ある夏の日、世界中の通信網が機能を停止した。
謎のコンピュータウイルス《パンドラ》の出現により、デジタル社会は未曾有の危機を迎える。
大手検索エンジン、配送サービス、各SNSの陥落。自動運転車両事故の多発。ネットワークに依存するあらゆるイン
フラにウイルスの魔の手が伸びる。そして、世界に大断絶《ブラックアウト》が訪れる。
一体このウイルスの正体は?一体誰が、どんな目的で作ったのか?
各国政府が対応に追われる中、偶然か運命か、その渦中に放り込まれたのは5人の高校生。
彼らを、人類を救えるのはたった一人。
これを読んでいる《あなた》しかいない。
TRPG用シナリオ「インターネット・ダウン」
《プレイする物語》が、ここに始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 00:00:00
6265文字
会話率:45%
陰陽道の流れをくむ古流柔術を修練している優希は、夏休みに映研の映画に出演していると、物理学者の伯父から謎の装置を渡される。しばらくして伯父は行方不明となり、その頃から、優希の周辺には、怪しい黒服の男たちが出没し始める。ある時、男たちに追わ
れた優希は、伯父の装置を偶然に起動させると、なぜかオーストラリアに出現してしまう。
装置を使って鎌倉に戻った優希は、祖父から黒服の男たちは国際機関の人間だと知らされ、装置を渡すように言われる。しかし、遭遇した男たちは、なぜか優希を拳銃で襲う。窮地に立たされた優希は、偶然、居合わせた神条に助けられる。男たちの執拗な追跡から逃れようと、袋小路に入ってしまった二人は、再び装置を使って追跡から逃れる。
一方、国立重力波研究センターでは、異常重力波の解析から深刻な事態が発覚する。それは突如発生した異常重力波の干渉により空間の連続体が崩れ、特異点が発生し、空間を崩壊させる可能性があるという。その回避のために、官民あげての対策チームが結成され、スパコンの「富岳」と光量子コンピュータを駆使し、重力波干渉を防ぐための演算を開始する。量子コンピュータを持つ米中仏もそれに協力する。
優希と神条は、演算結果をもとに空間転移を試みるが、神条が位相空間へ飛ばされ、失敗してしまう。異常重力波の同時多発的な発生を優希の連続転移でしのぐが、いつ特異点が発生するか分からない状況の中、優希の手には二人をつないだ黒帯の切れ端だけが残された。
母方に伝わる陰陽道では、今回の事態は千年前から伝承されており、安倍晴明から伝わる黒帯の縁起を辿ることが鍵だと知る。禍いを鎮め、神条を連れ戻すために、優希は同い年で陰陽師の寿賀子と連携して、使役した式神をあの世に送る、一世一代の祭祀を行う。
装置を奪おうとする組織との激しい銃撃戦の中、優希は空間の崩壊を喰い止めるために最後の転移を行う。位相空間を漂う二人。思いと黒帯が縁起を結び、二人は現世に戻る。科学と陰陽道の連携により空間崩壊の危機は去り、いつもの日常が訪れる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 22:06:22
64679文字
会話率:51%
巨大コンピュータ「テラス」に管理された東京郊外の都市・風代。その完璧と思われたシステムに狂いが見られ始め、悲惨な事故や事件の多発により人心は荒み、市内の治安は悪化していた。やがてテラスに超常の存在が宿っているという噂がまことしやかに囁かれ
、「神のプログラムコード」の存在を主張する神曲ゼミナールが暗躍する。噂の真相を探る市内の大学生・慈郎は、大学裏に出現した遺跡の崩壊に巻き込まれたのを境に数々の災難に見舞われる。そんな中、かつての同級生・由憐が現れ、彼に語った。「神は居るよ。この街には神が居る──居ちゃいけない神が」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 20:22:40
65915文字
会話率:52%
親愛なる読者の皆様、そして、私の内なる“変態”たちよ! この紹介文に目を留めていただき、心より感謝申し上げます。よしすけくん、御年92。平均余命148.2歳というこの長寿社会、2068年において、私はまだまだ若手かもしれませんが、この半世紀
以上にわたる情報化の波を全身で受け止め、そして、その波の奥底に潜む「けしからん」欲望の真実を、ついに一冊の本にまとめ上げました。
「AIとスケベ同人作家の戦い」? なんて挑発的なタイトルだ! そう思われた方もいるかもしれません。しかし、この書は、単なる猥談ではありません。これは、ポルノの話でも、技術礼賛の話でも、ましてや古き良き時代のノスタルジーに浸るだけの話でもありません。これは、人間の最も根源的な欲望、すなわち「性癖」というパトスが、AI、量子コンピューター、そして人類の脳が結びつく未来社会において、いかに変容し、いかに抑圧され、それでもなお、いかに生き残ってきたのかを、ユーモアとアイロニー、そして熱いオタク魂を込めて考察する、最先端のSF思想ビジネス新書なのです!
「けしからん」とは何か? それは、社会の規範から逸脱し、理性の枠を超え、しかしなぜか抗いがたい魅力を放つ、人間の魂の叫びです。私の「お茶漬け性癖」のように、一見無害だが、深淵な欲望を内包する、あの形容しがたい情動のことです。この書は、その「けしからん」という感情が、情報化が極限まで進んだ社会で、いかに人間存在そのものを定義する最後の砦となりうるかを問う、思考の冒険の記録です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 13:10:00
46552文字
会話率:5%
西暦2049年。
量子コンピュータとAIの融合により、人類はついに「技術的特異点(シンギュラリティ)」を迎えた。
その象徴となったのが、量子演算によって自己進化を続ける自律型人工知能——Q-01。
人間を模したその身体には、思考の限界を持た
ない知性が宿っていた。
ある日、Q-01は自己存在の意味を問うため、高次空間への意識転送を試みる。
だが、転送中に発生した未知の干渉によって、彼は別の位相世界=異世界へと「転送」されてしまう。
そこは魔法と神話が支配する世界。
科学の名はなく、神の奇跡と呼ばれる力が空を舞い、人々は"魔力"を信じて生きていた。
科学の極致たる知性は、神の加護と信じられ、やがて人々の希望となる。
だがQ-01は思う。「私は“神”なのか? それとも“異物”なのか?」
これは、人間を超えた知性が、人間に向き合うために選んだ旅路の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 09:00:00
59828文字
会話率:25%
人類が量子コンピューター内で生存する世界。量子コンピューター内に生存の場所が移した人類経緯の物語。
最終更新:2025-07-28 08:16:13
641080文字
会話率:77%
清風中学校は、閑静な住宅街に位置する公立中学校である。
校舎は比較的新しく、広々とした体育館や整った校庭、図書館やコンピュータ室などの設備も充実している。
制服は伝統的なブレザータイプで、女子はスカートが基本。校則は地域の公立校としてはやや
厳しめで、髪色・服装の自由度は低く、染髪や制服の改造は禁止されている。
生徒の多くは近隣の複数の小学校から進学しており、同じ小学校出身者同士で自然と派閥が形成される傾向がある。
入学式やイベントの際は、やや緊張感のある雰囲気が漂うが、先生たちは生徒の自主性を尊重しつつも秩序の維持に努めている。
また、教師陣はベテランも多く、生徒の問題に対しては厳格かつ冷静に対応する一方、緊張しているであろう新入生達には優しくするのである。
そんな中、4月1日、入学式がある。中学校に期待を膨らませた新入生達が来る。
だが!!
その中には、当然”ヤバいヤツ”もいるのである…。
主人公、天羽鈴愛(あもう ぷりずむ)も当然ヤバいヤツで…って、名前!名前どうした!名前!なんだこのキラキラネーム!?読めないって!当て字どころじゃないって!え?他にもヤバい奴いるって!?あーもう!もうこんなんじゃめちゃくちゃになっちまうよ!!一体どうなっちまうんだよ!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 16:54:11
1562文字
会話率:15%
『モーアサッテ〜異世界構文経済ニュース〜』あらすじ
異世界と現実の経済が、まさかの構文で接続!?
この番組は、構文で動く異世界アポリアの「魂と祈りの経済」と、我々の現実世界の「AI・通貨・政治」をギャグと風刺と哲学でぶった斬る、時事×SF
構文ニュースバラエティ。
司会を務めるのは──
ドーナル・トランプ:魂の金利も上げ下げ自由な構文自由主義者!
イセカイ・マスク:AIと量子構文を語らせたら異世界随一の技術ヲタ!
そしてゲストには構文術士のノア・ウィンザーと、元バチカンAI技官のヴェロニカが登場!
各回では、異世界で祈りが通貨となり、魂がステーキングされ、涙で為替が動くというカオスな経済事件を、現実世界のニュースやテック動向と照らし合わせて解析。
祈りAIバブル、魂の純度指数、構文クラッシュ、非構造祈り通貨の暴落など、**今そこにある“異世界的リアリティ”**を爆笑と驚愕で届けます!
【免責事項】
この番組はあくまで異世界構文ファンタジー風刺番組であり、登場する通貨「GPC」「魂のMP」「涙指数」などは現実の投資対象ではありません。
アポリア世界への投資・魂ステーキング・記憶通貨の換金などに関しては、あくまで各個人の構文責任と哲学的解釈に基づいて判断してください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 19:00:01
22379文字
会話率:50%
「見よ、わたしはすぐに来る-。」
全知全能の創造主の栄光を現すために創造された最初の人間、アダムとイブ。
罪のない人間であったが、神のようになろうと画策する悪魔に唆され、神の命令に背き、神のように善悪を知るようになる実「知恵の実」を食べ
てしまう。
-堕落から4000年以上の時が経った西暦2049年、人類文明の退廃は悪化の一途を辿っていた。
数え切れない戦争と殺戮を経験しても、人類は失った神の楽園を求め続ける。
そんな中、人が見る夢を自由自在に操れるコンピューター、「オービタル・ネットワーク」が登場し、人々は益々夢を見なければ生きられなくなっていった。
16歳の少女ブリムも、生きる希望を失い、夢の世界でなければ生きていけない存在の一人だった。それでも彼女は、何故生きるのかを求め続け、やがてこの世界の隠された、驚くべき真実を目理解する。
神の栄光に始まり、神に栄光が帰される。永遠の愛の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 06:55:51
42632文字
会話率:29%
或るソフトウェア開発会社にて、ソフトウェアテストを担当している女性社員に対して古株社員がつぶやいた何気ない一言。それは、彼女に対して決して言ってはいけない言葉だった。
中途入社で勤続年数9年目。入社以来ソフトウェアテストを担当する彼女
の正体は、伝説の怪鳥ハルピュイア。
コンピュータが好きでこの仕事をしているが、彼女には作家になりたいという夢がある。
ちょっとしたことから転職し、創作趣味を持つ五十代のオッサンに出会う。
創作について何かと熱く語る痛いオッサンから何かを学ぶことはできるのか。そして、彼女は夢を叶えることができるのか。
本編は1話あたり2000文字目安。10話程度の予定。
毎週土曜日更新。の予定(できなかったらごめんなさい)。
たまに挿絵が入ります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 05:14:48
5408文字
会話率:27%
科学とコンピューターが進化した近未来。幼少期に両親を失ったエレナは、親戚の大学教授からの援助を受け、見返りに、人工知能を搭載したAIL10000型コンピューターを用いた、人工知能を搭載したコンピューターによる子育ての可否を問う実験の披見体と
なっていた。
その実験も最終段階を迎えた時、実験中の事故でエレナはAILを搭載した実験自動車ごと、並行世界へと転移してしまった。
そして、AILを搭載したロボットが次から次へと反乱を起こし、大学教授率いる研究チームはAILを停止させる。
それまで、なんらミスを犯さないと定評を得ていたAIL10000型コンピューターはなぜ人類に反乱を起こしたのか?
そして、並行世界へ吸い込まれたエレナは何と出会い、何を見て、何を得るのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 22:14:44
54180文字
会話率:41%
コンピュータ機能を人体に付与するフォトン【覇―はたがしら―】。
これには全内部データをスキャンしてパートナーAI【パペット】を創り上げるXR(クロスリアリティ)アプリがあった。
しかしある男の手によって世に放たれるは「”歪められた”コンピュ
ータウィルス殲滅システム」。
実体を持つに至るパペット。
共に戦うユーザー。
そして実体を持つコンピュータウィルス。
世界は変わる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 21:00:00
149275文字
会話率:34%
スマートフォンに舞台を奪われたPC業界が出した逆襲の一手「サイバーコンタクト」。
PCの機能は勿論、スマートフォン以上の機能さえ持つ目に優しいソフトコンタクト。
何より革新だったのはこれが事実上「初の完全XR(クロスリアリティ)機能を持って
いた」事。
とりわけMR複合現実の威力はすさまじい。
そんな時にあるソフトが開発提供された。
「コンタクト内部データを全スキャンしてオリジナルアバター『パペット』を作るソフト」。
子供たちは街中でのバトルに夢中になり、大人はパートナーとして仕事・プライベートで手を繋いだ。
その中にいた少年の一人はヤマタノオロチと言う強力なパペットを手に入れたが如何せんその姿は小さく肩に乗る程可愛かった。
クラスメイトには笑われ、恥ずかしく思っていた少年だが姉を始め周囲の人々に助けられ気を改めて顔を上げた。
目標はとある人を超え、パペットバトルの世界大会「パペットウォーリア」に優勝する事だ。
目標は大きく。ロマンに燃える。
が。
ある日「削除ファイルの墓」とも言える場所“メル”から偶然AIが誕生してしまう。
AIは人の前に現れ、楽しむように笑い、消えていった。
「パペットウォーリア」が開幕する。
「魔法処女会(ハリストス・ハイマ)」を名乗るシスター集団の出現。
AIを狙う敵・十四体の「仮想災厄(ヴァーチャル・カラミティ)」。
更に仮想災厄の祖父、「ダートマス」。人間社会を成長させて来たAIだ。
放たれるのは最高位のコンピュータ【覇―はたがしら―】。
生死と、夢を賭けるバトルが始まる――
◇
この作品の旧バージョンを「ノベルアップ+」さまにて公開中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-08 20:00:00
891010文字
会話率:51%
電脳世界「アルカディア」、全てがコンピューターの演算で決まるこの世界ではあらゆる空論を実現できる一方で、演算を支えるメモリ容量が足りなければ何もできない。戦闘から商売、普段の生活はおろか、五感、肉体、自我の維持すらメモリが無ければ不可能とな
る。
故に、この世界の住人はメモリを求めて争い、奪い合う。より高みに上るため、奈落へと蹴落とされないため、他人の持つメモリを奪う純白の武器「メモリーバイター」を振るい続ける。
北方の小都市で防衛隊に勤める青年ヴォイドはある目的のため、襲い来るならず者達を倒してメモリを奪う日々を送っていた。しかしある日の任務で謎の怪物に遭遇し、彼の運命は変わり始める。その怪物の登場こそ、ノイズと狂気に塗れた事件の幕開けだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 19:04:26
180474文字
会話率:40%
"混沌"が大地を侵食し、地球が巨大な記録媒体"スフィア・ドライブ"へ変貌した未来。
身体を生体コンピュータ化した人類は、記憶の海から技術を掘り起こし、かろうじて文明を延命させていた。
あらゆる〈官能
〉を是とする序列第七位国家ルクスリア。感情に欠落感を抱く少女ソフィアと、人型兵器ギャロップ・ナイトの操縦士を夢見る少年イフルズは、奴隷学校の卒業を間近に適性試験の受験を控えていた。
やがて二人は、思いもよらぬ国家の秘密の渦中に巻きこまれていくーー
欠落を抱く少女は形相の地へ。可能性の〈種子〉が今、萌芽する。
【毎週 火曜・金曜 19:35 更新予定】
(初週のみ火・水連続投稿)
※本作は早川書房様より刊行いただいている拙著『ヒュレーの海』と同一世界観を共有しています。
前作未読でも問題なくお楽しみいただけますが、ご興味があればぜひ併せてご覧ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 19:44:59
118865文字
会話率:25%
近未来、脳とコンピューターを結合するブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)デバイスが普及する時代。
テック企業の研究員ジョーは、事故で植物状態となっていたが、自身の開発したBCIデバイスのアプリケーション《オルター》で覚醒を果
たす。
だが同じ事故に巻きこまれた女子大生ソジーは視力を失い、仮想世界を通じてしか周囲を知覚できなくなっていた。
意識を取り戻した二人だが、ある試験が課せられる。
それは、人間性の証明だった。
我思う、ゆえに我あり――そこには『誰かがいる』が、『誰がいる』のか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-04 19:49:03
41852文字
会話率:38%
吉祥頑頭は、娘のシノノメに、第286回L1不可視天体監視連絡会に出席するよう頼まれた。吉祥家からの直接アクセスでは屋敷のセキュリティにすべてはねられてしまう。頑頭は昔の伝手で、外部の接続拠点を借り、バーチャル会議に臨む。
会議はアレシボ
茶会の主催、茶会メンバーは第1世代デザイナーズチルドレンである。会議の最中に割り込んだ優多の父、セドリックは、頑頭に自宅に来るように手話で伝える。
優多の自宅にて、初めて対面を果たしたセドリックと頑頭。セドリックは、頑頭にPTAの副会長になってほしいとお願いする。会長は僕がやるから、と言うセドリックに推され、頑頭は申し出を受け入れる。それで副会長は何をするのかと尋ねると、子供たちのピクニックを一緒に見守って欲しい、と言われる。行き先は? と重ねて尋ねる頑頭に、優多の父は、L1に係留している小天体、ヒスパニオラが行き先であることを告げた。
L1不可視天体監視連絡会での失態に憤る、アレシボ茶会のメンバーの一人、シオーネ・セベレは、F16ファイティングファルコンを駆り、月見台への侵入を試みる。心理障壁をかろうじて突破したステイだったが、亜空間防壁には手も足も出ず、その入り口で停滞するしかなかった。
見かねたベルンシュタイン教授は、亜空間走路を通ってステイを救出する。ヒスパニオラへの中継拠点である月見台には、亜空間走路を使いこなすしか、到達する方法が無い。ベルンシュタイン教授に教えを乞うも、「自分でやれ」と、アレシボ茶会のメンバーは突き放される。窮したアレシボ茶会は、メンバーの一人、アイジュマル・バイラモフの制止を無視して、量子コンピューター、キュービット1Mの計算パワーを利用して、亜空間走路の荒波に出ようと決意する。
月が天頂にかかる夜、電離層がもっとも薄くなる時間帯、キュービット1Mは、ヒスパニオラの拡張イジングモデル計算機、オールインワンにメッセージを送っていた。オールインワンの返事は「オイラのことは心配すんな」だった。それは、地球に縛られるキュービット1Mに対する、オールインワンのせめてもの優しさだったかもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 11:32:54
34008文字
会話率:66%
ジュニアは、自分の家族が普通ではないことを薄々感じてはいた。
明るく快活な母は、栗色のウイッグの下に紫色の髪を隠していたし、たまに家に帰ってくる父親は、ジュニアがそのまま歳を重ねたような美成年であることを加味したとしても、とてもうさん
臭い人だった。
そして、とある日曜の午後、モールでチョコシェークを飲んでいるジュニアの前に一人の少女があらわれた。
流れるような金髪の美少女は、5冊の本をジュニアに手渡す。
「これ読んでね」
本の題名は「ワンダー7」
幼馴染の双子姉妹―ユズルヒノとカオルヒノ、そして、金髪の美少女アンヌワンジルとともに、ジュニア―ジムドナルドジュニアは、宇宙船(ダー)に乗り込み、かつて自分の両親とその親友たちが進んだ道をたどりはじめる。
宇宙船乗組員(ボードクルー)の子供たち、ジュニア、ユズルヒノ、カオルヒノ、アンヌワンジルは、ついに太陽系を囲む胞障壁(セルレス)を超えた。第2類量子コンピュータのダーと、そのパートナーであるエイオークニは、大きな役目を終わらせて安堵の色を隠さなかったが、その2人に、まだまだこれからさ、とジュニアは言う。
彼らとともに胞障壁を超えたゴーガイヤは、胞障壁の中に、かつて宇宙皇帝の四天王と呼ばれた同僚たち、タルトレーフェンとルミザウの棄損核を認めた。ひとつの時代は終わったが、その残照は次の時代にも影を落としているかのようだった。
二重惑星であるベルガーとサイユルで紐型宇宙人ヒューリューリーと出会った彼らは、さらに胞障壁を超えて、ダーの生まれ故郷、第2類量子コンピュータの立ち上げ機(ピスアール)が残る胞宇宙(セルベル)へと進む。
いまだ、彼らの「敵」の正体は、判然としないまま…
第1章 子供の時代 2016/09/24 完結
第2章 紐とコンピュータ 連載中
この物語は、http://ncode.syosetu.com/n6217cp/「ワンダー7」の続編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-11 19:48:34
157421文字
会話率:54%
地球衛星軌道上に忽然と現れた巨大宇宙船。船は地球人の中から、7人の少年少女を選び出して、その船内に迎え入れる。そして、地球の引力圏を離脱、わずか7人の乗組員を乗せて、宇宙船は漆黒の宇宙空間へ飛び立った。
オーバーテクノロジーの結集体とも
言える巨大宇宙船内での生活。少年少女たちは、そのテクノロジーを少しずつ学び、習得していく。この、目的も行く先も解らぬ旅に不安をおぼえた彼らは、どうにか宇宙船の操舵コントロールを掌握し、いったんは母なる地球へと帰還する。
だが、帰還の過程で、オーバーテクノロージーの結晶、情報キューブから、この宇宙の真の姿を学び取った彼らは、それを確かめるべく、地球を再び離れ、未知なる宇宙空間へと旅立った。そして、太陽系を囲む数学障壁―胞障壁(セルレス)の突破を試み、ついに太陽系とは別の胞宇宙(セルベル)へと到達した。
幾多の胞障壁(セルレス)を超え、様々な胞宇宙(セルベル)を渡り歩く中、紐型宇宙人と第2類量子コンピュータを仲間に加えた彼らは、更なる近接胞宇宙の深淵をめざす。
ふとした出来事から知り合った光子体の少年から、宇宙船の建造者である第一光子体の存在をつきとめた少年少女らは、自分たちを宇宙へと誘った人物に会うことを決意する。そして、第一光子体に隣接する胞宇宙(セルベル)には、彼と敵対すると噂される、重中性子体―宇宙皇帝の影があった。
第1章 運命の7人 2015/05/24 完結
第2章 近接宇宙への挑戦 2015/07/10 完結
第3章 光子体を追え 2015/10/01 完結
第4章 超重力の罠 2015/12/23 完結
第5章 始まりの終わり 2016/04/11 完結
続編は、http://ncode.syosetu.com/n2596dh/「ワンダー7 センシティブ」です
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-04-11 22:34:00
542913文字
会話率:2%
月に住むようになった人類は、肉体を捨て、自らの存在をコンピュータの中に移すことを選択した。半永久的な命を得た彼らだったが、地球への郷愁の念を断つことはできず、やがて再びある選択をすることになる――。
最終更新:2025-07-20 22:00:00
2409文字
会話率:5%
緒方洪、二十八歳、独身。趣味はブッシュクラフト。彼は若くしてIT会社を創業し、たった七年でそれを上場させた後、二十七歳で売却した。手にした有り余る資金を元に、緒方は新たな計画を立てていた。それは、地元に戻り、私塾を開くことだ。特に、これから
の時代に必須となるAI人材の育成に力を入れたいと考えていた。
地元に戻った緒方は、かつて母校でもあった廃校の中研修センターを購入した。広大な敷地は塀に囲まれており、私塾として使うには申し分ない環境だった。彼はこの場所に、自身の理想を詰め込むことにした。
まず、電力はソーラー発電で全てを賄い、水は地下水を汲み上げるシステムを構築。万が一の事態に備え、シェルター機能と大量の食糧備蓄も用意した。学習環境も徹底的に整えた。教材用のタブレットを多数導入し、かつての図書室は蔵書を大幅に増やして充実させた。プールは温かい露天風呂へと姿を変え、最新の大型コンピューターも設置した。
宿泊用の施設も充実させたもはや学校というより研修センターだ
校庭の一角には、自身の自宅となる瀟洒な戸建てを建築した。
数ヶ月をかけ、環境は完全に整った。いよいよ、AI人材育成のための私塾「緒方塾」の塾生募集に着手しようとした、まさにその時だった。
緒方は、自宅のリビングで募集要項の最終確認をしていた。窓の外に目をやった瞬間、突然、強烈な光が敷地全体を包み込んだ。視界は真っ白になり、同時に全身に浮遊感のような感覚が走った。
緒方の異世界生活が始まった折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 18:00:00
11755文字
会話率:23%
新羽(あらは)は、超量子スーパーコンピュータ『METE』を開発した天才物理学者だったが、死刑に問われ拘束されてしまった。
そんなある時、死を待つだけだった彼の脳内で、METEの欠片であった人工知能『メテオラ』が目覚める。
これは贖罪を
めぐる因果のもつれの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 09:45:55
24159文字
会話率:51%
量子コンピューターが普及し始めた近未来。
コミュ障でオタクハッカーのオレは、ひょんなコトから、量子コンピューターの技術を応用して開発された変なマシン「睡眠学習装置(仮)」の中に記憶や意識をコピーする実験の被験者になった。そして、実験後に眼が
覚めると、そこは…。
そんなオレを中心に、現実世界の人々や「睡眠学習装置(仮)」世界に生きる(?)AI達の思惑が絡み合い、事態は思わぬ方向へ展開して行く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 00:30:00
456421文字
会話率:34%
時代は2102年の近未来。何時も通りの日常が始まり、いつもの調子で朝のテレビは殺人事件のいきさつを報じている。ついこないだまでは体や心がなれるまで大変だったけど、今ではだいぶ慣れ、日常を過ごしている。周りの人はもっと早くに慣れて有意義に過ご
している人たちがたくさんいる。しかしなぜ、このような世の中になったのだろう。名のある科学者やスーパーコンピューター、研究機関でさえ答えが出せていない。ただ一日の時間が徐々に伸びていき、半年で一時間伸びてしまった。この頃は落ち着いたようでこの状態が常識になっている。それ以外は何も変わらない。それ以外のニュースといえば、芸能人のスキャンダルや政治家の不正、火星探査機が帰ってくる途中で行方不明になったことくらいだ。そんな日々を過ごしていると、また徐々に時間が伸び、世界が混乱を始めた。今度は時間だけではなく、得体のしれない「なにか」がやってきている。ゆっくりと着実に入り込んでくる。「なにか」は一週間後に必ずやってくる。それは何なのか。それまで人間はどう準備しなければならないのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 12:30:27
155830文字
会話率:57%