明治の華族家の中に、稀代の陰陽師安倍晴明の血を引く退魔の力を持つ西の阿倍野家と、祈りの力で邪気を祓う霊力を持つ東の神部家が存続していた。両家は妖怪、悪鬼から日本を守る二大柱として東西に分かれていたが、代を追うごとに力が弱まってきていた。両家
は互いの力を補い合うため、阿倍野家の息子、晴麿と神部家の娘、美弥を許嫁とする約束を交わす。
美弥が7歳になるひと月前、母が病で亡くなる。7歳を迎えてから霊力を測定する儀式を行うが、美弥の力が全くないことが分かり、晴磨との許嫁は破棄される。父から見放され、使用人と同じ扱いをうけて育った。父は妾の佳江と、その間に生まれた6歳になる桃華を屋敷に連れてきて、正妻と娘として扱う。桃華には上級の霊力があることが分かり、父は桃華を晴磨の婚約者にする為、阿倍野家の当主に許可をもらう。
数年後、晴磨と桃華の顔合わせ当日、父から呼ばれた美弥が応接間へ行くと、前日町で出会った青年がおり、自分が阿倍野晴磨だと名乗る。そして婚約相手は桃華ではなく美弥だと主張し、勾玉に本来の力が封印されていたことを話す。晴磨が一時的に封印を解くと、美弥にはそれまで見えていなかった妖怪や、晴磨の使役する式神や妖怪が見えるようになった。桃華や父には見えておらず、美弥の力の強さが証明される。明日から家へ来いと言われ、何が何やら分からないまま、美弥は晴磨の妻になるべく阿倍野家へと向かう。ところが、婚約は仮で3カ月の間に封印を解かないといけないという条件付きだったことが分かり、晴磨と共に自分の力の謎を探っていくことに。妖怪に囲まれた邸で、美弥と晴磨の騒々しい結婚(仮)生活が始まる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 10:59:37
22743文字
会話率:63%
事故により意識不明になった吉田正義。 再び体に戻るには、別の世界で「神」となり、皆の信仰を受け、弱った精神を回復させることだった。 さっそく異世界に飛ばされるものの、そこに人間の姿はなく…
最終更新:2025-07-16 10:16:51
554120文字
会話率:50%
時は20世紀前半、第一次世界大戦後の世界。
北太平洋に未知の島を発見したアメリカ政府は世界に国際規模の調査団の編成を要請した。
そうして、人種国籍問わず集められた五十人のプロフェッショナルたちは調査団「新たなるアルゴノーツ」として未知の領域
に挑戦する。
杉山千代子は江戸の薬問屋から続く製薬会社の娘であり、その才能に気がついた老医師・佐伯に教えを受けている。
日本政府は佐伯に対し調査団への参加を請うが、老いた彼に長期の航海は不可能だった。
千代子は佐伯の推薦を受け、彼の代わりとして調査船『サンダル号』に乗り込むことになる。
戦争帰りのドイツ人ロットナーと共に謎多き島ゴールデン・フリースの真実に迫る千代子だが…………。
/カクヨムと同時掲載です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 10:10:00
100040文字
会話率:33%
時は明治、金のない大学生の鐘梨文一は下宿先の主人である淡亭院謎時からしょっちゅう謎解きを仕掛けられる。とは言っても当てれば小遣いがもらえる簡単な遊び。今日も文一は気軽に挑もうとするが、今回の謎はなんと『殺人事件』だった。
最終更新:2020-11-10 08:00:00
10556文字
会話率:49%
時代背景は【明治・大正時代】
産婆看護婦学校 看護科2年 卒業
・日本赤十字社救護看護養成所
・大工場……数人の看護婦配置
・製紙工場……保健婦---風邪、腹痛、患者の発見と隔離による
伝染病の予防 工員240人に対して看護婦1
人
◉妹に夫を取られる--両親も子供たちも妹と夫から洗脳され
手玉にとられる
*******.✿.登場人物.✿.*******
主人公 |小桜温子《こさくらあつこ》 39才 看護婦
妹 |真鍋凛子《まなべりんこ》 出戻り 嫁ぎ先 渡辺家36才
出戻り時期 35才
夫 |小桜哲司《こさくらてつじ》 41才
娘 |小桜鳩子《こさくらはとこ》 14才
北山 涼 北山製糸工場社長 38才
稲岡珠代 北山製糸工場 通い 34才 北村の妹
稲岡和彦 北山製糸工場 勤務 34才 珠代の夫
早坂絹 北山製糸工場 勤務 還暦 息子あり
田中節子 北山製糸工場 勤務 22才 雅代と同期
大川雅代 41才 哲司の幼馴染
村中秀雄 45才 大川雅代の元夫
大川育代 65才
柳田 哲司の同僚
芙美 北山家にいた女中
板橋志乃 北山涼の幼馴染
『大正時代の職業婦人は夫を妹に寝取られたあげく家族全員から家を追い出されるも周囲の人たちに恵まれ……。
もしかすると、これは妻を裏切った男の物語なのかもしれない? ……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 09:00:00
15501文字
会話率:17%
時は明治末期。帝都東京の近郊にある、日本建築に無理矢理洋間を足した奇妙な家。
翻訳家の鈴島は、不自由な足と火傷のある顔を人目に晒さないため、二年の間家に引きこもっていた。
生きる希望も特になく、ただ漫然と毎日を過ごしていた鈴島の前に、あ
る日若い男が現れる。
「やあ、俺を買ってくれよ」
八城と名乗り、庭から上がり込む美少年を放っておけず泊めたことから、野良猫のような八城と、もう外へ出るまいと決めていた鈴島の奇妙な交流が始まった。
元々男を相手にする趣味がない鈴島は、自分を買えと迫る八城に二つの契約を持ちかける。
「鈴島は飯の分だけ八城の体に触っていい」「この家にはいつでも泊まっていいが、その際鈴島は八城を猫として扱う」
戯れのような提案に、行く宛てのなかった八城は了承する。
改めて恋をするには全てを諦めすぎている鈴島と、今更恋など出来ない程手慣れた八城。
お互いの過去を緩やかに知り合ううちに、お互いの温もりが離し難いものになっていく。
明治時代舞台のブロマンス寄りのボーイズラブ。
あらすじがあれですけど、やらしいこと抜きでどこまで書けるか考えながらチキンレースみたいに作ったのでレーティングはしてません。ヤバそうだったらご指摘ください。
飼い猫お坊ちゃんと野良猫不良少年の両片思いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 08:40:44
54602文字
会話率:41%
時は大正、関東大震災の衝撃もまだ新しい、晩秋の東京。
妹に「犬が憑いた」ことをきっかけに、官僚の息子である滝時太郎は、憑き物落としの少女、きいに出会う。
目が悪く、しかし博識な彼女が瞬く間に事態を解決したことから、時太郎はもう一つ、きい
に依頼をする。
「母が盗られた財産を取り返したいんだ」
母方の家に奪われた財産を取り戻すため、時太郎はきいとともに旧家のある村へ向かう。
そこは、『狗患い』の病が蠢く薄暗い地だった。
家に居場所のない少年と憑き物落としの少女の推理物。
大正時代のミステリーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 12:00:00
33962文字
会話率:48%
人と妖魔がせめぎ合う大正日本では、浄魔師と呼ばれる人々が全国で戦っていた。
灰崎静乃は十八歳の浄魔師。浄魔会(じょうまえ)の室長である父親から命令を受けて妖魔を討伐する日々を送っていたが、異常な襲撃頻度にどんどん疲弊していく。
ボロボロの体
で戦っているうちに蛇の妖魔と半ば相討ちとなり、半妖になってしまう。
家の威光を重視する父親によって追放された静乃は、静狩千景という男に拾われる。
半妖ばかりを集めた特殊な妖魔討伐班〈裏店(うらだな)〉を率いる千景のもとで、静乃は徐々に幸せを掴んでいく。
これは、虐げられた少女が半妖に堕ちたことで幸福を知る物語。
※ヒーローは5話から登場します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 08:00:00
85652文字
会話率:60%
ヒロイン登場まで、あと一年。それまでに汚名を返上し名誉を挽回しなければ、死、あるのみ。
最終更新:2025-07-16 07:10:00
71438文字
会話率:38%
いらっしゃいませ、純喫茶『星月』へようこそ。
ふわふわのホットケーキ、懐かしのナポリタン、あつあつのカレー、ほろ苦いカラメルのプリン、しゅわしゅわなクリームソーダ、他にもたくさんのオススメがございますよ。美味しいコーヒーと素敵な料理、どう
ぞお好みのものをお召し上がりくださいーー。
ある日、目が覚めると大正ロマン的な文化とRPG風ファンタジーの世界観がごちゃ混ぜになった異世界に来てしまったアラサー佐藤伊織。転生でも召喚でもなく、チートも特になさそうなのでまったり喫茶店はじめました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 07:01:03
79442文字
会話率:36%
「生きる意味なんて、持ったことがなかった。」
万能で、退屈で、何もかもに興味を持てなかった私が――
次に目覚めたのは、血と剣が支配する幕末の江戸。
名は「沖田司(つかさ)」。
美しさと強さをまとい、
笑い、遊び、男をからかいながら剣を振
るう毎日。
誰にも心を預けず、自由気ままに生きていく――はずだった。
そんな私の世界を変えたのは、
凛とした緑の瞳の剣士、鈴木樹。
信じるもののために剣を取る彼女と、
欲望のままに斬ってきた私。
ぶつかり、惹かれ、すれ違いながら、
気づけば隣にいることが、自然になっていた。
これは、女になりたかった“剣”と、剣になりたかった“女”が
誰かと生きることを知っていく、時代と命のラブストーリー。
――剣が交わり、心がほどけていく。
※旧作より文章・展開をを再構成したものになります。
※感想ください…ほんとに
気が向いたときにでも
「この台詞好き」「ここ泣いた」「この構図かっこよかった!」
とかでもらえると、作者がめっちゃ励まされて、続きをもっと真剣に書けます……!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 07:00:00
291222文字
会話率:23%
海神別奏(かいじんべっそう)――これは、父娘の再生の物語。
軍事×異能×ロマンスの乙女ゲーム『海神別奏』。
だが、作者の暴走により物語は最悪のバッドエンドへと突き進んだ。
ゲームに転生した元作者(=悪役令嬢)は、自らの過ちを正すため、ある
男に“物語のすべて”を託す。
託されたのは、名もなきヒロインの父親――海神 勝(わだつみ・まさる)。
彼の使命は、娘である海神 織歌(わだつみ・おるか)を、全員救済の逆ハーレムエンドへ導くこと。
舞台は1923年・ニューヨーク。狂騒の時代、父と娘は手を取り合い、運命を変える旅に出る。
世界を救う“逆ハーメイキング”物語、いま開幕。
※父娘のW主人公(転生悪役令嬢は裏方ポジ)
※舞台・歴史・人物はすべてフィクション
※差別描写・戦争描写を含むためR15タグを保険的に使用しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 07:00:00
56790文字
会話率:35%
次話投稿と間違えた。
番外編を集めたものとして独立連載する。
本作は、少年 ツネタロウの番外編になるので、代表作である少年 ツネタロウ をご覧ください。
最終更新:2025-07-16 02:31:40
34490文字
会話率:27%
元は農家の嫡男のツネタロウだったが、口減らしで丁稚奉公に出される。オーサカの材木商で成長し、買い付けに行く途中で地震に見舞われ死亡。
死亡したツネタロウは、歴史を変えるべく新たな人生を歩む。
最終更新:2025-07-14 01:21:29
1040018文字
会話率:62%
時代は明治。舞台は、近畿地方。
農家の息子が丁稚奉公に出され、奉公先での成長を綴った。
プロローグ的な話。
最終更新:2022-11-12 14:02:43
3325文字
会話率:62%
──夜に、木がすすり泣く。
帝国の北の村の丘にそびえ立つ黒い大木が女のように泣くという噂。
怪我人が相次ぎ、「木の祟り」だと村では囁かれていた。
この怪異の解明の勅令を受け、調査に赴いたのは帝直属の霊媒師・高円宮御影と、その忠実な弟子・
久世。
どこか人を寄せつけない美貌の師と、彼に一途に尽くす弟子。
ふたりはやがて、百年前の“裏切り”と史実に“隠された真実”に辿り着く。
泣いているのは木か、それとも──
過去と未来を繋ぐ“想い”が、静かに交わる。
孤高の霊媒師×忠犬弟子が挑む、哀しき因縁と魂の継承の物語。
※前日談はこちら⇒https://ncode.syosetu.com/n4108ko/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 21:50:00
73417文字
会話率:38%
大和帝国にはまことしやかに囁かれる噂がある。
国内で起きる怪異を静め、邪を払い、気の流れを正す。
帝の命ひとつで、宮廷の不浄を暴き、貴族の屋敷に巣くう“見えぬもの”を浄めにやってくるという帝直属の霊媒師がいると ──
表向きは華やかな帝
都の片隅で、密やかに崩れゆく一つの名門。
順風満帆に見えた侯爵家に忍び寄る影。
霊媒師・高円宮御影が解き明かすのは、六年前に封じられた一つの真実。
侯爵の次男・輝明の過去、そして命を落とした男爵家の長男──清水宗一郎。
過去と現在が静かに交差する帝都を舞台に、やがて“成就した願い”が明らかになる。
すべてを見届けた霊媒師が、最後に語るひとつの言葉とは──折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 21:23:11
11804文字
会話率:34%
2025年3月 医師をしている姉と商社に勤める語学堪能の弟が、医院を経営
していた父を亡くし、その納骨を終えて自宅に戻り遺品を整理していたら
突如の天変地異、、なぜか明治33年(1900年)に自宅と医院の敷地ごと
タイムスリップしてしまった
。これからどうしよう考えた末自分達だけが
知っている。未来の知識と自宅や医院にある2025年のテクノロジーそして
兄弟が持っているスキル(営業力、語学、医療)を使い 弱小日本国と
格下に見下している列強国に対して勝負を仕掛け国の力である国民総生産(GDP)世界一を目指す。 その為には歴史上の人物に合い力を借りたり助けてもらいながら 兄弟が力を合わせて生きていくお話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 21:48:27
334834文字
会話率:27%
フランス海軍医官、ビクトール・セガランは大清国帝国の要請で北京に赴任した。公式には疫病対策への助言であったが、西太后や摂政王から秘かに依頼された秦及び隋の遺跡の探索に従事した。大清国帝国の中央部や大日本帝国にまでその足を運んで、始皇帝と煬
帝の意図を解明しようと調査に及んだ。彼が解明した秘密は彼の散文や詩に描かれている、と一部の研究者は未だに信じ、研究が進んでいた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 21:02:34
8487文字
会話率:62%
人と妖は決して交わらない――
これは、そんな世界に生まれた半妖の少女が、人と妖を繋ぐまでのお話。
人と人ならざるものが棲まう国、花国。
十八の誕生日を迎えた少女・雪は、ある日、養父と妖に襲われてしまう。
養父を守ろうと自らを犠
牲にしようとしたそのとき、雪は不思議な力に目覚めるが、それは「妖」の力で……!?
さらには、妖の力を顕現させた雪は、妖討伐専門の軍人・藜に偶然見つかってしまう。
藜に捕らえられ、軍部へと閉じ込められた雪は、生きて再び養父と再会するため、自らの存在価値を探すことになるが……。
ほんのり恋愛風味あり、バトル風味ありな、和風ファンタジーをどうぞお楽しみください*
※毎日21時に投稿、10万字程度で完結します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 21:00:00
43673文字
会話率:36%
――時は大正。
病弱な『私』には、軍人の父によって決められた許嫁がいた。軍医である彼とは、二十も年が離れており、彼は医者として、私のことを気にかけてくれているようである。
正式な婚約が決まったある日のこと、彼は私にこう言った。
「お嬢
様のご病気は、不治の病です」
不治の病を言い渡された私に、彼が差し出したものとは……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-14 18:00:00
3778文字
会話率:22%
新選組を愛する19歳のオタク・中村かなたは、ある日駅の階段から落ち、気づけば幕末の京にいた。
憧れの土方歳三や沖田総司と出会い、史実と違う未来を変えるため、かなたは歴史の渦に飛び込んでいく。
ーーー
ハッピーエンドが好きなので、そんなに上手
くいく訳ないだろうという展開です。
設定や史実、その他もろもろガバガバです。
ゆっくり投稿になるかと思います。
暖かい目で見て頂ければ幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 21:00:00
4927文字
会話率:42%
弾幕×八福神×八王子 半異世界ファンタジー
桑の都、八王子。人間界『底』と概念神の世界『口』を繋ぐは、高尾に抱かれた絹の糸。八王子の人々の「信心」の神格体たちは、今日も永遠の暇つぶし「玉葱遊」に興じる。そう、永遠の暇つぶし。永遠のはずの暇
つぶし。
「忘れないで、あなた以外も永遠と思わないように」
美と幸福の女神、吉祥天をまつる八王子の寺、吉松院。そこの参拝者の信心たる私「吉祥天」は、とあるきっかけで「お口付け」を果たす。永遠の時に身を捧げる概念神となった私は、「八王子七福神」の追加メンバー「八福神」の一人となって、神と人の平和のためにその身を戦いに捧げる。
ひらりひらりと弾幕を躱す。絹の上で踊る。高尾の秘密の上で踊る。妻が、仲間が、私を創る人の心が、どうか幸せでありますように。
東方インスパイア作品(東方projectの世界観、キャラクター等とは一切関係ありません)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 20:00:00
69356文字
会話率:56%
若き神職たちが、霊の声に導かれ、不可解な事件の真相を追う──大正怪異譚。
最終更新:2025-07-15 19:40:00
6499文字
会話率:40%
時は大正時代。
アヤカシ、神々、万物の精、妖精、悪魔に天使が存在し、同時に邪気や瘴気が具現化した存在を魔蟲(まとう)と呼んだ。
魔蟲(まとう)を祓い浄化できるのは、神祇審省の審神者、神巫、覡、巫女姫のみ。
月見里栞(やまなししおり)は
八酉神社(やとりじんじゃ)の神主の娘で、五歳で巫女姫に選ばれるも、六歳の時に両親を事故で失い叔父夫婦に後継者権限を奪われてしまう。叔母や従妹の嫌がらせに耐えていられたのは、六歳の時に鵺との婚姻の約束だった。
『全て本来の主人の元の帰るように、なんとかする。だからそれまで耐えてくれるか?』
(鵺様との約束の日まで……あと少し)
一縷の希望を胸に、その約束の日が迫る中、「京都で巫女姫が鵺と婚姻を結んだ」と言う噂を耳にしてしまい──。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 19:26:03
54019文字
会話率:44%
※カクヨム様でも掲載中です。
時は大正。明治の文明開化からさらに西洋文化が根付き、人々が新たな時代を謳歌している頃。
時代が移り変わり科学技術が進歩しても、人ならざるもの――妖(あやかし)の存在が消えることは無かった。
絵を描くことが大
好きな少女、上村松実(うえむら まつみ)は妖が見える特異な体質だった。それゆえ女学校の同級生や継母、それから異母妹から嘲笑や侮蔑の言葉を浴びせられていたが、華族特有の傲慢と身勝手さに呆れ果てる毎日を過ごす。
それに、彼女のそばにはいつも幼馴染の薊黎(あざみ れい)がいた。
彼もまた妖が見え、絵を描くことが好きな青年だった。ゆえに松実は彼に秘かな想いを寄せる。
だが黎はそんな彼女の想いを裏切り、姿を消してしまう。
失意に暮れ、死の淵に立たされた松実を救ったのは、松実の婚約者にして公爵子息、そして妖伐局一番隊隊長の肩書を持つ藤浪縁(ふじなみ えん)。どうやら彼は既に松実を知っているようで……?
妖を滅する女流絵師と妖伐局一番隊隊長の婚約バディが織りなす、和風怪異譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 19:17:13
80671文字
会話率:51%