノエルは、呼び寄せられた魔女によって力を封印され、本物の黒猫の姿にされてしまった。
けれど魔女とはぐれた先で出会ったのは、なんとこの国の頂点である竜王その人で─────……
「やっと、やっと、見つけた────……俺の、……番……ッ!!」
えっ、今、ただの黒猫の姿ですよ!?というか、私不吉で危ないらしいからそんなに近寄らないでー!!
「……ノエルは、俺が竜だから、嫌なのかな。猫には恐ろしく感じるのかも。ノエルが望むなら、体中の鱗を剥いでもいいのに。それで一生人の姿でいたら、ノエルは俺にも自分から近付いてくれるかな。懐いて、あの可愛い声でご飯をねだってくれる?」
「……この周辺に、動物一匹でも、近づけるな。特に、絶対に、雄猫は駄目だ。もしもノエルが……番として他の雄を求めるようなことがあれば、俺は……俺は、今度こそ……ッ」
王様の傍に厄災を運ぶ不吉な黒猫がいたせいで、万が一にも何かあってはいけない!となんとか離れようとするヒロインと、そんなヒロインを死ぬほど探していた、何があっても逃さない金髪碧眼ヤンデレ竜王の、実は持っていた不思議な能力に気がついちゃったりするテンプレ恋愛ものです。世界観はガバガバのゆるふわツッコミどころいっぱいなので何も考えずに読んでください。
ストック完結済み(全28話)、毎日投稿予定。アルファポリス様にも投稿予定です。残酷な描写ありは若干の血生臭さのため保険。
※ヒロインは大半は黒猫の姿で、その正体を知らないままヒーローはガチ恋しています(別に猫だから好きというわけではありません)。ヒーローは金髪碧眼で、竜人ですが本編のほとんどでは人の姿を取っています。ご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-18 20:10:08
246045文字
会話率:42%
掟の女神テミスは、神々の王ゼウスの2番目の妃だった。
けれど、神妃という座を退いた今もなお、彼女はオリュンポスの傍らに立ち続けている。それは愛のためではない。世界を律する秩序と理のため——。
ゼウスの新たな正妻となったのは、結婚と家庭を司る
女神ヘラ。叔母でもあり、前妻でもあるテミスに対し、彼女は憎しみも嫉妬も抱かない。ただ、理解しきれぬ感情が、胸の奥で静かに渦巻いていた。
そして、誰も知らぬ場所から二人を見つめる声がある。
それは最初の妃、深き叡智を持つ女神メティス。
彼女はかつてゼウスに飲み込まれ、その精神の奥底で、今も静かに“思慮”として生きている。
掟か、愛か、それとも思慮か。
神々の王のもとで交差する三つの在り方が、今日も天上の秩序を形づくる。
これは、“妃ではなくなった女神たち”が、それでもなお大神の傍に在り続ける物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-10 17:34:40
2694文字
会話率:26%