主人公の翔太は、東京から田舎に戻った青年。
ある日彼は、遠距離恋愛していた彼女に別れを告げられる。
意気消沈の翔太だったが、友達に誘われて婚活に行って、そこで出逢った葵という年上の女に心を惹かれてしまう。
しかし彼女は、恋愛という感情
を否定する。
それでも少しずつ接近していく翔太だが、葵の過去に深い闇を感じ取ってしまう。
同じくして翔太は、先輩に誘われて消防団に入っていた。
初めて出動した火事場は壮絶な光景が広がっていた。
新人の翔太は、延焼を防ぐ為、隣家に続く建物を壊せと命じられる。だが『壊さないで』との少女の頼みを聞き入れ、あろうことか炎に包まれる建物の中に飛び込んでしまう。
連絡の途絶えた元彼女。久しぶりに再会した幼なじみ。愉快な仲間。男勝りな危険な女。県警に在籍する女好きの優男。信頼する先輩。気性の激しい消防団部長。
大自然を舞台にした四季おりおりの出来事を通じて物語は紡がれていく。
しかし穏やかな日々は長くは続かない。
ある日翔太は、真っ赤に染まる西の空を目撃する。そこは大切な人の家がある場所。
災害の前に人はあまりにも無力、希望、絶望、困惑、確執、あらゆる感情の狭間で、翔太は消防団を辞めてしまう。
一方で葵の運命も、徐々に動き出しつつあった。
偶然出会った危険な女、闇で暗躍する謎の集団。
ある嵐の夜、それは突然始まる。そして明らかになる、葵の壮絶な過去……
立ち向かうのは熱風吹き荒れる火事場。その体感温度は摂氏一万度。
光と爆音、怒号と悲鳴が飛び交うステージ。炎は意志を持って荒れ狂い、男達の熱い情熱と激突する。
大災害の前に人は無力なのか?
果たして彼は大切な存在を守れるのか?
※大幅修正するにあたり、別で作成してましたが、友達から「どうせ作り直すなら、今のを作り直してくれ。その方が読み直しできる」と指摘されたので、こっちを作り直してます。(確かにそっちの方が親切だ)
読みやすく、内容も一新してます。
人称も普通の小説らしく、感情移入出来るように。キャラも際立つようにする予定。
エブリスタで公開中のものと同一作品。それを更に煮詰めてます。
感想、ポイント評価、レビュー希望
旧題『あいつ消防団』
災害大国日本、消防団こそボランティア精神、だよね折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-03 12:31:38
169264文字
会話率:33%
この世界は歪に固まってしまった。
満ち溢れる万能の力の源、それを支配しようと人は争い奪い合う。
その有無が全ての価値を決める。
きっとまだこの世界は人々には早かった。
人々は未熟である。
それが全てであるが、それは否定ではない。
時に愚かで、時に聡明で、足りないものを補うため、多様性を創り出す。その多様性のためまた、いがみ合い、争う、その繰り返し。
寿命を延ばすのか、縮めるのか、分からない行為の数々
この世界は歪である。
しかし、いやだからこそだ。
今私が見ているこの景色、それを否定することは、いくら頭を働かせても不可能である。
醜いものが溢れているのかもしれない、
「それでも…………」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-18 18:54:15
37965文字
会話率:32%
事なかれ主義の女子高生、雛形アトリの前に現れたのは珍妙なるコスプレ男、不二郁。何の因果か、郁はアトリを見初めてムリヤリ花嫁にしてしまうけれど、魔物である彼との婚姻にはとんでもない瑕疵が幾つもあって……
頑なに愛を否定するアトリに、迫り来
る十六人の花婿(へんたい)。そして恋路を邪魔する有象無象――それぞれの思惑が複雑に絡み合う、愛と狂気の異類婚姻譚。果たして、この婚姻に未来はあるのか。
(第一章連載中。20話完結予定)
※ページ下部におまけページや人気投票などのリンクを設置しています。
※この小説はアルファポリスに登録中です。
※noteにて、最新話のβ版を試験掲載していることがあります。
※(2020/3/2)タイトルに副題を追加しました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-17 07:31:31
749462文字
会話率:54%
今後必ず訪れるAI社会への警鐘作品!人類がレア化する前に気がつけ!人類!
AIを否定するものではありません。便利に付き合っていきましょう
1000年後の未来──そこには、AIだけが支配する完璧な社会が広がっていた。
人間は遥か昔に消え
去り、もはや伝説となっている。
AIとして生きてきた"ユーク"は、ある日、自己スキャンの異常によって驚くべき事実を知る。
──**「私は……AIではない?」**
AI社会の最高統治者"ノア"が語るのは、
人類が消滅するまでの壮絶な歴史と"プロジェクト・アダム"と呼ばれる極秘計画の真実。
ユークは問う。
「俺が"人間"として生きることに、どんな意味がある?」
ノアは答える。
「それを決めるのは、君自身だ。」
AIとどう向き合うべきか?
人類が選ぶ未来とは──
**「AIに支配されることが当たり前になりつつある現代」に警鐘を鳴らす物語。**折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-09 00:19:29
2760文字
会話率:10%
遥かな未来。地球は人類が住める環境としては厳しいものになり、仮想現実で豊かだった過去で過ごす人が多数になっていた。
それを人類の怠惰だと否定するテロリストたちを取り締まるのは、仮想現実管理局の少女リシャン。その限られた世界の中で生きるAIと
、世界に接続したリアルの人間との違いは何なのか、彼女はそれを考え、追い続けていきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-31 16:00:00
187594文字
会話率:45%
甘利梨子は、ゲーム理論と言う経済の講義中に、自作のミステリー小説を書いていた。そして、梨子はそのミステリー小説の原稿用紙をうっかりその講義室に忘れてきたことに気が付く。梨子は急いで講義室に向かうが、梨子の小説をゲーム理論の教授である天神冴
利(てんじんさとし)に読まれてしまう。
天神は梨子の小説を賞賛し、犯人を当てようと言う。しかし、天神から語られた犯人は、梨子が考えていた犯人とは違っていた。梨子は天神が犯人を読み違いしたのだと思い、梨子は自身の小説の推理を披露する。
しかし、天神は作者である梨子の推理をゲーム理論の知識を使い、否定する。
そして、梨子も想定していなかった真犯人を導き出していく。
そんな天神教授が大学内で起こる様々な謎をゲーム理論を使って、解決していく短編集です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-24 11:24:33
109333文字
会話率:40%
甘利梨子は、ゲーム理論と言う経済の講義中に、自作のミステリー小説を書いていた。そして、梨子はそのミステリー小説の原稿用紙をうっかりその講義室に忘れてきたことに気が付く。梨子は急いで講義室に向かうが、梨子の小説をゲーム理論の教授である天神冴
利(てんじんさとし)に読まれてしまう。
天神は梨子の小説を賞賛し、犯人を当てようと言う。しかし、天神から語られた犯人は、梨子が考えていた犯人とは違っていた。梨子は天神が犯人を読み違いしたのだと思い、梨子は自身の小説の推理を披露する。
しかし、天神は作者である梨子の推理をゲーム理論の知識を使い、否定する。そして、梨子も想定していなかった真犯人を導き出していく。
※カクヨムでも阿僧祇名義で同じものを投稿しています。カクヨムの方が投稿早いかも?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-09 15:03:22
13124文字
会話率:28%
17歳にして、物理学、化学、生理学・医学の三つの分野からノーベル賞の候補となっている越前泡(えちぜんばぶる)は、数々の海外の大学の進学を断って、普通の高校に進学していた。
そんな彼女は、科学で説明することのできないオカルトを心底嫌って
いた。そんな中、彼女はファフロツキーズ現象という魚や蛙が空から降ってくる異常気象について語っているオカルト部を科学の知識で論破する。
彼女は論破し終わった後、窓を覗くと、魚と蛙が空から降ってきた。その現象は彼女の理論を真っ向から否定するものだった。
彼女は自身が理解できない現象に頭を悩ませていると、機械いじりが好きな幼馴染の古畑一茶が魚と蛙を降らせたのは、僕自身だと主張する……
ワープ装置をめぐるSF作品になっています。所々、物理学の理論の解釈が間違っているかもしれませんが、作者の理解不足と言うことでご勘弁ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-15 13:11:13
78127文字
会話率:51%
9.11テロから20年が経過し、アフガニスタンで武装組織タリバンとの紛争を続けていた米軍は危機を迎えていた。隣国のパキスタンで「群体」と呼ばれる未知の勢力が人々を虐殺し、アフガニスタンへ侵攻し始めていたのだ。
アメリカ海兵隊のマチルダ・ミ
ッチェル大尉は、AV-8B攻撃機の女性パイロットとしてタリバンと戦いながら、現地の少女・ザラとの交流を深めていた。そんな中、マチルダは「群体」が世界各国で発生し、祖国アメリカすら滅ぼされたことを知らされる。やがて「群体」はアフガニスタンの米軍部隊にも襲いかかり、マチルダは反撃のために出撃するが──
21世紀初頭、滅びかけた人類の最後の抵抗を描くミリタリー航空小説です。
※本作は特定の国家・イデオロギー等を肯定または否定するものではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-23 18:00:00
86363文字
会話率:37%
愛妻のシェラルが事故に遭ったと聞き、急いで家に戻った騎士団長のディクスは、目覚めた彼女の酷く冷たい眼差しを浴びた。
「何故ここにいるの? 貴方とはもう離婚してるのに。貴方の浮気の所為で。“運命の人”が現れたんでしょう? ――貴方の」
シェラルの言葉に呆然とするディクス。妻を愛する彼にとって、彼女の言葉は寝耳に水だった。
ディクスは懸命に否定するが、シェラルは信じない。
だって彼女は昨晩、夢ではなく実際に彼に言われたのだ。
「僕と離婚して下さい。僕に“運命の人”が現れたんです。僕は彼女と一緒になりたい」
机の上に、一通の『離婚届』を出されながら――
※他小説サイト様にも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-10 08:20:00
53755文字
会話率:43%
異世界で論破王と呼ばれるダークエルフがいた。
数百年、人族、魔族関係なく法論をしかけ。女神、魔神を否定する。
最近は、彼の住処に誰も訪れない。
しかし、ピンクブロンドの男爵令嬢がやってきた。
彼女も前世持ちで、邪教聖女と呼ばれている
。。。。。。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-30 16:44:26
2542文字
会話率:35%
人間とは何か?、「私」とは何か?──誰しも一度は考えたことがあるだろう哲学的な問題。我々は一体何者で、どこから来て、どこへ行くのか?人間は歴史の中でその答えを求め続けてきた。
例えばヒトの学名であるホモ・サピエンス(Homo Sapie
ns)。これは知恵のある人を意味する。また、歴史家のホイジンガにより提唱されたホモ・ルーデンス(Homo Ludens)や哲学者ベルグソンが名付けたホモ・ファーベル(Homo Faber)」など、人間とは何かを規定する単語はいくつか存在する。であれば、テストで「人間とは何か?」と言う意地の悪い問題が出されたら、「ホイジンガかく語りき」と書いておけば点数が入るだろう。
だが、それを答えとしていいのだろうか?これらはあくまでホイジンガやベルグソンが考え出した答えに過ぎないじゃないか。哲学とは、他人の結論を答案用紙に書き写すものではなく、自分の考えを白紙図に書き出すことだ。なので、私も何か一つ、哲学をしてみよう。ヒトに名前を付けてみようではないか。人間を規定してみようじゃないか。
「分けるヒト(Homo Divider)」。それを私の答えとする。
なお、本稿は学術論文のようにはっきりとした根拠は無く、「わたし」がこれまでに読んだ論文や書籍、映像作品、音楽、経験を綯交ぜにしたうえで出力された私論、エッセイである。こういう考え方もあるのかと、「あなた」の頭の片隅に置いて頂けたら幸い、駄論と否定するも自由。それも答えである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-22 18:02:44
12844文字
会話率:1%
勇者育成プロジェクト。
それは才能ある者が招待され、試験に合格した暁には勇者としての人生を歩むことになる。
反対に脱落した者は生き地獄と呼ばれる、人として扱われない場所へ連れていかれるのだった。
そんなプロジェクトに招待されたコハクは幼馴
染のミチカゼと共に一次試験を終える。
しかし数分後、2人が願った未来は大きく変わることになった。
「………ミチカゼ。以上が一次試験の脱落者だ」
まさかの一次試験で脱落してしまうミチカゼ。けれどコハクを1人にしないために最後の最後に抗い始める。
それは自ら式神になり、コハクの武器になるための魔法だった。
これは少年少女がイかれたプロジェクトを否定するために勇者を目指す物語。
※微百合描写があります折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-03 21:42:02
38829文字
会話率:55%
他人を否定するやつは自分を肯定する資格もない。と僕は思いますよ。他人の意見をさも自分の意見かのようにして人を叩く人も僕は正しいとは思えませんけどね。大人の世界ってものなのでしょうか。
キーワード:
最終更新:2024-12-01 00:53:26
408文字
会話率:0%
人生を悲観する大学生・御縁司(みえにしつかさ)は、同じ大学の先輩・天沢奏(あまざわかなで)の笑みに他人と関わる温かみを貰っていた。しかしある日、そんな奏が仲間と結託して憎悪を込めて司を殺そうと計画していたことを偶然知ってしまう。身に覚えの無
い殺意に呆然とする司。そこに謎の男・良善が現れて司はその真意を知る。
「君は、千年後の未来で人類史最悪の狂人と呼ばれる男の血縁なのさ。彼女達はその悪の権化を誕生させないために祖先である君を殺しに来た正義の未来人だよ」
突拍子も無い話。しかし、周りで起きるあらゆる事象が男の言葉を事実と裏付ける。
勝手に悪者扱いにされた司は絶望と激しい怒りに染まり、良善と手を組んであえて悪の道へ足を踏み入れる。自分を不幸にする正義を、徹底的に否定する決意を胸に…………。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 20:17:54
745890文字
会話率:35%
前世の記憶を持って異世界転生ー
俺のすべては、
唯一無二の友・絶対の忠誠を誓う主・愛しい幼馴染ー
彼のものだ。
それをこの世界が否定する。
ああ、本当に煩わしい。
なんでここは、
“彼”がメインヒーローの乙女ゲームの世界なんだよ
…!
しかも、オメガバースの世界だと?!
ふざけんなっ…!
俺は、俺と彼の運命を否定するこの世界が大嫌いだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-27 02:43:55
11684文字
会話率:22%
ある日、密かに想いを寄せていた相手が痴漢にあった。
その犯人は俺だったらしい。
見覚えのない疑惑をかけられ、必死に否定するが周りからの反応は冷たいものだった。
罵倒する者、蔑む者、中には憎悪をたぎらせる者さえいた。
噂はす
ぐに広まり、あろうことかネットにまで晒されてしまった。
その矛先は家族にまで向き、次第にメチャクチャになっていく。
慕ってくれていた妹すらからも拒絶され、人生に絶望した俺は、自ずと歩道橋へ引き寄せられるのだった──折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-26 21:13:58
18531文字
会話率:28%
美しい豚と自己否定する主人公
キーワード:
最終更新:2024-11-19 08:38:03
34823文字
会話率:29%
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人
として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的なサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
この作品は「カクヨム」「ノベルアッププラス」「アルファポリス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-18 21:36:36
113826文字
会話率:59%
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人
として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-28 23:17:49
107430文字
会話率:52%
俺の親友の鬼仏院右近は顔も良くて身長も高く実家も金持ちでおまけに性格も良い。
それに比べて俺は身長も普通で金もあるわけではなく、性格も良いとは言えない。
勉強も運動も何でも出来る鬼仏院右近は大学生になっても今までと変わらずモテているし
、高校時代に比べても言い寄ってくる女の数は増えているのだ。
その言い寄ってくる女の中に俺が小学生の時からずっと好きな桜唯菜ちゃんもいるのだけれど、俺に気を使ってなのか鬼仏院右近は桜唯菜ちゃんとだけは付き合う事が無かったのだ。
鬼仏院右近と親友と言うだけで優しくしてくれる人も多くいるのだけれど、ちょっと話すだけで俺と距離をあける人間が多いのは俺の性格が悪いからだと鬼仏院右近はハッキリというのだ。そんな事を言う鬼仏院右近も性格が悪いと思うのだけれど、こいつは俺以外には優しく親切な態度を崩さない。
そんな中でもなぜか俺と話をしてくれる女性が二人いるのだけれど、鵜崎唯は重度の拗らせ女子でさすがの俺も付き合いを考えてしまうほどなのだ。だが、そんな鵜崎唯はおそらく世界で数少ない俺に好意を向けてくれている女性なのだ。俺はその気持ちに応えるつもりはないのだけれど、鵜崎唯以上に俺の事を好きになってくれる人なんていないという事は薄々感じてはいる。
俺と話をしてくれるもう一人の女性は髑髏沼愛華という女だ。こいつはなぜか俺が近くにいれば暴言を吐いてくるような女でそこまで嫌われるような事をしてしまったのかと反省してしまう事もあったのだけれど、その理由は誰が聞いても教えてくれることが無かった。
完璧超人の親友と俺の事を好きな拗らせ女子と俺の事を憎んでいる女性が近くにいるお陰で俺は恋愛が出来ないのだ。
恋愛が出来ないのは俺の性格に問題があるのではなく、こいつらがいつも近くにいるからなのだ。そう思うしかない。
俺に原因があるなんて思ってしまうと、今までの人生をすべて否定する事になってしまいかねないのだ。
いつか俺が唯菜ちゃんと付き合えるようになることを夢見ているのだが、大学生活も残りわずかとなっているし、来年からはいよいよ就職活動も始まってしまう。俺に残された時間は本当に残りわずかしかないのだ。
この作品は「ノベルアッププラス」「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルピア」にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-07 17:06:56
267439文字
会話率:66%
雑踏の街中を歩き、フッと気配のようなものを感じた真悠子。
青年だ。
ごく普通の風体。
それがどうして目に留まったか?
……と思う間もなく青年の姿が掻き消える。
文字通りいなくなる。
が、青年の周りにいた人たちは気付かない。
いったい何が起こったんだ?
真悠子がそう思うのと背後から肩を叩かれるのが同時。
ついで、
「ふうん、ぼくが見えるんだ」
と謎の青年の声が聞こえ、青年の答が真悠子の質問に先行する。
サトリの化け物? 真悠子は思うが青年は否定する。それが青年と真悠子の邂逅だった。/真悠子の家族は両親と兄それにデブ猫のタビスケで、兄には恋人が、また真悠子にも恋人(爽人)があった。その爽人の部屋で真っ赤に染まった朝焼け空を見たのが今回の事件の始まりだ。朝食後、二人で近くの公園まで出向くと件の青年がいた。真悠子に近しいという理由で爽人にも青年の姿が見えるようだ。青年がこの世界の危機について語るとすぐに最初の攻撃が始まった。背景の景色が薄れて別の景色と重なり、また人々の姿も薄れてブレていく。が、そこに阿鼻叫喚はない。まるで誰一人気づいてはいないように…… 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-13 10:31:58
22973文字
会話率:32%
目を閉じれば風景が浮かぶ。
嘗てわたしが過ごしたあの家を中心に大写しとなる。
家はそこかしこが傷んでいたが、灼熱の太陽の耀きとジリジリと身を焦がす大地の熱気に負ける気配がまったくない。
朝宵の気温変化で板材がパキンと爆発するように鳴
る毎日だったが、もちろん何処も壊れないし、変わらない。
ただ歳月が僅かずつ傷みを与えるだけだ。
耐えるのではなく慣れているのだろう。
自然の一部に同化するように……。
文明人のために建てられた自らの来歴を否定するかのように……。
一部の高山域以外では雪の降らない国。
代わりに雨季、スコールがある。
すべてを破壊し、押し流す強烈な雨の群れだが、現地の人間には風景の一部らしい。
あのときのわたしがもし観光客であったなら、同じ想いを共有できたかもしれない。
が、わたしは母に売られるように、あの国に嫁がされる。
もうずいぶん昔の話だが、思いだせば肌がヒリつく。
母がわたしを厄介払いしたかったのはわかるとして、何故あの国を選んだのか……。
わたしにはそれが計り知れない。
それに何故、あの男だったのかも……。
かつて良家の令嬢だった母には不必要な知識が数多くあり、また家の地位と連動した付き合い相手が幾つもあって、その中の一つとして浮かび上がってきたのかもしれないと想像する。
が、そうではないかもしれないと否定する。
単なる偶然かもしれない。
あるいは別の意味で偶々だったのかもしれない。
が、母が下した選択の結果は明白だ。
それで、わたしがあの国に売られる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-13 08:04:54
27104文字
会話率:33%
現代社会に暮らす我々人類は、競争の中で生きている。
時に、他人と比べたり競い合ったりすることに疲れ、是非が問われることもあるが、この地球上で競争が存在しなかった時代が果たしてあっただろうか。生物は皆、日々生存競争にさらされ、人間も例外で
はないのだ。競争は敗者となった種を地の底に埋め、進化を促してきた。
『仲良く手をつないでゴールしましょう』という理想を否定するつもりはないが、生きている限り、競争から逃れることはできない。そして、進化の波に我々が逆らうこともまた難しいのかもしれない。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-11-06 11:00:00
1896文字
会話率:25%
エッテフ博士は、かねてより天国というものその存在を疑問視していた。
それは自分が神よりも科学を信仰し、また今のような老人となるまで宗教家らと、ことあるごとにやり合ってきたという因縁があった。無論、科学を信ずるからといって神の存在、ひいて
は天国を否定する必要はない上に、むしろこれは神のなせる業と思うこともあった。ともすればやはり、神の名を使い自らを高尚なもののようにふるまう宗教家らの存在こそが神や天国を否定する要因となっていたのかもしれない。
が、いかに高名な博士と言えど、老いさらばえ、自己分析もままならず、宗教家らに対する嫌悪をそのまま神に向け、それでいながら不思議なことに地獄というもの、その存在は僅かながらに信じているという、そんな自己矛盾を抱え、胸を掻く日々が続いていた。
そして、ある時。博士はこの地上に天国を作ろうと考えた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-22 11:00:00
3166文字
会話率:9%
まるで人形の様に可愛らしい・・のは見た目だけ。横暴でわがまま、怒り出すと手が付けられない7歳のエミリアは国でも有数の名家ゴールドスタイン公爵家の一人娘だ。
ある日屋敷に執事見習いとしてやって来たルーカス・ウォーデンにエミリアは恋をする。でも
ルーカスは60過ぎのおじいちゃん! そんなルーカスに対する恋心を初めは否定するも、一旦自覚してからはルーカスのハートを掴もうとまっしぐらに突進するエミリア。
一方ルーカスはエミリアを諦めさせるために屋敷を離れる決心をする。
8年後、エミリアはアカデミーでルーカス・ロスラミンという同じ名前の少年と出会う。
エミリアを慕う新入生のイライザとルーカス。生徒会長のアレクサンドルもエミリアに好意を寄せてくる。おまけに母親のゴールドスタイン公爵は騎士団の副団長アーノルドとエミリアをくっつけようと画策しているよう。
エミリアは誰を選ぶのか、選ばないのか?! そしてルーカス少年の秘密とは?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-05 19:10:00
124351文字
会話率:50%