高校三年の春。僕の机に、一通の手紙が置かれていた。
「七月十日、午後三時。私はあなたに告白され、断りました。──だけど、それを後悔しています。どうか、未来を変えてください」
差出人は“未来の彼女”。
内容は、「彼女と結ばれなかった未来」
から送られてきた手紙だった。
次々と届く“未来の分岐”を告げる手紙。
交通事故。失恋。親友の裏切り。
彼女との関係を修復するたび、僕の未来は歪んでいく。
そして最後の手紙には、こう書かれていた。
「七月十日、私は死ぬ。あなたが私に告白しなかったせいで」
──これは、未来からの告白に応える、僕だけのラブストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 11:06:20
3743文字
会話率:13%
初めて彼女を見たのは、大学の図書館だった。
午後三時、いつも同じ窓際の席。光が柔らかく差し込むその場所で、彼女はひとり静かに本を読んでいた。
ページをめくる指が細くて綺麗で、時おり少しだけ笑う表情が印象的だった。
声も知らない、名
前も知らない。けれど僕は、その姿に惹かれていた。
僕よりも年上かもしれない。けれど、話しかける勇気が出なかった。
──ある日、彼女が読み終えた本の見返しに、こんな一文が残されていた。
「この本の最後、あなたは泣いた? 私は少しだけ泣いたよ。
― 綾乃」
それを見たとき、不思議と胸が高鳴った。
誰に宛てたのかもわからないメモだったけれど、なぜか自分に向けられたもののように感じた。
そして僕は、初めて彼女に声をかけた。
変わらない毎日が意外になる、恋愛小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 11:03:58
1834文字
会話率:25%
【午後三時、職場のトイレから戻る途中─俺は”どこか”に迷い込んでいた。】
そこは、誰もいない大学の廊下だった。
夏の日差しが差し込む快晴の午後。だが暑さはなく、不気味なほど快適だった。
遠くから聞こえる笑い声。だが人影は一つもない。
時
計は止まり、空気は静止し、存在しないはずの”気配”だけが付きまとう。
これは夢か?妄想か?
それとも、
誰もが一度はすでに踏み込んでしまっている、名前のない世界なのか。
記憶にないのに、どこか懐かしい。
見覚えがないのに、帰ってきたような気がする。
仕事に疲れた三十二歳の男が迷い込んだ、
「なつかしらぬ」空間を描く、静謐で幻想的な現代ホラー。
▼ジャンル:ホラー(リミナルスペース×心理幻想)
▼キーワード:折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-10 12:00:00
7799文字
会話率:6%
遠い昔のものを見ていると
不思議な気持ちになる午後三時の頃
夏ばかりが梅雨に隠れて通せんぼ
通りゃんせの唄が聞こえる神社の境内には
誰もいませんでした
秘密ばかりが増えてゆく大人の机には
見知らぬ外国の煙草の匣
船町の街にはいつも潮の香り
背中だけが影になって
見知らぬ人のような父の姿折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 10:21:16
2813文字
会話率:0%
王太子に婚約を破棄され、王都を離れたのどかな村に追放された令嬢、ノエリア・リュミエール。
辿り着いたのは、花咲く丘のある静かな村。
野菜を育て、子供に読み書きを教える穏やかな日々の中、
ときおり“偶然”現れる商人風の男――
その正体は、どこ
からどう見ても王太子ヴァルトル・エルヴァンスだった。
ふたり分のカモミールティーと、リンゴのタルト。
語られない想いは、ひそやかな魔法が解けるまで。
これは、追放されてもなお続く、午後三時のやさしい恋物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 07:01:59
3153文字
会話率:27%
午後三時、電脳探偵事務所にやってきたのは、少し抜けた様子の青年・総一朗。
書類を落とし、椅子をぶつけ、話はかみ合わない。だが彼の目には、まっすぐな何かがあった。
「できれば……ここで、働きたいんです」
ナズナはまだ知らない。
この青年の
中に、“世界を揺るがすもの”が眠っていることを──
これは、探偵と助手の、少し不思議な出会いの記録。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 16:51:00
1648文字
会話率:64%
「ハルノネコ午後三時ノ門ノ影 」を初句にしている俳句です。
文字数を埋めるためにお見苦しい点はあると思いますが、ご容赦ください。
最終更新:2025-04-29 16:00:00
278文字
会話率:50%
十数年前、ひとりの生徒を見送った老教師のもとに、ある日、差出人不明の手紙が届いた。
──先生、もし覚えていたら、学校前の、あの公園で会ってください。日曜日の午後三時。
それは、テレビのニュースが再び呼び起こした名前——「リク」か
らのものだった。かつての教え子。今では“無差別殺傷事件の容疑者”として報道されている。
手紙の言葉を信じて向かった公園。午後三時、静寂の中で彼は再びリクと出会う。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-16 07:30:00
3276文字
会話率:18%
とある古びた一軒家。午後三時の穏やかな風が窓から入り、カーテンをふわりと膨らませる。布団に横たわる老人は、そばで洗濯物を畳んでいる女に声をかけた。
「なあ、君」
「はい、なんでしょう」
「君が突然この家に来てから、もう随分経つな」
「
はい、そうですね」
「君は嫌な顔ひとつせず、こんな老人の世話をしてくれて、本当に感謝しているよ。だが……」
老人は言葉を区切り、ゆっくりと唾を飲み込んでから続けた。
「君はいったい何者なんだ? どこかの支援団体から派遣されたのかと思ったが、泊まり込みだし、どうも違うみたいじゃないか」
「はい、違います」
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-01-20 11:00:00
2141文字
会話率:83%
蝉の全盛、世は夏休み真っ只中。彼もまた日々の重圧から解放され、趣味のゴルフを側近たちと楽しんだのち、道が混んでいるからという理由でヘリコプターで都心に戻ろうとしていた。
彼にはそれができる。なぜなら彼は総理大臣なのだ。
だが、さすがの
総理と言えど、不運な事故。ヘリの墜落を阻止することはできなかった。
「うぅ……」
地面、雑草と落ち葉の上。むくりと起き上がった総理は顔を歪めた。自身を囲む木々、そこにとまる蝉たちの鳴き声に、まるで四方八方からジリリリと目覚まし時計の音を浴びせられている気分。最悪の目覚めだ。しかし、ぼやけていた頭の中が徐々にハッキリしていくほどにその最悪は更新されていく。
見回すが周りにヘリ、その残骸はない。機体から放り出されたのだろうか。覚えていない。どれくらい時間が経ったのかも。スマートフォンは失くし、おまけに腕時計は壊れたようで動かない。
チャーターしたヘリでゴルフ場を発ったのは午後三時ごろ。木々の間から降り注ぐ陽射しの感じからして、まだ夕方ではなさそうだが……。
総理はぐぅと声を漏らし、膝に手を当て立ち上がった。森の中は涼しいがあくまでそれは比較的に、の話。水色の麻のシャツは背中に大きな楕円形のシミを作り、土で薄汚れた白のチノパンの尻の部分にも汗をかいている。
「体力は……あるつもりだが……ひぃ、ふぅ、国会にルームランナーを導入することを……検討しないとな……ははは……」
と、ひとり、冗談でも飛ばさなければやってられない。不安と蝉たちの声で気が狂いそうになるのをひしひしと感じていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-30 11:00:00
5929文字
会話率:71%
午後三時、君と出会った。
午後三時、君とのお茶の時間。
午後三時、僕の唯一の幸せの時
午後三時、君が隣に居ない。
午後三時、欲しいのは君だけ。
午後三時、君だけを見ているのに。
午後三時、君はーーー
誰からも疎まれるシオンと鳴
り響いた午後三時の鐘の音をきっかけにお茶会という交流を始めたアシューム。
理想的な貴族の姿から逸脱していることをわかりながらそれでも、と。
もしもと望んたことは夢物語だと思うことしかできなかった。けれどそれでも手を引いていたら、違ったのか?
午後三時、あたしは飛び降りたのアシューム視点。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-11 10:27:26
19492文字
会話率:31%
午後三時、あなたと出会った。
午後三時、あなたとのお茶の時間。
午後三時、あたしの唯一の幸せの時。
午後三時、あなたの隣にあたしはいない。
午後三時、全てを失った。
午後三時、あなたもあたしを見てくれない。
午後三時、あたしはー
ーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-31 16:41:43
15375文字
会話率:36%
優雅な午後三時、英国紳士淑女がチャ会を楽しむこの時間に、私は公園のベンチに座ってぼんやりしていた。
声を掛けるのは、書生の彼。
暑そうにボヤくのを流しながら、私は話をする。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御
座いません。
注意事項2
も少し博物館と美術館と水族館があれば、良いのですが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-20 15:08:53
979文字
会話率:50%
本日もしょーもないご報告でございます。申し訳ございません!
最終更新:2023-12-22 12:19:48
1824文字
会話率:0%
午後3時45分くらいにマクドナルドでハンバーガー食ってる人って、なんなんだろう。昼ごはんには遅すぎるし、晩ごはんには早すぎる。という疑問を持つ大学生・カネモちゃん。彼女はある日、午後3時45分くらいにマクドナルドでハンバーガー食ってる赤髪の
女性を見かける。実は彼女・ウニエルシタスはエイリアンで、腹時計が地球人から約4時間ほど後ろにずれているがために、こんな時間帯に昼飯を食べているのであった・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-16 12:06:12
35580文字
会話率:60%
今日も僕はコンビニでパートとして午後三時間三十分まで働いている。名前は|園田海斗《そのだかいと》といい、二十四歳。僕はバツイチで子どももいる。子どもはひとりで、女の子。元妻が引き取っている。離婚した原因は、僕の経済力のなさらしい。結婚して
もパートで勤務していて、正社員になろうとはしなかった。もちろんパートより正社員のほうが給料はいいし、ボーナスもでる。じゃあ、なぜ正社員になろうとしなかったかというと、僕はからだがよわい。すぐにつかれてしまう。だから季節の変わりめになるとかならずと言っていいほど調子が悪くなる。今は春。調子が悪くなる時期なので不安。どこが具合悪くなるかというと、メンタル面。だから、あまり長時間働くとつかれて具合が悪くなってしまう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-17 18:07:25
7572文字
会話率:50%
午後三時の冬の空。とうとう静かに泣く女がいた。あまり聞いてやらなければ宜しいのに。軍人にその配慮は難しい。
キーワード:
最終更新:2023-11-13 23:12:27
1800文字
会話率:0%
「今 (the future is now)」今 今が足元から沈んでいく 「さよなら白昼夢」白昼夢の中 夢遊病者のごとく 過ごしている午後三時
キーワード:
最終更新:2023-01-06 20:00:00
368文字
会話率:100%
「2022年11月22日、君たちは東京を血の海とする」
主人公東柊一の自宅ポストに一通の手紙が届いた。誰かのいたずらと真に受けなかった柊一は放置した。そして、事件は起きた。
2022年11月22日、午後三時の東京渋谷スクランブル交差点
で大勢の人が血を吐いて倒れた。被害は拡大して、東京各地で謎のウイルスによって死者が多数確認された。
「これは中学時代の君たちが考えた人類滅亡案がもとになっている」
事件後に新たな手紙が入っていた。理解できない柊一は放置することもできず、中学生の頃に住んでいた町へと帰る。
そこで同じクラスだった江名瀬友絵と再会を果たし、同窓会があると聞いて柊一も参加する。
同窓会後、柊一は数々の事件に関わることになり、その事件は一つの事件へと繋がっていく。
東京血の海事件の被害に遭い、亡くなった同級生の葬式で柊一たちは新たな人類滅亡案を目にする。そこには東京血の海事件よりも規模の大きい日本滅亡の計画があった。
「ひょっとこ」と名乗る人物が人類滅亡の予告動画をネットに投稿し、世間は大騒ぎとなる。
柊一たちはひょっとこの正体を追い、人類滅亡の阻止に走る。
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
※2012チルドレンはnoteでも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-21 00:00:00
89897文字
会話率:52%
光の届かない深いその森は、夜の国と呼ばれていた。
異形の魔物達が蔓延り、人間ならば数時間で狂気に陥ってしまう森の中で、白銀の髪を持つ少女は一人の魔物に拾われた。
異形を纏める巨大な角を持った国主、浴槽に沈む潮騒の魔女、午後三時だけに現れる蝙
蝠、カトラリーと腐敗した身体の悪食コック、千切れた羽を鳥籠に閉じ込めた時守り——、そんな異形の者と共に、森の奥に佇む洋館で過ごしていた少女は、ある日ひとりの人間の男を拾ってきた。
少女が拾ったその男は少女とその周囲に変化を齎し、やがて夜の国を少しずつ蝕んでいく。
この小説はpixiv、カクヨムにもアップしています。
更新は4話まで毎日、それ以降は毎週金曜日の20時予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-29 20:00:00
80444文字
会話率:18%
翔平(しょうへい)は七年ぶりに実家へ戻り、子供部屋の掃除をすると、机の引き出しの中から手紙を発見する。差出人は桃井涼子(ももいりょうこ)――翔平の幼馴染であり、初恋の人――だった。
『明日の午後三時、間桐(まとう)商店に来て』
たっ
た一文だけの文面を受けて、翔平は翌日、間桐商店を訪れる。
店に入ると、昔とたいして変わらない見た目の店主がおり、涼子からの手紙は過去から未来へ送られてきたものだと翔平に告げる。突拍子もない話を聞き、困惑する翔平。さらに店主は、「未来があれば、当然過去へと送れる手紙もあるんだよ」と言って、翔平に過去へと送れるという手紙を手渡すが――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-13 14:00:00
8251文字
会話率:50%
時は七月。文化系登山サークル、山岳友の会では、日本アルプスの一つ、白馬岳に登るのが恒例。
というわけで、午後三時頃、テント設営を開始した立山岳斗とその他サークル仲間。
なのだが、不注意な事で定評がある後輩女子な木曽奥穂が、寝袋を忘れて
しまった。
夏とは言え、高度3000m級の山。寝袋無しで寝るなどありえない。
サークル一同、頭を悩ませていたのだが、岳斗は寝心地のいい大型寝袋を持っていた。
微妙に気まずい雰囲気の中、岳斗と奥穂は同じ寝袋で一夜を過ごす羽目になるのだが……。
同衾なのに、ちっとも甘酸っぱくない(?)ラブコメをお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-29 22:44:26
4432文字
会話率:46%