伯爵令嬢リリルフィア。十歳で大人びたその少女は父からの愛を一身に受けて、小さな領地で暮らしていた。領内の茶会では容姿の可憐さで他の夫人や子供たちを魅了し、父に付いて領内を視察に行けば聡明さに領民が感嘆の息を吐く。当のリリルフィアはそれらに対
して笑顔で応え、そして影で幼さに似合わない溜息を吐いた。
「ああ…あの子はやっぱり小説に出てくる主人公だわ…」
リリルフィア・テングレム・ハルバーティア
彼女は地球の日本で1度、別の人間としての生を終えていた。
日本で趣味にしていた読書で読んだ一冊の本。
どこにでもあるような物語と記憶していたその小説で登場する名称の数々を、2度目の生を過ごすことになった彼女は幾度となく耳にしたのだ。
大陸の名称、国名、地名、口にする料理の名前、最たる証拠としては、リリルフィアの父である伯爵の名前が小説では登場人物の父として書かれていた。
主人公が旅する過程で訪れる、小さな領地の領主として。
圧倒的モブな立ち位置であることを確認したリリルフィアは、そのまま平凡に生活することを念頭に過ごしていた。しかしある日、リリルフィアの前に傷だらけでぶっ倒れる銀髪の青年を目にした彼女は平凡な生活を望むなら絶対にしない行動に出た。
青年を介抱し、父に青年が自由に行動できるまで邸宅に置いてくれるよう頼んだのだ。
リリルフィアは平凡な生活を棒に振ってでも青年を見捨てることはできなかった。
何故ならリリルフィアは青年の事を知っていたから。
「主人公に会うまで過酷な労働生活の上、主人公の想い人に冤罪を着せられるのに、解決しても対して詫びられもせずに戦地で死ぬなんて、あんまりだわ!!」
ハッピーエンド主義の転生令嬢は、悲劇のヒーローを救いたかったのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-23 10:00:00
1019571文字
会話率:39%
ずっと片思いしていた獣人族の彼の番は、私ーー!?
ルイス・エアハート子爵令嬢は、公爵家の嫡男で幼馴染のグレン・アルバーンに長年の片思いをしていた。
しかし、ルイスが彼に想いを伝えることはない。
何故なら、グレンは獣人だからだ。
獣人族には
、運命の番(つがい)、という難儀なシステムがある。
番を見つけてしまったら、既に結婚していようと子供がいようとも、恋や愛といった感情全てが上書きされ、番一直線になる。
それを知っていたから、ルイスはいつか番を見つけるであろうグレンを諦めていた。
しかし、グレンが18歳を超えたころ、ルイスはついに自分の気持ちを抑えきれなくなり、一夜の思い出をください、と彼に懇願し、情熱的な夜をともにする。
これが、最初で最後。この思い出を胸に抱いて生きていこう。
そう思っていたのに、翌朝、グレンが口にした言葉は―ー。
「ルイス。きみこそが、俺の番だ」
「……へ?」
諦めていた、はずなのに。ずっと片思いしていた彼の番は、まさかの自分!? 狼耳系獣人の彼に溺愛される、恋愛ファンタジー!
すれ違いもあるよ!
このお話は、小説家になろう、アルファポリス、ツギクルに掲載されています。
ブクマや評価をいだたけますと励みになります…!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-23 12:02:06
69192文字
会話率:23%
当校の生徒と言う自覚を持つから始まり、寄り道をしないなどを付け加えてから最後に清き交際などが書かれた校則はどこ吹く風。
主人公、貝沢智将は人と違うと自覚しながらも、人と同じと見られることが嫌で一度も校則を破らないまま真面目な中学校生活を
終えた……と言えば聞こえは良いが、何かに熱中したことも、何かに対しても勇気を持っているわけでは無かったから。
そんな顔見知りたちと離れたいから通学時間がかかる高校に入学したわけでも無かったし、だからと言って高校デビューをしようとは微塵も思っていない。
それに伴う責任を負わされることを理解していたし、その中に見え隠れする学生の本分が続くことを知っていたから。
ただ、行動範囲が広がることが楽しそうと期待を寄せていた智将は、それに伴って知識が広がることも期待していたし、その広がる行動範囲が人生を(自分)を幸せにできる可能性があるとも思っていた。
それはまた、誰かの人生も幸せにできる可能性があるのではなかろうか? とおぼろげに考えたこともあったが、そんなたいそうな考えこそどこ吹く風。そんなことはそんなヤツらに任せておけば良いこと。
そんな内気だが内面はこじらせている系男子のお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-06 14:36:48
8786文字
会話率:27%
大好きな婚約者であるアールとのデート。けれど、デージーは楽しめない。そんな心の余裕などない。今日、アールから別れを告げられることを、知っていたから。
お芝居を見て、昼食もすませた。でも、アールはまだ別れ話を口にしない。
──あな
たは優しい。だからきっと、言えないのですね。わたしを哀しませてしまうから。わたしがあなたを愛していることを、知っているから。
でも。その優しさが、いまは辛い。
だからいっそ、わたしから告げてしまおう。
「お別れしましょう、アール様」
デージーの声は、少しだけ、震えていた。
この作品は、アルファポリス様にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-04 21:15:46
18280文字
会話率:48%
「ごめんなさい、あなたとは結婚できないわ。婚約、破棄させてもらうわね」
おてんばで有名の白ネズミ獣人の王女ネーナは、婚約者であった小型犬の侯爵令息に婚約破棄を告げた。
それは侯爵令息が伯爵家の令嬢に想いを寄せていることを知っていたからだ
が、実は白ネズミ王女が婚約破棄をした本当の理由は、幼馴染な熊騎士令息のことを手に入れたくてたまらなかったからだった。
「クマール、わたくしの愛する騎士様。わたくしと結婚してください」
しかし堅物な熊騎士クマールは身分違いを理由にし、ネーナの求婚を断る。
それでも諦めないネーナは次々クマールに熱烈アプローチを行い、彼を虜にしていくのだった――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-27 08:02:32
8500文字
会話率:32%
「お兄ちゃんが大好きな妹や、都合良く血の繋がらない妹なんていない!まず現実に妹がいる兄が妹に恋愛感情なんて持たない!」
現実に2人の妹がいる高校2年生、柏木優は妹ラブコメが苦手だった。優には実際に妹がいて、現実の妹がどういうものかを嫌とい
う程知っていたからだ。
「まぁいいから!まずは読んでみろって!妹パラ1巻貸してやるからさ!」
親友の一言で渋々家に妹ラブコメの漫画を持ち帰り読むことになった優だったが、一瞬の油断でそれを一番見られてはいけない妹達に見られてしまった!!
1冊の妹ラブコメ漫画を妹達に見られてしまった事から始まるドタバタ妹ラブコメ!!!(?)
「最低ですね、兄さん」
「こんなの好きなんだ。お兄ちゃん」
…やっぱり始まらないかも?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-16 02:11:02
3010文字
会話率:44%
俺、春日春樹(かすがはるき)は今高二で来年は高三になる、まあ普通の高校生だ。
ただ、少しだけ普通と違うとしたら男手一つで育てられて、その親父が再婚するということだ。
親父には感謝しているし、再婚する事に異議はない。
ただ、何か嫌な予
感はしていたんだ。だって、親父と俺の幼馴染である冬川冬子(ふゆかわふゆこ)のお母さん
である時子さんが何やら懇意にしていることを知っていたから。
嫌な予感は的中。
「再婚相手は時子さんなんだ」
冬こと冬子の母親であり女手一つで彼女を育てた時子さん。
男一人で子どもを育てるのは大変だろうということで時子さんには
よく面倒を見てもらった。だからそれはいいんだけど、俺、つい最近、冬と付き合い始めたんだよな。
連れ子同士は血縁関係はないし、モラル的には問題ない……はず。
ただ、恋人になったと思ったらいきなり同居生活だし、親父や冬子さんには言いづらい。
そんな気も知らず、冬は冬でいきなりの同居にテンション最高潮。
で、同居初日の夜に冬が覚悟完了した表情で俺の部屋に尋ねて来たのだけど。
これはつまりそういうこと……だよな?果てさて、どうすればいいのやら。
これは再婚した親の連れ子同士の、一夜のちょっとしたラブコメディ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-14 09:21:31
9803文字
会話率:42%
トリシャ・アーレスはずっと好きだったサイモン・フォレストと婚姻を結ぶ。
嬉しいはずなのに、トリシャの心は晴れなかった。
なぜなら…
−−−最愛の夫には愛する人がいる。
サイモンが異母姉であるレティアのことをずっと想っていると知っていたか
ら。
それでも夫の力になりたいと努力するトリシャの前に現れたのは……?
R15は念のため設定しています。
ハッピーエンドの予定です!
若干ざまあ要素もあるかな?
よろしくお願いします!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-13 18:00:00
32015文字
会話率:24%
勇者パーティーは魔王を倒し、人類の未来を守った。役目を終えた勇者たちは王都へ帰還し、称賛の声と浴びながらそれぞれの故郷へと帰っていく。そんな中、一人王都に残った勇者が王城の一室で眠っていると、窓から見知らぬ者たちが侵入してくる。
彼らが自身
の命を狙う暗殺者であることに気付いた勇者だったが、彼は抵抗しなかった。なぜなら彼は知っていたから。自らの役目は魔王を倒すこと。それが終われは用済みになることを。
そして、勇者は殺された。
王国の人々は勇者の死を悲しみ、信じないと強く主張する者もいた。勇者が、人々の英雄が死ぬはずがないと。きっと生きているのだと。
事実、彼は生きていた。殺された勇者の遺体は、魔王だった少女が作り出した偽者だったのだ。こうしえ勇者という肩書から解放された青年は、新たな旅に出る。
元勇者と元魔王のコンビが、世界中を旅していろんなことを体験したり、時に人助けをしたりするお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-20 12:02:00
45455文字
会話率:42%
この世界では、誰もが一つだけ、自分だけの『祝福』と呼ばれる特殊能力を持っている。人々に授けられた祝福には、様々な種類がある。掌から火や水を出す祝福、雨や雷を降らせる祝福、人の心を読む祝福。個性的で独創的な祝福は、人々の暮らしに多くの利益を
もたらし、重宝されていた。しかし、ごく稀に、『祝福』を持たない人間が生まれてくる事があった。『祝福』を持たない人間は、差別され、侮辱される。この物語の主人公、ロズワール・レイドも祝福を持たない人間の一人だ。彼は、祝福を持たないが故に同世代の人間からいじめの対象にされていた。蹴られても、殴られても、侮辱されても、彼は反抗しない。祝福を持っていない自分では、祝福を持っている人間には敵わないのを、長年の経験から知っているからだ。そんな落ちこぼれの彼にも、生きる希望があった。それは、年上幼馴染の天才少女、シェリー・サイスの存在だった。優しく、賢く、美しく、祝福にも恵まれた完璧な彼女は、いつもレイドの世話を焼いた。そんな彼女に、レイドは淡い恋心を抱いている。しかし、レイドがその気持ちを直接口にする事は決してなかった。知っていたからだ。完璧なシェリーと落ちこぼれの自分では、到底つり合わないという事を。シェリーの優しさは好意ではなく、同情からくるものだという事を。そんな日々に悶々としていたある日、突然、レイドは『祝福』に目覚める。その祝福は、『異性を強制的に自分に惚れさせ、服従させる』という能力で…………折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-13 20:00:00
28983文字
会話率:26%
皇歴2130年、天蓋の六種族と言う超常の力を持つ埒外の存在に支配された日本──国立シンエリューエンス学園に一ノ瀬いのりと言う少年がいた。眉目秀麗、頭脳明晰と完璧を体現しているが、しかし彼には致命的に戦闘力が無かった。だが、悲観はしない。何故
ならば、少年は知っていたからだ──戦いを左右するのは突出した戦術ではなく、緻密に組み上げた戦略であることを。故に、数千の組織を率い、類い稀なる頭脳で怪物を下す、そんな戦いを彼は演じる。そして学園の外では、世間を賑わす叛逆軍(リベリオン)を裏から支配する黒狐として、暗躍を始めていく……。
これは、卓越した知略を用いて世界を牛耳る神を殺す、復讐の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-18 00:00:00
149695文字
会話率:49%
ブリテルス公爵家に嫁いできた伯爵令嬢のローラはアルーバ別邸で幸せなひと時を過ごしていました。すると婚約者であるベルグが突然婚約破棄を伝えてきたのだった。彼はローラの知人であるイザベラを私の代わりに婚約者にするとローラに言い渡すのだった。です
がローラは彼にこう言って公爵家を去るのでした。「婚約破棄をしてくれてありがとうございます。あなたといると破滅しかないから助かりました。」と。実はローラは婚約破棄されてむしろ安心していたのだった。それはローラがベルグがすでに取り返しのつかない事を知っていたからだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-27 14:24:31
15887文字
会話率:66%
75年が経っても未だに約99.5%の知名度を誇る史上最悪の独裁者、アドルフ・ヒトラー。彼の真意を知るものはもはや存在せず、彼が何を思ってその行動を起こしたか知るすべはもう存在しない。
しかし、アドルフの行動理念はすべて「恐怖」に準拠して
いた。なぜなら彼は自分が自分でないことを知っていたから・・・・・1945年に彼は死んだ。しかし彼の総統という概念は残り続け今、異世界にて第三帝国を復活させる!!!
※この作品はファシズムや、人種差別、ホロコーストを推進するわけではありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-19 00:00:00
6365文字
会話率:24%
十五歳の誕生日を迎えたエクスは、緊張と期待で胸がいっぱいだった。
この世界では十五歳になると、スキルという力を授かる儀式を受けることができる。
魔導貴族という特殊な家系に生まれ、規格外の高い魔力を持ちながらも一切魔法を使えなかったエ
クスは、今回のチャンスにかけていた。スキルを得たことで、スムーズに魔法を使えるようになる者が大勢いたことを知っていたからだ。
だが儀式を受けた時、彼はどういうわけか剣士のスキル【ダッシュ斬り】を習得してしまう。当然ながら魔法は使えるようにはならず、兄からは嘲笑された挙句虐げられ、父からは失望のあまり追放処分を受けることになってしまう。
しかし、エクスのダッシュ斬りは他剣士のそれとは違っていた。とある事がきっかけで出会った女剣士は、彼のスキルに大きな才能を感じ、剣の使い方と練習方法を教えることになる。
一年後、女剣士が驚愕するほどのダッシュ斬りの使い手になったエクスは、大陸中のみならず世界中でも類を見ないほどの強さを手にしていた。
しかし、女剣士はエクスにはまだまだ伸び代があると感じ、武者修行の旅を命ずる。彼は素直に従い、いく先々で騒動に巻き込まれつつ、多くの人々に驚愕を与え、そして認められていくことになる。
※カクヨムでも連載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-15 23:14:10
45430文字
会話率:46%
一二歳になってすぐに、ルーシア・トレムは人買いに売られることになった。親がギャンブルで大負けしてこさえた借金を返すためという、最低な理由で。
しかし、ルーシアはそのことを悲観することはなかった。
親と縁を切る好機とさえ思っていた。
なぜなら
ルーシアは、父、母ともにどうしようもないクズだということを知っていたから。
そんなドライな彼女にも、一つだけ気がかりなことがあった。
それはただ一人の友達である、クロエ・クロームと別れなければならないことだった。
クロエに無用な心配をかけさせたくなかったルーシアは、ここから遠い地にいる金持ちの家で下働きすることになったと嘘をつき、再会の約束を交わした。
その後、ルーシアは人買いに売られ、さらにその人買いを介して、全く予想だにしなかった〝者〟に売られることとなった。
その〝者〟とは魔族。
魔獣を使役し、今この時も人間の領域に侵攻を続けている人類の天敵だった。
ルーシアを買った魔族は、ルーシア以外にも同じような境遇の子供たちを買っていた。
五年後に現れると予言されている、勇者を殺す刺客に仕立て上げるために。
子供たちの中で、刺客になれる者はたったの一人。
さらに、勇者殺しを達成した暁には、自由と莫大な報酬を与えるとのことだった。
刺客に選ばれた場合、勇者を殺すために必然的に人間の領域に戻ることになる。
報酬云々よりも、クロエとの再会の約束を果たすチャンスを得ることができるという点に魅力を感じたルーシアは、刺客になるために魔族が課した地獄のような訓練に臨んだ。
そして五年後。
見事刺客に選ばれたルーシアは、勇者を殺すために人間の領域に舞い戻るのであった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-24 20:36:24
13178文字
会話率:14%
王都薬剤院に勤めるリッタは日々自分の仕事に自信と誇りを持っていた。
ミスの多い後輩たちのフォローもこなす日々だったが、その後輩たちがリッタの指導が厳しいと上司に言ったことで解雇される。
後輩たちの為に辞めるのは悔しかったがそれよりも彼らの雑
な仕事で、治るはずの患者が悪化しないかと心配だった。
なぜなら過去に後輩たちの手違いによっていくつも被害が起きているのを知っていたからである。
そんなリッタの元に、その被害にあった紳士がやってきた。
紳士はリッタに「感謝している」と伝え、次の職場を斡旋してくると言う。
戸惑いながらも、職を失ったリッタは紳士の手を取ることにしたのだった。
真面目な勤労少女リッタと、彼女を見初めた紳士フラードの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-05 21:38:06
3973文字
会話率:39%
ソール王国の国王、アレキサンダーは憂鬱だった。
貴族令嬢など嫌いだというのに、隣国の侯爵令嬢を妃として娶らなければならなくなったからだ。
令嬢達がアレキサンダーのことを怪物と呼んで恐れ、怯えているのを知っていたからでもある。
苛立ちを妃と
なる令嬢にぶつけ、冷たく当たるアレキサンダー。しかし、彼の妃は彼を恐れるどころか、愛しそうな目で見つめてくるばかりで……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-09 22:34:31
4163文字
会話率:31%
田舎でのんびりと農家として仕事をしている太田義久は気が付いたら出雲の尼子義久に転生していた。
転生もの小説や歴史好きな義久は転生したことに大喜びすると同時に絶望していた。
なぜなら尼子は毛利家に滅ぼされ尼子義久は長年幽閉されることを知ってい
たからである。
のんびりと自由に過ごすことが好きな義久は自由を手にいれるために現代知識や歴史知識を駆使して毛利から尼子家を守り天下を目指すことに決めた。
注意)表現が苦手な為分かりづらいところが多いかもしれませんが悪しからず。
また、誤字が多いのでごめんなさい
物語は9/20に完結
9/21、9/22文芸日間ランキング2位
9/23、文芸日間ランキング1位折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-23 05:37:05
510440文字
会話率:46%
ーーこれは、神と人と炎の物語。
古の時代、世界に神の御遣い「天使」が降り立った。
その世界には数多の生命が在った。
空を翔ける優雅なる鳥、大地を駆ける雄々しき獣、樹々草花に息衝く麗しき精霊。
天使は、その中で、若く、弱々しく、だが知性
溢れる生き物の手を取った。
その生き物は、「人」と云った。
人は、天に憧れ、偉大なる神の教えに畏敬を示した。
人は、言葉を知り、文字を伝え、父たる神のために「歴史」を紡いだ。
そんな彼らの肉体は、どんな生き物よりも脆く儚かった。
ふと意識すれば倒れているのだ。
大地の病に倒れ、獣の爪牙に貫かれ、骸すら鳥に突かれ、気づけば朽ち果てていた。
天使は、弱々しく命を散らす子を憐れみ、彼らに「剣」を与えた。
精霊は、人に剣を与えた天使を憎んだ。
人は剣を持つべきではないことに気づいていたから。人はか弱い存在ではないことを知っていたから。
精霊は危惧していたのだ。人が剣を持てばその性質が変わってしまうことを。
精霊は純粋に愛していたのだ。心優しき人という生命を。
精霊は人のために天使に戦を挑み、人の剣の前に敗れ去った。
やがて、人は剣に酔いしれ、その酔いは神への祈りすら忘れさせた。
そして、人の剣は人に向けられた。祈りを守る者と祈りを忘れた者は、互いの剣を交差させた。
世界には戦が溢れていった。
・・・ふと何処かで、誰かが訊ねた。
人が正しく在るべき道は何れにあらんや。
曰く、
「神の戒律か。人の欲望か。精霊の徳義か」
ーーこれは、人でありながら人の道を外れた者が「幸福(エウダイモニア)」を求める物語である。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ー神戒暦13年ー
オクトリエル月8日。陽の当らぬ昼。
ディケロニア烙皇国辺境伯領小都市ザファケルに辿り着いた若き僧騎士は、そこで少女と出会った。
ボロ切れのような服をまとい、体の至るところに虐げられた傷を持つ少女。
僧騎士は少女を憐れみ、手を差し伸べる。
しかし、それが己の信仰を打ちのめす試練の始まりであることなど、知る由もなかった。
今なお死の流行病に冒され、心を失いつつあるこの町に、あらゆる悪意が吹き溜まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-30 19:14:32
151424文字
会話率:33%
ーこれは、神と人と炎の物語。
古の時代、世界に神の御遣い「天使」が降り立った。
その世界には数多の生命が在った。
空を翔ける優雅なる鳥、大地を駆ける雄々しき獣、樹々草花に息衝く麗しき精霊。
天使は、その中で、若く、弱々しく、だが知性溢
れる生き物の手を取った。
その生き物は、「人」と云った。
人は、天に憧れ、偉大なる神の教えに畏敬を示した。
人は、言葉を知り、文字を伝え、父たる神のために「歴史」を紡いだ。
そんな彼らの肉体は、どんな生き物よりも脆く儚かった。
ふと意識すれば倒れているのだ。
大地の病に倒れ、獣の爪牙に貫かれ、骸すら鳥に突かれ、気づけば朽ち果てていた。
天使は、弱々しく命を散らす子を憐れみ、彼らに「剣」を与えた。
精霊は、人に「剣」を与えた天使を憎んだ。
人は「剣」を持つべきではないことに気づいていたから。人はか弱い存在ではないことを知っていたから。
精霊は危惧していたのだ。人が「剣」を持てば「変わる(化ける)」ことを。
精霊は純粋に愛していたのだ。心優しき人という生命を。
精霊は、人のために天使に戦を挑み、人の剣の前に敗れ去った。
やがて、人は剣に酔いしれ、その酔いは神への祈りすら忘れさせた。
そして、人の剣は人に向けられた。祈りを守る者と祈りを忘れた者は、互いの剣を交差させた。
そうして世界には戦が溢れていった。
何処かで、誰かがふと訊ねた。
「人」が正しく在るべき道は何れにあらんや。
曰く、
「神の戒律か。人の欲望か。精霊の徳義か」
ーこれは、人でありながら人の道を外れた者が「幸福(エウダイモニア)」を求める物語である。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ー神聖暦1326年ー
ノムトリエル月の25日。聖なる夜。
ディケロニア烙皇国属州テサロ聖鍵公国は、預言の子の誕生を待ちわびていた。
国主である聖鍵公は、次なる御子は神の祝福を受けた子である、と神託を受けたからだ。
神託の子は、産声をあげた。
しかし、その子が数奇な運命とあまりに重い使命を携えていたことなど、誰も知る由もなかった。
ただ一人の少女を除いて・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-05 11:31:14
14208文字
会話率:31%
架空中国神話。
天の川の精霊である天漢童子の天河(てんが)は、従姉姫に当たり氷花公主の忘れ形見でもある氷霧姫(ひょうむき)に一目で恋に落ちた。
その想いは長く続き、成人して天漢公子になっても変わらない。
天河は、時を止めた氷霧姫を「姉上」
と呼び、熱心に花を届ける。
それを氷霧姫は氷柱(つらら)に閉じこめて愛でる。
氷の中の花は、色あせることはなく永遠に美しい。
けれども、その花にふれることはできない……。
天河は想いを花に託して、決して氷霧姫にふれようとはしなかった。
儚げな従姉姫に無理にふれようとすれば、今までの関係が崩れてしまうことを知っていたから。
「紅の空」でも掲載中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-31 20:00:00
39322文字
会話率:23%