来斗(らいと)の学校では、学校一人気といわれている美咲(みさき)に対して、数日に一度告白が行われていた。
すれ違えば誰もが振り返るかわいさに、男女問わず誰にでも優しくて明るい性格をしている美咲がモテるのは、必然のことだった。
しかし、肝心
の美咲は恋愛に興味がなく、誰とも付き合うつもりはない。
それなのに数日おきに告白をされているので、彼女は困っていた。
来斗はそのことをふびんに思うものの、嫌われ者の自分と人気者の美咲では住む世界が違う、と線引きをしていた。
そんな中、本来であれば深く関わることがなかったはずの二人に、転機が訪れる。
幼い妹のおねだりで祭りに連れていっていた来斗は、美咲がナンパされて困っている状況に出くわしてしまった。
厄介な男どもを追い払うため、美咲の彼氏のフリをして場を乗り切る来斗。
だが――その光景は学校の生徒たちにも目撃をされており、瞬く間に学校で噂が広まってしまう。
そして、幼い妹にも美咲が彼女だと思い込まれてしまい、美咲からも頼まれたことで、来斗は美咲の偽彼氏になるのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 22:16:50
203239文字
会話率:36%
【 優しくて厳しく愚痴っぽいお母さん! 娘として最期に聴いてください……! 】
◆秋山純生(あきやま・すみお)は、高校三年生で、進路を美術系か理系の大学か悩んでいた。
母、秋山幸子(あきやま・さちこ)が、「二つとも卒業すればいい」と助け船を
出す。
おそらく、父、善(ぜん)は大反対だったろう。
最初の美術大学で人間関係と卒業制作のテーマへの批判に挫折を感じ、マンドリン・ギター部でも残念な思いをした。
二つ目の理系大学でも管弦楽部のデカダンスさに辟易し、偶々同じ学部の学生でも痛い方々と気を配って疲れていた。
究極の避難として退学しようと思っていたが、母が押しとどめた。
二年生となり、友人の玉(たま)ちゃんもできたことだし、気分を一新しようと趣味の合う部活へ入り直した。
アニメーション研究会の門戸を叩く。
紅林朝(くればやし・あした)と知り合い、初めての恋は走り出し、将来は結婚へと夢を描いていた。
純生は先に社会人となった彼を追って東北の果てまで大学院へ進学するが、慣れない環境のせいか病に伏してしまう。
書類上の入籍をし、紅林純生となったが、生活は別々にしていた。
翌年の春、私は同居が必要なほどにだらっと崩れてしまう。
彼の職場と私の大学院との中間地点に居を構えた。
病魔は激しく私を揺さぶり、夫が夜に帰宅して早朝出勤するだけでは、ひとりで留守番は無理なことは明白で、医師からひとつの提案があった。
「日中の面倒をみてくれる方を呼べませんか?」
夫は新婚家庭が乱され、蔑視している者が分け入ることに抵抗したが、実母の幸子が東京から高速道路で駆けつけてくれた。
父の善は、私を怠け病だと笑いものにした。
怠けていたら皆勤賞がとれるのですか。
怠けていたら上位三パーセントの成績で人物も推薦される特待生になれるのですか。
後に、父は母のいない家に屈服する。
弟の陽太(ようた)にお金のかかる時期だったので、仕送りは少ない。
私は殆ど家を出られず、誰かが付き添ってくれても難しいのに、川岸へ母の好きな自然観察をしに散策することがあった。
二人の瞳には、美しいとか生きるとかの安い羽飾りは要らない。
「白鳥だ……。向こうに白鳥がいるね」
景色と月日が流れるだけでいい。
そして、家族の形は変わっていく——。
◆登場人物
紅林純生
紅林朝
秋山幸子
◆カクヨム様にも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 18:30:00
9997文字
会話率:45%
【 黒樹の見つめるひなぎくさんがIカップで帰って来ました! らぶらぶーん! 】
大恋愛の末結ばれた白咲ひなぎくとプロフェッサー黒樹にも二人の赤ちゃんが生まれた。
あれから、ひなぎくさんが人として、妻として、母として、どうなったのか。
黒樹
もひなぎくとアトリエデイジーを構え、どう働いて、どう人の夫、父らしくなって行ったのか。
その後の姿を楽しくご覧いただけたらと思います。
『Eカップ湯けむり美人ひなぎくのアトリエぱにぱに♡』のアフターストーリーです。
◆登場人物
黒樹悠(くろき・ゆう):アラフィフになって、悩めるお年頃。ひなぎくがパリで学芸員を学んでいたことから、元プロフェッサー黒樹と呼ばれる。五人の子どもを連れて年上婚にいたった。その後、六人目を授かる。
黒樹ひなぎく・旧姓、白咲(しろさき):黒樹の妻で、六人の子の母。まだまだ、アラサーで踏ん張る。
子ども達――
蓮花(れんか):大学受験の合間にアトリエのお手伝いをする。
和(かず):優しくて頼もしい兄。
劉樹(りゅうき):家事はなんでもお手のものの小さなお兄さん。
虹花(にじか):澄花とは双子で、元気な方。
澄花(すみか):虹花とは双子で、大人しい方。
静花(しずか):待望のひなぎくさんとの子ども。まだ赤ちゃん。
◆この作品は『カクヨム』様にも掲載されております。
◆よろしくお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-13 12:00:00
25285文字
会話率:35%
“桜の里”と呼ばれていたこの地に、一匹の傷ついた子ぎつねが迷い込んできた。
命の尽きかけたその子を救ったのは、旅の巫女。
彼女の祈りは神に届き、奇跡が起きた。
けれど、それは新たな運命のはじまりでもあった。
この町が夢桜里(ゆめおり)と呼
ばれるようになった理由。
その奥深くに眠る、優しくて少し切ない、きつねと巫女の伝説――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 14:58:34
2382文字
会話率:32%
ルディエル・アレンフォードは森に住む麗しの精霊守。
そんな彼が、いよいよ伴侶を迎えようと準備を始めているらしい――
幼馴染という関係に甘んじていたネネリア・ソルシェは、密かにショックを受けていた。
そろそろ彼との関係にも区切りをつけなければ
いけないのかもしれないと。
けれどルディエルも精霊達も、ネネリアだけに優しくて……
「大丈夫。ずっと居たいと思えるような場所にしてみせるから」
鈍感なネネリアと、一途で奥手なルディエル。
精霊に導かれた恋は、本人だけが気づかない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 17:19:15
70323文字
会話率:39%
かつて僕は、空を翔けるドラゴンだった。
翼を失い、人間の姿となり、この世界に降り立った僕が出会ったのは「配信」という新しい空。
笑顔、声、つながり――そのすべてが、かつて知らなかった“温かさ”を教えてくれた。
これは、夢咲のぞみが“本当に大
切なもの”を探し、やがて空に還る日を目指す、優しくて少し切ない物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 09:34:56
1108文字
会話率:20%
「こうして世界は平和になりました」
伝説の聖典捜索から帰還した聖女。世界は救われめでたしめでたし!
何年もかかりました!苦しく辛い旅でした!だけど優しくて勇敢な仲間達のお陰で生きて果たすことができました!!
仲間は全員死にました。
「そ
の平和に!どうして彼らはいないのですか……?!」
世界の救世主と持て囃されても聖女の心は埋まらない。
平和な世界にたった一人残され、とうとう絶望と憎悪に満ちた聖女は闇堕ちしかけたところで逆行した。
そこには、聖典の旅に出る前の元気な仲間の姿が。
言いたいことがあるんだよ!やっぱりニーロはかっこいい!
言いたいことがあるんだよ!やっぱりラウナはかっこいい!
言いたいことがあるんだよ!やっぱりアクセルかっこいい!
好き好き大好きやっぱ好き!!やっと見つけたわたしの生きる意味!!!!
私が遡ってきた理由!!それは仲間を守るため!!
私〝以外〟と人生歩もう?!世界で一番愛してる!!
あ!い!し!て!る ッッ!!!!!!!!!!!!!
そんな大好き過ぎる仲間への純粋でちょっと重すぎる愛と共に今度こそ彼らを最優先することを決意する。
自分はお荷物で役立たずで迷惑しかかけていなかったと思い込んでいた、神聖魔法最強な聖女が奔走し仲間の本心に気付く物語。
毎日20時更新予定です。
略称は「ぴゅあ堕ち」です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 20:00:00
154771文字
会話率:24%
突然だけどさ君の周りにこんな奴っている?
勉強もできる。運動も抜群。
運も味方にするし、誰にでも優しくて、しかも——
とんでもなく可愛い"幼馴染"。
「そんなの羨ましすぎる!」とか思った奴、甘い。
俺から言わせ
りゃ、そりゃ大きな勘違いだ。
なぜかって?俺の人生は、全部そいつに——
ぶっ壊されたんだから——
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 23:07:41
874文字
会話率:17%
庭師の孫娘サンドラと、ローゼンベルグ伯爵令息ユリアンは(身分差があるけれど)仲のいい幼なじみ同士。
ある日、ユリアンに縁談が持ち上がるのだが、その相手がユリアンとサンドラの関係を勘違いしたせいで、サンドラは拉致される羽目に。助けにきたのは、
優しくて気弱なユリアンだった……
イキのいいヒロインと、裏表があるヒーローのほのぼの陰謀ラブストーリーです。いつもの感じです。カッとなって書いたので細部は甘いです。あんまり突っ込まないでください……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 21:28:19
8605文字
会話率:44%
――ある日、目が覚めたら記憶がなかった。
独身時代は『稀代の悪女』と呼ばれ、結婚してからは『悪妻』などと呼ばれている伯爵夫人シャルロット。彼女は、ある日突然『自分にかかわるものについて』を失う。
医師の見立てでは、何者かが魔術でシャルロット
の記憶を奪ったらしい。
困り果てたシャルロットに手を差し伸べたのは、伯爵で夫のディートリク。彼は騎士団長で、周囲からの評判も上々。唯一の欠点は――シャルロットと結婚したことだとささやかれていた。
シャルロットは彼の人生の汚点。なのに彼は恨み言ひとつぶつけずに支えてくれる。
どうしてここまでしてくれるのか。疑問ばかりのシャルロットに対し、ディートリクはひたすら優しくて……。
正義感強めの騎士団長(ただし、妻最優先)×元悪女の泥沼系激重ラブ――!
▽掲載先→小説家になろう(先行)、アルファポリス、エブリスタ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 17:30:00
7938文字
会話率:43%
隣の女子校に“王子様”と呼ばれる完璧な美少女がいる。
名前は白銀レイ。
ショートカットで長身、誰にでも優しくて、全女子の憧れの的。
でも、俺――小鳥遊怜也は知ってる。彼女の“本当の姿”を。
ある日、駅前でナンパされていたその子を助けたら、彼
女が落としたのは、小さなくたびれたぬいぐるみ。
後日それを届けると、
「私がこんなの好きなんて、変だよね……?」
違う、全然違う。
むしろ、そんな一面を見せてくれた君が──可愛い。
周囲には絶対に見せられない、ふわふわで素直な“彼女の本音”。
「こ、こんな私知ってるの小鳥遊くんだけだから……」
そしてどんどんそんな可愛い彼女を俺にだけ見せてくれるようになって……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 07:30:00
4743文字
会話率:20%
彼女に「オタクはやっぱり無理かも」とフラれてしまい、傷心中の高校二年生桜庭柊斗。
そんな彼を優しく慰めてくれたのは、明るくて面倒見のいいギャル水島紗良だった。
「──大丈夫、ウチに全部吐き出していいよ」
優しく寄り添ってくれる彼女の存
在に、少しずつ心が救われていく。
「そんな子のことなんか忘れちゃって私たち付き合っちゃおうか」
そして柊斗はそんな彼女の提案で成り行きで付き合うことに。
最初は傷心中だったこともあり、成行きでしかなかった。しかしギャルだけど、実はとても真面目でオタクにも理解が深く、日々彼を甘やかしてくれる紗良のその優しい姿に次第に彼も本気で惹かれていく。
一方、主人公を振った元カノは他校の男と付き合い始めたが、実はその男が浮気性のクズだったことが発覚。
傷心した彼女が「やっぱりやり直したい」と戻ってくるが、柊斗にはもう甘やかしてくれる優しいギャル彼女がいる。
よくよく考えれば元カノより今の彼女の方がずっと優しくて一緒にいて楽しい。
もう俺は迷うことはない、ざまぁみろ元カノ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-05 18:25:25
106355文字
会話率:32%
ずっと好きだったロイドとの婚約が成立して喜ぶリリーナ。
けれど、ロイドからは突然婚約破棄を言い渡されてしまう。
ショックを受けるリリーナは、今度は冷血公と名高いフランシスから婚約を申し込まれ、その場で勝手に婚約を宣言される。
自分の意思を蔑
ろにされていることに怒るリリーナだったが、フランシスには国内の不穏分子を見つけるという狙いがあるらしく、協力を求められて仕方なく応じることに。
初対面のはずのフランシスはなぜかリリーナに優しくて、次第にリリーナも彼に惹かれ始める。
※他サイトへも同タイトルで重複投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-06 12:20:00
15525文字
会話率:37%
「庭の物置には、人形が“住んでいる”んだ」
酔った父がそう言った夜、サトルは好奇心に駆られて物置の扉を開けた。
そこには、こたつ・テレビ・みかんが並ぶ和室と、笑顔で迎える人形の姿があった。
それは、大好きだった“亡き祖母”と同じ名前を持
つ人形。
毎年誕生日の夜だけ再会し、そして翌朝にはすべてを忘れてしまう――そんな不思議な関係。
なぜ彼は記憶を失うのか?
祖母が契約に込めた、ただ一つの願いとは?
忘れても、心に残る想いがある。
優しくて切ない、ノスタルジックファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-06 04:05:34
3929文字
会話率:39%
私ではなく、義理の妹が真の聖女であるらしい。
そんな妹をいじめたとして、私は王子に婚約破棄され、魔物が猛威を振るう辺境の地を守る第一騎士団の寮で働くことになった。
……なんて素晴らしいのかしら!
今まで誰にも言えなかったのだけど、実は私
、男らしく鍛えられた騎士が大好きなの!
王子はひょろひょろで全然魅力的じゃなかったし、継母にも虐げられているし、この地に未練はまったくない!
喜んで行きます、辺境の地!第一騎士団の寮!
今日もご飯が美味しいし、騎士様は優しくて格好よくて素敵だし、私は幸せ。
……復讐ですか?必要ありませんよ。
だって放っておいても彼らは勝手に自滅するでしょうからね。
◆騎士が大好きなのに騎士団長からの好意になかなか気づかないのほほん聖女と、一途で男くさい?騎士団長の幸せなラブコメ。
◆短編版が日間総合4位、異世界恋愛3位になれました!ありがとうございます!(*´˘`*)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-05 20:33:51
293754文字
会話率:47%
「おまえは魔女だ!婚約破棄だ!」
魔女が使っていた闇魔法が使えるという理由で王子に婚約破棄され、かつて魔女が住んでいた魔の森にある塔に追放された元聖女ソアラ。
しかし、ソアラは昔読んだ物語に出てきた魔女に憧れていた。
「私が魔女?本当
に!?」
(ならば、立派な魔女になりましょう!誰も来ない森の塔で独り、魔女になるために励めるわ!)
そう思っていたのに、監視役として聖騎士がやってくる。
(魔女になるために秘薬作りをしていることがバレたらまずいわよね……?)
だけどこの騎士、監視役のはずなのになぜかソアラに優しくて……?
優秀なのに愛が重くぽんこつな騎士と、その愛に気づかず立派な魔女になろうと奮闘する聖女の、すれ違いラブコメ。
※設定ゆるめ。軽い気持ちでお読みください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-09 13:04:53
100400文字
会話率:42%
私ではなく、義理の妹が真の聖女であるらしい。
そんな妹をいじめたとして、私は王子に婚約破棄され、魔物が猛威を振るう辺境の地を守る第一騎士団の寮で働くことになった。
……なんて素晴らしいのかしら!
今まで誰にも言えなかったのだけど、実は私
、男らしく鍛えられた騎士が大好きなの!
王子はひょろひょろで全然魅力的じゃなかったし、継母にも虐げられているし、この地に未練はまったくない!
喜んで行きます、辺境の地!第一騎士団の寮!
今日もご飯が美味しいし、騎士様は優しくて格好よくて素敵だし、私は幸せ。
……復讐ですか?必要ありませんよ。だって放っておいても彼らは勝手に自滅するでしょうからね。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-29 21:08:04
6029文字
会話率:38%
高校で再会したのは、幼い頃に仲の良かった幼馴染──糸瀬加奈。
彼女は、俺の初恋の相手でもあった。
友達をうまく作れず、ひとりで過ごす日々。
そんな俺の学校生活の中で、話し相手は彼女だけだった。
……でも、彼女もなぜか、誰かと仲良くなろうと
しない。
教室では浮いた存在。
誰とも目を合わせず、誰からも話しかけられない。
それでも彼女は俺とだけ、笑って話す。
最初は気づかなかった“違和感”が、少しずつ心に滲んでいく。
――なぜ、彼女の声が思い出せないのか。
――なぜ、彼女の姿が日に日に曖昧になっていくのか。
文化祭、体育祭、修学旅行。
彼女と過ごす“青春”はどこか夢のようで、どこまでも優しくて、そして、静かに終わりへと近づいていく。
彼女が隠していた“真実”を、俺は受け止めることができるのだろうか。
たとえそれが、すべて夢だったとしても──。
これは、曖昧で優しい夢の物語。
誰かの青春であり、誰のでもない物語。
そして──それは、あなたの夢かもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-05 13:41:22
5119文字
会話率:34%
小学六年生の科タクトは、母・椿のことが大嫌いだった。
優しくて、何をされてもただヘラヘラと笑って耐える母の姿に、タクトは弱さと情けなさしか感じられなかった。
だが、ある日、長く帰ってこなかった父親が突然現れ、母に暴力を振るう現場を目撃し、彼
の心は大きく揺れ動く。
「なんで母ちゃんは、何も言い返さないんだ...?」
強さとは何かを知らずにいたタクトは、やがて母の弱さの裏に隠された真実と向き合い、少しずつ変わっていく。
貧しいボロアパートで繰り広げられる家族
の闘いと絆。
子どもができることは何か?
家族を守るため、タクトの小さな手が今日も包丁を握るー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 11:40:34
2709文字
会話率:26%
蒼は小さな箱を運ぶ仕事をしていた。仕事のことは誰にも言うなと言われたから、きっとよくない仕事に違いない。そう思っていたけど、お金がないからやるしかない。ところがその仕事のせいで怖い人たちがいる事務所に連れて行かれてしまった。きっと風俗店で働
かされるか臓器売買で売られるに違いない。そう覚悟した蒼だったが、なぜか怖い顔をした藤也という男に引き取られることになった。
てっきりどこかに売られるとばかり思っていた蒼だったが、なぜか藤也はここにいろと言う。それどころか掃除や洗濯などいろんなことを教えてくれる。不思議に思いながらも、少しずつ藤也の役に立ちたいと思うようになる蒼。そんな穏やかな日常を送り始めたある日、箱を運ぶ仕事を紹介した男を見かける。藤也が探していた男だと気づいた蒼は、居場所を突き止めようと男を追いかけるが逆に捕まってしまい……。不憫な青年が強面の男に拾われて溺愛されていく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 18:43:21
107404文字
会話率:51%
遠い世界に、色と音で語る五人の者たちが暮らしていた。
藍の静けさ、ボルドーの導き、からし色の遊び心、若草のやさしさ、そして紫紺の情熱。
彼らが奏でるのは、誰か一人が主役ではない、けれど誰一人欠けても成立しない、ひとつのハーモニー。
五
つの音が交わるとき、世界に“調和”という名の風が吹く――。
音と色が織りなす、優しくてどこか懐かしい、五人だけの短編ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-07-03 15:50:58
1054文字
会話率:24%
ちょっぴり異世界、ちょっぴり現実世界。
ある日、森の中、竜さんに出会った♪
森の中で竜の赤ちゃんを拾ったことから始まる能天気でおっちょこちょいな少年とのほほん弱虫ドラゴンのおとぼけ(ときどきシリアスな)冒険物語です。世界最弱コンビの冒険は果
たして始まるのか、始まらないのか。
氷の美貌を持つ女王と優しくて強い片目の騎士との恋の行方も気になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 00:00:00
195951文字
会話率:33%
鴻上碧のクラスには成績優秀、スポーツ万能な清楚系美少女、露崎瑞季がいる。友人や先生からの信頼もあり、彼女の周りにはいつも人がいた。
誰かに頼られたら毎回ニコニコと引き受けてそれをやりこなす。優しくて笑顔が天使並みに可愛くて、彼女のダメな
ところはおそらくない。 そんな彼女を碧はあまり好きじゃなかった。だが、ある日をきっかけに本当の彼女を知っていくことになり好きになっていく。懐かれるようなことを彼女にした覚えはない。だが、ある日をきっかけに瑞季から甘えられるようになる。2人だけが知る碧と瑞季の2人だけの不思議な関係。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-30 14:31:27
119275文字
会話率:62%
「一口ちょうだい」ーーーその言葉に全てが隠されている。
瓦礫の中から見つけた一輪の青いバラ。
誰かの一口を食べたいと願うような
切実で、優しくて、どこか狂気じみた感情たちが
音をなくした世界を静かに揺らし始める。
どこか壊れていて
それ
でも誰かを想い続けた人たちの
矛盾こそが生み出す美しさの正体とは???
これは”感情”で世界を再定義する物語。
ドロドロとした現代社会にそっと光を灯す
一人のホストが始める新しい言葉の探し方。
言葉の暴力、矛盾、支配、性、様々な角度から抉り出される
醜くも美しい壊れた人間たちは
正しさの中に苦しむのか、それとも壊れたまま愛し合うのか折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 18:21:41
19932文字
会話率:24%