とある劇場の控室。女は鏡を見つめ、小さなため息をついた。
開演間近。いくら経験を積み重ねても、主演を務める舞台の初公演ともなれば、プレッシャーを感じるのは当然だ。しかし、彼女が膝を震わせるのは、それだけが理由ではない。
――私の番…
…なのかな。
この劇場にはある噂があった。それは、女性が主演の舞台に限り、開演間近になると、必ずと言っていいほど主演女優が怪我をしたり体調を崩したりして舞台に上がれず、代役を立てられる、というものだ。そして、その代役はスターになる。これは、かつて不慮の事故でこの劇場の舞台に上がることができずに死んだ女優の呪い。……などと、どこかで聞いた覚えのあるような都市伝説である。しかし、馬鹿馬鹿しいと鼻で笑おうにも、鏡に映る彼女の口角はピクリとも上がらない。
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最終更新:2024-09-11 11:00:00
3016文字
会話率:48%
とある選考会その会場。選手控室に続く廊下を鼻歌と靴音響かせ歩く男が一人。彼は……
「あ、監督……」
「うおっーす! お疲れさん、三村! んでぇ、まだここにいたのかよ、高太郎! もう他の選手はプール前に集まってるぞぉ。さぁさぁさぁ準備、
準備ぃ! はははははっ! 連中、どいつもこいつも自信なさげな顔してたよ! もう負けた気になってんだなぁ! 前評判通り、水泳日本代表はお前で決まりだよ高太郎! お前は最高の選手だ! さあ、行くぞ!」
「あの、監督」
「おーおーおー、三村ぁ……わかってるよぉ。トレーナーのお前の力があってこそだよぉ。さ、共に渡ろう! 栄光の架橋ってやつをなぁ!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-21 11:00:00
1109文字
会話率:86%
「はぁ……」
とある野球スタジアム。その選手控室。椅子に座る彼は一人、無意識に手を、まるで神に祈るようにして組み、そして床を見つめていた。と、そこへ……
「ハロー、ミスターナカタニ」
「ああ、どうも……監督」
「アッハァ! ゲンキ
ナイジャナイカァ。ソンナ、キミニオキャクサンダァ!」
「お客?」
「トウキョーカラノ。イヤ、ドウキョー? マア、オナジイミダロ。プレゼントガアルラシイ。ジャ、ミズイラーズデ!」
監督と入れ違い様に入ってきた男。知り合いではない。スーツを着ている。その雰囲気はどこか……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-17 11:00:00
2608文字
会話率:95%
今日は学校祭。
晴天の午前9時。
僕は控室で、学校祭に耐える。
早く、終わらないかな。
最終更新:2024-07-18 19:51:51
4476文字
会話率:36%
≪第1話≫
FPS「国際防衛軍V」は、三人一組でプレーするオンラインシューティング。
幅広いカスタマイズが可能なマシンを駆使して襲い掛かる水棲生物型マシンを迎撃するというコンセプトのゲームである。
堅、晃司、ちとせの三人は「ジ・アーセナル
」というチーム名で全国大会の本大会に出場する事になった。
≪第2話≫
決勝開始を待つ堅たちだったが控室で突然眠くなってしまう。
気が付いたら自衛隊の基地に運び込まれていたのだった。
実は「国際防衛軍V」は米軍が開発したサイバー攻撃迎撃プログラムだった。
図らずも軍事機密を知ってしまった堅たちは自衛隊に入隊する事に。
横須賀所属の対サイバー攻撃部隊として活動する事になったのだった。
≪第3話≫
ある日、「国際防衛軍V」が大きくバージョンアップすることになる。
グラフィックやエンジンが段違いにリアルになったのだった。
ところが晃司がゲーム中に敵のマシンから人が脱出する映像を見てしまう。
もしかしてグラフィックが向上したのではなく、本当に起こっている出来事なのではないか?
そんな時、佐世保の部隊と共に奄美大島を舞台とした『イベント』をプレーする事になったのだった。
※この話は賞に応募するため、小説ではなくシナリオを掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-24 00:10:48
9739文字
会話率:7%
「カロリーナ・ファサンテ伯爵令嬢! きみとの婚約を破棄する! 俺はこのヴァンナ嬢と結婚する」
婚約相手からの一方的な宣言に、カロリーナは激怒した。
「私がヴァンナ嬢を寝取って、とっておきの屈辱を彼に与えてやるわ!!」
いやいやいや、待ってカ
ロリーナ。どうしてターゲットが相手の女の子なの、そもそもどうやって寝取るつもり?
幼馴染のとんでも発言に慌てるアルド。控室でカロリーナをなだめながら、積年の思いを告白するなら、カロリーナがフリーになった今がチャンスなのではと決意するが──。
カロリーナの"寝取っちゃえ"作戦は成就するのか。
混戦模様の恋、勝者は誰?
わちゃわちゃしながらハッピーエンドです。お楽しみください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-18 19:01:32
7566文字
会話率:34%
この地球で唯一魔法が使える国――ラエリル。
ある人に逢うために旅を続けていたクリスティアーヌ・フォワードは、ある噂を耳にする。
「行きたい場所に行ける」
人間不信のフォワードは、噂を頼りに闘技場の控室に行く。
しかし、見知らぬ男が彼の
前に立ちはだかる!
フォワードは無事に目的を果たせるのだろうか――――
そしてある人とは一体――――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-01 20:28:37
3881文字
会話率:44%
ディッケス王太子はアメーリア・アデントス公爵令嬢に婚約破棄を言い渡した。アメーリアの可愛げのない態度が大嫌いなので、癒される男爵令嬢メリアと結婚するんだと。カレット王国を愛するアメーリアは断った。ディッケス王太子は近衛騎士に控室へ連れて行か
れ、王妃に支配の首輪を着けられる。そこから紡がれる言葉は全て偽の愛。偽の愛でも満足していたアメーリアは、苦しくなって、結婚式の前日についに、支配の首輪を外すのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-24 15:13:40
7120文字
会話率:34%
結婚式当日の控室。
ティアレーヌ・ド・ダリルは、今日初めて、結婚まで一度も顔を合わせず文通ばかりしてきた夫と顔を合わせ、生涯の伴侶として誓いを立てることに、ゆっくりと笑みを深めていた。
この、国の古い言葉で千の花という意味を持つ国で王
族が一、建国神プロティシアの血を受け継ぐとされる強大な力を持った女系一家の皇家、実家であるダリル家と一生の縁を切り、夫方の貴族に国王によって下賜される――――それは、ティアレーヌが生まれて間もなくに決まっていた事。
けれど、この段になってまで、ティアレーヌの心はとある貴族の令嬢にあった。
令嬢の名はリュシー・ド・ミルドラ。
ハシバミ色の髪と眸を持つ、一重まぶたの目立たないけれど可愛らしい、少々口調の固い人物。
ティアレーヌも初めは他の令嬢と共に、リュシーの事をただの友達だと思っていたが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-26 17:46:28
6363文字
会話率:14%
控室に通された一人の男
しかし男はなかなか呼ばれることなく控室に長時間留め置かれます
しだいに男は不安になっていき・・・
短めのショートショートです
最終更新:2023-06-02 16:51:32
648文字
会話率:7%
6月某日、梅雨なのによく晴れたある日――。一人のウェディングドレス姿の花嫁が、新宿の結婚式場で式を挙げようとしていた。
彼女の名前は篠沢(しのざわ)絢乃(あやの)。19歳の若さで大財閥〈篠沢グループ〉の会長を務めている。そして、彼女が結婚す
る相手は桐島(きりしま)貢(みつぐ)。絢乃より8歳年上で、会長付秘書を務めている青年で、彼女の初恋の相手でもある。
彼女は控室で、桐島との出会いから結婚に至るまでの経緯を思い返していた。
二人の出会いは20ヶ月前の秋。財閥の前会長だった絢乃の父、源一の誕生日パーティーの席でだった。この時すでに体調に異常をきたしていた絢乃の父のことを心配し、病院での受診を提案したのが当時総務課の平社員だった桐島なのだ。
彼のおかげで、父が末期ガンで闘病ののち逝去するまでの3ヶ月間を有意義に過ごすことができたと、絢乃は感謝していた。
父亡きあと、遺言で会長に就任することになった絢乃は、葬儀の日に送迎を担当した桐島に「自分に会長が務まるのか」と弱音を吐く。そんな彼女を支えるべく、桐島は「自分が秘書になります」と宣言。会長選任の取締役会でひと悶着あったものの、絢乃の母で篠沢家当主の加奈子が会長代行を務めることで承認を得、無事に絢乃が会長に就任した。
会長に就任したあとの絢乃はまだ現役の高校生だったこともあり、慌ただしい二足のワラジ生活を送っていた。桐島はそんな彼女を献身的に支え、送迎まで買って出る。
絢乃はいつしか、彼の存在に安心感を抱くようになるけれど、それが何という感情からくるものなのか分からなかった。
友人の中川(なかがわ)里歩(りほ)の指摘で、絢乃は初めて知った。それが恋なのだと――。
そして、絢乃は桐島の兄・悠(ひさし)の登場により、桐島もまた、自分に対して特別な想いを抱いていることを知り――。
高校卒業後、会長職に専念することにした絢乃は、恋人となった桐島との結婚願望を抱くけれど、彼はなかなかプロポーズしてくれず――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-26 14:46:45
248586文字
会話率:51%
とある国の娼館の控室、
お客の相手を終えて控室に戻ってきた娼婦のサーシャ、
控室では同僚の娼婦のパメラが待っていた。
「あら、サーシャ、お疲れ」
「お疲れ、パメラ、やっと帰ったわ」
愚痴混じりの会話から始まる奇妙な内緒の会話。
娼婦とい
えど、愚痴りたいこともあるようで――――
しかし、二人の愚痴話は意外なところへとたどり着く。
あの『旋風のルスト』の世界観の中で語られる娼館の裏側の異色の会話劇
(カクヨム/ノベプラにも同時掲載)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-11 00:51:43
7577文字
会話率:100%
女流棋士最高峰のタイトル戦の赤龍戦が神戸ポートタワー近くのリゾートホテルで開催された。対局の棋士が消失し、控室には桂馬と死体が転がっていた。事件を追うたびに各地で殺人事件が続く。赤龍戦を観戦していた新米イケメン刑事と棋士見習いの天才ギフテッ
ド美少女が事件を解決できるか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-23 00:00:00
104989文字
会話率:32%
由佳里(ゆかり)は学園祭の実行委員長に選ばれ、多忙を極めていたのもあって後片付けの時には控室で仮眠をとっていた。雄輔(ゆうすけ)は、そんな由佳里がくるまっていた赤いマントが気になり……?
最終更新:2023-01-08 10:28:49
1217文字
会話率:24%
シャーリー・フォークナー公爵令嬢は、この国の第一王子であり婚約者であるゼブロン・メルレアンに呼び出されていた。
王立学園の卒業パーティの会場から廊下を挟んだ控室の一つに。
シャーリーはゼブロンからこの日はエスコートできないと予め言われていた
。
エスコートできないのに呼び出される理由が穏やかなものであるはずがないと、シャーリーは覚悟をしていた。
婚約破棄は皆の総意だと言われたシャーリーは、ゼブロンの友人たちの総意では受け入れられないと、王宮で働く者たちの意見を集めて欲しいと言う。
そんなことを言いだすシャーリーを小馬鹿にするゼブロンと取り巻きの生徒会役員たち。
それで納得してくれるのならと卒業パーティ会場から王宮へ向かう。
ゼブロンは自分が住まう王宮で集めた意見が自分と食い違っていることに茫然とする。
連載の形ですが18,000字ほどの短編です。
完結しています。
別サイトにも掲載する予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-22 19:00:00
20306文字
会話率:26%
_俺は鳳堂学園高等部一年の鈴木。佐藤君の取り巻きだ。今日は学園の体育祭だが、いつもとやることは変わらない。今は差し入れの荷物を持ち、生徒会室の控室の前で佐藤君のそばで人を待っている。待ち人は生徒会長の中村先輩、佐藤君の許婚だ。この差し入れを
渡したら、佐藤君と実行委員の集合場所の北ゲートへ行く。実行委員の仕事の後、俺は借り物競争に出場する。中村会長も出場するから、佐藤君は北ゲートに残って観戦する予定だ。案外のんびりしている暇がない_
前世と現世の体育祭のできごとを、鈴木君達が語る。
異世界転生、乙女ゲーム、王道学園の設定をお借りした、よくあるご都合主義な話です。
視点は一人称で、誰が語っているのだろうと思いながら読んでいただく仕様になっています。言葉の表記が平仮名だったり片仮名だったりするのも全部読んでいただければ分かるようになっています。残酷な描写ありは保険です。毎日投稿します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-11 15:00:00
22080文字
会話率:56%
――ある日、我々が住む世界から引きずり出された。
少年は何故その空間に迷い込んだのか?その空間は何なのか?謎に包まれたその世界で彼は足掻いていく。
そして彼と世界を巻き込んだ大きな事件が垣間見えて…!?
Back roomsの設定を
利用した二次創作作品です。wikiなどを参考に自分での考えも含め書いていきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-25 01:21:52
1055文字
会話率:0%
新婚夫婦の早紀と正雄は結婚式の準備を進めているが、早紀が細かいところにこだわり全然準備が進まないので、正雄は心身ともに疲れ切っていた。
最終更新:2022-07-10 09:59:47
570文字
会話率:35%
結婚式当日、新婦であるマーシャの控室に幼馴染の青年アデルが駆け込んできた。
「こんな結婚認めない!一緒に逃げよう!」
そう告げて手を差し伸べるアデルににっこり微笑んでマーシャは…
最終更新:2022-06-06 20:50:24
1862文字
会話率:38%
リサイタルの後に、テノール歌手が殺された。背中には包丁。控室は施錠され密室。偶然居合わせた白須賀は、無表情のまま謎に挑む。
ミステリ風です。ライトな密室です。推理ものを目指しました。目指したことに意義がある。
「なろうラジオ大賞3」参加
作品です。さらっと気にせず楽しんでいただけたら、幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-09 06:00:00
970文字
会話率:57%
すれ違いと勘違いが交錯し、売れっ子アイドルたちはとんでもない決断をっ⁉
――夏。汗を滝にように流しながら、夏フェスのステージで6万人もの観客を盛り上げる3人のトップアイドル。ひとたびステージから降りると、阿鼻叫喚の熱さに各々控室から出られ
なくなってしまう。耐熱構造のプレハブ控室だがその分防音性能はやや控えめなようで……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-07 18:00:00
4683文字
会話率:48%
「リーフ、突然の事で驚くだろうが……僕は君との婚約を破棄する事にした」
私の最愛の男性——クリス・メレディス様との結婚を間近に控えていた私——リーフ・プルームは突然婚約破棄を告げられた。クリス様に理由をいくら問い詰めても、頑なに答えず、私
の事を冷たく突き放した。
そして、それがクリス様との最後の会話となってしまった。何故なら……クリス様は翌日の朝、自室で変わり果てた姿で発見された。どうやら自ら首を切って自害したそうだ。
現実を受け入れられない私の事などお構いなしに、クリス様の葬儀が行われた。私もそれに参加したのだけど……葬儀の途中に最愛の人との永遠の別れに耐えきれなくなり、泣き崩れてしまう。
クリス様の亡骸から離れられない私は、使用人に連れられて控室で休んでいると、クリス様の弟——リチャード・メレディス様が慰めに来てくれた。
リチャード様は、愛する人に良く似ていて、とても優しくて礼儀正しい青年だった。私の事や家の事を心配して、よかったら兄の代わりに自分と婚約をしてくれないかと申し出てきた。
驚きつつも、すぐに答えは出せないと答えると、彼は快く私の言葉を受け入れて、ゆっくり考えてくれと言い残して私の前を去っていった。
とても気づかいのできる彼に、いつまでには答えを返すと言い忘れていた私は、急いで追いかけると、とんでもない事を聞いてしまう。なんと、リチャード様は兄のクリス様を脅し、婚約破棄をさせたそうだ。しかも、脅しの文句として、私の命を引き合いに出したそうだ。
リチャード様のせいで、私達の幸せと、愛する人の未来が壊された……その事実を知った私の胸の中に、復讐の炎が宿った。必ず復讐をする……そのために、クリス様を脅したという証拠と、復讐をするための手札を手に入れる。そして、最高の復讐の方法を考えなければ。
この物語は、愛する人を奪われた私が、世界一憎い男に死ぬよりもつらい罰を与えるために奮闘する物語――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-23 20:11:14
19936文字
会話率:52%