一之瀬比奈には友達が居ない。どんなに努力しても友達は出来ず、いつしか比奈はリストカットを繰返すようになっていた。その比奈に葵という名の友が出来た。だが葵は、『天空の楽園に導いてくれる七色の光』について教え、『唐獅子』の根付けを比奈の手に残
して、死んだ。
葵の後を追おうとして樹海を彷徨っているうちに比奈は克代と出会う。
克代は夫と二人で懸命に働いて功成り名を遂げ、仲睦まじく暮らしていたが、突然夫の愛人奈緒美から離婚を迫る手紙を受取った。晴天の霹靂であった。ショックのあまり夫を殺した克代は死ぬ気で樹海を彷徨うが、死を目前にして、山ほど居る友の中に、真の友が一人も居ないことに気づいて愕然とする。
死体と遭遇した比奈と克代は命からがら樹海を抜け出し、克代の従兄弟徳次を頼って故郷に逃げる。そこで克代は夫が死んではいなかったことを知り、離婚届に署名して送る。子供の居ない克代は、死んでしまえば生きた証など何一つ無く、ただ虚しく朽ちてゆくだけの自分があまりにも惨めで情けなく、せめて誰かの役に立ってから死にたいと思ったのだ。
克代が幼い頃、故郷の村には戦地から引きあげてきた兵士がいた。ガダルカナルの激戦で大勢の戦友を失った兵士は、戦友達の遺族に其々の戦友の最期の様子を知らせる為にあちこちを行脚し、最後にこの村に落ち着いたのだった。霊媒師から兵士の世話を頼まれた徳次は兵士が亡くなった時に、天空へ昇っていく七色の光を見たという。
拒食症で痩せ細っていた比奈は、克代と一緒に暮らすようになってふっくらと元気になっていった。比奈から「父は既に死に、母は私が邪魔」と聞かされた克代は、せめて比奈が元気になるまで助けてやりたかった。だが一緒に暮らすうちに比奈が普通で無いことに気がつく。死霊が憑いているのではないか?
地獄の淵まで追い詰められ、危うい処で助かったのは比奈のお陰と感謝する克代は、なんとかして比奈を死霊から守りたいと願う。
二人は老人ホームで働くようになるが、或る日、比奈は泥棒の濡れ衣を着せられて絶望し、再び野山を彷徨う。「虐められる人間は、いつでもどこでも虐められる」と嘆く比奈を、「虐められるのは、むしろ素晴らしい人だからだ」と諭す。克代は比奈に、死霊に打ち勝てるよう強くなって欲しかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-22 16:21:01
63123文字
会話率:33%
飛行機大好き、でもパイロット適性ゼロなのは一目瞭然、という藍原佳奈は、「飛行機が見える職場」というキャッチコピーに惹かれ、某中央官庁の職員になることを志す。
しかし、公務員採用試験を経てたどり着いた面接部屋では、風変りな面接官たちが待
ち構え、やっと獲得した内定通知書に書かれていた配属予定部署名は、完全に想定外。配置先で出会う人間も、やはり個性的な面々ばっかりで……。
もしかしたら日本一小さいかもしれない自衛隊員の、ドタバタお仕事話です。彼女は我が国の防衛に貢献できるのか、それとも、我が国を危機に陥れるのか。それは神のみぞ知るところ?
本作は補足ネタ(平たく申し上げると文章力を補う画像と愚痴混じりの言い訳)付きバージョンです。補足ネタのエピソードは、サブタイトルの頭に☆を付けています。本編のみのシンプルなものをお好みの方は、カクヨム版(https://kakuyomu.jp/works/1177354054882880670)をご覧くださいませ。本編部分は全く同じです。
この物語はフィクションです。実在する人物及び団体とは一切関係ありません。話の主要舞台となる機関名は架空のものです。
参考文献等:「防衛省と外務省-歪んだ二つのインテリジェンス組織」福山隆(幻冬舎)、「諜報機関ーあなたの知らないすごい世界」ニュースなるほど塾編(夢文庫)、防衛省・自衛隊公式ページ(http://www.mod.go.jp/)、その他関連ウェブサイト
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-04 16:31:05
37791文字
会話率:40%
1998年11月、横浜中華街のホテルに、一人の青年が訪れた。
青年は、自らの応援するサッカークラブの吸収合併を阻止するために署名を集めていたが、
ホテルのオーナー、張はその姿を見て自らの過去を回想する…
最終更新:2019-10-29 00:00:00
93652文字
会話率:18%
日米安保条約については形式上「片務的であり、不公平」との批判も見られますが、歴史を振り返ればその成立の背景には朝鮮戦争がありました。
1951年9月8日にサンフランシスコ平和条約が署名され、第2次大戦後の日本との講和が米国を含む大多数の連
合国との間で成立し、同じ日、同じサンフランシスコで、日米安保条約が署名されました。
この安保条約に関しては、東西冷戦そして朝鮮戦争のさなか、日本を西側陣営に留め、また在日米軍基地に関し、特に朝鮮半島に向けた兵站支援の為、継続使用可能とする事に米国の主眼があった事が理解出来ます。(結局、朝鮮戦争が米国をして日本との講和を急がせた、と言われている)
なお戦後の日本の再軍備には吉田茂首相(当時)が強く反対していましたが、1950年6月に朝鮮戦争が勃発したのを受け、同年8月、GHQの政令により警察予備隊が設置されました。従って翌年9月、日米安保条約が署名された時点で、双務性の観点から日本に米国への防衛義務を課す様な発想は、日米の何れにもなかったはずです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-10 09:13:23
10670文字
会話率:0%
高校を卒業して東京へ就職する。会社の寮に入って社会変革への活動をする青春。
最終更新:2019-02-02 12:21:33
38972文字
会話率:15%
「別の大陸で、異世界から呼んだダンジョンマスターが上手いことやっているらしいんだ。同僚に自慢されるのが癪だから、うっかり契約書に署名した君には、彼を超えてもらいたい」
ようやく契約する間抜けを見つけた、目の前の豚鼻の小男が嬉しそうに言う。
そうですか。うっかり契約書に署名するような私が、そんなことができるとでも?
暇だったから、という身も蓋もない理由での休日出勤。紅茶を飲みながら、適当に署名した契約書。解りやすく、理不尽なダンジョンマスターという転生後の役割。これから異世界であっても、人を殺さないと生きていけないらしい。
そこで私は逆に質問をすることにした。
「実質的に攻略不可能なダンジョンを作っても、問題ありませんよね?」
その質問を聞いた小男のバカにした顔に私は確信した。やっぱり作ってもいいんだ、と。モンスターや罠の難易度ではなく、冒険者たちが攻略するつもりがおきないダンジョンを作っても。
その後は、魔王として世界征服をしよう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-03 21:49:16
18491文字
会話率:65%
「降伏文書に署名するだけの簡単なお仕事です」
日本の女子高生・郁(カオル)のもとに現れた王国の外交官は、そう言ったはずなのに…… 王国は、22世紀の世界の3分の2を支配する『帝国』と対立し、帝国の傘下に入るかどうかで国論が二分されていた。よ
くわからぬまま女王にされてしまった郁は、激動の情勢に揉まれていく。そんなとき彼女は、ひとりの帝国軍士官の青年と出会う。郁と友達になった王国の高校生セリア、王国内を拠点にする反帝国組織の少女ラトカ。時代の荒波に巻き込まれていく彼女たちは、少しでもマシな未来を掴み取ることができるのか?
(完結済)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-29 15:00:00
223930文字
会話率:51%
夫・辰則の定年を迎えた生方夫婦。娘夫婦や孫、妻の香織に祝われた翌日のこと。香織から、「大事な話がある」とソファーでうたた寝をしていた辰則の目の前にハラリと置かれた署名捺印入りの離婚用紙…。目を丸くし、離婚届と香織を互いに見合う辰則に、香織
は笑顔で「あなた? 離婚してください」と、こう切り出したのだ…。(明るい独身生活より)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-15 09:58:43
4837文字
会話率:19%
駅前での署名活動を見て思ったことです。
個人的意見ですので、賛否両論お待ちしております。
100%私が正しいとは思っておりませんので、こんな意見もあるのか…ぐらいに
思って頂けると幸いです。
処女作です。
少し暴言があるかも…
最終更新:2018-02-05 18:00:00
2902文字
会話率:1%
クラスでいちばん体格もデカい荒畑(あらはた)力哉(りきや)が謎めいた体験をしたという。角刈りの人だけを集め、奇妙な作業をさせられたという。まさに「角刈り連盟」事件が起きただ。しかしいっぽう「ぼく」の家では、不老翔太郎の助けを借りることもでき
ない、とんでもなく大きな事件が起きようとしていた! 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-03 00:11:19
25832文字
会話率:46%
相互ユーザーが多ければ多い方ほど困っていると思うのです。
皆様はどうされていらっしゃるのでしょうか?
最終更新:2017-12-03 20:33:25
836文字
会話率:0%
小説家志望の女子校生空美は、同じ団地に住むもと小説家の独居老人権蔵じいさんのもとに足しげく通
う。
自分自身の小説に目を通してもらいながら、身寄りのない自分と同じ寂しさを抱える爺さんをほおっておけないからだ。
渾身の異世界転生ものファンタジ
ーを一蹴され落ち込む空美に、自分自身の遺産をすべてくれてやると約束するじいさん。
まるであてにしていない空美に対し、証文を差し出す。
バカバカしいとは思いつつも、古ぼけた文学全集を目当てに署名をすると、じいさんはそれを厳封し弁護士に送付させる。
そして、じいさんは空美に呟く。
「始まるぜ」 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-07-27 10:48:55
35194文字
会話率:37%
人を助けるヒーロー、それは勇者か、犯罪者か――。
恩赦法第8条の2「民意による刑の免除」
それは内閣の介入や天皇の認証を必要とせず、警視庁の承認と100万人のネット署名、最高裁の認証があれば被告人に執行される刑が免除されるというもの。
世
間ではこれを、勇者法と呼ぶ。
そして今日もまた1人、ヒーローが生まれた。刑事である北村はとある裁判の公判前、事件担当として被告人の余罪を確認していく。そんな中、1つの事件をきっかけにヒーローというものに触れ、憧れを抱いたとある高校生はそこで人生の転機を迎える。
これは裁判を経てヒーローになった1人の高校生を追いかけた刑事、そしてヒーローに憧れた高校生のお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-06 17:21:22
24082文字
会話率:76%
終戦の直前、夏を迎えたハンライの国民学校に、扶桑人校長を名乗る怪しい男が現れた。
内地に行けば、小学生でも高いお給金がもらえる、お国のためにもなるのだというその男の話に盛り上がる小学生たち。
しかし、内地に行くには、親に署名と印鑑をもらわな
くてはならない。
ヨンギルと仲間たちは額を集めて相談し、親に黙って印鑑を持ち出し、捺印して書類を持って来たのだが……。
真っ赤な残照に照らされる教室に、その日、ピタッピタッと濡れた足音が近づいてくるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-13 12:14:47
4688文字
会話率:9%
超高齢化社会におけるディストピア小説です。
国民は皆70歳で安楽死する義務「法定寿命」が定められた社会。
70歳を過ぎても生き延びるただ一つの特例として許されたのは10人以上の署名を集めることだった。
しかし、この署名の権利は1人
1回しか使えない。
誰を生きさせたいのか。
権利をどう使うのか。
70歳の誕生日を迎える祖母をとりまく、ある家族の葛藤を、孫の視点から描く。
※pixivにも掲載予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-30 13:15:42
10861文字
会話率:42%
大学一年生の終わりである春休みに、茨扇空夜は彼女を連れて実家へと帰る。しかし、彼女を見た瞬間に家族は騒然とする。彼女、柚妃名無は小学五年生の十一歳だったからだ。ともかくとして、家族へと彼女と出会った経緯を説明する事となった。
空夜はヴァ
レンタインデーの際に女性関係で事件に巻き込まれ、悪い意味で注目の的になってしまった。そんな時、公園で落ち込んでいると、全身を長い髪で隠れた妖怪を目撃する。友人の梧桐座喜連と面白半分気分転換半分で張り込みするも見つからなかったが、四日目に一人でいると、それに再び出会う。
その髪の毛の塊は、女の子だった。柚妃名無と自己紹介を受けた空夜は、彼女が育児放棄された少女だと気づく。常識も捻じ曲がり、シャンプーも知らず、散髪もした事がないメイムを、空夜は助けたいと思ってしまった。
メイムと交流を続け、彼女を救う方法を模索するうちに結婚という手を思いつく。少子化で悩む日本政府が結婚できる年齢を十歳まで引き下げたのを知っていた。結婚する為には婚姻届を書かなくてはならない。そこには親の署名も必要である。
空夜とメイムは梧桐座の協力で、夜の街にくりだす母親を尾行する。予想通り、母親は死んだ夫のお金でホストと遊び呆けている最低の人間だった。そして、ホストクラブ内にて母親と面会する。変態の元に娘はやらないと言う母親だったが、空夜はもう一つの書類を見せる。学生同士の結婚の際に国からでる補助金制度の書類。学費が無料となり、毎月、補助金も支払われる。母親はお金で娘を嫁に出す事を了承し、婚姻届に署名した。
以上の事を空夜は家族に説明し、自分の家族からも二人の結婚を認めてもらう。市役所に結婚届を提出し、二人は夫婦となり幸せになろうと誓いあった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-11-29 17:26:02
84171文字
会話率:49%
8年連れ添った旦那から突然渡されたのは署名済みの離婚届だった。
最終更新:2013-07-13 23:11:28
2522文字
会話率:16%
署名も宛名も無いラブレターとそれに伴う恋の行方。
最終更新:2012-06-29 23:22:27
5865文字
会話率:40%
父の海外転勤に母もついていくことになり、娘である結衣は一人暮らしを提案するも却下される。しかし、8歳年上の幼馴染と同居することを条件に日本に残ることになったが…。
その紙はなんですか? 婚姻届? それに書けと? 両親の同意は既に署名済み?
嘘でしょっ?! というか、私はまだ16歳の女子高生ですっ!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-01-03 16:54:47
18724文字
会話率:38%
12月4日土曜日。数Ⅰの教科書に挟まれたラブレターを見つけた仲原雅之は狂喜乱舞した。しかし、すぐに消沈する。「3日の金曜日、体育館裏で」と書かれていたからだ。署名がなく、誰が告白しようとしたのか見当つかない。雅之が諦めようとしたとき、許斐幸
一は「誰がラブレターを忍ばせたのか」推理する。ミステリのハッタリ部分をクローズアップした短編小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-10-12 02:55:10
6171文字
会話率:73%