サラリーマン生活に疲弊し、青春の輝きをしみじみと懐かしむ主人公の姿を通して、何が本当の生き方なのかを見つめ直そうとする大人のためのロマンスです。
物語は同窓会で地方大学の学生寮を訪れた年老いた卒寮生と若く溌溂とした主人公の木村直樹がすれ違う
場面で幕を開けます。青春時代には老人の追憶など他人事ですが「自分もいずれはあの歳になって今の自分を懐かしむなんて夢にも思わんもんな」という意味深なセリフを伴うさりげないワンシーが、後々に活きてラストへの伏線となっています。
次に独身サラリーマンとしての多忙で疲労の色が漂う直樹の現在の様子へと切り替わります。仕事をめぐる次長とのやり取りや、残業後にラーメン屋で同僚と交わされる愚痴の数々、深夜帰宅後に背広のまま寝てしまうシーンの挿入など、サラリーマンには身につまされる場面が続きますが、それにより過酷な日常を離れた福島での同窓会に出席した直樹の解放感がより一層いきいきと伝えられることになります。
ストーリーは、その同窓会があった当日の深夜、直樹がかつての恋人の純子と偶然に再会したことで大きな転換点を迎えます。
大雪のために乗車するはずだった最終の新幹線が大幅に遅れたという展開は東北という地方性を活かすと同時にロマンチックな気分を醸す演出です。そして十数年ぶりの再会の一夜明けた翌日、直樹は東京へ戻る予定を破棄して純子のもとへ向かいます。晴れ渡った空の下、純子を乗せてロードスターを走らせる直樹。雄大な安達太良連峰が非常に印象的であり、仕事だけに活きてきた直樹が自分の人生を取り戻すには相応しく美しい光景であります。
ラストではオープニングシーンが再現されて老人となった直樹と若い直樹の視線が一瞬混ざり合う。若さと老いが交差して深い感慨が沸き起こる瞬間を演出しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-08 02:42:31
15068文字
会話率:50%
ひとつ年下の従妹『千尋(ちひろ)』の訃報を受け、数年ぶりに母方の田舎へと赴いた『万里(ばんり)』は、通夜の最中にセーラー服の少女に話し掛けられる。
「あの、もしかして万里くんですか?私、千尋です」
幽霊となった従妹と田舎の町で幼き日の記憶を
辿る、ちょっぴり切ない恋愛ストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-30 23:31:08
98688文字
会話率:49%
貧乏小学生が、周りの人々と有り余る時間をのんびり過ごしていく話。
登場人物
近衛(このえ)・・・・・・家は貧乏。背の順先頭。おかっぱ頭の3年3組。
ニシオ・・・・・3年3組担任。やる気ない、だらしない、空気読まない。
飯田くん・・・・近衛
の席の隣になってしまった可哀そうな清く正しい小学生。
小菅(こすげ)さん・・・眉毛が太い学級委員。できる範囲内でいつもがんばってます。
大浦(おおら)・・・・・・肌が白い細目の同級生。言葉がたどたどしい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-30 21:32:01
36908文字
会話率:37%
静かな住宅街を抜けた先にある古民家風の喫茶店「喫茶 裕次郎」。 美丈夫なオネエのマスターと、小学生の可愛いウェイトレス、看板犬の裕次郎さん、腕の立つ料理人が営む喫茶店には、日常に疲れた社会人や、一風変わったお客さんが集まっている。 疲れた日
々を送る中で、束の間のんびりする時間を求めて、今日も喫茶裕次郎は営業中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-19 23:31:39
16952文字
会話率:36%
私の最期も。終活も最後を迎えようとしていた。。
最終更新:2022-03-15 16:31:51
378文字
会話率:6%
女将さんがだしてくれた、おにぎり。。
この作品はショートショートガーデンに投稿済みです。
https://short-short.garden/S-uCTrfX
最終更新:2021-11-24 22:10:53
383文字
会話率:24%
子供の頃の思い出です。以前投稿した「70年代子供だった私が見た〜」の続きのようなものです。昭和の面白さを伝えられたら嬉しいです。
最終更新:2022-03-13 20:03:37
5569文字
会話率:2%
私が子供の頃のことを話すと、面白がられることがある。それが北九州だからなのか、昭和の出来事だからなのか分からないが、そんな70年代の出来事を思いつくまま書き綴ってみた。
最終更新:2022-01-01 13:41:12
10535文字
会話率:5%
花の憂鬱と、取り巻く人間の本当にちょっとした物語
最終更新:2022-02-19 00:07:34
1183文字
会話率:11%
今が生きづらく、昔を懐かしむ主人公は、子供の頃に「彼」とよく遊んだ場所へ行ってみることにした。
それは現実逃避であると同時に、今がその延長線上にあるのだと再確認することだった。
最終更新:2022-01-23 12:00:00
4116文字
会話率:27%
変わってしまった景色。
それをただ眺める、変われなかった自分。
最終更新:2022-01-18 02:00:33
1533文字
会話率:0%
あけましておめでとうございます。
今年は素晴らしい一年になりますように。
最終更新:2022-01-01 20:00:00
860文字
会話率:0%
今はもう使われなくなった媒体であるカセットテープ。
ある世代には青春時代のノスタルジーがありふっとその頃に戻れるのではないでしょうか。
ついでに夢中になっていた音楽も思い出したりして・・・
最終更新:2021-12-31 17:49:51
892文字
会話率:23%
42歳サラリーマンの人生模様を描いたエッセイ。 昭和のノスタルジーに郷愁を抱きながら、就職氷河期という厳しい時代を乗り越えた皆さんに読んでいただきたい作品です。
最終更新:2021-11-20 23:57:43
2549文字
会話率:0%
古い印刷所に住んでいた黒猫の家族とのひと時だけの思い出。
最終更新:2021-10-07 12:40:05
2046文字
会話率:0%
看護師、小暮桜子(31)
運命が最も交わる場所、病院で彼女が出逢った人々。
その人々全てに1つずつの生涯があった。
最終更新:2021-07-10 18:45:39
4469文字
会話率:23%
「ねぇ?雪解け道の話って知ってる?」
ある日、下校の時に、幼馴染の彼女がそんな事を言ってきた
それは
どこにでも、あるような
眉唾物の都市伝説。
地元のお地蔵さんが並ぶあぜ道に
雪が積もった、次の日の朝
朝陽によって、雪が初めて溶け出し
た瞬間に
この世と、あの世が
数分間だけつながるという
嘘のようなお話折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-18 00:00:00
1726文字
会話率:33%
好きなことや苦手なこと(嫌いではない?)、どうでもいいことやくだらないこと、当たり前のことについて、極めてうすく語ってみます。
積み上げる苦しみも知らず、考えているだけで楽しかったあの頃への原点回帰と資料考察。そしてうすうすあるある。
内
容はほぼありません。
要は、あとがきにも残せないほどの、おしゃべり創作ノートみたいなものです。
ネタバレ注意。基本的に敬称略実名表記の予定ですが、リスペクトの強いものに対してはごく自然とへりくだってしまいます。それはちょっと、という場合は伏字表記にするか削除をいたします。
あまり深くは考えないつもりなので、不愉快に感じられたらごめんなさい。
たぶん興味のない方にとっては、不愉快なことだらけなので、ご入場の際は自己判断でお願いします。
ジャンルがあっちこっちとっちらかってる上に、内容自体にかなり偏りがあります。もし興味を持ったネタを見つけた時は、ぜひ覗いてみてください。
あ~それなんかわかるわ~、と思っていただければ幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-13 19:09:04
87327文字
会話率:1%
十年ぶりに地元を帰ったら、昔好きだった女の子の家が駐車場になっていた。だから何? と言われたらそれまでだけど、十年という月日の重さみたいなものを、僕はその事実から突きつけられたような気がした。
最終更新:2021-05-28 21:51:47
4798文字
会話率:31%
俊哉は駅前の映画館「世界座」の館長。利用客の減少で閉館が決まり、それと共に息子夫婦の家に隠居しようとしている。
最終更新:2021-05-23 22:36:44
12908文字
会話率:52%
三浦先生の訃報を受けて感傷的なノスタルジーに浸ります。
最終更新:2021-05-22 18:14:06
3138文字
会話率:0%
ある少女が父親の代わりにバリスタをしている喫茶店で繰り広げられる心にそっと寄り添うお話。
彼女が目指す一杯のコーヒーとそれに魅了される客。
そして彼女の奥底に眠る思いとは……。
最終更新:2021-05-12 20:25:48
248文字
会話率:50%
雨宿りのために駆け込んだ廃墟で出会った不思議な少女。彼女は一体、何を考えているんだろう?
最終更新:2021-05-08 22:34:19
5424文字
会話率:19%
四十年以上も前に無人となり、立ち並ぶ多くの高層住宅も朽ちて今や廃墟と化した”あの島”。島の元住人である石和久が、子供の頃の生活や体験談を廃墟マニアである文木太郎、原澤克正、早良壮に聞かせるところから物語はスタートする。
居酒屋での集会
を重ねながら、ネット情報では窺い知れない当時の話に、三人の関心はより一層深くなっていく。
三回目の集会、文木が開設している廃墟をテーマとしたブログを見て、島について興味を持ったという門野和美が文木に連れられて集会に顔を出した。三人に交じって石和の話を聞いていた門野だったが、お酒も入った集会の後半に鞄から取り出したゴーグルを石和にかけるように勧めてくる。
言われるがままにゴーグルをかけた石和の目の前に広がったのは子供の頃の懐かしい風景だった。ゴーグルの中で奇跡の世界を歩き回る石和、そして彼の耳に届いたメッセージとは・・・・・・夢かうつつか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-02 15:16:23
25702文字
会話率:76%
今は廃墟の聖地となっている世界的にも有名な長崎県の孤島、そこで生まれた石和久は無人島となるまでに過ごした九年間の思い出を廃墟マニア達に聞かせることで、酒席の主役となっていた。自分達が知りえない貴重な情報を得て盛り上がりをみせる廃墟マニア達
の気持ちとは裏腹に、石和は生まれ故郷が廃墟の聖地として崇められてしまうまで何もできなかったことに対する自責の念を抱いていた。
もう住むことができない故郷のニュースがテレビやネットで流れるたびに望郷の念は募るのだが、観光客として見に行くのは違うという感情と、そうしている内にも崩れ行く故郷に結局は何もできないというジレンマを抱えながら、今日も廃墟マニア達を相手に酒席を盛り上げていた。
その時、たまたまお店に居合わせたというテレビ局のリポーターを名乗る女が、聞こえてきた話が面白そうだから取材をさせて欲しいと近づいてきたところから物語は奇妙な展開を迎える。
後日、リポーターの女から、観光用の見学コースではなく島内部に足を踏み入れてもっと具体的な取材がしたいとの誘いがあり、小躍りして喜ぶ廃墟マニア達と一緒に、石和は四十数年ぶりの帰郷を果たすことになる。
上陸して最初に向かったのは、荒廃が進んだボロボロの校舎内の教室だった。そこは石和が小学校一、二年生時に学んだ思いで深い教室であったのだが、突然目の前が真っ暗となり同行していた女や廃墟マニアの友人達の姿が見えなくなってから、一人でこの島の過去と未来の不思議な世界に入り込んでしまうことになる。
過去と未来の世界、それは常日頃から聞かされる廃墟マニア達が思い描くこの島のイメージであったのだが、それを具体的な映像として石和に見せているのは誰なのか、なにが目的なのか・・・・・・。
不思議な世界での様々な体験をした後、現実世界の元居た教室に戻った石和は自分がここに導かれた理由を知り、荒廃と倒壊の危機に見舞われた島の窮状を救いつつ、更には未来に向けて生まれ変わらせるために自分ができることは何かと考え始める。
苦悩の末に廃墟マニアの友人達や会社の仲間、更には大企業までも巻き込んだ壮大なイベント構想をまとめ上げ、それを実現させていく・・・・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-02 13:08:57
100355文字
会話率:54%