大手企業に通う新谷(しんたに)は、度重なる悪質な残業などにより精神を病んでいた。それを相談する友人もいない、家族とは絶縁状態、そして彼はとうとう自殺を決意する。
自殺を決意したとき、ふと昔を思うと、古いアルバムを手に取り、最も楽しかった
時分に思いを馳せた。新谷の魂を救済していた結(むすび)という少女との記憶は、最も心地よく、最も後悔の念が強いものだった。
その結と交流するうち、新谷の環境が狂い始め、少年でありながら世界に不信を抱き始める。荒んでいく新谷の魂を癒す結との絆は深まるが、そんな関係も長くは続かなかった。
新谷が小学四年生の時分、ある玩具が流行り始めた。それを欲しい新谷だったが、小遣いも貰えない状態では、無理な話だった。その新谷に対し、玩具をやるから結と絶好しろという少年が現れる。新谷は渋々ながらに結を突き放す。だが、結局玩具は手に入らず、結を裏切った新谷は消えない傷を負うこととなる。
過去と現状に別れを告げるため、数年ぶりに訪れる故郷の、思い出の山へと赴く新谷の精神は、崩壊していた。
山をのぼり、頑丈そうな枝に座り、紐を結び、自分の首に括りつけ、何気なく足元を見ると、そこにはあの頃と寸分違わぬ姿の結がいた。
結はあのときのことを気にしてなどいなかった。自分を忘れて前へ進んでほしいと願っていた。新谷はそれを都合のいい幻想と思った。だが、幻想でもいいからもう一度触れたいと願い、一歩前へ踏み出すと、枝から落ち、首を吊って死ぬこととなる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-09-01 13:23:37
8108文字
会話率:7%
僕等が小学生の頃、作って流行らせた怪談噺『ヨルヨルさん』
最初は誰も怖がっていなかったし流行ってもいなかったと思う。僕等の時の怪談噺と言ったら『トイレの花子さん』が主流だったから
張りぼての様な幽霊に怖さなんてまるで感じられな
かっただろう。
僕等の幽霊は、幽霊として不完全な存在だった。出来損ないの幽霊だった。
だから僕等は、確か【恐怖度】というのを作り、ヨルヨルさんという幽霊に信憑性を高める為の方法に▵4さふぃう◆sdふぃ―――――――。
そのお陰で念願だった僕等の学校に幽霊である『ヨルヨルさん』は学校の七不思議に付け加えられたんだ!
『花子さん』を越えることはできなかったけど『ヨルヨルさん』は、その次に確かな恐怖を持った幽霊になった。
小学校の同窓会で16年ぶりに再会を果たした僕等は、その話をした。『ヨルヨルさん』を覚えてる奴がいたから。しかし僕等が作ったあの幽霊のことを細部まで覚えてる奴はいなかった。ヨルヨルさんの提案者である僕がヨルヨルさんのことを全く覚えていなかったせいもある。
そして僕達は、二次会ついでに母校である小学校に青春であった思い出を拾いにいく為、訪れたのだった。
あなたは、ちゃんと自分の思い出を覚えてあげていますか?
------ねぇ、ヨルヨルさんって知ってる?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-27 14:52:18
1326文字
会話率:10%
なんとなしに家から出てみれば、見覚えのある子供がいた。
麦わら帽子とまっ白いシャツを着て、握った虫取り網を振り回す少年。
何をしているのかと思えば、セミを取っているのだという。
ちょうどいいや、肩車してくれない?
これから毎日世話して、一
杯長生きさせてやるんだ!
語られる言葉に、ふっと昔の記憶がよみがえる。
セミを捕まえては世話をして、死なせてしまっては泣いてを繰り返した自分。
この太陽のような笑顔を浮かべる少年には、そんな苦い思い出は抱かせたくない。
それならば、せめて。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-23 00:48:15
1065文字
会話率:42%
子供の時に見た不思議な光景、大人に言っても信じてもらえなかった。自分が大人になり記憶から消えていたが、ある事をきっかけに思い出す。
その真実が知りたくなり、古い一枚の写真を手掛かりに祖先の事を探り出してしまう。
貴方の古い祖先が怨みを買って
いた事は無いだろうか。その怨念が今も貴方の側で彷徨っているかもしれない。
私の少年の頃の記憶です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-19 19:57:15
4801文字
会話率:34%
ある女が見ず知らずの国で目を覚ました。
自分の名前さえ覚えていない。―――――所謂、記憶喪失。
しかし、何か『思い出さなければいけないこと』があった気がする。
自らの記憶を思い出すため、彼女は独り、闘う。
最終更新:2012-07-16 12:59:41
1224文字
会話率:22%
夏休みの暑い日に、高校生の光一と小学生の遼一が母親の生まれ故郷へとやってきた。そこはとても山深い田舎の村で、光一は夏が来るたびに幼い頃から何度も訪れている村だった。
村の高台には鎮守の祠があり、五百年ほど前に村を治めていた篠田一族が奉られ
ている。名を玉姫神社といった。
二人は村に到着すると一番にその祠にお参りに行ったのだが、その道々遼一は一緒に山道を歩く人の姿を見かけたと言う。光一には誰の姿も見えなかったのだが、遼一の話を聞いて自分も遼一くらいの年頃には見えたことがあったことを思い出していた。
光一には幾つかの失われた記憶があった。とぎれとぎれには思い出すのだが、もうひとつはっきりしなかった。ただそれらは全てが幼い頃の記憶であり、この村での出来事ばかりであることは分かっていた。
村には幼なじみのような付き合いをしてきた中学生、鏡子が住んでいる。小学生の頃には村に来るたびに鏡子と二人で山の中を駆け回り遊んでいたのだが、光一の曖昧な記憶はその頃の想い出が殆どだった。
村の夜は早い。日が沈むとすぐに森の中は深い闇に包まれる。すると、その闇には様々な魑魅魍魎(ちみもうりょう)と沢山の記憶たちが寄ってくる。夜がふけると幾つかの記憶を持って光一たちを迎えに来る。
鎮守の裏手にある断崖から、真っ逆さまに落ちていった幼い日の記憶。夜の清流に飛び交うホタルのイルミネーション。森の中で会った妖怪堂々巡りなど、今回の夏休みは今までとは違い、子供の頃に鏡子と遊んだ鎮守の森に、忘れていた記憶が次々とよみがえってくる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-06-16 13:35:16
81481文字
会話率:27%
自分を救ってくれた男を探す旅を続けるキリア・ヴァッシュベルン。
その理由は自分の恨みと苦しみをぶつけると言う最悪なものだった。
手がかりを見つけるため立ち寄った大都市でキリアは自分にとって初めての仲間を見つけた。
一人の青年とその仲間が創
り出す物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-03-17 13:00:00
67434文字
会話率:30%
過去二年間の記憶が無い主人公、丹羽譲は新しい思い出を作るべく学校生活を謳歌していた。順風満帆に過ごす日々、しかし思い出が増えるに連れて自分に生じていた矛盾と悪循環に気付く。壊れゆく理性、世界の真実。
全ては幻想で、残酷な真相が被る皮だっ
た。
世界の真実を知った譲と真が下した決断とは………。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-02-22 22:17:37
6378文字
会話率:29%
主人公 宮崎 空(ソラ)は、高橋 冬海(フミ)と出会って二年になる冬の終わり頃。突如、高橋 冬海が事故に合い記憶喪失になってしまう。自分が誰なのか思い出せない高橋冬海に、宮崎 空はどう接して行けばいいのか分からなくなってしまい息詰まる生活が
続き、ついには自分がうつ病に掛かってしまう。それでもお互いは慰め合い愛し合っていった。重たくも何処か切なさ溢れる恋愛小説折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-02-06 22:53:55
1939文字
会話率:25%
傷だらけで倒れていた青年。
過去の自分も思い出せず、これからどうしていいか解らない。
そんな彼を助けてくれた少女<アリサ>
少女の村を山賊が襲う。
復讐のために強くなっていく青年の物語。
最終更新:2012-01-14 11:32:52
5464文字
会話率:20%
大学2年の交通事故をキッカケに、佐伯伸は恋人だった千葉実月に自分の事を忘れられてしまった。
実月に自分の事を思い出して欲しい。
そう願いながら、友達として7年が過ぎてしまった。
最終更新:2012-01-01 02:31:05
3777文字
会話率:34%
それは、あるクリスマスイヴの夜の物語。たった一夜の、一つの願いの物語。 目を覚ました“俺”は、ある公園にいた。手元には一台の携帯電話。自分の名前が思い出せず、“俺”は自分が記憶喪失に陥っていることに気付く。どうしようかと考えていた“俺”
は、手元に一つのペンダントが落ちていることに気がついた。 感動系にした・・・つもりです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-12-25 23:42:57
7126文字
会話率:30%
一年中、雪と氷に覆われた町には伝説があり、霊峰にいる雪神が町に下りると「フローズン・ダスト」が起こるとされた。
町で服飾の仕事をするブライズは夜の湖を訪れる。そこで溺れる少女を助ける。少女は記憶喪失だと告げるも、自らスノウと名乗る。
住む所
のないスノウのため、ブライズは自分が住む家へと招き入れる。一緒に住むおばさんから、大祭中であると教えられ祭りへ行きたいと言う。祭りを楽しみながらも、スノウのため情報を集める。途中、顔馴染みのミモザと出会う。ミモザの事を好きなブライズ。だが、それを伝えることができない。二人は、祭りの催し物を巡り歩く。
その夜、スノウはブライズの寝室へ行き、大祭後のことを相談する。ブライズは、君が居たければここにいてもいいんだと話す。
大祭の最終日。仕事を休んだミモザが加わり、三人でアミューズメントパークへ向う。三人はスケートをすることに。運動音痴のブライズは、ミモザの補助でスケートをしていると、ミモザが過去の思い出を話す。そんな二人の様子を遠くで見ていたスノウは、過去の記憶が戻る。
その後お風呂に入るミモザとスノウ。スノウは、ミモザにブライズの事をどう思っているか尋ねる。ミモザは好きだと認めるが、素直に伝えられないと言う。スノウは、どうして素直になれないんだと詰め寄ると、こっそりと何かを打ち明ける。
パレードに出るため町へ戻ろうと三人は馬車を利用する。だが、ハプニングに襲われ馬が暴走する。最初にミモザが脱出し後を追おうとするが、スノウの様子がおかしい。彼女の様子が変わったのは、記憶を取り戻したのではないかと見抜く。スノウは、自分が人間ではないと告白し一緒にいられないと涙を流す。ブライズは、誰であろうとスノウに代わりはないと言う。そして二人は馬車を脱出する。
最後、スノウは雪神であると打ち明け去っていく。そして、ブライズとミモザの頭上にフローズン・ダストを降らせる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-12-15 15:04:12
34635文字
会話率:49%
給食のあと保健室で吐いてしまった幼なじみの涼。彼を介抱するとき、沙織は涼の吐いたもので制服を汚してしまう。
制服を洗うため体育着(ブルマー)に着替えながら、恥ずかしさの混じった違和感を感じる沙織。そのまま教室へ戻ると周囲から好奇の視線にさ
らされ、ますますその思いを強くする。
沙織はその状況を、昔幼稚園のときおもらししてしまって自分だけブルマーを穿かされていたときの情景と重ねあわせる。でもそのとき同じクラスにいたはずの涼の姿が思い出せない。不安に苛まれながら次第に尿意を高めていき、幼稚園のときのようにおもらししてしまう沙織。
ふたたび保健室へ戻った沙織を見た涼は?
学園を舞台に、過去と現在の間で気持ちを交錯させながら、おもらししてしまったことが彼との距離を縮めていく、恋のファンタジーを表現しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-12-11 17:07:39
4752文字
会話率:33%
朝起きた僕は記憶が無い。
僕と自分を知るオンプ。
当たり前の暮らしの中、オンプは姿を消した。
そして 一山二山の末に
二人は、 僕は全てを思い出す。
だけど 二人は すでに。
記憶で生きた意思は大切なモノを見つける。
最終更新:2011-10-25 02:02:09
1889文字
会話率:24%
小学生の目で見た世相。自分史を創作で改変するという安逸な手法です。
夢や思い出や記憶は、かつての自分の中できちんと間仕切りがなされていた。
加齢とともに、それらの壁は薄く透明になり、いずれ混濁する運命をたどる。
忘れられない事実が、「それが
どうしたん?」と言われるようになりました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-10-01 10:49:03
37523文字
会話率:1%
記憶をなくした天使を、君はどう捕まえるかな?
俺は、捕まえておけるのか不安だ。
記憶を失っているこいつに、どう話しかけていいのやら……(困)
世界一好きな人が、俺のことを…自分のことを忘れていたら…あなたは考えるだけでも、怖くなるか?
大切
にしまった置いたこの想いも、伝えることができないまま少しずつ遠ざかって行く君を、もう絶対に放っておかない。
今度こそ、俺のものにしたい。心も体も、すべてを全部俺に与えて。
ものこのまま離さない。もうこのまま行かせない。
絶対に、俺のものなんだ。
「どうしても、俺のことを思い出せないか?本当に……」
「ああああ、あなたは誰ですか??!!僕のことどうしたんですか?ははは裸で!!!!しかも、僕も裸だし!!!」
この一言で、俺の積み重ねてきた苦労の愛の結晶は、一瞬で崩れ去った。
半年の出来事を完璧に落とされたのだからな。
もう、こんな辛い事は、思いたくない。
もう、こんな想いは、消してしまおうか。
いっその事。その方がいい。
でも、一抹(いちまつ)の期待をしてしまうんだ。もしかしたら、思い出してくれるんじゃないのかって…――――――
俺はきっとどこかで、それを思ってる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-10-01 07:53:31
530文字
会話率:35%
記憶を無くしたある少女の話。自分が誰なのか、そして記憶無くしたのはどうしてだろうか。記憶を思い出しつつ、周りの人に助けられ、真実を知っていく恋愛ストーリーです。
最終更新:2011-06-26 23:27:47
6861文字
会話率:46%
気がついたら知らない場所、知らない格好、そして知らない自分自身。
記憶喪失になった男が4人の子供達と共に自分を探す。しかし子供達はその男に気付かない。男ができるのは子供達と一緒にいることだけ。
男は自分を思い出すことができるのか、思い出した
記憶は男になにを見せるのだろうか。
記憶喪失の男、ウルトラ仮面と4人の子供コーセー、ゆー、キリちゃん、ジュンの暑い夏から始まった物語。
作者の処女作です。
ファンタジーでもSFでもない。でもちょっと普通じゃない日常を書いていきたいです。
Arcadia様にも投稿させていただいております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-06-09 04:08:14
11135文字
会話率:33%
思い出のあの日、父と訪れた動物園は発情期真っ最中だった。
病で失った父親の記憶と、自分が背負う負の記憶。世界の不幸を作り出しているのは自分だという呪縛。
やがて森の中の我が家を、父をかつて愛した人が訪れる。
最終更新:2011-05-25 00:11:02
12641文字
会話率:43%