新道広徒には大切な妹がいた。
妹の病気を治すには莫大な金が必要、しかし家には悪化を防ぐだけの治療費しかなかった。
だから彼は中学時代の全てを勉強とスポーツだけに注ぎ込んだ。
そして勝ち取った。名門高への推薦を、大金を手に入れる為の
未来への切符を。
入学一週間前、彼はそれを簡単に捨てた。
何故なら電話があったから
――君は妹の為に高校生活を捨てれるかい?
彼はその言葉を受け、今までの全てを捨てた。
そして受けてしまったのだ、厄介で面倒な依頼を。
傲岸無礼で傲慢過ぎる少女――九条彩奈の学園生活を支えるという。
そうして始まった広徒の学園生活は、ある事件を境に九条を主人とし、自分は従順に仕える者『従者』に任命されてしまう。
「今回のお礼に貴方を私の従者にしてあげるわ!」
「お礼という言葉を辞書で引いてみる事を勧める」
「私みたいな美少女の従者になれて幸せ者ね。それに私は結構ペットを大事にするタイプなのよ?」
「せめて人間扱いをしてくれ……」
非常に面倒見が良いがどこか冷めている自称コミュ症の新道広徒と、どこまでも自分本位で自尊心が高い、自称完璧美少女のポンコツ娘の九条 彩奈。
これは、似ても似つかぬデコボコな二人が次第に惹かれ合っていき、両思いのはずなのに中々付き合わない。そんなじれじれであまあまな恋の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-25 20:49:25
89368文字
会話率:45%
市民文化会館で行われた劇団四季の『Cats』公演。隆介は、書店の常連客である菜緒子を誘い、久しぶりに女性と二人で劇場へ足を運んだ。亡き妻・三津子を失って十五年、ずっと閉ざしていた心が、彼女との時間を通して少しずつ解けていくのを感じていた。
幕間、ロビーでの会話も自然に弾み、彼女の笑顔に安らぎを覚える隆介。しかし、そんな二人を遠くから見つめる人物がいた。
照江は三津子の高校時代の親友であり、密かに隆介に想いを寄せていた過去があった。彼女は、隆介と菜緒子が並ぶ姿を目にし、動揺しながらも、どこか安堵していた。後日、隆介にメッセージを送り、「美人と一緒だったけど、再婚したの?」と冗談めかして尋ねる。隆介は「ただの常連客だよ」と返すが、彼の言葉の端々には、長年閉じていた心の扉が開きつつある気配があった。
その後、菜緒子と喫茶店で再会した隆介は、彼女の若い頃の写真を見せてもらい、衝撃を受ける。「美人だね」と思わず漏らすと、菜緒子は少し照れながら「でもね、歳を重ねるのも悪くないわ」と微笑んだ。その言葉に、隆介は彼女の魅力が過去だけではなく、今この瞬間にも宿っていることに気づく。
「幸せになっていいんだよ」――照江の言葉が頭をよぎる。隆介は再び歩き出そうとしていた。人生の最終コーナーに差し掛かった今、新たな物語の幕が、静かに開こうとしていた。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-25 20:36:43
5587文字
会話率:31%
俺は少しアニメや漫画が好きな普通の学校教師。
普通な人生を生きて、一般的な見た目と中身で特にこれといった趣味や特徴もない。
あ、ちょっとだけアニメの世界に憧れはあるかも(笑)
まあそんな俺が死んだ。
事故。俺は悪くない!…多分。
するとあら
不思議、違う世界に生まれ落ちることになった!
しかも前世の記憶あるんだぜ!?
これってもう…(感動)
という事で俺が主人公の異世界無双冒険譚スタート!
って言いたいところなんだが…
また教師なんの!?やーだーやだやだやーだー!!
無双して皆からチヤホヤされたいー!可愛いヒロインとあんなことやこんなことしたい〜!!
でも結局前の世界と一緒。夢を持って生きてたって叶えれる人は極小数。上には上がいる。
まあ、いいか。小さな幸せ噛み締めるのも悪くは無いしな。
そうして普通の人生を歩み始めた…
このまま同じような人生を進むと思ってた。
しかしここは異世界。前の世界では起こり得ないようなことが起きた。
そう、これは俺の求めていた世界で求めていたものを手に入れるがあまりにも現実的な普通の教師の人生のお話ー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-22 15:00:22
53718文字
会話率:35%
悪役令嬢ルビィは、殺気を向けられたことで前世を思い出した。今ベッド脇に立っている男と同じ、暗殺者であった前世の自分を。
慣れ親しんだ殺気に対し普通に対応してしまったせいで、暗殺者としてやってきたグレイに気に入られ、流れで彼の婚約者となること
に。あまり乗り気でないルビィだが、仕える相手としては悪くないとその手を取り、新たな世界で再び暗殺者としての道を行く。
面倒くさがりだが義理人情には熱いルビィと、面倒臭い以外の感情が薄いルビィの気持ちがわからず振り回されるグレイのお話し。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-20 18:00:00
77124文字
会話率:58%
私は目が悪くないので、めがねをかけることはあまりないです。
キーワード:
最終更新:2025-02-17 22:05:56
223文字
会話率:0%
目を覚ますと、見たこともない天井が広がっていた。
「……どこだ、ここは?」
俺は確か、普通の大学生だった。深夜のコンビニバイトを終えて、アパートに帰る途中、いきなり眩しい光に包まれたのを最後に記憶が途切れている。
そして今、豪華
な天蓋付きのベッドの上にいた。
戸惑っていると、扉が開き、一人の女性が入ってきた。金色の髪を持つ、美しい少女。細身ながら凛とした雰囲気をまとい、深紅のドレスを纏っている。
「目が覚めましたね、異世界の勇者様」
「……は?」
混乱する俺に、彼女――セリス姫と名乗る少女は、自分の国が魔王に脅かされており、勇者として召喚されたのだと説明した。
俺が勇者? 魔王を倒す? いやいや、冗談だろ。俺は剣も魔法も使えない、ただの大学生だぞ。
「待ってくれ、本当に俺が勇者なのか? 何かの間違いじゃ……」
「間違いありません。あなたは異世界から召喚されたのですから」
セリスは微笑んだ。
それにしても、美しい。気高く聡明で、それでいてどこか柔らかい雰囲気を持っている。
異世界の姫。こんな美少女がいるのなら、悪くない展開かもしれない――そう思ったのが、地獄の始まりだった。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-16 08:10:00
18623文字
会話率:56%
ボクのご主人様はあまりボクのことを大切にしてくれないんだ……
もっとボクをアイシテホシイヨ……
とあるモノを擬人化したショートショートです。
その昔、とある小説講座の課題で、『擬人化』をテーマに書いた作品を改稿しました。
ふと
、その存在を思い出したので投稿してみました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-14 23:05:55
641文字
会話率:17%
オルクス・マクスウェルは、歴代で最も才に恵まれた最強の賢者と呼ばれていた。誰もが畏怖し、敬意をもっていたとされるが、実際はそうでもなかったという。
誰一人としてオルクスの人並み外れた努力に目を向けず、彼に付けられた異名は『天才』というも
の。そして天才だから何をやっても敵わない、アイツは例外なのだから自分は悪くない、と。人々は口を揃えていた。
それをオルクスは許せなかった。
凡才以下の自身がした血の滲む努力を無視した周囲が。そして、自分のことを自身の怠惰の理由に使う他の人々のことが。
そんな生活の中で『本当の願い』さえ忘れかけた頃、彼は何者かに刺殺されてしまった。生き残ることを諦め、目を閉じた彼が次に目覚めると、オルクスはイヴという赤子に転生していたのである。
捨てられた子として、最悪の環境から始まった二度目の人生。しかしイヴは絶望しなかった。
何故なら新たな自分は、望んでも手に入れられなかった才能に恵まれていたのだから。彼は再び絶え間ない努力によって、すべてを覆していくのだった。
そしてイヴは、前世で諦めた『本当の願い』を目指す。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-14 22:07:50
5688文字
会話率:35%
2月14日、誕生日。
バレンタインに浮かれる恋人たちに薄ら寒さを感じる私にとっては、憂鬱な1日。
でも今年のバレンタインは、そんなに悪くないかも……?
バレンタイン生まれの女子高生の甘酸っぱい1日。
最終更新:2025-02-14 18:23:54
6501文字
会話率:36%
彼女は、静かに問いを投げかける。
「もし言葉が世界を変えるなら、私たちは何を語るべきだと思う?」
僕は答えを探しながら、彼女の表情を窺う。しかし、彼女はただ微笑むだけで、答えを求めてはいないようだった。
僕たちの会話は、いつもそうだ。
善と悪、存在と無、相対と絶対。彼女の言葉は思考を刺激し、僕の常識を静かに崩していく。
でも、不思議と居心地は悪くない。むしろ、彼女と話すことで、僕は初めて自分の言葉を考え始めたのかもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-01 20:29:46
2528文字
会話率:46%
長時間のネトゲプレイをした後に眠りついた主人公は、なぜだかゲーム内の従者と共に異世界へTS転生していた。
戻る手段も無さそうだし、案外従者と過ごす異世界も悪くないと思った主人公は従者と共に異世界を旅して回ることにする。
テンプレほ
のぼのチート異世界転生ものです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-31 07:00:00
235828文字
会話率:46%
――母を思い出すから、花が嫌いだった。
高校生の早川は、入院中の友人で、同じ「ミズキ」という名を持つ鳴海を毎週お見舞いに行っていた。
そんな鳴海から、ある日突然「大きな花束を買ってきて」と頼まれる。しかし、幼いころの母との記憶が原因で、
早川は花を嫌悪していた。
花の匂いが呼び覚ますのは、忘れたいはずの過去。
それでも、鳴海の願いを断れず、早川は自分のトラウマと向き合いながら花束を抱えることになる。
「ーー…花束は好きじゃないんだ。でも、鳴海が好きなら花束も悪くないんじゃないかって思ったんだ。」
過去を受け入れ、乗り越えようともがく少年と、病室から真っ直ぐに明日を見つめる少女が紡ぐ恋愛物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-29 21:41:05
10499文字
会話率:38%
焼夷弾の雨が一晩で故郷を焼き尽くしたあの日、防空壕に逃げ込む家族を見捨てた少年は、ただ一人生き延びてしまった。焼け野原と化した街を彷徨いながら、彼は戦争という名の理不尽に怒りを抱く。
歩く先々で出会うのは、生前の原形を留めない焼死体の山
。そんな中、少年は見つけてしまう。級友の無惨な姿を。
黒焦げになった級友。そして、持ち続けている缶ドロップ。それらが少年に思い出させる。自らの行動がもたらした悲劇を。
焼夷弾が夜を焦がした翌日。
逃げ続けていた少年は、ついに袋小路に誘われる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-26 20:34:15
6117文字
会話率:9%
平成30年
佐藤は中学3年生になった。
先輩のいなくなった学校は佐藤にとって居心地の良い場所になり、学校も悪くないと思い始めていた。
そんな優越感と、3年生になって何かが起こりそうだと思う心と裏腹に、部活も授業も、これまでと何の変化もない日
常があった。
ガイダンスや新入生歓迎会など、つまらない退屈なイベントをこなしていた佐藤の心を動かしたのは、佐藤のクラスである3年1組の副担任であり、新任教師 赤木竜巳の道徳の授業だけだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-23 10:53:23
4708文字
会話率:3%
下品な話です。
下ネタが大丈夫な人、なんでも読めるよ、という方向けです。
最終更新:2025-01-18 18:23:42
3692文字
会話率:8%
・・・ぼくのいまの「恋愛観」を語らせてくださいまし。
最終更新:2025-01-14 02:52:49
1746文字
会話率:11%
とりとめもない話です。田舎小学校の良さとは・・・?
キーワード:
最終更新:2024-02-28 22:46:48
981文字
会話率:4%
天女?奴隷?詐欺師?侍女?姫?軍師?ソードマスター?魔法使い?陰陽師?芸術家?薬剤師?医師?億万長者?外交官?社畜OL等等……からの平凡オタク女子大生として日々オタ活に勤しんでいたら友人とコミケ帰りに猫たんを助けてトラックにはねられ即死し
ました。テンプレが過ぎる。とりあえず後生なので誰か私の今生の名誉のために己の血の海で汚れた戦利品(成人向け含む)を明日のネットニュースで社会的死をする前に燃やしてくださいお願いします……
っという様々な前世の自分を思い出してしまった今生の私、まさかの馴染みのない名前の死にかけ公爵令嬢だった件について。
色々やらかしている前世の記憶達と今生の過保護な家の男共のせいで男女の恋愛事情は通行人モブポジでの鑑賞派、花は好きだが団子はもっと好き。それより魔法や精霊、剣術や武術、この世界の各地にあるダンジョンや禁足地に惹かれるタイプのオタクです。でも、まぁ、死ぬまで一度は燃え尽きるような恋はしてみたいが、一方通行な婚約?結婚?は一寸、ね?外見は年頃の乙女でも、精神年齢はもう夢見る乙女じゃないし……なので、今生の目標は頑張ってお国に手柄を立てつつ(下心)自由に生きて(現実逃避)貴族の義務である政略結婚や愛のない出産を回避しよう(願望)!!今生の私、テンプレヒロインや悪役令嬢とかでなく、名も知らぬ使命のないモブ令嬢だし!!
だって経験上、国さえ傾けなければ美人薄命はただの迷信。其れよりも属性もりもりの絶世の美女、ふーん、成程、なかなか悪くないのでは??(※超弩級のシスコンにブラコンに加え、この物語は一応過保護・溺愛・激重感情が多々ある恋愛ファンタジーものです)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-11 12:00:27
153631文字
会話率:21%
私はここで暮らすことが幸せなのです。
家族を愛しながらも相容れない娘の独白。
最終更新:2025-01-04 20:20:53
4420文字
会話率:15%
【コミカライズ予定】
義両親である伯母夫婦から使用人扱いで虐げられている、名ばかり男爵令嬢のローラ。
偶然、ダンフォード侯爵の縁者を助けた縁で住み込みメイドとして侯爵家に採用され、意に染まない結婚と義両親から逃れることに成功する。
人嫌いの
若き侯爵シリル、つかみ所のない執事フレディ、そしてローラのたった三人(+たまに動物)で広い屋敷に暮らすのは、なかなか悪くないけれど――ローラは知らなかった。シリルが魔女に呪われていただなんて。
呪いをかけられたヒーローと虐げられヒロインが出会って、ごはんを食べたり恋をしたり、呪いを解いたりするお話です(残酷描写タグは念のため)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-03 21:00:00
100056文字
会話率:39%
平凡な会社員・風間遼(かざま りょう)は、毎年の大晦日に「年越しの瞬間、地球にいなかった」と言い張るためにジャンプするという、奇妙な習慣を20年間続けてきた。そろそろ卒業しようと決めた今年のジャンプが、まさかの異世界転移の引き金になるとは
夢にも思わなかった――。
異世界で目を覚ました遼は、なぜか「伝説の年越し勇者」として村人たちから崇められる。だが、戦闘スキルも魔法も持たないただの会社員が、勇者など務まるはずがない。それでも村の世話焼き少女や筋肉鍛冶屋、肝っ玉母さんたちに支えられ、遼は「それっぽい勇者業」をこなしていく。
ジャンプ力だけでモンスターを退け、村人たちを感動させながら、のんびりとした日常が展開される中、やがて訪れる異世界の年越し。宴会騒ぎの中で遼はふと地球での静かな大晦日を思い出すが、村人たちの笑顔を見てこう思う。
「まあ、これはこれで悪くないか」
異世界のゆるい日常と少しの冒険が交錯する、ほっこり異世界コメディ。果たして遼は元の世界に戻れるのか、それともこの世界で第二の人生を歩むのか――?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-31 01:11:25
1669文字
会話率:31%