京都の伏見を発った左甚五郎は、あっちへふらり、こっちへふらりしながらやっと江戸に入った。藍染川のあたりまで来ると丁場がいくつかたっている。
そのうちの一つをのぞいたが、江戸の大工は形は勇ましくても仕事がぞんざいで下手だ。
ついそれを口に出し
てしまい、聞いた江戸の大工たちに寄ってたかって殴られる。そこへ棟梁である政五郎が来て場を鎮めた。
ここから噺がトントントンと進んでいくわけでございます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-09 17:45:23
20063文字
会話率:1%
ある日、長屋の大家のもとに住人達全員が訪ねてきた。
聞けば、地主にして油屋を営んでいる無類のケチである、通称”しわい屋”に対する不満が抑えきれない、何とかして仕返ししたいから知恵を貸してほしい、とのことだが…。
最終更新:2024-09-05 00:15:19
11973文字
会話率:1%
小説ではなく、落語のようなものです。お目汚しですが、ご一読賜れば幸い。──「志ん生には間に合わなかったが、オレたちは志ん朝とともに生きられて幸せだ」なんて意気がってた私にとって、ここ何年かで接した訃報のなかでも最大級のショックを受けた現実。
落語好きの、髭面編集者のF君からは「嗚呼、もう落語はお終いだ」なんてメールも舞い込む始末。確かに、あんな端正な噺家は二度と出現しないだろう。でもしかし、「落語にはまだもう一方の旗頭がいるじゃないの」という思いを込めて返書した一席です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-08 20:19:44
3740文字
会話率:5%