「ハナコサン」を探してはいけない。もし見つけてしまったら……。
ルポライターの私、吉川に依頼されたのはホラー雑誌の編集部に送られた一通の手紙の主の取材。そこには既に廃校になった小学校の奇妙な怪談「ハナコサン」についての恐ろしい体験談が綴ら
れていた。それはスタンダードな花子さんの話ではなかった。興味を持った私は手紙の主に会う為に村へ向かった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-22 22:21:11
4696文字
会話率:30%
帝都にはびこる迷妄妄誕(ぼうたん)を断つ本記事「帝都妄断(もうだん)」も今回で八回目となる。
さて、読者諸賢は『人を食う機械』の話を聞いたヿ(こと)はあるだろうか。細かな筋の違いや異説があるようだが、大略すると次の通り。
――屠畜場で肉を加
工する機械が暴走して手当たり次第に人を呑みこんだ。犠牲者は肉になってしまったが、業者はこの事実を伏せたまま肉を流通させた。だから帝都に出回る肉にはときどきいわくつきのものが混じっている……
なんてことはない、都人士の不安が話という形をとった都市にまつわる噂話の一つだ。迷信と純朴が生んだ古い怪談とは異なり、都市の噂話は事実となる話に故意に誇張を加えて人為的に流されるものが大半で、人心の不安をかきたてる悪質な扇動と云いきってよい。
もちろん『人を食う機械』も同類である。人を巻きこんだ機械という語句は徐々に人の仕事を奪っていくであろう機械への不満を大胆に表しておる。消費者を顧みず事実を伏せた業者という点は、儲けしか眼中にない企業への不平をあおる。おぞましい人肉がそのまま食卓にのぼっているかのような結末は、帝都での生活そのものへ不信をいだかせる。いずれもが身近に存在する不安の種をひそやかに宿しているのだ。これら不安の種はこういった噂話を栄養にして花開こうとしている。
だが、我らが帝都に咲く花が斯様な不安に根差したものであってはならない。
読者諸賢は見抜いておられるだろう。『人を食う機械』もまた帝都に巣食う妄誕の一つにすぎないのだと。しからばその妄誕、ここに章々として断とう。
今号お目にかける記事は、『人を食う機械』の元となったと類推され得る、西部市のある食肉加工場にて発生した騒動についての顛末である。むろんこれは本誌に掲載されたる内容であるから、尾ひれのついていない実録であるのは断るまでもない。
以下は本誌編集部にこの実話を持ちこんだ某氏の語ったところを文章に整えたものである。某氏の語りにはいささか冗長な箇所も見受けられるが、語られる食肉加工場の場景にも目を通してもらいたい。帝都における点景、生活の実録をつづるという本誌の主旨にも反しないものとして省かず掲載した。また、例によって人名は仮名としている。
本記事が噂話の黒い部分を払拭できる力を備えていると信じて。
無姓無名「帝都妄断 第八回」『実録帝都』三二年第二十六号折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-30 08:40:58
6950文字
会話率:0%
私が入手したある手記を公開す。
この手記は30年の暮れに九重皇宮広場で発生した、元煙突掃除夫たちの騒乱について書かれたものだ。そう、帝都に不満を持つ元掃除夫たちが帝都を転覆せしめんために企図したといわれているあの騒動だ。
読者諸賢も知っての
とおり、騒動の首謀者は捕まり、不埒な暴徒と化した元掃除夫たちも今は大人しく社会の庸俗にまじっている。
さて、この手記を記したる人物は、暴動が帝都転覆を企てたものであるという見方に真っ向から異を唱え、あろうことか匪賊の首謀者をも名指しで擁護している。
私はこの点を非常に面白いと感じ入り、本号に件の手記を掲載せんと決めた。世間での犯罪者に対する見方とは異なる手記を読んで諸賢に思うところあらんとすれば、本誌編集部宛てに投書を送られたし。
東西大洋「煙突掃除夫の抗議活動に関する撮記」『実話運動』三三年七月第三週号(思草書肆)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-16 22:00:00
8942文字
会話率:8%
それぞれの事情を抱えて透明人間になることを選んだ遠藤美秀(えんどうみひで)と日野原月乃(ひのはらつきの)。
出逢い、別れ、そして対峙するまでに、少女達に何が起きたのか…!?
2013年に『野いちご』にて初出。
2016年3月8日、『野い
ちご』編集部さまのオススメに選出。
キカイプロジェクトコンテストの一次審査を通過。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-02-04 02:00:00
22912文字
会話率:8%
理由も分からず異世界に流されて一年。
異世界で知り合った人々に支えられ、元の世界のことを想いつつも充実した日々を生きていた永森タカト。そんな彼の住む街に、突如として正体不明のロボット――虫鎧機(イセク・アマンズト)が現れ、街が戦火に包まれ
てしまう。正体不明機に追い詰められ、絶対絶命のタカト。そんな彼の窮地の中、彼を救うべく目の前に現れたのは巨大な蒼竜。
これは異世界で出会った大切な人々を守るため、竜鎧機(ドラグ・アマンズト)という名の生命体ロボットに乗り込んで戦う少年の物語。
※追記(2015/03/21)
このたび、HJ文庫様が開催されております第9回HJ文庫大賞におきまして、当物語が銀賞を受賞させて頂くことができました。
読者の皆様、HJ文庫編集部様に心より深く感謝申し上げます。本当に、本当にありがとうございました!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-01 01:06:38
124948文字
会話率:42%
「私は誰かを幸せにするつもりなんてこれっぽっちもない……天人界に帰りたくないんだ……私はこの人間界で悠々自適に毎日を面白おかしく惰性と堕落に塗れて生きていきたいんだ……具体的に言うと、私はこの人間界でニートになりたい……」
「こいつ、清々し
いくらいに最低なこときっぱり宣言しやがった……」
新学期初日を終え、ベッドの上に身を投げ出してリラックスしていた荒波浩之。そんな彼の部屋に、激しい衝撃音と共に天井をぶち抜いて突如現れた、やる気のないジト目が特徴的な美少女サラサ。頭の上に光の輪をぺっかぺっかと輝かせながら、サラサは自分が人間ではなく空の上にある天人界の住人であり、天使学院卒業試験の追試のために人間界に現れたことを説明する。人間界で契約者(パートナー)を決め、その人を幸せに導くことが天使学院一の劣等生サラサに与えられた追試クリアの条件であり、それができなければ正式に『天使』にはなれず天人界にも戻れないそうなのだが……
これは、ジト目のぐーたら駄天使候補と、そんな彼女をなんとかしなければと必死に奔走する少年の物語。
※追記(2015/04/27)
このたび、第20回スニーカー文庫大賞におきまして、当物語が特別賞を受賞させて頂きました。
読者の皆様、スニーカー文庫編集部様に心より深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました!
※追記(2016/1/9)
2016年2月1日に書籍が出版されます。
レーベルは角川スニーカー文庫様です。本屋で見かけましたら、ちらりと覗いて頂けると嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-09-10 21:25:45
114780文字
会話率:54%
就職活動に敗れた鈴子は、ファッション誌編集部のアルバイトをしている。ある日、廊下で「君の名前はりゅうじゅだろ」と突然男に呼び止められるが、まったく意味がわからない。やがて、この出会いが、人生を変えることになる。
最終更新:2014-03-01 17:53:27
2705文字
会話率:65%
実話情報誌「月刊リアル」編集部で働く主人公。次号の特集記事は「懐かしの生き物の今」に決まった。幻の生き物「ダンジョ」を求めて、怪しいカメラマンとともに旅に出るのだが…。
最終更新:2014-01-13 21:25:47
1881文字
会話率:27%
「お兄ちゃん……わたしのこと、好き?」
首を切断されても問いかけてくる、妹……。
いつからか、妹たちのなかには〝ナニカ〟が居座っていた。
両親の離婚によってバラバラになった僕たち家族は、妹のバラバラ死体によって回帰不能にまで追いやられた。首
だけで笑う妹、消えたもうひとりの妹、わけを知っている後輩、そして意思とは裏腹に蠢いてしまう〝彼女〟のからだ……それらに翻弄されながら日常を過ごす僕。妹を殺した連続殺人犯は誰なのか、そして妹たちの正体はいったいなんなのか? 本当の〝モンスター〟は体の外にいるのか、それとも心の中にいるのか……軋み、狂い、歪んだ〝愛情〟が僕をつらぬき、交差して彷徨う、ホラーミステリ。
(※第二回なろうコン大賞で編集部ピックアップ作品に選んでいただきました。ありがとうございます)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-14 23:05:57
95325文字
会話率:32%
のほほんとした新人君。今日も編集部で大目玉を食らっています。
(この作品はフィクションであり、実際の国家、団体、企業、業界、個人とは一切関係ありません。本当です。そういうことになっています)
最終更新:2013-07-05 22:51:29
10026文字
会話率:90%
「そろそろ自覚しろ。お前は――――」「うるさいよ!何でお前はいつもいつもそう強引なの!」「諦めろ。お前は俺のものだ」「誰がそう決めた!誰が!」「俺」「なっんっでお前のものになるの!」「……面倒だな」「お前がな!」安藤グループ安藤出版社雑誌編
集部部長、これが今の私の肩書き。私が集めて、私が率いる部署の設立を元に功績を残す。拾ってくれた社長のためにも私は頑張らなくてはいけない、これは私が私に課した誓い…。それなのに…。「ちょ、何で?!」「お前は俺のものなんだからお前の為に動いて何が悪い」「若干逆切れ?!」こ、こんな奴にうつつを抜かしてる場合でも恋愛してる場合でもないんだから! 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-11-09 05:26:28
10133文字
会話率:66%
編集部に勤める高倉は、ある日上司の斎藤さんという女性に飲み会へ誘われる。訪れた居酒屋で、こちらの様子をうかがう女の子が!
最終更新:2012-08-12 01:17:23
4246文字
会話率:47%
オリジナル ヤフーブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1522248.html
(この物語はフィクションで、登場する人物や建物は実際には、存在いたしません。)
ここは神奈川県、横須賀
市、閑静な街並みの久里浜。
港町で小高い丘の上にコーポラスが建っていた。
そこに引っ越して来た、斉藤 すみれ(29)。
職業はオカルト作家で、一部のマニアには名の知れた人物では有ったが、
時代の流れで、オカルトは流行から薄れ、
編集部の小野田 洋子の支持に従い、
恋愛小説を書く事を余儀なくされていたが、
恋愛小説など、手掛けた事が無いすみれは、拒んでいた。
だがすみれは今後の作家活動の為に、
この久里浜の閑静な佇まいと、コーポの窓から見える風景を好み、
ここを借りて恋愛小説に着手する事と成った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-10 14:28:29
125927文字
会話率:0%
大人の童話のつもりでかきました。日本文学館編集部・編「Beatiful Days」(2009年)に掲載したものです。
最終更新:2011-07-12 10:51:12
619文字
会話率:24%
父と娘の物語。日本文学館編集部・編「MY LIFE」(2008年)に掲載したものです。
最終更新:2011-07-11 17:13:58
1054文字
会話率:12%
街にはクリスマスソングが流れ
イルミネーションや色とりどりのオーナメントが光り輝き
赤・白・緑のクリスマストリコロールのリボンで彩られる
歳の差・でこぼこコンビのクリスマスラブストーリー
*ホームページにて公開しています。
最終更新:2011-06-06 23:40:06
44712文字
会話率:53%
「うちらの仕事ってさ、編集者っていうより、編集雑技団って感じだよね――」
ファッション誌編集部のフィオナ、週刊誌編集部の希瑛、文芸誌編集部のまり子。性格も好みも全然違うけど、同い年の同性だからこそ、わかりあえる仕事の楽しさや悩みがある。
編
集者あるあるネタを、ガールズトーク風にお届けします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-04-09 06:54:26
3974文字
会話率:48%
オタク嫌いの二十七歳の女性「萌」は強烈萌え系オタク雑誌の編集部で働くこととなってしまい……。一見、オタクには見えない編集長の遠野。彼の過去を知り驚愕する萌だったが、次第にひかれていく。やがて遠野の会社への復讐が始まる。
最終更新:2011-03-23 16:26:32
101611文字
会話率:51%
雑誌編集者である私は、編集部に定期的に届き続ける手紙に頭を抱えていた。それと平行してある日、今にも命の灯が消えそうな酷い傷を負った青年と出逢う。まさかその出逢いが私の運命を悉く変えてしまうとは……。失われた彼の記憶を辿っていく内に、国をも揺
るがす大事件が徐々に暴かれてゆく……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-05-06 03:17:13
25849文字
会話率:33%
彩(サイ)は、地元の情報誌を発行する編集部の営業として働くごく普通の21歳。付き合って半年になる彼氏は5つ年上のフリーター。サンタクロースを信じなくなったみたいに、とても自然に永遠の愛だとか、変わらない友情だとかをサイは信じなくなった。幸せ
の定義なんてものがあればもう少し、サイにとって人生は分かりやすくて、生きやすいはずだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-01-07 22:09:49
4196文字
会話率:33%
教頭を始めとする教員に支配されている学園通信を生徒の手に取り戻し、ビジネスとしての側面も持った活動にすべく、編集部設立を企てる私の幼馴染、なっちゃん。でも行く手はそんなに簡単じゃなくて……
最終更新:2006-09-15 17:27:12
31547文字
会話率:43%