機道ユウは既に世界を救っていた。
20年前地球外より飛来した謎の隕石『サイバーメテオ』は、世界中のあらゆる機械を暴走させ人類の積み上げてきた文明を蹂躙した。
機道ユウは6歳の時、それをたった一人で止めたのだ。彼は天才だった。
その後ユウは奇
跡の動力機関『ディバインエンジン』を開発し、その恩恵によって人々は世界を復興させた。
余りにも偉大な功績にユウのことを神と崇める者も少なくはなかった。彼が18歳の若さでこの世を去った時は、世界が悲嘆に暮れ、それを信じられない者もたくさんいた。
だがその1年後。世界に再び危機が迫り、同時に実は機道ユウが生きていたことが判明する。
ディバインエンジンを悪用し世界を蝕む邪悪を前に、人びとはもう一度彼に救いの手を求める。
だがユウは言い放った。
「俺は人間が嫌いだ。世界を救ったのは間違いだった」と。
世界を救ったはずの少年の正体は、他人の不幸に同情も感傷も抱くことは無い最低最悪の冷血漢だった。
彼にいったい何があったのか。そもそも彼はなぜ世界を救ったのか。
世界はまた救われるのか。人類に未来はあるのか。
カギを握るのは機道ユウが自ら組み上げた一台のオートバイ。神秘の心臓を持つそのマシンに奇跡が起こり魂が宿る時、止まっていた物語が動き出す。
始まる一人と一台の旅路。この戦いはきっと神話になる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-31 22:18:39
184813文字
会話率:39%
双子の兄が俺とは違い陽キャでクラスメイトにも妹に親しくされていたのに、問題を起こしてとばっちりが俺にも来た。
最終更新:2025-04-22 15:04:16
714文字
会話率:59%
世界は悪意に満ちている。人という生物はどこまでも醜悪で、容易く悲劇を引き起こし、それがまた悪意を生み出す螺旋構造になっている。だからヨルンは世界中の人々の精神を支配し、皆を「善人」に定義した。
───それがゲームでの話。
俺はヨルン
に転生したが、ディストピアなんぞ作る気はない。他人の不幸なんぞどうでもいい。家族がいて、友がいて、幸せに暮らせる日常さえ無事ならば。そのために、特大の悪意の種は芽吹く前に摘んでやろう。
うん。だから国家転覆は止めてね? 邪神も復活させるなよ? いや、疫病呪術の実験とか何考えてんですかお前。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-05 22:00:00
2212文字
会話率:30%
湖の見えるベンチにイーダは座る。王宮に戻る前に、食べそこねたお昼をすますことにしたからだ。
1品目は肉の燻製をはさんだパン。口に含むと麦穂と牛肉が燃えてだいなしになったのを知る。ボリボリというパンにあるまじき食感が、午後に必要な気力を
遠ざけて……。生産者たちの嘆きの声が、料理人の無遠慮な笑い声にかき消されていった。
「食べられるタイプの廃墟、かな」
魔王のまねをして、皮肉をひとつ。
2品目はマッシュポテト。ビーツと小さく切られた人参の葉が相席していてかわいい。でも、食感は「ベチャ」だし、妙に硬いビーツが顎に入れる力加減を迷わせる。全体的に無味。「素材の味を生かした」という苦しまぎれのほめ言葉すら使う余地がないくらいに。
「……共同墓地」
紙につつまれた3品目を手に取る。小さく黒いグミのようなもの。日本で食べていたものよりも硬く、色も相まって強者感がすごい。舌の上に置くと広がる、独特な味。ダイオウイカの浮袋、古い時代の咳止め。自分の故郷では工業製品にも使われた、つまり塩化アンモニウム。
――これは食べ物じゃない。これは食べ物じゃない。食べても害のない、食べられるよう配慮された、食べ物以外のなにかだ。
なんとか飲みこみ魔界の食事に肩を落とす。腰にぶら下げた皮水筒に手をのばすと、横にならぶのは戦利品の入った袋。
開けて中を見る。暗い井戸のような袋の底から、いくつか指の欠けた右手が、こちらに手のひらをむけていた。
むやみに力を振りかざし、神様を馬鹿にし、この世界を踏みにじった『勇者』の体の一部。適切に保存されたそれから、新鮮な血の匂いが香る。
「あなたみたいな勇者がいるから、本物の勇者が迷惑するんだよ?」
怨嗟を吐く右手をイーダは笑顔で見下ろした。魔王たちが同じことをしたら、口の中へ他人の不幸でできた蜜の味が広がっただろう。
今自分はそうじゃない。けれど魔界の魔女として、ふさわしい言葉は知っている。
そう思った彼女は今日一番美味しいだろうそれに声をかけてあげた。
「ごちそうさま」と。
【作者より】
興味を持っていただき、ありがとうございます。
本作はローファンタジー風味のアンチヒーローものです。
第4回HJ小説大賞後期・2次選考突破作品
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-18 11:20:00
1387928文字
会話率:37%
ごく普通の高校に一人の異端者あり、他人の不幸を喰らい破滅の道へ誘うそれは周りの者から忌み嫌われていた。そして悲しき魔物は奇妙な男と巡り会う
関野ヶ丘第二高等学校にて、孤独を謳歌する「鈴木良太」が異界から来た悪魔と自称する転入生が引き起こ
す、喜怒哀楽の日常劇が今始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-22 13:36:41
6746文字
会話率:51%
他人の不幸は蜜の味という言葉がある。誰かにとっての不幸を見ることで自分が幸せであると再確認することができるという心理状態から来ているらしい。だけど私にとって不幸というのはどこまでも、
──ゲロの味がした。
キーワード:
最終更新:2024-06-14 00:18:51
7993文字
会話率:62%
俺がふっつーの社会人として生活している中で遭遇した出来事や、嫌な経験、面白いこととかを綴る。
――――――――――――――――――――――――――――――――
不定期かつ駄文。
R15は保険です。
今後タグ追加の可能性あり。
他人の不幸話で
ストレス解消したい方、ちょっとクスリと笑いたい方、こいつよりはマシと思いたい方、ぜひご一読ください♪
内容はバラバラですが、一応各話タイトルに簡潔に記す予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-07 06:00:00
12544文字
会話率:30%
私には奇妙な体質が備わっている。
それは不幸な人を見ると、舌があまったるく気持ちの悪い“蜜の味”を感じてしまうという体質だ。
その味を消すため、私は人助けに奔走した。
しかし、終わりのないその日々の中で、私の心は荒んでいく。
そんなある日、
疲労の溜まった私が道端でうなだれていると、あるホットケーキ屋の娘に助けられる……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-23 16:40:14
4875文字
会話率:18%
ここは魔法で溢れる世界。
この世界で生まれた人間は皆、神から加護を授かれる。
だが神はなにも1人しかいないわけではない。
人間が「呪い」と呼ぶものを授ける神だって存在する。
森に住む青年ユウは暴食の神に呪いに等しき加護を受けたことで、何
でも食べられる体になった。それこそそのへんの石ころや木の枝すらも…
だがその加護には1つ欠点があった。
「あ〜、お腹が減ったな…」
どんなに食べても腹が満たされない。山盛りの料理を平らげてもずっと空腹のまま。
そんな呪いとも言える暴食を唯一満たせる物があった。
それは…
『食べられないものを食すこと』
暴食の呪いを受けた青年が、人が食べられない不幸を、食材に変えて美味しく頂くお話です。
※この作品は、話が進むと異世界転移者が現れます。しかし、異世界勇者を主人公として扱っておりません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-09 17:31:12
16666文字
会話率:40%
~ガチクズ悪役令嬢のマリアさんが「聖女マリア」へと登り詰める奇跡の物語~
【1行あらすじ】
これは性格ガチクズの侯爵令嬢マリアが、他人を陥れようとしては失敗して、どころか逆に幸せにしてしまう姿をざまぁと眺めてほのぼの楽しむお話です。
【
あらすじ】
マリアは莫大な資産を持つ名門セレシア侯爵家の一人娘。
しかしその性格ときたら、どこに出しても恥ずかしくないガチクズな悪役令嬢でした。
庶民や貧乏人を見下すのは当たり前。
短気ですぐキレて、ワガママで自己中でガチクズで、他人の足を引っ張って不幸になるのを見るのが大好きです。
今日も今日とて他人の足を引っ張るために、マリアは侯爵家のお金&お父さまの権力を湯水のようにつぎ込みます。
時には自ら徹夜をするなど、他人の足を引っ張るためならマリアが努力を怠ることはありません。
しかしマリアがどれだけクズムーブをかましても、「風が吹けば桶屋が儲かる」のごとく、なぜかマリアの意に反して周りはみんな幸せになっていきます。
理不尽にいびり倒したはずの専属メイドは、隣国の王妃に。
陥れたはずのにっくきライバル令嬢は、巨大帝国の皇太子妃に。
芸術留学の夢を叩き潰したはずのクラスメイトは、大陸中に名を知られる天才デザイナーに。
「どうしてこうなった……?」
マリアは今日も首をかしげました。
これはそんな女神に愛されすぎた悪役令嬢マリア=セレシアが、なぜか聖女に祭り上げられてしまう世にも奇妙な物語……
(*)カクヨム併載です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-24 20:04:17
94348文字
会話率:40%
これはだめ人間によるだめ人間のだめ人間のための物語である。名前はまだない。他人の不幸を見るために、売り切れ間近という声を聞くたびに並びに行く大学生がいた。彼が並んでいると目の前にはやたらと可愛い女の子がいる。彼はこれで冴えない顔だったらさぞ
面白いとほくそ笑む。しかし彼女は悪魔界の負の歴史を刻むために善行を積む悪魔だったのだ。というかもう続ける気がない。だから見ないでください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-12 16:47:45
3925文字
会話率:55%
【他人の不幸は蜜の味】
最終更新:2023-03-27 22:51:59
201文字
会話率:0%
大学のゼミで知り合い婚約までした朱美と早坂は実は破局している。
破局しているのに婚約披露パーティを行う会場へ向かう私『陽葵』は彼氏さえ居ないのに“できちゃった婚”を装うのだが…
最終更新:2022-12-26 15:42:29
997文字
会話率:25%
ラジオを入れていると、何かの拍子に聞こえてくる妙に引き込む、ミステリアスな女性の声がする。チャンネル名は『黒猫ラジオ』――誰かの不幸を流し、人の不幸を愉しむ番組だ。しかしその放送は、視聴者に代償を支払わせる物だとは、知らなかった。公共放送に
ふさわしくない、その番組の正体とは……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-21 02:15:20
12493文字
会話率:56%
こんにちは、初めましての方は初めまして!
ヤムと申します。現在Twitterで活動しております!
こちら、すべて実話になっております。
特定防止のため言葉遣い、場所以外はすべて本当の事です。他人の不幸話は蜜の味ということで、面白半分で読ん
でいただければと思います!
また、あなたが体験した「???」なことがあればぜひコメントで共有していただければと思います!!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-12 21:43:35
2391文字
会話率:54%
他人の不幸の上に成り立つ願い。
それを使うことにためらいを覚えるか、覚えないか。
主人公の判断は……。
最終更新:2022-06-05 23:54:36
4617文字
会話率:36%
悪魔が産み落とした人魚が、海を荒らし、舟を沈めるようになった。
そして、人魚に睨まれ、呪いの手紙を送り付けられた少女が、ひとりの旅人とともに人魚に立ち向かう物語(詩)。
最終更新:2022-04-22 00:21:00
818文字
会話率:0%
好きでもない相手に惚れられた私。付き合えないと断ってもしつこく言い寄られ、いつしか相手は恋煩いで体調を崩して、病んでいく。それを周りの人間が、あんなに愛されてるのに、応えないお前のせいだと責め立てる。私もゆっくり病んでいく。
※ 「病む(
N9030GY)」のタイトルで発表したものに、加筆修正したものになります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-17 22:13:14
7273文字
会話率:45%
勉強だけは出来る真面目系クズな高校生の俺、葛川聡には絶対に誰にも言えない趣味がある。
『ごめんなさい。小説投稿を止めます。一年半の間、皆様お疲れ様でした。私には才能がありません。最後まで完結させることができなくてごめんなさい。もう限界です
……』
そう、俺の趣味は——WEB作家潰し。”プロ”を目指して毎日投稿を頑張るWEB作家の筆を折り、もう二度と小説を書かせないようにするのが、俺の生き甲斐なのだ。
次の標的を誰にしようかと迷っている際に、大人気美少女WEB作家——マリンが目に入った。
アイドル並みのルックスと甘ったるい声。紫髪にゴスロリメイド服というオタク売り全開の美少女。
おまけにネット内で配信業を行い、読者との交流も欠かさない良い子という情報が。
だけど、純粋な悪である俺は順風満帆なマリンが苦しんでいる姿がどうしても見たかった。
「さぁーて、楽しもうじゃないか。マリン……お前が苦しむ姿を、俺に拝ませてくれよ」
と、思い、精神破壊攻撃を続けていたわけだが、何故か隣の席の女の子——廃進麻理が情緒不安定になった。
本来なら見て見ぬ振りをしたいのだが、外面を気にする俺は廃進麻理を介抱することに。
この物語は、他人の不幸が生き甲斐な嗜虐心持ちの男の子と、謂れ無き暴言を受けて情緒不安定になる、表では眼鏡っ娘だけど、裏では大人気WEB美少女作家の女の子が送る一風変わった危険な恋愛物語である。
***
「葛川くん……あたしのこと、大好きですよね……? あたしを一人にしませんよね?」
葛川聡の誹謗中傷で情緒不安定になるマリンこと、廃進麻理。
但し、葛川聡が見事に介抱し、廃進麻理は決して筆を折られることはない。
そして毎度のように励まされた廃進麻理は、次第に葛川聡に恋心を抱くようになるのだ。
「葛川くんだけです……あ、あたしのこと……ずっと好きで居てくれるのは」
「何、逃げているんですかー? 葛川くん、絶対に逃しませんよっ?」
『カクヨム』や『アルファポリス』にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-16 19:07:49
16631文字
会話率:40%
学校という場所では、人とは少し異なる趣味・嗜好をしていれば、グループからは排除される。そうやって省かれた奴らが俺の友人だ。ある日友人の一人からLINEで恋愛相談が送られてきた。彼の恋愛を成就させる気は全くないが、他人の不幸は蜜の味。彼の絶望
した姿でも拝むために少し手を出そうと思う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-15 18:00:00
4163文字
会話率:0%