銀細工の君という二つ名で呼ばれる、才女・マーガレット。
気乗りしないまま参加した夜会で、まだ少年の王子カイルから婚約破棄を宣言されてしまう。
突然のことに困惑しつつも、王子が美しいご令嬢と目配せするのを見て、事情を察したマーガレットが王子を
問い詰めると──
婚約破棄宣言をきっかけに始まった、マーガレットとカイルの恋のお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-19 13:00:00
6089文字
会話率:42%
「これ懐かしいね。確か去年一緒に買ったんだよね」僕に向かって僕の知らない思い出を語る彼女。「そ、そうだっけ?」何とか返事を返すが、内心の動揺が表れた情けない声がでてしまう。それが伝わったのだろうか、彼女は自分の失態に気付いたように体をピクリ
と震わせ、誤魔化すように言い訳をする。「あっ。ごめんね!また友達と間違えちゃったみたい…」友達。いつからだったか、誰かとの思い出を語る時に出てくるようになった人物。最初は彼女の言うことを疑わずに、素直に信じていた。だけど僕だってバカじゃない。その友達との思い出を語る彼女が、恋する乙女の顔をしているのに気付かない筈が無かった。最近は特に酷くて、会うたびに僕と誰かを間違える。僕には彼女しかいないのに、彼女には僕ではない誰かがいる。その事実だけで僕の心は狂いそうになる。あの時から、僕にとって君が全てなんだ。だからもしも、もしも彼女が浮気をしてるのだとしたら。僕にはもう耐えられない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-28 07:12:22
12205文字
会話率:27%