婚姻のその日まで、俺、オズワルド王子は妻となる魔族の姫エルセリアと対面する事はなかった。
銀のベールを頭から覆い、顔も見えぬままの姫と婚姻の儀を交わした晩、月明かりの落ちる寝室にて初めて互いの顔を見合わせたのだった。
これは、犯罪
ではないか?
それが、エルセリアを見た時に初めて抱いた感想だった。
艶やかな肌、輝く髪、整った顔立ち、子やぎのような白い耳を恥ずかしそうに寝かせている。
そして何より
若い。
人間で言ったらまだ少女と言っても良いような見た目だ。
いやいや、さすがにこれはまずいだろう。
いくら相手は魔族で国の定めた婚姻とは言え、こんな美しく可憐な少女を娶るのは犯罪級に後ろめたい。
俺は恐る恐る尋ねた。
「失礼ですが、エルセリア姫はおいくつになられるのですか?」
「魔歴で10万17歳になります。」
10万、ですか。
「あー、じゃあ、まあ、大丈夫っすね。」
✴︎
妾腹として産まれたばかりに王子のくせに長く修道院暮らしをしていたオズワルドと、世間知らずの深窓の令嬢エルセリア。
二人は人間と魔族の末長き和平の証として夫婦となり、末長く幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
カルチャーショックに戸惑う事も多々あるけれど、嫁がかわいいので問題無し!
どのくらいかわいいかって?
仕方がない、そんなに聞きたいならお話ししましょう。
自慢っぽくなっちゃいますけど大丈夫ですか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 09:15:47
45468文字
会話率:37%
恋ではないけれど。
桜の季節の淡い思い出。
高校時代の苦い経験を忘れられない清水は、大学入学直前、駅前のバス停で見知らぬ女に道案内を頼まれる。断ろうとすると、
「ーー何か後ろめたいことでもあるの?」
と言われて、つい道案内を引き受けてしまう
。
恋愛未満とも言い難い、春のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-08 17:50:00
14687文字
会話率:37%
うだる暑さのフィリピン・セブ島。語学留学のために訪れたその街で、僕の短くも退屈な生活が始まる。
どうしようも無く性格の合わないルームメート、故郷から逃げるようにセブ島へやってきた中国人のシユ、後ろめたい過去を持つベトナム人のロン。留学生の彼
らはそれぞれに目的を抱え、それぞれの孤独を背負っていた。
常夏の熱気に侵された僕は、ある"手紙"によって自分の内面を見つめ直す。
果たしてその"手紙"が暗示するものとはーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-13 16:15:37
19150文字
会話率:19%
「来るべき戦争に、備えろ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
暗い過去を持つジョーは戦闘を教える学校「ヘムノース戦術学校」の先生。
彼は戦場で家族の亡骸にすがる少女ミリーを匿
う。やがて彼女を戦術学校に推薦した彼は、ミリーの明るさ、ひたむきさに凍てついた過去のトラウマ、今の敵、そして学校内で巻き起こる陰謀と争乱と向き合っていくことになる。
一方、ジョーを敵対視する戦術学校の生徒カッターは、模擬戦で自分の配下を打ち負かしたミリーに興味を持ち、動く。
後ろめたい過去を持つ三人の行く末は……。
『ハリー・ポッター』でワクワクしたあなたへ。『パルプ・フィクション』、『メメント』の複雑さに唸ったあなたへ。『007』のクールなガジェットで笑ったあなたへ。
これは廃れた世界で希望を探す者たちのアドベンチャー・スリラー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-26 14:07:57
5972文字
会話率:32%
「あのー、すみませーん」
「はい?」
「週刊吉報の者なんですけど。伊原さんですよね?」
と、夕方。街中で声をかけられたおれは一瞬、戸惑った。どうやらこの週刊誌記者らしき男はおれを伊原という男と勘違いしているらしい。おれは伊原なんて男
は知らないが、おそらく芸能タレントだろう。これは面白い。おれが「ああ、はい……」と訝しがるように返事をしてやると記者はどこかホッとしたような表情をし、またすぐに顔を引き締め、言った。
「今、話題のあの件なんですけどー」
どうもこの口調からして、伊原はなにかやらかしたようだ。おれはその話すら知らないが、目の前のこの記者のことはわかる。この記者は自分の立場が強いと思っており、嗜虐心がくすぐられているのだろう、少しニヤついていた。
だが、おれは伊原なる男ではない。後ろめたいことなどないのだ。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-05-01 17:00:00
2604文字
会話率:42%
美しい妹エミリーに陥れられ、王太子の婚約者までも奪われそうになる真面目な姉ミレッタ。ついに王太子から婚約破棄を言い渡されるが、後ろめたいことなどしていない彼女は堂々と対峙をする。
というテンプレ展開ですが、妹に陥れられる姉は本当に王太子妃に
なれるのか?というところから派生していく話です。妹ざまぁはありません。
10時ごろ更新、全7話の予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-21 10:10:00
46223文字
会話率:31%
目の前で聖女の両手が焼かれている。
天使により奇跡を授かった聖女は、戦争の道具となることを拒否したからだ。
ただ見ているだけだった俺は、更に聖女を穢したい嬢様の命令で聖女を抱いた。
両の手は焼け落ち、その身を穢された聖女は、虚ろな瞳で、俺
を見つめる。
教会に売られ帰る所もない聖女を見捨てる事ができない俺は、家に連れて帰った。
次第に元々の明るさを取り戻す聖女。
そんな聖女を、俺は申し訳ないような、後ろめたいような気持ちで見つめていた。
そんなある日、聖女が姿を消した。
聖女を探す俺は、森の中で聖女を連れた堕天使と悪魔に出会う。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-15 12:17:33
100641文字
会話率:30%
殺し屋として育てられた少女と、少年の物語。少年は過去のある後ろめたい出来事から少女を避けるようになるが、少女の歩み寄りによりどんどん中も深まっていく。また、最初は両親の死によって失われていた感情も、彼との出会いによって取り戻されていく。し
かし、ある日、彼女は殺し屋としてミスを犯してしまい、ある罰が降ることとなる。『少女が少年を殺し生きるか、少女が死ぬか。』
これは少女が少年と出会い、死ぬまでの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-31 19:20:14
26240文字
会話率:54%
山賊一家の令嬢は、平民になった。
最終更新:2023-10-14 23:00:00
251文字
会話率:0%
主人公は、後ろめたい記憶があった。それは、好きだった女の子と諸事情により、離れ離れになってしまったという記憶である。やがて、時も過ぎた頃、主人公は別の彼女と共に、幸せに暮らしていた。
だが、偶然花屋でその好きだった女の子と再会する。一体
恋の行方はどこへ向かうのか。相思相愛のラブコメディ!。
※この作品は三部作を一つにまとめたものです。なので、少し違和感があっても、最後に全て解決します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-24 19:00:00
3256文字
会話率:16%
旦那の優斗を交差点の事故で亡くした日から四十九日を迎えた日。主人公を庇って死んだ旦那の家族に対して、主人公は後ろめたい気持ちを抱いていた。ならばいっそのこと、主人公は旦那の後を追って死のうと、その交差点までの帰り道を急いでいた。しかし、い
くら走っても、あの交差点に辿り着けない。仕方なく道を変え自宅側から交差点を目指すが、四十九日のために主人公宅を訪ねてきた旦那の両親に出会い、亡くなった交差点まで一緒に行くことになってしまう。事故のあった交差点で旦那の家族と手を合わせていると、主人公は亡くなったはずの旦那を目撃し、旦那の元へ行こうと手を伸ばす。しかし、旦那の母の言葉に救われ、亡き旦那との感動の別れを悟る。
数日後、主人公があの日、交差点へなかなか辿り着けなかったループ現象については、あれ以来起こることはなく、旦那が主人公を自殺をさせないために引き起こした怪奇現象だったのではないかと思うようになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-20 17:47:23
2502文字
会話率:10%
いじめの加害者、殺人犯の娘、悪徳宗教の二世信者。
それぞれ後ろめたい事情を持つ者が出会った先にあるものは
幸せか不幸せか。
最終更新:2023-07-03 02:51:40
27340文字
会話率:60%
中学2年の終わり、いずみちゃんは陸上部をやめた。それをきっかけに知り合った男子と一緒に始める自分探しの日常。
ちょっと自意識過剰な女の子の嘘と打算を散りばめた後ろめたい青春というか黒歴史。そんなありふれた誰もが一度は経験したストーリー。
最終更新:2021-12-12 18:54:10
109908文字
会話率:30%
恋人の美由(26)を亡くした吉葉(32)は、函館に別荘を宿泊所として経営している元浮気相手・北見ヤエ(34)に誘われ函館にやってくる。吉葉は、函館に降り立ってすぐ、ヤエに紹介された漁師兼霊能者のさつき(20)に会いに漁港へと向かう。しかし、
半信半疑の吉葉はさつきに対して『可愛い』という感情すら抱き適当にあしらって、ヤエの別荘へと向かう。そこでヤエに一緒に暮らそうと言われる吉葉。美由の霊は吉葉についてきており、二人が結ばれることを見届けて成仏する予定であったが、良い雰囲気になってきた二人を見ていられず、放蕩する。一方、霊能者の仕事に疲弊するさつきは父・藤堂(54)にその思いを打ち明ける。
次の日、函館公園へとドライブに向かう吉葉とヤエ。後をついていく美由。函館公園の観覧車でヤエは吉葉のポケットから指輪ケースを取り出し、「これ私に?」と迫る。逡巡する吉葉は、美由に捧げるものだと言い、ヤエは指輪ケースを投げ捨ててしまう。吉葉は無免許のままヤエの車を走らせ、魚市場で作業途中のさつきの元に駆けつける。さつきに会った吉葉は美由に言葉を届けて欲しいと言うが、再びさつきの事を『可愛い』と思う。それを見抜いて呆れたさつきは、霊能者の仕事への疲弊も相まって、吉葉にキスをし「私はインチキだ」と言い放ってしまう。インチキと知って後ろめたい事など何も無いように振る舞う吉葉はヤエとの関係を深めていく。一方、事は終わったと漁に励むさつきの元に再び訪れた美由は、さつきが吉葉にとって三番目の女になってしまっていることを告げる。
次の日、帰りの飛行機へと向かう吉葉とそれを見送りについてきたヤエの元に、さつきと美由が現れる。もめる内に吉葉は飛行機を逃してしまう。
その後ヤエの別荘に戻り、吉葉の美由への思いを再確認し、仮の婚約式を執り行うが―
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2021-04-16 18:53:45
18989文字
会話率:59%
繊維会社の営業職を務める新入社員の江南まどか(23)は、自己主張が少なく周りに合わせる性格が故に、会社の先輩でもある向井智里(25)によって誘われた乗り気のしない合コンに断れずに参加する。上手く楽しめずに悶々とする中、そこで出会った雑誌のス
カウトマン今井慎太郎(29)に気に入られ、後にスカウトされる事になる。
まどかの二階建ての実家は一階で喫茶店を営んでおり、二階で緑内障を発症し視力を失った母・江南美佐子(51)と二人暮らしをしている。客足の少ない喫茶店は、平日はアルバイトと美佐子で、土曜日はまどかと美佐子で店を回していた。ある土曜日の日、突然客として来店した今井は美佐子のいる目の前で「モデルにならないか」と真っ直ぐまどかに伝える。しかし、美佐子のいる前で遠慮なく言葉を発する今井に腹立たしさと不信感を感じたまどかは抵抗を示す。そして元々モデルの仕事の興味があったが為に、美佐子が冗談ながらまどかに投げつける言葉もまどかを傷つけ、まどかは自分の心の闇へと吸い込まれそうになる。
毎日のように社内食堂でまどかと食事を済ます智里はまどかの冴えない様子を見て「思っている事は言葉にしないと誰も分かってくれない」と冗談を交えながら伝える。智里なりにまどかの為を思ってわざわざ土曜日に遊びに誘う。
そして何度もまどかの前に姿を現す今井。土曜日にオーディションがあるから来てほしいという。二人の言葉や行動により徐々に自分の思いと向き合い始めるまどかであったが、そうすればそうするほど母である美佐子が足枷になるように思えて仕方がなくなる。そして、金曜日の夜、大切にしていた美容雑誌を美佐子に捨てられた事によりまどかの感情が爆発し、衝動的に家を飛び出す。ネットカフェで一夜を過ごすと、智里に提示された待ち合わせ場所へと向かう。そうして勢いのまま智里に自分の思いを伝えるとすぐに今井の方へ向かうのであった。
しかし、オーディションの結果は不合格。面接官の「君の目はまだ決意が足りない。後ろめたい気持ちはないか」という言葉によってようやく心の闇を抜け出したまどかは「本当の自分の思い」を大切にする道を選ぶ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-09 23:04:08
8724文字
会話率:44%
元化25年皐月の候。
1人の年若い特命遊撃士が、国鉄京都駅に降り立った。
絶好の行楽日和に不釣り合いな、何とも浮かない表情を浮かべて…
彼女の名は、生駒英里奈。
防人の乙女である英里奈を憂鬱にさせているのは、二条城を会場にした茶席
と、それへの参加を要請してきた双子の妹・生駒美里亜との久々の対面であった。
養子先である嵐山の分家で大切に育てられ、強気で堂々たる自信家に成長した妹に、内気で気弱な姉・英里奈は、後ろめたい気後れを感じていた。
真逆の成長過程を辿ってしまった双子の姉妹に、此度の再会は如何なる意味を持つのだろうか?
(※ 未成年者の飲酒シーンが登場しますが、当作品は現実の未成年の飲酒を推奨した物ではありません。当作品はフィクションであり、現実とは別の歴史を辿り、現実とは異なる法律が施行された日本が舞台です。フィクションと現実を分けて考えて下さい。また、本作は第3話「堺電気館のスクリーンに誓え!」のエピソードと同じ日に、生駒英里奈ちゃんサイドで起きた出来事を描いたエピソードです。)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-07 07:54:04
23261文字
会話率:24%
【予告編】
午前中といえば、お馴染みの……
ちょっと後ろめたい現場。
目撃された彼女の反応は――?
銘尾 友朗様【笑顔でいこう企画】参加作品
最終更新:2020-03-07 21:00:00
301文字
会話率:84%
株板で一人遊んでいた女の子がいなくなった。ノムーラはおまえのせいだと罵られ、後ろめたい思いを振り払うためもあって探しに行く。モルーカスとともに乗り込んだのは樹海行きのバスである。樹海は、株で失敗した者が最後に行き着く場所と言われ、女の子の父
親、株オヤジがここに来たはずだと探索する。途中で吊されそうになりながら、たどり着いた先は、この世ならぬ場所だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-26 02:43:38
17962文字
会話率:86%
平成26年の夏、《僕》が勤める銀行が強盗に襲われた。
その日をきっかけに出会った二人の友人に翻弄される《僕》の、
後ろめたい夏を綴った独白。
※一部実在の人物についての記載あり
最終更新:2018-05-05 20:09:28
77519文字
会話率:31%
AV女優の星宮アイルは昔からグラビアアイドルになることが夢だった。しかしせっかくAV女優になれたのに給与の少なさやなかなか活躍できない自分に現実を思い知らされ疲れていた。そんなとき、小学生くらいの女の子の幻影を追いかけ、事務所の社長の藤沢の
デスクで、異様なものを見つけてしまう。アイルは後ろめたいと思いながらもそれを持ち帰り、そこで思いも寄らぬ光景を見てしまうのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-10 16:11:46
5614文字
会話率:31%
私立海西世田谷高校へと入学した春先聖(はるさき あきら)は高校二年生に上がる春休みの前、ある出来事が鮮明に彼の脳内で再生されるのだった。実は、海世田(略称)では古くから伝えられてきた言い伝えがあったのだ。それは、「夢見る過去回想(パストリア
リティ)」という能力だった。過去の後ろめたい出来事が夢になって鮮明に蘇ってくると共にそれと似た出来事が現実に起こるというなんともデタラメじみた事だった。
しかし、そんなデタラメじみた出来事に遭遇することになってしまった聖はトリガーであろうと思われるある少女と懐かしの区民会館で出会ってしまうのだった。何処と無く懐かしく、音楽が大好きだった「彼女」に似ていた。それから春休みの間、二人は出会うことは一度も無かった。春休みが明け、聖が学校に登校すると少女の姿が。そして、再び再開を果した二人。そんな中、少女は突然こんな事を言った。「あなたの世界の音色は何ですか?」と。
昔、「彼女」が初めて聖に放った言葉と完全に一致していた。そんな彼女と少女が放った懐かしい言葉をきっかけに、過去に未練を置き去りにしてきた春先聖は昔とは違った形でも良い。もう後悔をしたくはないとそんな気持ちを抱きながら彼女と周りの人を巻き込みながら違った形(アニメの世界)の頂点を目指す。
自分の世界の音色を知りたい天才電波少女と自分の世界の音色を探している少年。自分のコンプレックスに抗い続ける少年少女達の笑いあり?涙あり?恋愛あり?ハプニングあり?超常現象あり?そんな物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-30 15:31:59
7668文字
会話率:36%