『ずるいわお姉様ばかり。私もお姉様のそのドレスが欲しいわ』
妹は私よりも3つほど下の妾腹の娘で、所謂庶子にあたる。ピンクブロンドの美しい髪を持つ、そんな妹を父は溺愛し、彼女の欲しがるものは何でも与えた。
はじめは小さなクマのぬいぐるみ
だった。
しかしそこを皮切りに彼女は次々とものを欲するようになった。
風向きが変わったのは、そんなこんなで私が婚約者の王太子殿下との面会を王宮で行った帰りでのことだった。
『ねえ、お姉さま。王太子殿下って……さぞや素敵な御方なのでしょうね?』
あのゾクリとするような、底冷えする瞳を見たのは、それが初めてだった。
その時、直感的に私はこの妹が、間違いなく私の婚約者を欲しているのだと察した。そして内心ぼんやりと悩んでいると同時に、私に対する良くない噂が、学園内で囁かれ始めた。
無論、どれも噓である。しかし人の口に戸は立てられない。
『君との婚約を解消したい』
それは、予想外の一言だった。
『代わりに、君の妹と婚姻関係を結ぼうと考えている。これは決定事項で、すでに父上や宰相にも話を通してあり承認済だ。何、大々的に婚約破棄をパーティとかで行うわけではないのだ。王家も君の家も、これなら体面に傷はつかないだろう』
そうして、私は婚約者を喪い、妹は欲しがっていた私の婚約者を手に入れた。
失意の中、記憶も半分定かではなく歩いていた所に、たまたま留学していた帝国の第二皇太子に王宮の庭園で出くわした事をきっかけに、私は見初められた。
……今となってはそれも良かったのかもしれない。こうして私が心からの最愛と巡り合い、人生を共にすることができたのだから。
でも。
「大変よ、王国で革命が起きたわ!」
事態を重く見た私たちはその真相を探るべく、王国に無い戻った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 13:20:21
11346文字
会話率:37%
ロッテンフィールド公爵令嬢オフィーリアは幼い頃に祖母に教えられた“察する”という処世術を忠実に守ってきて。
そんなオフィーリアの婚約者はこの国の王太子、エルリック。
オフィーリアはずっと、エルリックの心を慮り察することで彼の婚約者として研鑽
してきた。
そんなある日、オフィーリアは王宮の庭園でエルリックと伯爵令嬢バネッサの仲睦まじい姿を目の当たりにしてしまう。
そこでオフィーリアは察してしまう。エルリックが真に妃として望むのはバネッサなのだと。
それを察したオフィーリアはエルリックのために婚約解消を決意するが……?
mixi2異世界恋愛作家部、氷雨そら先生主催の『愛が重いヒーロー企画』参加作品です。
完全ご都合主義。誤字脱字、ごめんあそばせ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-22 08:00:00
13083文字
会話率:27%
王女の専属侍女を務めているベハティは、傲慢な騎士につきまとわれた挙句に暴言を吐かれ、神経をすり減らしていた。身分差のせいで仕返しできない悔しさを鎮めるために王宮の庭園にいると、美しい猫がやって来てベハティを励ましてくれる。すっかりメロメロに
なったベハティがキスをしたその猫は、実は氷の貴公子と名高い美貌の魔導士のウォード卿で――。
「お願いです。どうか撫でてください」
人間の姿に戻ったウォード卿は、氷の要素どこに行った?!と言いたくなるほどベハティに甘えるようになってしまった。
仕えているお姫様ラブ!な仕事人間のヒロインに、イケメンで有能なのに恋になるとヘタレな年下ヒーローが頑張ってアタックするお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-25 06:00:00
15978文字
会話率:35%
私は今、王宮の庭園で一人、お茶を頂いている。
婚約者であるイアン・ギルティル第二王子殿下とお茶会をする予定となっているのだが……。
「また、いらっしゃらないのですね……」
毎回すっぽかされて、一人でお茶を飲んでから
帰るのが当たり前の状態になっていた。
第二王子と婚約してからの3年間、相手にされない婚約者として、すっかり周知されていた。
イアン殿下は、武芸に秀でており、頭脳明晰で、魔法技術も高い。そのうえ、眉目秀麗ときたもんだ。
方や私はというと、なんの取り柄もない貧乏伯爵家の娘。
こんな婚約、誰も納得しないでしょうね……。
そんな事を考えながら歩いていたら、目の前に大きな柱がある事に気付いた時には、思い切り顔面からぶつかり、私はそのまま気絶し……
意識を取り戻した私に、白衣をきた年配の外国人男性が話しかけてくる。
「ああ、気付かれましたか? ファクソン伯爵令嬢」
ファクソン伯爵令嬢?
誰?
私は日本人よね?
「あ、死んだんだった」
前世で事故で死んだ記憶が、この頭の痛みと共に思い出すだなんて……。
これが所謂、転生ってやつなのね。
ならば、もう振り向いてもくれない人なんていらない。
私は第2の人生を謳歌するわ!
そう決めた途端、今まで無視していた婚約者がいろいろと近づいてくるのは何故!?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-19 20:30:00
91254文字
会話率:28%
アレクサンドル・ベルヌイ・ファランドール公爵といえば、王国軍中将であり、ソードマスターでもある。
王太子の異母弟である彼は、臣籍降下の願いが聞き届けられ公爵となった。
隣国との戦争が勝利で終わったことを祝う戦勝パーティで、公爵はまさかの一
目惚れをする。
相手は右に左にと意外な俊敏さで茂みをかき分け、王宮の庭園に生えている草を引っこ抜き、両手いっぱいに持ってご満悦の令嬢だった。
戦馬鹿な公爵と、薬草学を学ぶ風変りな令嬢は、持ち前の知識を生かして様々な事件を解決していくのだが――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-30 08:12:12
12957文字
会話率:28%
「お姉様、貴女の事が嫌いでした」
満月の夜。王宮の庭園で、妹に呪いをかけられてしまった公爵令嬢リディアは、ウサギの姿にされてしまう。
※まきぶろ先生・琴子先生主催の企画、ヤンデレ推進委員会0531参加作品です。
短めのお話を目指します
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-08 13:11:46
81397文字
会話率:35%
ブリトリアン王太子と、ホーズボルト辺境伯家の令嬢のアスティリアはお互いに思い合っていた。しかし、二人はお互いの気持ちを伝えることができない理由があった。
王太子はまだ十二歳だった時、王宮の庭園で二つ年下のアスティリアにプロポーズした。
しかしその時二人は初対面。彼は父親の命令で彼女に「あなたを幸せにします。一生愛します」と告げたのだ。すると彼女はこう言った。「一生の愛なんて信じられません。いつ私以外に真実の愛を見つけてしまうかわかりませんもの」と。
実は彼女の母親は国王の元婚約者だったのだ。ところが、当時の王太子に浮気をされて婚約破棄された挙げ句、冤罪で投獄され、熊男と噂されていた辺境伯との結婚させられたのだ。
国王は今頃になって元婚約者に謝罪して償いたいらしいが、周りの者達にとってそれは傍迷惑以外のなにものでもなかった。
そんな国王に振り回される恋人達が幸せを掴むまでの話。
あくまでも異世界、独自の世界観の話ですので、それをご理解した上でお読み下さると助かります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-16 12:14:47
120231文字
会話率:19%
今日こそ婚約者に求婚しようと王宮の庭園の片隅で婚約指輪を片手に練習していたテオドールは、突然現れた美少女に、大切な婚約指輪を奪われてしまう。
だが、指輪を取り返すべく少女を追いかけた先で見たのは、婚約しようとした相手の生々しい浮気現場で。
言葉もなく立ち尽くすテオドールだったが、婚約者と浮気相手の前で、少女は自分こそがテオドールの恋人だと宣言する。
違う!俺には幼女趣味はない!保護者はどこだ!
焦るテオドールをよそに、ゴミ虫を見るような目で立ち去る婚約者と間男。
このままでは幼女趣味の変態騎士として俺の人生は終わったと落胆するが、
「あなたって本当に見る目がないのね」
実は美少女の正体は、社交界にデビュー前の第五王女で。
第五王女の婚約者として次期国王として指名を受けることに。
テオドールの運命は!?
二人の恋の行方は!?
最強でありながら真面目で実直、不器用な竜騎士と、したたかに可愛い天使な王女のハッピーラブストーリーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-01 21:05:54
11498文字
会話率:53%
侯爵令嬢のマリアンヌ(三歳)。両親と共に王子の誕生祝賀に参加したが、王宮の庭園の中で迷子になってしまった。不安で泣いているところを助けてくれたのが、レオンと名乗る優しい男の人。ビビっときたマリアンヌは、「わたくちをあなたのつまにちてくだしゃ
い」と逆プロポーズをする。
10年たったら妻にしてくれると快く応じてくれたが、実はレオンは王弟殿下。お世継ぎ問題もあり、二人の婚約は王と侯爵夫妻以外には内緒なのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-26 21:30:45
8789文字
会話率:55%
「婚約破棄ですわ。わたくし、アナタとの婚約を破棄させていただきます!」
昼下がりの王宮の庭園で、私は大きな声でこう宣言した。
だって転生者だし、こんなところで死刑は御免だわ。
でも、王子さまも、ゲームのヒロインも……なんだか変なんですけ
ど。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-06 18:18:45
1130文字
会話率:30%
“完璧令嬢” で有名なクリスティーナは、とある王家主催のパーティーで婚約者であるレオンハルトから婚約破棄を告げられてしまう。
動揺していたせいか王宮の庭園に迷い込んでしまったクリスティーナは古びた温室へとたどり着く。そこでクリスティーナ
は一匹の猫と一人の王子様と出会ったのだったが……。
そんな二人と一匹の出会いと恋のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-04 14:00:23
5163文字
会話率:33%
私はある日婚約者であられるこの国の第一王子レオン様に呼び出されて、レオン様の家でもある王宮の庭園にきました。するとそこにはレオン様とレオン様に張り付いた可愛らしい女性がおりまして……。
え、婚約破棄ですか?それって私あの過酷な王妃教育受けな
くて良いんですね!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-14 11:30:49
377009文字
会話率:26%
とある国の皇太子には、ある噂が囁かれている。
【皇太子には子種がないのではないか】
第一子である王族にしか王位を継ぐことが出来ないこの国は、王位継承者の1番の仕事は子を成すこと。
だが、一向に懐妊の兆候すらないまま、10年の月日が経ち、
婚約者の数は100人に登った。
そんなある日、皇太子は王宮の庭園で1人の少女と出逢ったのだった。
~~~~~~
唐突に思い付いた物語を思い付くままに書いてみました。なので、非常に説明が多い作品になってしまいました。
いつか、さくらサイドのお話も書いてみたいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-09 09:12:31
4637文字
会話率:16%
王族の食事を専門に作る厨房で、女官-ミラベルは 溜息を零していた。僅かに青褪め 作業の手を止めている彼女を、同じ厨房で働く者達が 不思議そうに見ていた。
他者からの脅しと、それに屈し 己れが行った行為への罪悪感とに苛まれるミラベルから始まる
お話。
『戒縛の王と 森の妖精』シリーズの5作目。
今回は、王も 宰相も 側近も出てきません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-02-23 02:21:09
12622文字
会話率:19%