霜村涼は偏差値の高い進学校に通う高校一年生。ある日、サッカーボールが頭に当たってから彼の視界がときおりぶれるようになった。
涼が入っている塾で、新しい英語教材が導入された。フェイスディスプレイをかぶって、英語しか通じない仮想世界へ留学できる
というものだ。それを初めて使った晩、涼が仮想世界の中にある扉を開けると、そこは暗い雨の路地だった。
その路地は、涼の世界のパラレルワールドにつながっていた。
そこは、小惑星が地球に衝突して気候が変動し、人々も多数亡くなり、生き残った人間たちが共同生活をしている世界だった。涼は、そこでパラレルワールドの同級生、野見山碧に出会う。
毎晩英語教材の仮想世界からパラレルワールドに行くうち、涼は自分の住む世界の不条理や生きづらさに気づいていく。
パラレルワールドのミドリのことから、涼は現実世界の碧とも親しくなっていく。
涼には兄がいた。兄の洪は反抗的で素行不良と言われ、高校二年のときに更生キャンプに送られている。両親は兄のことを口に出そうとはしない。涼は、兄が反抗した理由や兄の生き方について考え始める。
高校で窓から飛び降りて自死した生徒があり、学校は教室の窓に鉄格子をつける決定をする。それに反対する生徒たちが体育館で集会を開くが、教師たちに暴力で鎮圧される。優等生だった涼は停学をくらい、級長からもおろされる。父は激怒し、母は泣く。しかし、この騒動で涼はひとりの教師と知り合い、そこから兄へとつながることができた。兄は更生キャンプを出て、社会を変えていきたいと思う仲間たちのもとで暮らしていた。
春。涼は兄に会いにいく。現実世界の碧は海外へ行くことを決めていた。
高校二年になった涼のまわりの世界は、これまでとはあまり変わらないように見える。けれど、涼の内には変わったものがある。やがて大きく跳ぶための助走を、涼ははじめたところなのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 20:09:05
110713文字
会話率:36%
高校卒業後、夢を追い東京へ上京した佐藤誠。大学生活を経て広告代理店に就職するも、厳しい現実に疲弊し、裏社会へ足を踏み入れる。違法な仕事で金と地位を得るが、次第に抗えない深みへと引きずり込まれていく。
やがて組織の命令で殺人を犯し、逃亡の末
に逮捕。死刑囚となった彼は、鉄格子の中で己の過ちと向き合う。成功を夢見たあの日、母の優しさ、故郷の風景—全てが遠く、手の届かないものとなっていた。
死刑執行の日を迎え、彼は初めて人生を受け入れる。絶望の先に見えたのは、儚くも確かに生きた証だった。都会の光に魅せられた一人の青年の転落と贖罪を描く物語。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-06 21:27:03
3526文字
会話率:20%
洗脳勇者召喚に巻き込まれた切田くんは、いささか頼りない3つの『スキル』を抱え、敵中に孤立している。
取り囲むのは、分厚い壁と鉄格子、せせら笑いと冷たい権力。
共にいるのは洗脳済みの『勇者』と、暴走する『聖女』。まともに動けるのは君だけ
だ。
さて、どうする?『賢者』切田くん。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-23 22:02:12
549125文字
会話率:41%
ある乙女ゲームの主人公に転生した聖女マナは、魔王を討伐し、ゲームのエンディングを迎えた直後に誘拐、監禁されてしまった。
犯人は乙女ゲームの恋愛候補のうちの1人、最強と名高い大魔術師ルイス・フィルドーだ。
ちなみに彼を攻略した覚えはマナにはな
い。
「ねぇねぇ誘拐犯」
「なんだい? 慈悲深き聖女よ」
二人は今日もだらだらと鉄格子越しに会話をする。
マナははたしてこの監禁から脱出できるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-21 12:15:20
11101文字
会話率:44%
3歳になる頃、窓から椅子をぶん投げたら部屋の窓に鉄格子を付けられた。
6歳になる頃、その窓の鉄格子を素手でのひしゃげたら母から力を抑える魔道具のブレスレッドを付けさせられ、「アクア、スプーンより重たいものは本当に持たないでおくれ」と真
剣にお願いされた。
10歳になる頃、家の庭にある小屋を素手と脚で大破させたら父は両腕を両太ももに力を抑える魔道具を取り寄せると令嬢に付けた。
15歳になる頃、屋敷の端にある崖の一部を両手でもぎ取ったら、両腕と両太ももに加えて首とウエスト部分にも力を抑える魔道具を付けさせられた。
どこへ行っても疎まれる令嬢は隣国の王子と出会い隣国へと旅立って行きました。すると信じられない知らせを隣国から聞くことになるのです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-18 17:05:47
2411文字
会話率:5%
結婚式と広縁が終わって案内されたのは豪奢な公爵邸ではなく少し離れたところに建った小さな家だった。
キャローナと侍女三人がその家に入ると外から閂が降ろされてしまう。
窓、ベランダには鉄格子がはめられていて、他の出入り口を確かめてみても扉は開か
なかった。閉じ込められたもののキャローナはそれほど慌ててはいなかった。
いざとなったら家を燃やしてやればいいと考えていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-07 17:00:00
36164文字
会話率:36%
日本財団は1月23日に鉄格子や敷地を覆う壁がない「塀のない刑務所の整備」するように法務大臣に提出しました。
今回は「塀の無い刑務所」とはいったい何なのか? について個人的な解説をしていこうと思います。
最終更新:2025-01-27 18:28:13
3772文字
会話率:3%
目が覚めると異質な部屋に居た。穢れたベッド、窓には鉄格子、出入り口は鉄扉。まるで囚人にでも落ちぶれたかのようだ。
極めつけは、置き去りにされたスマホで、画面には不穏な文字が踊る。
警告
人類は滅びた
新たな支配者が訪れる
とたんに恐ろ
しくなり、この場から逃げようと試みる。
その先にいったい何が待ち受けているかも、分からないままに。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-31 23:57:54
596163文字
会話率:57%
本投稿では、創作詩 ”鉄格子の窓から見た光景” を発表します。精神科の隔離病棟に入院している妻を見舞った男が見た「不思議な少女」を詩に紡ぎました。なお、本詩は、2023年3月1日に投稿した掌編小説 「長い坂の先に立つ病院」から抽出した一場面
です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-02 14:17:08
306文字
会話率:22%
かつて武力によって地位を築いた一族。エリゴル。大国の皇帝まで成り上がったが、度重なる重税に耐えかねた民衆によるヴェルベト革命により地位を失墜。波乱のなかでアレル以外のエリゴル家の人間は処刑された。
革命後、彷徨う彼女は奴隷商人に捕まり右
手の甲に奴隷の焼き印を押されることとなる。以後、己の名前を隠しただのアレルとして奴隷となった。
それから3年後、彼女の元に一人の青年が現れる。奴隷商人どもを薙ぎ払い、鉄格子を素手でこじ開けたその青年は彼女に跪くのだった。
カクヨム、アルファポリスにも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-23 23:14:30
3571文字
会話率:51%
憂鬱な少女は《生》を憎んでいた。くだらない毎日が現実であるということが、これが人間の生であるということが信じられなかった。早く終わってくれと常に願っていた。人にとって時間は負担で、いかにうまく消費できるか誰かに試されているような気がした。人
は時間の奴隷であり、生はその牢獄の冷たい鉄格子だった。今日も少女は生と死の境界線に立つ。夕陽に向かって一歩を踏み出すために、自由の翼を得て、この鳥籠から救われるために――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-10 20:00:00
28810文字
会話率:52%
侯爵令嬢のレジーナは、6歳の時に行われる「守護降ろしの儀」で具現化させた守護精がトカゲとわかると、侯爵家の体裁を保ちたい家族によって領地の屋敷に幽閉されてしまった。
一般庶民ならともかく、伝統あるゼーレンベルク侯爵家にそんな不気味でちっぽ
けな守護精などあってはならない。
以来、彼女は与えられた部屋と鉄格子の窓から見える景色だけが世界の全てだった。
ある日その鉄格子が外れそうなことに気づいた彼女は、未来のない部屋から脱出することを決意する。
しかし世間を知らず、学もない彼女は脱走できても、生き抜く術などなかった。
最初の街すら入れずに途方に暮れる彼女を助けたのは、一人旅をする美青年、ルト。
幻獣クラスのドラゴンを守護精に持つ彼は、無垢で無知なレジーナからすれば知的で優しく、すぐに憧れの対象となった。
男装する彼女は彼の小間使いにしてもらうと旅を共にし、鉄格子から見えた空は無限に広がっていることを知る。
希望に満ちた冒険、美しい世界、醜い現実、命の危機。
彼と過ごした時間はほんの僅かだというのに、彼女に次々と訪れる出来事。
目も開かぬひな鳥だった彼女は、やがて木を知り、森を知る。
ルトとの出会いをきっかけに、成長を始めたのは知識だけではなかった。
自分は何者になりたいのか。
胸を焦がす想いの正体はなんなのか。
子どもと大人の表情の間で揺れる彼女に、やがてルトも心を動かされる。
見た目も心も幼いレジーナと、そんな彼女とほとんど歳の変わらない知性と自信に溢れるルトの、恋と成長の物語。
※こちらの物語はエブリスタにて既に完結・公開されている作品です。
※誤字脱字の訂正をすることがありますが、内容に変更がない場合の報告はしません。
※誤字報告歓迎(ありがとうございます)。ご指摘の通りの場合、そのまま適用させていただきます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-09 12:00:00
118072文字
会話率:45%
都市伝説の一つに、『地下闘技場』というものがある。
そこでは、借金などを理由に拘束・拉致されたモノたちが、文字通り命がけで戦っているという。
勝てば栄光。
負ければ死。
そのどちらであっても、そこに足を踏み入れたものは、二度
と外へは出られないと噂されていた。
たとえ、勝って栄光を手にしたとしても、生死を賭けた殺しあいに、酔って嵌まってしまうから。
※※※
家紋 武範さん主催、「夕焼け企画」参加作品です。
このお話は、暴力や流血が描写されています。
苦手な方は、無理せずブラウザバックしてください。
また、このお話は、創作でフィクションです。
現実の個人・企業・団体などとは関係ありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-01 20:00:00
11713文字
会話率:25%
クラスの隅っこで目をつけられないよう静かに過ごしてきた佐藤 迅は気弱で背の小さな山城 佑と気持ち悪さ全開の山本源六の3人で学校生活を送っていた。
そんな中、山本はクラスのリーダーである織本に屋上に呼び出しを受ける。
屋上で山本と織本が激しい
喧嘩をしヒートアップをしていく中で、山本が屋上についている鉄格子から落ちそうになってしまった。助けようと思い近づいた俺たちは織本の取り巻きを含め、1人の男に1人残らず突き落とされ死亡する。
「あなたたちにはいろんな世界を救ってもらいます!」
謎の空間に転送後、女神と名乗るものににそう告げられた俺たちは、過酷なのか楽なのか何もわからない状態で元の世界に戻るため戦っていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-29 22:08:33
57969文字
会話率:49%
俺の通っている高校のすぐ近くには様々な噂が立っている洞窟がある。
いつもは鉄格子がはめられているが、稀に開くときがある。
俺と大津は武本に連れられ、そこを探索することにした。
果たして三人はどこにたどり着くことになるのだろうか。
最終更新:2023-09-20 21:43:57
8015文字
会話率:53%
美麗で細かな模様に造り上げられた黒鉄の鳥籠が天井から吊り下がる。
荘厳な屋敷の家具の一つとして。
檻の中では一羽の小鳥が囀る。
小気味良い旋律を、機械じかけの楽器のように。
小鳥はやがて空へ舞い飛び、その羽根を存分に広げ大きな空へと
飛び立
つことなくその一生を終えた。
広い庭の一画に寂しく埋葬される。
暗く温かい土の中に。
カチ、カチ、カチ。
歯車は廻る。
いつもどおりに。当たり前に。
美しい屋敷の一画で小鳥が鳥籠に囚われていた。
羽ばたいては揺れる鉄製の鳥籠。
天窓から見える蒼穹の光に照らされて
小鳥は息を引き取った。
悲しげな旋律を残して。
カチ、カチ、ガチ。
楽しげな朝の音色。小鳥の囀り。
絵画の中の曲目。
小鳥が揺れ、鳥籠も揺れる。
鉄格子は壊れない。か弱い心が朽ちて錆びてもなお。
ガチ、ガチ、、、、、、がたん。
歯車が軋みを上げ、ついには外れる。
予定調和の理が劣化し、故障し、狂わす。
。。。。
歯車は止まった。
1人の家政婦が鳥籠の小鳥を眺めていた。
小鳥の世話をするのが仕事だった。
いつものように餌を食べさせ、
いつもとは変えて鉄の小窓の鍵を開け放した。
小鳥がひょこりと飛び出る。
小鳥はしばらく辺りを見渡し、
他の鳥たちが歌う森の中へと羽ばたいていった。
それは陽光きらめく穏やかな朝。
家政婦、否、彼女はすっきりとした面持ちで立ち上がり、外を見据えた。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-07-29 14:08:35
559文字
会話率:0%
「やっと見つけた、俺の花嫁」
固い鉄格子の中に居る私へ向けて話したのだろうか?
どうせ私はここから逃げられ無いのに、膝を抱え踞る私はチラリと声がした方を見ると、背中に真っ黒な羽を広げた男が立っている。
「……誰…なの?」
目を凝らし
て見れば、漆黒の闇を振り撒いているかのような長い黒髪と吸い込まれそうな黒い瞳に目を奪われる。
男は鉄格子に近付き、そっと撫でるだけで私を閉じ込めていた鉄の棒がサラサラと床に散らばる。夢でも見ているのだろうか?
「私の花嫁」
骨が浮き出る身体をまるで壊れ物のように抱き上げた男はニタリと嗤い、私を外へ連れ出したのだった。
※ゆるい設定です。ちょぃとシリアス。
他サイトにあったのを転記。
全11話完結。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-16 17:00:00
26347文字
会話率:37%
大学4年生で論文作成に勤しむ桐田芽衣は、深夜にゼミの部屋で不思議な体験をする
最終更新:2023-07-03 00:19:51
4602文字
会話率:31%
専門学校を卒業し東京の三流商社に期間契約社員とし就職した主人公は、正社員を目指し日々の仕事をこなしていた。 そんな4年目の正社員登用目前に黒いフレンチブルドッグが原因で正社員の道を閉ざされてしまう。 深夜の自室への帰路で再びその犬を見かける
も何故か意識を失い、目覚めたのは入り口が鉄格子で出来た狭い部屋だった。 それはダンジョンの清掃を担う獣が閉じ込められる場所。 日本で生活していた記憶を持ちながら、体は自分の将来を台無しにしてくれた、闇の黒き毛皮で覆われた小さなフレンチブルドック。 ダンジョン脱出を目指し奮闘した先に勇者への道が見えてくる。 自分を召喚したぽっちゃりエルフと一緒に冒険するお話し。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-22 11:19:16
17048文字
会話率:59%
騎士団の第一隊副隊長を務めるノア・コルクと、錬金術室長のリーン・ファイアは、うっかり罠にはまって、職務中にも関わらず王宮でベッドを共にしてしまいました。
牢の鉄格子越しに話し合い、結婚という選択肢を選んだものの、それぞれ口にはしなかった思惑
があって……
愉快な脳筋騎士たちに囲まれて、喧嘩をしたり、事件に巻き込まれながら、二人が夫婦になっていくお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-08 11:32:32
488575文字
会話率:59%