伯爵令嬢のリズレナは非常に指先がしなやかで、器用だった。
夜会で自分をからかってきた令息のカフスボタンやハンカチをいつの間にか奪い取り、驚愕させてしまうほど。
その器用さは決して生来のものではなく、過酷な生い立ちによるものであった。
幼い
頃、両親を亡くし、悪辣な叔父一家に引き取られたリズレナは長年虐められていた。
ついには心の拠り所であった母の形見の指輪まで奪われてしまう。
しかし、ある時出会った少年エルシスから「欲しいものは自力で取るしかない」とアドバイスを受けた彼女は、形見の指輪を取り返し、ついには財産まで取り戻し、家の実質的な当主となった。
成長したリズレナは青年となったエルシスと再会する。
エルシスにダンスパーティーに誘われたリズレナは、そこで彼が王国の第一王子であると知る。
そして今、王家は後妻の王妃とその息子である第二王子に牛耳られつつあるという。
これを聞いたリズレナは、彼らに逆襲する策を編み出す。
「全てを手に入れましょう、この指先で」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-20 16:35:12
18238文字
会話率:38%
元・平民の娘ウェルミィ・エルネストは、妾だった母親を後妻として迎え入れた伯爵家の娘となった。
不貞の子であり、同い年の義姉と共に暮らすようになったが、父母はウェルミィの味方。
家でも貴族学校でも義姉を虐げ、最後には後継者の地位も婚約者
も奪い取り、最後に冷酷と噂の相手に金で義姉イオーラを売り飛ばすことに成功した。
貴族学校卒業と、新たに結ばれたウェルミィの婚約から月日が過ぎて、婚姻が近づいたある日。
魔導卿から、イオーラを婚約者として紹介する夜会への招待状が届く。
美しいと噂が流れる義姉の姿を、ただの噂だと嘲笑する婚約者や父母と共に、一目見るために赴いた先で。
本当に美しくなった義姉と、その横に立つ魔導卿をウェルミィは見る。
そして『義姉を虐げた』として、伯爵家への断罪が始まった。
ーーー義姉を伯爵家から逃すために奮闘した、ウェルミィの策略通りに。
これは、自分が憎まれても大好きな義姉を幸せにしようと企んだ、一人の悪役令嬢の話。
ハッピーエンドです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-12 12:00:00
640764文字
会話率:33%
むかしむかし、ではなく、ちょっとだけ昔。
あるお屋敷に、ゼゾッラと呼ばれる結構勝ち気な大公の娘が住んでいました。
彼女は、王子の許嫁。
美しくも愛嬌のある顔立ちをした彼女は、剣聖と呼ばれる腕前の父と精霊使いの母に愛され、幸
せに暮らしていました。
ですがしばらく経ったある日、病を患った母が亡くなり、悲しむ彼女を不憫に思った父親が、後妻を迎え入れました。
同じく夫を病で亡くした、かつて『氷の剣姫』と呼ばれた義母は、二人の娘を連れて共に暮らし始めます。
しかしその後、隣国へと出かける途中。
ゼゾッラは馬車ごと谷底に落ちて、父と共に亡くなってしまいました。
その葬儀が終わって、数ヶ月。
後妻と二人の娘が遺された屋敷に、一人の侍従が姿を見せるようになりました。
いつも灰に汚れた長い髪で顔を隠し、みすぼらしい服装をした彼女は、義母と二人の娘の身の回りの世話をしていると言われていましたが。
何故かほとんど、お屋敷から出ることを許されていないようでした。
義母と二人の娘は、彼女をこう呼んでいました。
ーーー『灰被り』、と。
その少女を冷遇する後妻と、二人の娘。
許嫁の死が、何者かの陰謀ではないかと疑う王子。
剣聖が持っていた地位を継いだ弟の、現大公。
思惑入り乱れる、今宵。
顔も知れぬ者同士が剣舞の美しさを魅せ合い、強さを競う王家主催の『仮面舞闘会』が開かれます。
その最中、王子の前に姿を見せたのは、灰色の仮面を被った細身の舞闘士。
剣聖の血筋にしか操れぬ硝子の双剣を振るう者に、王子は剣を掲げます。
「私と踊っていただけますか? ーーーゼゾッラ」
問いに答えぬ灰仮面と、青髪の王子の輪舞。
決着がつかぬまま、十二時の鐘が鳴り。
その、残された硝子の双剣の片割れを王子が手にし、持ち主を探すお触れを出した時。
ーーー十年前の謎の扉が、音を立てて開くのです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-21 23:08:31
25413文字
会話率:38%
両親を早くに亡くした貴族令嬢イヴォンヌは、義母娘から虐げられる毎日。そんなある日、義母の差し金で50歳の退役軍人の後妻として嫁ぐ話が浮上する。だが相手のギルバートは「これは白い結婚だから安心してほしい」とイヴォンヌに告げる。亡き父の部下だっ
たギルバートは、忘れ形見の窮状を聞き、便宜上の婚姻関係を結び彼女を保護してくれるというのだ。イヴォンヌはためらいつつも、彼の提案を受け入れた。
死に別れした前妻を今でも愛するギルバート。彼の温かい心根を知り、初めての安らぎを得たイヴォンヌは次第に心を寄せていく。しかし30歳差という現実は、予想以上に大きな壁となって二人の前に立ちはだかった。果たしてイヴォンヌは、白い結婚を本物にできるのだろうか?
カクヨムで完結済みのものを転載しています。続きが気になる方はカクヨム版をお読みください。
ジェーン・オースティンや海外ロマンスのヒストリカルのような魔法なし、派手な事件のない人間模様が中心のお話です。そういうのがお好きな方におすすめです。
本作では、分かりやすさを重視してファミリーネーム=爵位の名前としています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-11 11:50:00
100814文字
会話率:52%
「私は、歯車だから。何も感じないわ。何も考えない。私は何も『知らない』」
貴族令嬢のマルグリットは亡くなった母のため、意に沿わぬ婚約に耐え、他の家族からの冷遇にも耐えてきた。唯一の楽しみは、母方のおじが読ませてくれる、禁書ばかりの「秘密
の図書室」にあるたくさんの本たちだったが……。
婚約者の浮気が発覚し、婚約は破棄。家族が老貴族の後妻に彼女を差し出す話を聞いたマルグリットは、聖堂での偶然の出会いで、自分の人生を見つめ直す。
母方のおじに身を寄せることにしたマルグリットは、以前の宴で出会った親切な青年と「秘密の図書室」でふたたび会うことに。
彼は自称「自由人」のジルベール。マルグリットに優しい彼の正体は。
彼との出会いが、マルグリットの運命を変えていく。
これは、「真珠の魔女」あるいは「魔女殺しの魔女」とよばれた賢女が、自己を取り戻し、愛する人を見つけるための物語。
儚げな本好きヒロイン×さわやか好青年ヒーローのお話です。
毎日20時更新
他サイトでも連載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-08 20:20:00
122555文字
会話率:42%
【忘れるな、憎い君と結婚するのは亡き妻の遺言だということを】
男爵家令嬢、ジェニファーは薄幸な少女だった。両親を早くに亡くし、意地悪な叔母と叔父に育てられた彼女には忘れられない初恋があった。それは少女時代、病弱な従姉妹の話し相手として滞
在した避暑地で偶然出会った少年。年が近かった2人は頻繁に会っては楽しい日々を過ごしているうちに、ジェニファーは少年に好意を抱くようになっていった。
少年に恋したジェニファーは今の生活が長く続くことを祈った。
けれど従姉妹の体調が悪化し、遠くの病院に入院することになり、ジェニファーの役目は終わった。
少年に別れを告げる事もできずに、元の生活に戻ることになってしまったのだ。
それから十数年の時が流れ、音信不通になっていた従姉妹が自分のの初恋の男性と結婚したことを知る。その事実にショックを受けたものの、ジェニファーは2人の結婚を心から祝うことにした。
その2年後、従姉妹は病で亡くなってしまう。それから1年の歳月が流れ、突然彼から求婚状が届けられた。ずっと彼のことが忘れられなかったジェニファーは、喜んで後妻に入ることにしたのだが……。
そこには残酷な現実が待っていた――
※ 他サイトでも投稿中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-07 19:18:25
359009文字
会話率:54%
ドアマットヒロインになりそうな伯爵令嬢が頑張る(?)お話。
タイトル通り、主人公が後妻と義妹に冤罪をかけられ、それに抗います。
最終更新:2025-02-05 12:00:00
4417文字
会話率:42%
この地域は七年に一度上流にある沼に棲む大蛇が暴れることになり、大きな水害に見舞われる。それを鎮めるためには娘を一人、大蛇の生け贄に差し出さねばならない。
今までは事故や病気で親を亡くした娘が選ばれてきたが、今回は適当な者がいなかった。
そんな中、この地域の治める豪族の娘榛名姫が自ら生け贄に名乗り出たのである。
と言うことになってはいるが、実は豪族の当主とその後妻、そして、その子どもたちが先妻の娘である榛名姫を疎んじて、自ら名乗り出たことにして、生け贄に決めたということはこの地域の者たちであれば誰もが知る公然の秘密であった。
それを知るこの地の民たちは姫を待つであろう過酷な運命を思い、憐れんだ。
しかし、榛名姫は単なる悲劇のヒロインになるつもりは全くなかったのである。
ありま氷炎様主催「第十回春節企画」参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-29 00:00:00
2428文字
会話率:37%
後妻と義妹に虐げられて育ったマリー伯爵令嬢は、十六歳でスキル授与を教会で行ったが、文字化けしており何のスキルを授かったのかわからなかった。役立たずと言われ、実父に年寄り辺境伯に嫁ぐように言われるのだが、マリーは実家から出られるだけで幸せだと
思い、辺境伯領に赴いたところ…。
虐げられる描写で少し暴力的な表現があります。ざまぁはありません。ドアマットヒロインが幸せになる物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-28 13:02:12
8723文字
会話率:33%
ステラは最も優れた聖女、“首席聖女”、そして“大聖女”になると期待されていた。
後妻と義姉から虐げられ大神殿へ移り住み、厳しい修行に耐えて迎えた聖女認定式。
そこで神から与えられた“聖具”は角笛だった。
他の聖女達がよくある楽器を奏でる中、
角笛を吹こうとするが音が出ない。
“底辺聖女”と呼ばれるようになったステラは、『ここで角笛を教えてもらえばいい』と辺境伯領の神殿へ異動を命じられる。
『あそこに行くともう王都には戻れない』とされる左遷人事だった。
落ち込むステラを迎えたのは美しい自然。
しかし“氷河”とも呼ばれる辺境伯のクラヴィは冷たい。
それもあるきっかけで変わっていく、孤独で不器用な二人の恋物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-24 20:01:52
130733文字
会話率:34%
どうにかして継母を追い出さなければ!
改めて決意をしたヴェルヘルミーナに舞い込んだのは、突然の結婚話だった。
「金勘定しか出来ない無能」と罵られ、デビュタントどころかお茶会にすら行かせてもらえない。
そんな私が、結婚!?
だけどこれは
好機かもしれない。
セドリックの後ろ盾となってもらい、継母を追い出す!
それが叶うのであれば、お相手が好色爺だろうが、私の立ち位置が後妻だろうが、何でも良いわ。
私の弟のために、力とお金を使って下さるなら、あなたの妻になりましょう!
※本作は、少しのミステリー要素を含んだ恋愛小説です。
恋愛小説すら読む暇がなく家のために学び、働き続けて十八歳を迎えたヴェルヘルミーナが、たくさんの愛を知り、多くの人の手を借りて継母を追い出そう奮闘します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-24 17:04:37
75531文字
会話率:45%
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約
者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-19 20:31:52
119036文字
会話率:39%
辺境伯家の三男ギリアムは、遊学先から戻る途上で貴族の馬車を襲う飛行魔物の群れに遭遇する。
美貌の伯爵令嬢ニルダを助けたギリアムだったが、彼女はひどく失望した様子。というのも、襲撃は彼女自身の仕込んだもの。
後妻の娘ばかりを偏愛するようになっ
た父に疎まれ、どこかへ幽閉される前にと脱出を試みたのだというのだ。
その場では伯爵家へ送り届けるしかなかったが、ギリアムは「困ったときは力になるから」と請け合い、ニルダも彼の言葉に望みをつなぐのだった。
やがて領地へ戻ったギリアムを見舞う、父と兄たちの急死。家督相続と領地運営の重責に立ち向かうギリアムだったが、そんな中で奇しくもニルダ救出のチャンスが巡って来る。彼女を保護して傍に置いたギリアムは、その型破りな思考と規格外の魔法の力に翻弄されつつも、ニルダとの絆をさらに深めていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-09 23:17:14
16104文字
会話率:48%
男爵家庶子のアンジェリカは貴族女学院を優秀な成績で卒業したが、伝統ある貴族社会ではうっすらと軽んじられることに鬱屈を感じていた。真実の愛を捧げると誓ったはずの恋人ルパートにも「母が納得しないから」と愛妾になるよう言われてしまう。諦めて宿命を
受け入れかけたところ、ルパートの結婚相手であるクレアに「三人で白い結婚をしないか」と提案を受け、エミリオという男の後妻を三年間勤めることになるが──
「白い結婚は三人で」の愛人ことアンジェリカのお話。貴族社会の荒波に揉まれて消耗していたアンジェリカが、自分の居場所を見つけるまで。クレアの話よりはラブ度が高めです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-03 22:00:11
10134文字
会話率:41%
伯爵家の長女ナタリアの境遇は母が亡くなって一変した。父と後妻、異母妹にこき使われ、使用人以下の生活を送る毎日。ナタリアの物は全て妹のものになり、ついには婚約の話が出ていた令息までもが妹の相手としてやってくる。そんな打ちひしがれたナタリアの前
に、死んだ母の生まれ変わりだという七歳の王女が現れた。
ドアマットヒロインをヒーローが救い出すはずのお話に、王女に転生したヒロインの母が参戦。娘を虐げられて母はブチ切れ。ヒーローだって頑張っている。そんなヒーローとヒロインの恋愛ストーリー、のはず。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-31 16:00:00
115823文字
会話率:42%
薬師見習の子爵令嬢ルシール・ラムルは、夜会で別の女性と踊る婚約者を諦めの目でみていた。
「君はもっと怒ってもいいと思うんだがな」
公爵家子息にして、ハプセント銀行の頭取、エドワルド・ハプセントはルシールに告げる。
ルシールは子爵家の後
妻の娘で、貴族の血をひいていない。
そのこともあって、ルシール・ラムルは、婚約者を金で買ったと噂され、婚約者の伯爵家子息フィリップ・ダイナーからぞんざいに扱われている。
「フィリップさま、あそこにいらっしゃるのは、薬の香りのするお嬢さんではありませんの?」
「ふん。相変わらずかわいげのない女だ。金の力で、今度はハプセントさまに取り入ろうとしているのか?」
婚約者と、その連れに、嘲りを受けるルシール。
あたかもルシールが望んだかのように。
しかし。現実は、ラムル家の資産を狙ったダイナー家から打診された結婚だ。
子爵家であるラムル家は伯爵家からの正式な申し込みでは、断りようがない。婚約破棄には多額の違約金が必要となる。
嫌われていて、慕ってもいないのに、大金を払わねば解消できぬいびつな関係。
ルシールの父は娘のため、一攫千金を得ようと、海を越えてバンディ帝国に商談に出かけたのだが、その帰りの船が嵐にあったという連絡を、ルシールと兄は、ハプセント銀行の頭取、エドワルド・ハプセントからうける。
ハプセント銀行によれば、父が出航に当たってかき集めた五千万ゴールドを三か月後には返済せねばならない。
年間の収入よりもはるかに多い金額を三か月で用意など、かんたんにできるわけもない。とてもではないが、望まぬ結婚などする余裕はないと考えたルシールは、婚姻にまつわる書類をみせ、エドワルドに相談をする。
※この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。©秋月忍(2021/8/27)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-23 20:00:00
64786文字
会話率:41%
『年増の変わり者令嬢』としての年貢を収め、王妃として嫁いで数年、肩書きばかりのお飾り後妻として孤独な日陰暮らしを送っていたヒルデガルトは、ある日怪我のショックで前世の記憶を思い出し、ここがお伽話の『白雪姫』に似た世界であることに気付く。
既に立派なレディーとして成長している継子は可愛らしい容姿ながら、実際は意地悪で我儘放題だし、仕事はデキるが家庭を顧みない夫である国王とは数えるほどしか会話をしたことがないという放置っぷり。
クセの強い親子とはなるべく関わらないように息を潜めて暮らしていたけれど、お伽話の知識から、鏡に話しかけてみることに。
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだぁれ? ……なーんてね」
「それは――このアタシに決まってるじゃなァい!!! おバカなこと聞いてんじゃないわよ!」
「ふぇっ!?」
鏡の向こうから返事をしたのは、絶世の美男子(オネェ)で……!?
繰り広げられるダメ出しの嵐に振り回される白雪姫の継母と、そんなヒルデガルトを振り回す鏡の向こうのオネェの物語。
※R15は念の為折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-22 12:00:00
180649文字
会話率:24%
【第一章、後妻業の女】
後妻業の女であるミカは三人の夫からたんまりと財産をのこしてもらい悠々自適の毎日を過ごしている。
でも彼女は思いもしなかった自身の心の変化に戸惑っていた。
恋がしたい
後妻業の女を続けるか、仕事を辞め一人の
女性に戻って恋に身をこがすか、悩む彼女の前に占い師、世良涼介があらわれる。
【アルファポリスにも同時投稿】
【火曜の夜と土曜の夜に更新予定です】
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-08 09:58:07
20712文字
会話率:39%
ビビアン・フォン・トリアノン伯爵令嬢は、母親の死後、8歳の時に家の当主として立たされることになった。しかし、父親は無関心で、後妻とその子供とともに贅沢な生活を送る一方、ビビアンは孤独に家を守り続ける。
ビビアンが持つ「アイテムボックス」の
魔法は、代々当主に伝わる秘宝であり、無限のアイテムを収納する力を持つ。この力を駆使して、ビビアンは領地運営を行い、使用人たちは「人形」として彼女を支える。
ある日、ビビアンは王子から結婚を申し込まれるが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-07 22:20:53
3946文字
会話率:23%
「身売り寸前の私は皿洗いします。」の番外編です。
乙女ゲームの別ルートを書いてみました。
あらすじ→ある日、唐突にマリアは自分が異世界に転生していることに気づき、家族から売られる寸前であることに気づく。これといった対処も思いつかないマリアは
後妻ではなく元商人の男爵家の嫡男に嫁ぐことになるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-16 23:28:08
5683文字
会話率:19%
政略結婚前に、父が恋人とつくっちゃったのが私。母の死後、伯爵である父に引き取られた。当然、母を憎む義母と義妹から過酷な虐めが始まる。二人の贅沢のせいで家が傾くと、父は援助の代わりと義妹の結婚を決めた。当然、義母と義妹は反対し、身代わりとして
、私が成金男爵家の後妻となることに。が、屋敷に着いたら男爵家当主の葬式でした───
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-01 00:13:16
3913文字
会話率:45%
「アドリエンヌ・カントルーブ伯爵令嬢! 突然ですまないが、婚約を解消していただきたい! 何故なら俺は……男が好きなんだぁああああああ‼」
ルヴェシウス侯爵家のパーティーで、アドリーヌ・カンブリーヴ伯爵令嬢は、突然別人の名前で婚約破棄を宣
言され、とんでもないカミングアウトをされた。
勘違いで婚約破棄を宣言してきたのは、ルヴェシウス侯爵家の嫡男フェヴァン。
そのあと、フェヴァンとルヴェシウス侯爵夫妻から丁重に詫びを受けてその日は家に帰ったものの、どうやら、パーティーでの婚約破棄騒動は瞬く間に社交界の噂になってしまったらしい。
一夜明けて、アドリーヌには「男に負けた伯爵令嬢」というとんでもない異名がくっついていた。
頭を抱えるものの、平平凡凡な伯爵家の次女に良縁が来るはずもなく……。
このままだったら嫁かず後家か修道女か、はたまた年の離れた男寡の後妻に収まるのが関の山だろうと諦めていたので、噂が鎮まるまで領地でのんびりと暮らそうかと荷物をまとめていたら、数日後、婚約破棄宣言をしてくれた元凶フェヴァンがやった来た。
そして「結婚してください」とプロポーズ。どうやら彼は、アドリーヌにおかしな噂が経ってしまったことへの責任を感じており、本当の婚約者との婚約破棄がまとまった直後にアドリーヌの元にやって来たらしい。
「わたし、責任と結婚はしません」
アドリーヌはきっぱりと断るも、フェヴァンは諦めてくれなくて……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-28 21:10:00
91483文字
会話率:31%