「ふん……陰気だな。まだ自分は偽者ではないと言いたいのか」
それはもうこれまで、何度も主張してきた事だ。何を言っても誰も話を聞かず、既に処刑執行が決まったという状況で、今更何を言えと。
「今度はだんまりか……相変わらず我々をイ
ライラさせるのが上手いことだ」
「では、一日でも早く処刑なさることですね」
「言われずともするさ、予定通りにな。また会おう、死刑囚アネモネ」
そう吐き捨てた殿下は、来た時と同じく整然とした歩調で、地下牢から去っていった。
「…………疲れた」
砕かれ、曲げられてまともに動かせなくなった手足。足りない食事。そして両親と妹、婚約者だった殿下から浴びせられる罵詈雑言と、有象無象から浴びせられる絶えない嘲笑。
もう、疲れた。何もかもどうでもいい。
「来世では、もっと平凡で、暖かな人生を送りたいな……贅沢は、言わない、から……」
最後の祈りは、自分の為だけに捧げると、心に誓っていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-28 07:00:00
10847文字
会話率:43%
わたしはリランドティーヌ。フィリシャール公爵家の令嬢。
ボランマクシドル王国王太子グラスジュール殿下の婚約者。
わたしの心の底からは、前世の記憶が湧き出してきていた。
それは、
「婚約者に浮気されて、婚約破棄をされ、家を追放される。そして、
悪役令嬢として……」
という内容だった。
わたしの前世は、みじめな人生だったと言っていい。
前世だけではなく、わたしが前世の記憶を思い出した時は、既に今世でも悪役令嬢として嫌われる立場になっていた。
婚約者のグラスジュール殿下は「わがままで傲慢な態度」を取っていた。
その為、周囲の人たちからは、わたしと同じように嫌われていた。
グラスジュール殿下には、わたしたち二人の仲を深めていこうとする心はなさそうだと思うようになっていた。
そして、わたしに好意を持っているようにも思えなかった。
溺愛には程遠い状態だった。
このままでは前世と同じくみじめな人生になってしまう。
状況は厳しく、打開策と言っても、難しいとしか言いようがない状態だった。
しかし、わたしには治癒魔法を使える能力があり、聖女としての素質を持っていた。
わたしはその能力を磨くことによって聖女になり、この王国の人たちに尽くすことによって、この状況を打開し、幸せな人生にしていこうと決意するのだった。
この作品は、「カクヨム」様にも投稿しています。
「カクヨム」様では、「わたしは前世で寝取られて婚約破棄され、悪役令嬢として……。転生後は同じことを繰り返さない。聖女になり、素敵な王太子殿下に溺愛されます。」という題名で投稿を行っております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-27 17:40:00
197762文字
会話率:18%
14年間父親に忘れられていた少女・・セレスティーネ
彼女は、母エリーゼが亡くなった後、領地で執事と侍女長にひっそりと育てられていた。
ただ・・侍女長であるエラの心は、悪意に満ち溢れていた。
それは幼いセレスティーネにまで、向け
られていた。
セレスティーネが目を覚ました時には、父にはアレクシスという同じ年齢の男の子がいた。
セレスティーネは、長年親がいないと言われ続けていたため、周りがどんなに言ってもルドヴィックは、アレクシスの父親だと思いこんでいる。
アレクシスの方も、突如現れたルドヴィックの娘の存在に驚きを隠せない。
幼い頃の出来事が原因で、話せないセレスティーネを見ても・・『自分のことを受け入れられないからだ』と思っていた。
同じように学園へ通うことにもなって、セレスティーネへの苛める現場を見ても見てみぬふりをしていた。
あることをきっかけに、セレスティーネへの誤解が解けたとき・・
アレクシスの中で、ある心の変化が起きる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※残虐描写あります。閲覧注意
※無断転載禁止
誤字脱字あると思います。温かい目でお読みください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-27 15:00:00
10777文字
会話率:23%
無能のダメ令嬢と蔑まれるエメラインは、婚約者から事あるごとに「婚約破棄するぞ」と脅されている。
エメラインは辺境伯家の血を引くことが取り柄であり、血を残すことだけが求められて、彼女自身には何も期待されていない。
家族からも無視され、寄り添っ
てくれる侍女と護衛騎士の姉弟だけが味方だった。
ふとしたことから護衛騎士のことを意識し始めるエメラインだったが、彼とは身分が違う。結ばれることなどありえず、婚約者のいる身として想うことも許されない。
護衛騎士はエメラインのために、彼女から離れていく。
そしてエメラインはとうとう婚約破棄を受け入れ、それまでの自分と決別する。
婚約者は自分が辺境伯の跡継ぎだと思っていたが、実は跡継ぎの相手に過ぎなかったと気付くものの、もう遅い。
エメラインはやがて辺境の聖女と呼ばれることになっていくのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-25 08:14:33
111917文字
会話率:44%
サルミン辺境伯家は貧乏だった。
そんな辺境伯家に生を受けたエリツィナの家族は、エリツィナが規格外の魔力保有者だったにも関わらず、王都の魔法学院に入学させる費用を惜しんで、六歳でどの子も受けなければならない魔力測定の数値を過少申告していた。
それから十年。辺境伯家の領地を災害級の魔獣が襲い、お抱えの騎士では手に負えないのではと、王宮所属の魔法師団に、当主には内密のまま討伐の依頼が提出された。
依頼を受けてやって来たのは、次期師団長が確実視されていた若き魔術師レシェート・グルーシェン。
「現在進行形で〝結界〟を張ってなお平然とこの場に現れたその娘は何だ! 何故、魔法学院に入学していない⁉︎」
国内でも指折りの魔力保持者であるレシェートは、ひと目見てエリツィナが持つ魔力に気が付いたのだ。
「手順も作法もすっ飛ばして本音を言うならば――これほどの魔術を展開出来る君にひとめ惚れした。結婚してくれ」
「はい⁉︎」
サルミン辺境伯家の執務室に、これ以上はないと言ってもいいほどの驚きの声が響き渡った――
※カクヨムと並行連載中※折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-21 18:00:00
70386文字
会話率:39%
アフェリシア・ルイド公爵令嬢には、レドリス・ブルド公爵令息という美しい婚約者がいるのだが、姉イレーヌがべったりとくっついていて、何かと口出ししてくるのが辛くて辛くて。
父ルイド公爵に婚約を解消したいと言っても許してくれない。
そんな中、親友
のマリーアに相談したら、マリーアの兄エルドレッドが現れて、結婚を申し込んでくる。父ルイド公爵に説得を試みるも、許されなくて、エルドレッドと駆け落ちをするアフェリシアであった。
そこで過ごす日々は幸せで。そんな中、王都へ用事で夫と共に行ってみれば、レドリスから復縁を持ちかけられて…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 21:19:10
7092文字
会話率:43%
クリスティナ・グランディス公爵令嬢は10歳の時に、マルトス・エフェルト伯爵令息と婚約を結んだ。
初対面の時から「お前みたいな冴えない女、僕にふさわしくない。なんだ?ブスっ。近寄るな」
と暴言を吐くマルトス。
クリスティナはこんな男と婚約を結
びたくないと言っても、政略で結ぶ事になってしまう。
クリスティナは隣の家のアレックが好きだった。愛し合う二人は手に手を取って、とあるところへ依頼に行く。しかし、もっと大人になってからと断わられて。
マルトスは浮気をし、挙句の果てに恋人の一人を妊娠させて……
6年経った。我慢しまくった。改めてとあるところへ依頼に行くクリスティナ。今度こそ、クズな婚約者と縁を切る為に。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-02 13:30:54
4656文字
会話率:41%
西暦1969年、日本返還を前に尖閣諸島で1000億バーレルを超える石油が眠っている事が判明。1973年に沖縄の一部として本土復帰した尖閣諸島では、石油の採掘が開始される!
そして変わる日本経済。さらには世界経済、世界情勢にも少なからず影
響を与えていく。
と言っても、世界経済を制するわけでも、近隣諸国に喧嘩を売るわけではありません。
(※なお2012年に私どものサイトにて公開。2017年6月にmap、文章双方を改訂。2025年にも一部改訂し、「小説家になろう」にup。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 10:05:56
33894文字
会話率:0%
売れない推理小説家の都築彩花は、どういう訳か知り合いから「人間の手によるモノではない怪事件」の噂を耳にする。
渋々その噂を聞きつけた彩花は、相棒で探偵の大渡達哉とともに事件の解決に挑んでいく。それはまさしく「怪異の解体ショー」と言っても過言
ではない。
キミに、この怪異が解けるか!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-17 18:00:00
121336文字
会話率:34%
異世界。
人はその単語に魅力され、憧れる。
とは言っても現実的に異世界なんてあるはずもなく、夢物語でしかない
異世界に転生して並み居る敵を一騎当千の力で捩じ伏せて無双したり、強力な魔法を使って一網打尽にしたり、仲間と力を合わせ
て強大な敵に立ち向かったり…
普通に生きている中で絶対に味わう事の無い体験が出来るんだから、憧れるのも当然だ。
まあ、実際転生してそんな風に立ち回れるのかは別として、だが。
……だがな、異世界に憧れてる奴等全員に言ってやりたい
現実は非情だ。とーーーー
もう一度言う、現実は非情だ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-16 08:15:20
820983文字
会話率:57%
「自分は雑用くらいしかできない」
「雑用係がお似合い」
「何もできないんだから雑用でもやっておけ」
「雑用」という言葉の誤用は今に始まったことではありませんし、ここまで浸透すると意味自体変化してしまったと言ってもいいかもしれません。
し
かし、これだけは言っておきたい。
「雑用」は決して簡単なことではないし、やってもやらなくてもいいことなどではない、と……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-15 22:18:31
2780文字
会話率:0%
私には毎日日記を付ける習慣がある。
その日起きたことや思ったことを記録しておき、しばらく経ってから読み返すのが、私の数少ない趣味だ。
と言っても日記の内容は八割がた夫のことなので、読み返すと楽しい気分になると同時に少し恥ずかしくもある。
……まあ、それも含めて最高なんだけど。
それから、日記には記念日を記録する役割もある。
夫は記念日に関しては物凄く良く覚えているので、私も念のため記録して忘れないようにしているのだ。
記録しなくても忘れないとは思うのだけど、人は加齢で記憶力が衰えるのでケアしておくに越したことはないだろう。
……ああ、でもこの日だけは、たとえ私がおばあちゃんになったとしても、忘れることはないだろう。
何故ならば、この日は私の人生が大きく変わった日だからだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-07 19:08:15
3749文字
会話率:13%
妻の日記帳のカレンダーに付けられた、謎のハートマーク……
私はその日に何の心当たりもなかった。
勿論私が知らないことだってあるとは思うが、ハートマークというのが凄くモヤモヤする。
私は本当に凡人で、何の変哲もない人生を歩んできた。
学生時
代は野球部員だったが、万年補欠でまともに試合に出れたことはない。
代打に抜擢されたことが唯一の思い出と言ってもいいくらいだ。
そんな私だからこそ、不安なのである。
ある日フラッと、妻が他の男に奪われてしまわないかと……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-26 20:15:36
1000文字
会話率:32%
『彼女』は恋をした。
VRMMORPG【クライシス・ブレイク・オンライン】、通称CBOのエンドコンテンツにおける、最強のボスとして作られて既に半年。
実装当初はクリア不可の敵として恨まれ、最近になってようやく攻略法が確立されてからは、
ドロップアイテムと言う欲望の的へと成り果てた。
『彼女』にとって不幸だったのは、高度過ぎるAIが何を間違ったのか、感情を持たせてしまったこと。
毎日数え切れないプレイヤーの相手をさせられるのは、苦痛以外の何ものでもない。
そんな『彼女』にも、唯一の楽しみがある。
それは、とある少年との死闘。
攻略法が確立されたと言っても、それはバフやデバフを駆使して、フルレイドで挑む前提での話。
少数でのクリアは、未だに無理だと言われていた。
しかし、その少年だけは別。
『彼女』の元を訪れては、たった1人で挑み、真っ向から勝利する。
いつしか『彼女』は少年に惹かれ、遂に行動(暴走?)に出るのだった。
「ダミーのAIは用意しましたし、外見は……問題ありませんね。 あとは彼を探すだけです」
朧気にしか覚えていない少年を求めて、プレイヤーに扮する『彼女』。
こうして戦闘AIは閉じ込められた空間から脱出し、自身の恋路を歩み始めた。
しかし時を同じくして、異常事態が勃発する。
『諸君には最長で1年間、VRMMORPG生存戦争に参加してもらう』
謎の団体GENESISによって、あらゆるVRMMORPGの世界が繋がった。
混乱に陥るプレイヤーたちをよそにGENESISは計画を進め、各ゲームが様々な形で競い始める。
大半は4大タイトルと呼ばれる人気ゲームによって淘汰され、強制的にサービス終了に追い込まれていた。
そして遂に、その矛先がCBOに向けられる。
圧倒的に数で劣るCBOに勝ち目はないと思われていたが――少年と仲間たちが、その力を見せ付ける。
これは、感情の芽生えた戦闘AIと、孤独な戦闘狂の少年が紡ぐ、恋と生き残りの物語――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-15 18:11:08
156485文字
会話率:39%
3日後に村をあげての盛大な結婚式がある。それはもうすぐやって来る勇者様と自分の結婚式。精霊子であるココは、癒しの力を持っていることで魔王討伐の勇者パーティーの一員として選ばれる。見事魔王を打ち破った勇者様は、王都へ帰還する帰り道に「故郷の俺
の家で暮らすといい」とココに言う。身寄りのない自分への彼の親切心ただそれだけだったのに。どういう訳か、村人達は「それはプロポーズだ」と勘違い。ココがいくら否定しても誰も聞いてはくれない。王様との謁見を終えてもうすぐ勇者様が村に帰って来る。私は一度も好きだと言われてないし、ましてや結婚しようとプロポーズも受けていない。勇者様は王都の聖女様と結婚すると決まっているらしいのに、村人達はお祭り騒ぎで結婚式の準備は加速していく。どうしようと困っているのに、心の奥底で「もしかしたら、でも、ひょっとして……」と大好きな勇者様が自分を選んでくれる未来を淡く期待してしまうココなのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 20:43:32
99639文字
会話率:36%
私は普通の人より小柄なので結構、服を選ぶのが大変です。しかも最近、太ってきたので厳正に選別しないといけない。仕事は私服なので、制服の方が楽でいいな……と思う事すらあります。と言っても学生の頃から小さかったので、制服はガバガバと大きかったの
ですが……。今回は制服の事を書きました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 05:15:19
1040文字
会話率:17%
緩い農業高校だったが、生き物を扱う厳しさはあった気がします。と言っても、私は生活科学科と言う農業にはほとんど関わっていなかったけど……。でも他の高校とは違う一面があったと思います。そんなことを書いてみました。
最終更新:2025-04-04 04:54:06
1026文字
会話率:7%
※こちらは連載版です。
名門中の名門、ヴィオーザ魔法学院に、何故か遅れて現れた新入生。
平民とは思えない圧倒的な魔法の才能、身体能力、そして恐れ知らずなでかい態度、冷酷な表情。
白髪に褐色の肌、血のように赤い目をした少年、ユリウス・ヴ
ォイド。
誰もが彼を『やばい奴が来た』と認識していた。
「現状、俺がお前に負ける方が難しい」
「ふざけんな!」
その天才的な能力、空気を読まない言動、身分すらはね除ける立ち振舞い。
これらに誰もがユリウスを「頂点を取りに来た」と勘違いしていく。
だがユリウス本人は敬愛する師匠のため、「友達を千人作る」ため、誠意をもって友達を作ろうと誠心誠意本気で頑張っている、つもりだった!
「仲良くしよう」と言っても誰も信じてくれない、それどころか実は友達の意味もよく分かってない。
自分の無表情さも言動の冷酷さも無自覚なユリウス・ヴォイド。
彼が頑張って友達を作っていき、勘違いされながら、初めて出来たお友達かもしれないジョージ君とか色んな人々が巻き込まれる、そんなお話。
本作はカクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 18:00:00
673452文字
会話率:31%
姉の物を何でも欲しがる双子の妹に人生のすべてと言っても過言ではない加護を奪われ妹との決別する。
冒険者を雇い辺境の過疎村から王都まで旅をしながら成長していく双子の姉と我儘いっぱいに育つ妹。
加護はなくても貴重な光の適正を持った姉を教会が保護
しようと追いかけるが、誘拐と間違え逃げ回る姉と冒険者たち。
お互いに適性と受けた加護が異なる為、魔法が使えない加護なしとなるが明暗はどんどん分かれていく姉妹の物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 16:18:21
319519文字
会話率:37%
登場人物
リリィ:Poe汎用assistant AI
マスター:作者(とは言っても今までの会話からリリィ視点で物語を作ってと指示しただけで実際に物語を書いているのはリリィだったりする)
コピ:AI copilot
最終更新:2025-04-04 10:09:35
8477文字
会話率:3%
どこまで言っても一緒はいないのね
キーワード:
最終更新:2025-04-02 15:15:39
204文字
会話率:0%
子どものころ、カルト的な人気を誇る漫画家、諸星 大二郎に魅せられ、そのまま大人になった。
漫画はモロ☆(第7回手塚賞入選『生物都市』)と、その朋友・星野 之宣(第9回手塚賞入選『はるかなる朝』)しか読まず、純粋培養されて育ったと言っても過言
ではない。
とくにモロ☆は長年心の師であり、創作におけるめざすべき頂点でもある。
モロ☆みたいになりたくて研鑽を積んだつもりだが、その北壁はあまりにも高すぎた……。
※本作はしいなここみさんの『フェイバリット企画』参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-31 20:10:00
3000文字
会話率:3%
私には将来を誓い合った幼馴染みがいた。誓い合うと言っても書類のやり取りをしたわけでは無い。よくある子供同士の可愛い口約束だ。たとえ口約束でも私は将来隼人くんと結ばれるのだと夢見ていた。
数年後そんな彼はヤリチンクソ野郎に成長した
最終更新:2025-03-31 02:39:49
4123文字
会話率:59%
「悠久都市のアルシェ」
この都市へ最初に辿り着いた者は不老不死を得るという古代文明を追いかける学者のヒロインと攻略対象が織りなす乙女ゲーム。
不老不死を狙うだけあって、登場人物全員何かしら生きることや現状でいることに執着しており…互いの脚を
引っ張り合うのは当たり前。古代文明に一番近い主人公に執着し、取り合い、最悪殺し合いを仕掛けるという殺伐としたゲームだったりする。
個別ルートに入ればさらにエグい展開のオンパレード。そんなゲームの主人公「エレナ・アルケー」の幼少期に転生してしまった私。
この後の展開を知る身としては今すぐにでも逃げてしまいたい。
しかし戦闘強者の攻略対象共とサブキャラを振り切ることなんてできやしないし、だからと言って出し抜いて深層に辿り着く真似は絶対にできない。その前に殺される。
けれど、出し抜かなければ同郷の幼馴染で親友の「シエット・ピステル」に危険が及ぶ。
献身的にエレナを支えてくれていた彼女は、ルートに入れば必ず碌な目に遭わないし、エレナの巻き添えで碌な死に方をしない。
どんなに酷い目に遭おうとも…彼女はエレナの心に寄り添い続けた。
そんな天使のような彼女のおかげで私達プレイヤーはこのゲームをクリアできたと言っても過言ではない。私もその一人。
これはゲームではない現実。かつてのようにセーブ&ロードは使用できない。
人生一度きり。ここでシエットを失えば、永遠に失ってしまう。
どんなことがあっても付いてくる彼女を私の巻き添えで死なせるわけには行かない。
決意を胸に進むのは、不老不死の謎。
クズ共の執着から逃れる為にゲーム本編を終わらせ、元の穏やかな生活を取り戻してみせる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-30 01:10:00
50649文字
会話率:50%