目を覚ましたとき、俺は真っ黒な天井を見つめていた。
「……ここ、どこだ?」
口からこぼれた言葉が、やけに反響する。床は冷たく、石造り。
空気はひんやりとしていて、どこか鉄の匂いがした。自分がいたのは、まるで中世の城のような場所だった。
最終更新:2025-07-27 07:30:00
169371文字
会話率:41%
僕の名前は咲見(さきみ)暖斗(はると)、中学2年生。夏休みを利用した本物の空飛ぶ戦艦の、体験乗船のメンバーに、このたび選ばれた。超ラッキー!! だったんだけど、あれ?
男子は僕だけ‥‥。え!? 他の15人全員女子!?
で、なんか色々あ
って、僕が人型戦闘兵器DMT(デアメーテル)に乗って戦うことになって。
‥‥ただ、問題はそこじゃなくって。
そこにはクラスメイトの女の子がセーラー服に白衣を羽織って待ちかまえてるんだけど。
「暖斗(はると)くん。運動負荷心電図検査(CPX)、始めるよ~。でもその前に」
「え? 何? 愛依(えい)さん。急にかしこまって」
「うん。暖斗くん。いつも、DMTに乗って戦ってくれるでしょう? わたし達みんなを守るために。ちゃんとお礼を言ってなかったなあって」
「いやあ、改まってそう言われると。僕の方こそ戦闘の度に君に面倒かけてる感じで」
「それは、わたしは医療人として当然のことをしてるだけだよ?」
「出た。『医療人』」
「それじゃ、そろそろ検査しよっか」
「はいはい。いつものヤツだね。一発合格するよ?」
「良いかな、その意気。合格したら、あなたは自室に帰れてのびのび。医務室(ここ)で毎日24時間わたしと顔を合わせる苦行から、ついに解放されま~す。がんばってね」
「うん」
「じゃ、センサー付けるから、Tシャツ脱いで。はい、ちょっとヌルヌルひんやりしますよ?」
「‥‥あれ、暖斗くん、ちょっと体格良くなったんじゃない?」
「そうかなあ、まあ、パイロット用の訓練とかやってるし。一応だけど」
「うんうん。男子の中2は成長期だからね。背も伸びるし。」
「あんまりジロジロ見ないでよ。愛依さん。ホント、『医者の顏』の時と、『素の顏』と、キャラが違うよね。君は‥‥。あれ? 愛依さん?」
「暖斗くん。ウチ男の子の兄弟とかいないんだからね‥‥。そういうこと言わないで」
「あ、顏赤くしてバックヤードに消えていった」
「『素の顏』が出ちゃったか。上着脱げって言ったのは君でしょ? おーい。検査はぁ?」
「ダメ。この顏じゃ人前に出られないよ。ち、ちょっと待っててよ‥‥」
「ホント、『医療人モード』と『素の中2女子』とのギャップが」
「‥‥もう! 今度暖斗(はると)くんが『赤ちゃん』になっても、ミルクあげないんだから。もう」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 09:09:27
1256260文字
会話率:46%
甘夏地方。この地方には、昔からの言い伝えがあります。それは、甘夏地方の何処かに隠された、ローリエの杖手に入れた者は、どんな願いでも一つは必ず叶うと。ですが、ローリエの杖を手に入れて、願いを叶えた者は、一人もいません。その為、甘夏地方
に住んでいる人々は、ローリエの杖は存在していないんじゃないかと疑い始めました。徐々にローリエの杖の話しは、人々の記憶から消されていきました。そして、この頃から何十年も経った頃の話。言い伝えは、完全に存在を消されていました。昔の甘夏地方に住んでいた人々の日記でも、読まない限り、ローリエの杖を知る事はできません。
ある願いを叶える為に、ローリエの杖を必要とする社長の息子の娘がいました。娘は、探索していたら鉄格子に守られている洞窟の入り口を発見します。鉄格子は、古びているようで、鍵が壊れていました。娘は、鉄格子を軽く押すと、軋む音とともにそれが開きました。中に足を踏み入れると、ひんやりとした空気が流れていました。恐る恐る、娘は、洞窟を歩き始めました。洞窟の壁は湿って冷たく、ぽちゃんという水滴の音が、不規則に響いています。視界は、暗黒に包まれてはいますが薄暗く見えます。彼女は、果たしてローリエの杖を手に入れる事はできるのでしょうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 01:02:03
8669文字
会話率:54%
平凡な高校生・桜井悠斗は、夏休みに**下呂温泉の老舗旅館「夕凪楼」**での住み込みアルバイトに応募する。東京の日常に満たされない思いを抱えていた悠斗は、新幹線と特急を乗り継ぎ、憧れの和の世界へと足を踏み入れた。
旅館の仕事は想像以上に厳し
く、慣れない敬語や重労働に戸惑う日々。しかし、女将から特別指導を受ける同年代の女将見習い・佐藤凛の涼やかな笑顔と、しなやかな仕事ぶりに、悠斗は次第に惹かれていく。凛のひんやりとした指先や石鹸のような香り、そして彼女がまとう格式ある着物の佇まいは、悠斗の心を密かに揺さぶった。そんな中、同じ高校の同級生・新堂蓮もアルバイトに加わる。器用に仕事をこなす蓮と、凛との距離が近づく様子に、悠斗は焦りとジェラシーを感じ始める。
大規模な宴会を仲間と乗り切ったことで仕事の喜びを実感し、お客様へのミスで女将や藤原仲居から厳しく叱責されながらも、手作りの甘味を差し入れてくれる温かさに触れる。深夜の旅館散策や、凛と蓮と三人で分かち合った缶ジュースのひとときを通し、悠斗は「夕凪楼」という空間の魅力と、自身の成長を自覚していく。
しかし、蓮が凛を花火に誘う場面を偶然聞いてしまった悠斗は、言えない恋心を募らせる。仕事中、凛が落とした可愛らしいヘアピンを拾い、こっそりポケットにしまう悠斗。蓮が常に一歩先を行くように凛をサポートする姿を見て、悠斗と蓮の間には、言葉にならないライバル意識が芽生えていく。
短い夏休み最終日、悠斗は心からお客様をもてなし、女将からの感謝の言葉に深い達成感を覚える。しかし、駅へ向かう凛と蓮の後ろ姿を見送り、喉まで出かかっていた**「好きだ」という言葉は、結局言えないまま下呂の夜空に吸い込まれていった。**
新学期、東京に戻った悠斗は、「おもてなし」の精神が深く根付き、学業にも真剣に取り組む自分に気づく。机の引き出しにしまわれた凛のヘアピンを見るたび、あの夏の日々や、言えなかった言葉の重さが蘇る。旅館での恋は成就しなかったが、悠斗は「夕凪楼」で得た経験が自分を大きく成長させてくれたことを確信する。女将の言葉を胸に、いつか凛と胸を張って向き合えるその日のために、もっと素敵な自分になることを誓い、悠斗は新しい季節へと歩み出すのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 16:55:14
6354文字
会話率:0%
エルドラード王国の幼き王女ルミリア(愛称ルミィ)は、大ピンチの真っ最中! 最愛の両親である国王夫妻が急逝し、わずか十代前半で女王代理に!? 一ヶ月後の戴冠式まで、なんとか国を守らなきゃ……! そう必死に気丈に振る舞うけれど、本当は怖くて寂し
くて仕方がない。おまけに宮廷には、玉座を狙う叔父の公爵や、胡散臭い貴族たちがいっぱい。プレッシャーで、ルミィの涙腺は今日も決壊寸前! 侍女のエリーはいつもハラハラし通しだ。
そんなある夜、ついに魔の手が! 邪悪な貴族が放った暗殺者が、ルミィの寝室に忍び込んだのだ! エリーたちの助けでなんとか逃げ出したルミィが駆け込んだのは、城の地下にある「開かずの間」。そこには、遥か昔に封印されたという伝説の「厄災の魔女」の、不気味な銅像が安置されていた……。
追いつめられ、恐怖のあまり銅像の前でわんわん泣き出してしまったルミィ。その時、ぽろりとこぼれた涙の一粒が、ひんやりとした銅像に触れた瞬間――奇跡(というか厄災?)が起こった!
ゴゴゴゴ……! 銅像が砕け散り、中から現れたのは、黒髪紅瞳の絶世の美少女(ただし目つきはちょっと悪い)!? 数百年の眠りから覚めた古代の魔女ノア・オブシディアは、目の前で泣きじゃくるルミィを見て、紅い瞳を爛々と輝かせた!
「……ほう? これはまた……極上の逸材を見つけたな。よし、決めた! お前は今日から私のものだ! まずはその涙を拭け、実に愛いではないか!」
果たしてルミィは、無事に戴冠式を迎え、立派な女王になれるのか!? そして、気まぐれ魔女ノアの真の目的とは?
最強魔女の過保護(?)な愛情と、泣き虫王女の健気な奮闘が織りなす、ドタバタあり、時々シリアスあり、ほんのり百合風味(?)な王宮ファンタジーコメディ、ここに開幕!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 20:30:00
51321文字
会話率:44%
【冷蔵庫の奥で生まれた、きらいを好きに変える、とびっきりの友情レシピ!】
ひんやり野菜室の人気者、レタスの精霊・フレッシュは、みんなを元気にする「元気のシャワー」をかける優しい心の持ち主。でも、すみっこにいるのは、料理でいつも残されるピー
マンの悪魔・ホロニガ。自分を嫌われ者だと信じ、ひねくれた彼も、本当は誰かに美味しく食べられたいと願っていました。
そんなある日、持ち主の男の子・ハルキが、苦手なピーマン克服の宿題に挑戦! フレッシュは、ハルキとホロニガの間に「奇跡のレシピ」のひらめきを送ります。しかし、野菜を腐らせるヌメヌメ大王が現れ、野菜室は最大の危機に!
「俺には、まだ、成し遂げたいことがあるんだ!」ホロニガは、友情の光をまとい、ハルキの「美味しい!」という純粋な声と共にヌメヌメ大王を撃退! 苦手だったピーマンが、最高のカレーになった時、ホロニガは自分の価値を見つけ、フレッシュとの間に真の友情が芽生えます。
これは、多様な存在を受け入れ、苦手なものを克服する勇気、そして食べ物の命への感謝と創造の喜びを描く、心温まる成長の物語です。
本作品とあとがきはAIを利用して創作し、加筆修正しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 20:08:16
6812文字
会話率:27%
※加筆修正は頻繁に行っておりますので、ご了承ください。
※作者の名前が急に変更する場合がございます。あらかじめ連絡致します。
【登場人物】アニエス・・・主人公『魔力無し』の公爵令嬢
セオドリック・・・国の王太子
エ
ース・・・アニエスの義弟。ロナ家跡取り
アレクサンダー・・・アニエスの唯一無二の腹心の従者。子爵家養子縁組が決まってる。
ロナ公爵・・・アニエスの父。名家中の名家『ロナ』家公爵
本編抜粋→
「・・・随分、仲が宜しいご様子ですね。」
若干、ひんやりする空気をまとい、アレクサンダーが、口をすっと挟んだ。
二人が振り返ると、公爵とエースもこちらを見ている。それに、アニエスは、慌てて、
「殿下は、私がお世話になるタニア様の兄君であらせますから、多少は世間話を交わします。が、特に仲がいいわけでは決して・・・。」
それに、セオドリックはうんうん頷きながら
「そうですね。おびえた彼女に胸を貸し、落ち着くまで背中を撫でて励ましたりしましたが、決して言うほど親しいわけではありませんね?」
「・・・っっな!!!」
アニエスは引きつった青い顔で、セオドリックの涼し気に微笑む顔を凝視した。
「で、殿下!そ、その言い方は中々に誤解を招きます!!」
「そうですねえ、では、貴女があられもない姿で僕の前に現れたという話もしない方がよいかもしれませんね?」
「っっ事故!あれこそ事故です!!いい加減に、ふざけるのを止めて頂かないとさすがに私も怒りますよ!」
その反応を見て、セオドリックは自分の腹を抑えだした。
「では、この腹を『また』殴りますか?」
「ア、アニエス!殿下をお殴りしたのか!?」
その発言には、さすがのロナ公爵もぎょっとして、身を乗り出した。
「え、それはその、しました・・・け・・・ど、もともとはセオドリック様が・・・!!」
「・・・いったい殿下が、何をしたの?」
エースが静かに聞くと、アニエスは無言でテーブルのグラスをさり気なく倒した。
「・・・まあ!!大変!テーブルが!!!ボーイさん直ぐに来てください!!テーブルにこぼしてしまったわ!」
「・・・・・・・・・今、わざと倒したよね??」
・・・おかしい!!最初は静かに食事していただけのはずなのに、
(『19、食事会と残念な一人娘』より)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 20:15:09
846698文字
会話率:45%
意味を感じない、無意味な接触は嫌いである。
だから触れ合いというのは、何時も意味を感じる時だけだった。
お前はよく触れたがるよな。
確かめたいだけ。こんな薄いのに、肉が着いてるか、内蔵入ってんのか。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
自分の体を触った時に思うのって、『内蔵ちゃんと入ってるな』なんですよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 16:07:59
951文字
会話率:34%
あの子は本当に自己嫌悪が酷くて、自己評価も低いんだ。
口には決して出さないけれども、何時も言葉の自傷行為に及ぶくらいには。
だから叶えてあげようね?
君の望みがどんなのか。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御
座いません。
注意事項2
人外さんが好きです。
とある神様が此処まで飛躍的な回路を有していたら、もう何も言うことはありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-26 19:20:43
1347文字
会話率:42%
ひんやり ひやひや
アイスクリーム
あついなつにたべたくなるね
絵本にしたいと思っています。
アルファポリスさんにも掲載しています。
最終更新:2025-04-23 10:56:04
277文字
会話率:0%
……妙だ。朝、いつものようにベッドから起きようとしたが、何かが違う。最近悩まされていた腰や関節の痛みが消えている。しかし、スッキリしている割には、どこか動きがぎこちない……これは驚いた。鏡を見ると、そこにはかつての私の面影はなく、金属の光
沢を持つロボットの姿が映っていた。
おそるおそる自分に触れてみるが、感触がまったくない。ただ、ひんやりとしていそうだ。だからだろうか、不思議と冷静に物事を考えられるのは。そういえば、起きたばかりなのに思考がクリアだし、この姿を見てもさほど驚きはしなかった。普段の私なら、間違いなく悲鳴を上げていただろう。この前なんか、蜘蛛を見てその場で踊ってしまったくらいだ。妻のあの呆れた顔は思い出したくもない。そうだ、妻と息子にどう説明すればいいのだろう。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-11-17 11:00:00
2216文字
会話率:50%
家を新築した友人の家に遊びに行ったら、とてもエコな冷房設備があった話
最終更新:2024-09-30 21:05:42
842文字
会話率:40%
あるみかんのうえにあるみかん
*初出pixiv
『ひんやり』
『誰何』
キーワード:
最終更新:2024-08-11 00:39:35
30466文字
会話率:51%
ひんやりとした夜を越えたら、なにが待っているのだろうか
キーワード:
最終更新:2024-07-02 23:24:42
245文字
会話率:0%
戦で家を焼かれたフランは、樹海の不思議な屋敷に迷い込む。そこにいたのは、無精髭の伸びた無気力なエルフだった。
涼しげなお菓子が出てくるまったりした中篇。
声の出なくなった稀代の歌手のおじさんエルフと、地味だけど芯の強い料理人少女との緩い異世
界恋愛。
(※拙作『おっさん令嬢』の世界でこんなことが起きていましたという、本編に全く関係のない恋愛話のつもりです。世界観は同じです)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-24 23:00:00
32067文字
会話率:29%
暑いのでひんやりしようかなと
キーワード:
最終更新:2024-05-24 01:03:26
278文字
会話率:0%
包丁で刺される夢をみました。
ひんやりした感触が、妙に心地好かったのです。
最終更新:2024-05-02 23:24:44
200文字
会話率:0%
「この艶! このひんやりとした質感! 全てが素晴らしいわ!」
魔物の鱗が好きで密かに収集しているミリア。
特にドラゴンの鱗が好きで、いつか生きているドラゴンを直接撫でるのが夢だった。
だが、公爵令嬢として幼なじみの無愛想な婚約者・リュシア
ンとの婚姻が近づいている。
夢は夢と諦め、鱗の収集さえ許してもらえるのならかまわないと思っていた。
そんなある日。
大事な話があるとリュシアンに呼び出されたお茶会に、青銀色の鱗を持つドラゴンが現れて……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-03 12:21:52
8740文字
会話率:24%
電気が無い頃の昔話。
そこは海の無い内陸の国。
山に囲まれた国は夏はとても暑くなる。
ある日、王様が国民におふれを出した。
『おいしい冷たいデザートを作った者にほうびをだそう』
その国の人たちはどんなデザートを作るのでしょうか。
霜月透子
様のひだまり童話館『ふにゃふにゃな話』参加作品です。
別の小説『胡桃ちゃんの人形劇』等の登場人物がでますが、旧作を知らなくてもお楽しみいただけます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-22 00:00:00
3408文字
会話率:38%
死にたいと思っていたけど、嫌いな人と同じところに行くのかと考えると死にたくないと思ってしまう。
好きな人と同じところに行けないのは自分自身が一番分かっている。
優しくひんやりと冷たい心地良い手を思い出す。
最終更新:2023-09-26 23:00:00
650文字
会話率:6%
私の実体験を元に書いてみた。
怖いのが苦手な方は回れ右で構わない。
OKな方は読んで頂けたらと思う。
最終更新:2023-06-30 17:27:52
656文字
会話率:0%