・・・・・・リーン・・・・・・
週末の人で賑わう広場に、1人の少女がいた。
鳶色の長い髪ーー耳元に下がる、〈青い耳飾り〉が、幻想的に揺れた……。
その涼やかな音は、他の人々には聞こえていない。ーー少女にだけ届いた、〈呼び鈴の音〉ーー。
少
女は広場を出ていくと、閑散とした路地裏へ向かった。
大きく息を吸い……鼓動を落ち着け……そして、口を開くーー
ーー『マーク……〈リダ•ベンデ〉』
ジェラが合言葉を唱え、《ループ》した世界は、先ほどまでいた世界とは、まるでちがった。
巨大な〈銀細工の城〉がそびえ立つ、大帝国ーーその名は、〈リグターン〉ーー。
ジェラは着地した〈山〉の上から、集合場所である、〈赤いレンガの倉庫〉へ向かう。
その途中ーー激しく心惹かれる、〈ある匂い〉に出会い、ジェラは導かれるように、山奥深く、隠された〈秘密の洞窟〉へ、たどり着くーー。
一本の、壮麗な〈しだれ柳〉に守られた、〈洞窟〉の奥にはーー瑠璃色に輝く秘密がーーあらゆる人物たちの、〈運命〉を大きく変えていく、美しくも哀しい〈花〉が、咲き誇っていた。
闇夜に〈倉庫〉へたどり着いたジェラを待ち受けていたのは、衝撃的な数々だった。
自分と同じ服装をし、色とりどりと長い髪をした、みな同じ年頃の、若者たちーー。10人の若者たちには、同じ共通点があったのだ。
だだ広い〈倉庫〉のなか、ひとり豪華な椅子に腰かけた、ミゲという名の男が、集められた若者たちに、語り聞かせるーー
帝国秘密組織〈キューア〉ーー与えられた、〈特殊能力〉ーー〈鉛の屍〉をめぐる、おぞましい〈連続怪奇殺人〉ーー
その夜ーージェラはミゲに連れられて、〈倉庫〉横の森にある、一つの建物へ、向かう。
見張りの兵士に、施錠がされーー異様な雰囲気の建物のなかに、ジェラが見たものーーそれは、忌まわしい檻につながれた、白銀に輝く、〈神獣•ムー〉のすがただった。
同じころーー〈リグターン〉から北にいった、〈ガンダ国〉では、国の存亡を揺るがす、深刻な事態が起きていた。
北の地に古くからいる先住民ーー〈月の民〉と呼ばれた、〈シシン族〉の聖域から、彼らが大切に守り崇めてきた〈神〉が奪われ、仲間が酷く殺された。
〈月の民〉首長ドドアは、襲った未曾有の試練に、大きな決断を下す。
三年に一度の、〈乱満月〉の夜へーーいくつもの〈運命〉が、一つの奔流となって、流れていく……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 22:09:24
105294文字
会話率:26%
「婚約破棄を前提に婚約してくれですって……いったいどういうことなんですか!?」
伯爵令嬢セルマーリャは魔法の研究に一生を捧げるつもりだ。
結婚して社交や子育てに時間を取られたくはなかった。
しかしその名声ゆえに縁談は避けられない。
そこ
でセルマーリャは「婚約破棄された悲劇の令嬢」となることにした。
婚約破棄されたショックで男性不信になったことにして、一生独り身で研究に邁進するのだ。
そのために選んだ相手は子爵子息シルヴェガント。
端正な顔立ちと美しい銀髪から「軽やかなる銀細工」などという異名を持っていた。
そんな彼なら婚約破棄の宣言をしてくれるだろう。
だが子爵子息シルヴェガントは、ちょっと予想とは違う人物だった。
果たしてセルマーリャは「婚約破棄された悲劇の令嬢」になることができるのか?
彼女が最後に手にしたものとは?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-19 06:40:00
18589文字
会話率:26%
地味で目立たない子爵家の娘であるグレースに、侯爵家からお茶会の招待状が届いた。交流のない格上の侯爵家からのお誘いに家族で驚いたが、おそらく人違いだろうと考え、用事があることを理由に断った。しかし、再びお茶会の招待状が届く。
不思議に思いなが
らも、どうせ大勢のうちの一人だろうと観念して参加したお茶会で待っていたのは、社交界で人気の華やかな侯爵令息ルイ、ただ一人。
予想外の二人きりのお茶会にグレースは困惑するが、ルイは嬉しそうに手を差し伸べてくれる。
今回のお誘いは、実は銀細工が趣味なグレースが、ルイの大事にしていたペンダントを修理したことがきっかけになっていたようで。
お茶会に参加したことで、始まる溺愛への序章。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-03 07:42:46
4887文字
会話率:38%
公爵令嬢であるエーヴァは第二王子婚約者シャーリーと共に王城で働いていた。しかし、シャーリーは王子から婚約破棄を告げられ国外追放となる。その余波でエーヴァはシャーリーと手を組んでいたとされ職を失う。挙げ句、エーヴァ自身も婚約破棄され、エーヴァ
の元婚約者はすぐにエーヴァの妹に婚姻の申込みを願い出た。一連の騒動で長女は災い・結婚するなら長女は避けるべきという根も葉もない噂が広まったからだ。失職、婚約破棄で両親とも喧嘩し、全て失ったエーヴァは小さい頃からの夢だった銀細工師になるために家出を決行する。憧れの銀細工師筆頭バーツに弟子入りした。最初こそ冗談半分に好きをバーツに連呼していたエーヴァだったが、バーツがエーヴァの言う好きに応え、愛を告げた時、エーヴァは初めて怖くなった。同時に冗談でなくバーツのことを恋愛や結婚の意味で好きだと自覚する。バーツはエーヴァの好きだけど応えられない気持ちに寄り添い待つと言う。銀細工を主に色々な出来事を経て二人の距離が縮まる話。
ヒロイン→ヒーローが読みたいとリクエストを得て今回書かせていただきました。あらすじ該当部分が25話あたりまでです。
恋愛が苦手な女性シリーズで四作品程同じ世界線で書く予定の3作品目です(続きものではなく、単品で読めます)。
ヒロインによる一人称視点。余談ですが時間軸が前三作(女装夫男装妻・拳外交・魔眼)と同じです。
全57話、一話あたり概ね1500~2500字程度で公開。
※アルファポリス、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-16 04:22:17
111314文字
会話率:59%
未来、『皇国』は、『蛮国』に対して、人造兵士『メトセラ』・『翔機』、更に翔機の能力を向上させる特殊なプロパガンダ音楽を奏でる『オートコフィン』と、その奏者によって戦争をしていた。
奏者の女子学生・小夜子は、『レイ』という人間の感情を持つメ
トセラと暮らしている。小夜子は音楽について、レイは自分の存在について疑っているなか、戦いは激化し、そのなかで、短いひと冬の恋が始まり、終わる――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-07 20:47:13
141907文字
会話率:17%
銀細工職人タニアは、明日に出征を控える恋人、騎士のクエイダルと喧嘩をしてしまう。彼のもとを去り、親友のサラに泣きついたタニアだったが、サラはそんなタニアをある場所へと連れて行く……
異世界ファンタジー短編。今回も恋愛要素ありです。女同士
の友情も頑張って描いてみました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-19 02:23:45
8126文字
会話率:45%
銀細工の君という二つ名で呼ばれる、才女・マーガレット。
気乗りしないまま参加した夜会で、まだ少年の王子カイルから婚約破棄を宣言されてしまう。
突然のことに困惑しつつも、王子が美しいご令嬢と目配せするのを見て、事情を察したマーガレットが王子を
問い詰めると──
婚約破棄宣言をきっかけに始まった、マーガレットとカイルの恋のお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-19 13:00:00
6089文字
会話率:42%
オンラインゲームのNPCでありながら、それを自覚している辺境の銀細工職人オルク。ある時突然、村を焼かれた彼は、北川燐という一人の少女に助け出され、システム時刻を改変することが出来ることに気付く。
自我の芽生えたオルクを、致命的なバグとして除
去しようとする運営。
オルクのデータを採取しようと迫る賞金稼ぎの強豪プレイヤーたち。
そして、オルクをマルウェアとして軍事利用しようとする反米テロ組織。
並みいる敵たちの追跡を、オルクは時間操作、過去改変等を駆使し、躱していく。
人間として、外の世界で暮らすために。
※カクヨム、アルファポリスにても連載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-12 19:44:37
3884文字
会話率:50%
趣味の銀細工のクラフトの最中に居眠りをしてしまった俺を待っていたのはふざけたシマエナガの妖精。
謎の妖精に導かれて辿りついた先には、俺を異世界に召喚したという、ボロ雑巾のような女の子「セト」がいた。
身綺麗にしたセトはハーフエルフの
ゆるふわ美少女。結婚相手として召喚されたって、マジ? 女の子と付き合ったこともなければ手を繋いだこともない俺に突然春が来た!
ただセトに話を聞いたら、街の領主に退去命令を出されているっていう。一体どういうことだよ、そんなわけのわからん理由、俺が話を付けにいってやる!
でも異世界に召喚された俺にとって必要なのはまず靴だった。
セトの紹介で革細工師マヘスと出会った俺は、手間賃として物々交換を要求されたりと四苦八苦しながら領主の館へと向かうのだった――……。
俺はセトとのスローライフを送りながら色々な事情を抱える異世界の住人たちと関わっていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-25 06:16:38
105446文字
会話率:32%
家庭内事情にキレてしまい家出をした山田勝は写真家になる事が夢だった。
家出をした時に乗っていたバイクで思い出の湖に行くと湖の真ん中に光る何かを見つける。
あれは何だ!?
勝は咄嗟に望遠カメラを取り出しレンズを向けるが何も見えない。
そんな時、ふと古いカメラ袋が目に止まる。
それは今は亡きお爺ちゃんの形見のカメラだった。
勝は銀細工の施された古いカメラを構えると一度深呼吸してレンズを覗き込んだ。
銀のカメラレンズに映っていたソレはこの世のものではない何かだった…。
※素人作品で至らない点が沢山!いや膨大にあると思いますが!異世界転移を初めて描きますのでよろしくお願いします。
どんなコメントも励みになりますのでビシバシよろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-02 13:00:02
27623文字
会話率:0%
海の底にいる大きな蛤は、幻を吐くという。
最終更新:2017-01-10 19:48:34
813文字
会話率:0%
プレセハイドの村で銀細工師として働くフミ。
彼女の悩みは最近セーアと仲がギクシャクしていること。
昔からずっと一緒にいる、いたかったフミとセーアの関係はどうなるのか?
他のプレセハイドストーリーのネタばれちょっと含みます。
近親相姦表現あ
ります。苦手な方ご遠慮ください。
自作品、ブログからの転用です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-04-01 10:00:00
16870文字
会話率:33%