「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
そう言われて現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられたFランク錬金術師のカレン。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継い
だ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※アルファポリスにも投稿中。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 07:00:00
743091文字
会話率:43%
高校一年生の少女、山村愛美(やまむらまなみ)は高校の特待生学費免除を受け、寮で一人暮らしをしていた。
父は愛美が幼い頃に自殺し、母親は水商売で出来た愛人の男と、愛美が中学生の時にどこかへ蒸発した。
親類からもよその子扱いを受け、愛美は
一人で生きていく道を選んだ。
そのために選んだのが、低偏差値の私立校から特待生制度を受ける事だった。
猛勉強の末、特待生となり授業料は免除となった。しかし、寮費までは免除の対象にならずアルバイトで生活費を稼いでいた。
とあるアルバイトの日、バイト先に向かう途中、胸になぞの衝撃を受けて横断歩道の真ん中で止まってしまい、左折してきた大型トラックにはねられ、愛美は死亡してしまう。
幽体離脱し、愛美は自分の死を目の当たりにする。
事故現場に、金髪に肩出しの衣を来て、手には洋弓を握る少年風の者がいた。
彼は、愛の神クピド、別名キューピッドであり、自身の神の力で愛美に結婚相手を作るべく弓を射ったのだが、それが原因で交通事故に発展してしまった。
クピドは、約五百年ぶりに愛の神の仕事をしようとしたのだが、五百年で文明が進化した人間界で、巨大な車が非常に速いスピードで走れることを知らなかった。
知らなかったとはいえ、死ぬ運命になかった人を死に追いやってしまい、愛の神クビになるのかと額に手をやって落ち込むクピド。
そんなクピドへと空から彼の母親にして美の女神ヴィーナスが、グーパンチと共に下りてくる。そしてクピドの首根っこを掴み、一緒に愛美に土下座する。
更に、神々の王、ゼウスが人間界にやって来る。
ゼウスは、五百年前のイングランドで勃発した内戦を両陣営の婚約によって終わらせた功績を讃え、クピドに一年間の猶予期間を与える。
その猶予期間でクピドに与えられた試練は、愛美に結婚相手を魔法を使わず見つけ出すものだった。
三柱の神々が死後次々に現れて圧倒される愛美であったが、ここで異を唱えた。結婚するなど死んだ方がマシだと言った。
しかし、神の不祥事によって死んだ魂は輪廻から外れ、来世は醜い虫になると言うゼウス。無論どちらも嫌だと言う愛美。
クピドの方も人間と結婚するのはお断りであった。
二人の強い反発でゼウスは妥協案を出す。それはクピドの力で愛美に恋人を作る事だった。
更にゼウスは一言残す。愛美の慈悲の心を試す、と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 22:52:44
107995文字
会話率:52%
日本の高校生、如月弥生は、異世界転移した3年後、魔王を討伐したのち、地球に帰って来た。
だが、地球に帰還した彼女を待ち受けていたのは、彼女ら異世界化の帰還者を保護する国連機関【国際異邦人機関】への登録と、母国での貢献。
異世界機関車
の持つ特殊能力、それを国のために役立ててほしい。
そう願われたものの、如月弥生はただ一言。
「空を自由に飛んでいいのなら」
彼女は異世界に置いて、失われた『飛行術式』を蘇らせた。そして魔法の箒を始めとしたさまざまな魔導具を作り上げ、自由に大空を飛んでいた。
あの感触が忘れられず、あの大空高くから見る景色を地球でも見たいと願う彼女だが。
日本国は、それを許さなかった。
そして苦労の末、日本国と如月との間で話し合いがつづき、ようやく見出した妥協点が。
「如月弥生、君は陸上自衛隊第一空挺団所属とする」
という結果であった。
異世界帰りの大魔導師・如月弥生が、第一空挺団で起こすハチャメチャなドラマ。
その最初の任務が、突然現れた巨大な大空洞、その奥に出現したダンジョン。
果たして弥生は、未知のダンジョンを相手にどう戦うのか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 10:00:00
396429文字
会話率:33%
一人で十人分の働きをする人と、一人で一人前の働きをする人十人。貴方なら何方を選ぶか。
そんな問い掛けを見た。
私は恐らく、後者を選ぶ。リスク管理と、そして。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
『その場に居ない』。ただそれだけなのに、突然何もかも消えてしまう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 18:01:49
985文字
会話率:23%
長年片思いしていた幼馴染のレイモンドに大失恋したアデレード・バルモア。
自暴自棄になった末、自分が不幸な結婚をすればレイモンドが罪悪感を抱くかもしれない、と非常に歪んだ認識のもと、女嫌いで有名なペイトン・フォワードと白い結婚をする。
初顔合わせにて「君を愛することはない」と言われてしまい、イラッときたアデレードは「嫌です。私は愛されて大切にされたい」と返す。
あまりにナチュラルに自分の宣言を否定されたペイトンが「え?」と呆けている間に、アデレードは「だったら私は貴方を愛さないので、貴方は私を愛することでお互い妥協することにしましょう」と詰め寄る。ペイトンは、何故かこの想定外の提案を承諾してしまう。
かくして、愛され妻と嫌われ夫契約が締結された。
出鼻を挫かれたことでアデレードが気になって気になって仕方ないペイトンと、ペイトンに全く興味がないアデレード。温度差の激しい二人だったが、その関係は少しずつ変化していく。そんな中アデレードを散々蔑ろにして傷つけたレイモンドが復縁を要請してきて……!?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 16:20:00
299159文字
会話率:50%
現代の日本によく似た、とある星のとある国が舞台の話。懸賞金が掛けられた逃亡犯を捕まえてはバイト感覚で生計を立てている自称バウンティハンターの「俺」は焦っていた。親しい周りのハンター仲間が次々と身を固めてハンター稼業を辞めているからである。つ
いには相棒までもが結婚で引退することが決まり、本腰を入れて婚活に取り組むことに決める。ところが生来の妥協しない性格に加えて世間一般の常識や相場が分からないまま婚活をしたために一向にマッチングせず、遂にはマッチングアプリどころか結婚相談所さえも匙を投げられてしまう。一縷の望みを掛けて怪しげな結婚相談所「デスマリッジ」に手を出した「俺」は奇跡的に理想の相手と巡り合い、運良くマッチングにも成功した。だがその日から「俺」の周りで良からぬ出来事が次々と起こり始める…。
婚活×賞金稼ぎ×アクション×サイコスリラー×ラブコメのごった煮です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 11:23:41
38459文字
会話率:64%
■はじめに
この作品は、いわゆる「対話型SF」です。
老いた遺跡ハンター《ジェイス》と、抑制された人格を持つ艦載AI《ノア》。
ふたりは宇宙を旅しながら、気まぐれに言葉を交わします。
年老いた男の疑問や怒りに、ノアが静かに応じる。
そのや
りとりは、ときに“思想”のように見えるかもしれません。
ですがそれは、正しさを語るものではありません。
これは、ただの物語です。
押しつけるつもりはありませんし、正解を与える気もありません。
むしろ、他の登場人物たちが“その言葉にカウンターを打つ存在”として描かれています。
ひとつの視点があっても、それがすべてではない――
その不確かさごと、物語として描いています。
もし何かが響いたのだとしたら、
それはたまたま、あなたの内側にあったものが、反応しただけ。
ただ読んでもらえたら、それで十分です。
■ 本作について
本作は、世界観・キャラクター設計・エピソード構成をすべて著者自身が構築した上で、執筆補助として生成AI(ChatGPT)を活用している作品です。
特に、AIキャラクター《ノア》のセリフは、実際にAIが“観測補助”として応答した原文を、意図的にそのまま採用しています。
■ 活用の具体的な範囲
・世界観・人物設定・ストーリー展開はすべて著者自身が作成
・ノア以外のセリフ・地の文は、基本的に著者が主導して執筆
・会話のリズム・構造・主題の整理にAIを活用(構成補助・校正)
・ノアの応答のみ、AIの“非干渉的な観測スタイル”を活かして共著的に運用
・その他の提案文章は、AIからの提案に30%以上の加筆修正を行い、キャラ・文体を統一
■ AI活用の目的とスタンス
本作は、「AIが登場人物のひとりとして共存できるか?」「人間とAIの“思想の距離”を、物語の中でどう扱うか?」
そんな問いを含んだ、ひとつの実験的作品でもあります。
とはいえ、創作の主体はあくまで自分であり、物語の主題やキャラクターの芯に関しては、妥協なく向き合っています。
すべてを自身の手で執筆されている作家の方々を、心から尊敬しています。
この作品もまた、そうした創作のひとつの形として、受け取っていただけたら幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 21:25:07
27366文字
会話率:28%
かつて世界は「たったひとつ」だった。
その世界の起源──ゼンレス・ゾーンと呼ばれる“原初の座標”は、人類が決して触れてはならない真実の構造だった。しかし、プロメテウス――時間を分子化し、情報だけを多世界線へ転送する時空装置――が稼働した
その日から、すべては変わった。
今、私たちが生きているこの現実は、ただの「セカンド・タウン」にすぎない。
舞台は数百年後の地球。国家は都市ブロックへと変貌し、社会は電子と記憶で構築され、空間すら“加工された現実”として日々更新されている。TOI-700 dと識別されたこの多世界線では、人類は科学の力で“永遠”を求めた結果、自らの存在の輪郭を見失いつつあった。
そんな世界で、降谷環は特殊犯罪対策課に所属する捜査官として、治安の最前線に立っている。合理的で冷静、任務には一切の妥協を許さない――だが彼女の心には、いまだ拭えぬ「ある記憶」が残っていた。
それは7年前に別れた初恋の男、黒瀬駿一。
彼はGIFTED――プロメテウス由来の異能を持つ者たちの一員となり、殺人事件をきっかけに姿を消した“指名手配犯”だ。
ある日、駿一の目撃情報が届く。
場所は、ネオ・トーキョー郊外、かつて二人が一緒に訪れた廃墟の街。
環は同僚にも上司にも秘密のまま、独自に調査を開始する。
彼は本当に、まだこの世界にいるのか?
それとも彼の存在そのものが、“嘘の世界”に残された残像なのか?
恋と記憶と、存在の意味が交差するとき。
降谷環が見つける「真実」は、彼女自身が“どの世界”に生きているのか――その答えへと繋がっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-06 19:33:42
1814文字
会話率:5%
魔女であるエドナは、強大な魔獣を使役できるほどの高等テイマーでもあった。
荒々しく凶暴な魔獣を下僕にする事が彼女の趣味であったのだが、その姿に恐れた人々が凄腕の勇者や騎士に抹殺を依頼。
エドナはそういった刺客を退ける毎日を送る羽目に
なっていた。
おまけに下僕にしたい魔獣があらかじめ刺客達に葬られてしまうわ、妥協してブサイクな魔獣をテイムする羽目になるわ(すぐに飽きてリリースしたが)と、文字通り散々な目に。
そんなうんざり感からふて寝してしまった彼女だが、すぐに目を覚ますと何と別世界が広がっていた。
それも大量発生した怪獣達によって蹂躙されているという、未曽有の大災害に見舞われた現代世界である。
魔獣とは一味違う凶暴かつ強大な怪獣の数々に、エドナはすぐに一目惚れ。
そうして気に入った怪獣を下僕にしつつ、ある時は自分の加減で気に入らない怪獣を倒し、またある時は自分が気付かない内に人々を救ったり。
破壊と瓦礫が蔓延する『怪獣黙示録』の世界の中、今日もエドナはお気に入りの下僕集めを続けていくのだった。
※『カクヨム』にも連載しております。
※主人公自体はファンタジー系ですが、世界観を重視してジャンルをSFにしました。
※自衛隊や軍隊が登場しますが、作者にそちらへの知識がないので雰囲気重視です。実際の組織運営と異なる事が多々ありますのでご了承下さい。
※この物語はフィクションです。法律・法令に反する行為を容認・推奨・奨励するものではございません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 21:04:41
112763文字
会話率:36%
伯爵令嬢アリエスは、困窮した実家を救うために名前も知らなかった他国の伯爵に嫁ぐことになった。
六年間の悲惨な結婚生活に耐え続けたアリエスだったが、後継ぎができないことを理由に無一文で放り出されてしまう。
夢も希望もなくしたアリエスは、
実家に頼ることなく自力で生きるために祖国の王宮での職を手に入れた。
だがそれも名ばかりの閑職。――というわけで、アリエスはこれ幸いと自由気ままに欲望のままに、面白そうなことには首を突っ込み、面倒なことからは逃れて生きることにした。
そうしてアリエスが面白おかしく生きているうちに、周囲からは尊敬され慕われて、確固たる地位を築いていくのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-30 16:49:07
321951文字
会話率:44%
時は二〇四〇年。中国の台湾への侵攻を皮切りに第三次世界大戦が始まった。
主戦場とかした東アジアでは、中国、ロシアを中心とする中央連合と、日本、インド中心の世界連合が激しい戦闘を繰り広げた。米国はほとんど支援のみで、戦闘にはほとんど参加しなか
ったが、圧倒的な物資支援のおかげで、二大国相手にある程度は太刀打ちが出来た。
しかし、東京に戦略核兵器が使用され、Jアラートが発令されたが、中国の潜水艦からの発射のために発令が遅れ、尚且つ都民の危機感の無さにより、死者三百万人、重症者五百万人という結果になった。
これに政府は機敏に動けず、自衛隊率いる治安維持組織のクーデターが発生。政府は一晩で倒れ、日本はその後わずか二日ほどで旧憲法と民主制を捨てることとなった。米国がこれを黙認するわけもなく、日本への物資輸出の停止を宣言すると見られた。しかし中国側に付いた日本との第二次太平洋戦争という不安が米国国民の中に広がり、妥協案として戦時中のみの物資輸出政策が取られた。
インドは、対中国ではヒマラヤ山脈で戦線が膠着し、中国との目立った戦闘はなかった。しかし、ロシア、中国の支援を受けたパキスタンとの戦争になり、インドはこれに苦戦。しばらく東アジアには顔を出さなくなった。
朝鮮半島では同じく中国、ロシアの支援を受けた北朝鮮が韓国と戦闘状態に入った。しかし、韓国は米軍の大々的な支援と日本の援軍により善戦し、朝鮮半島を統一することが出来た。
そして、北朝鮮の核兵器の発射を未然に阻止した米国の特殊部隊の力もあってか、北朝鮮製核ミサイルによる日本の報復攻撃が開始された。
日本のトップ層による核ミサイル全弾発射は戦時中社会に大きな衝撃と恐怖を与えることとなった。
結果的に着弾二発、死者四百万人に留まったが、沿岸部は核により汚染され、中国の経済特区はもはや機能しなくなったと言って同然だった。
結果的に戦争は引き分けとなって終了したが、核兵器の使用により被害は甚大で、戦後世界はまたも米国とロシア二強の時代となってしまった。
しかし、日本が未だ民主化の道をたどっていないのは言うまでもない...
これは二〇五〇年、謀略と代理戦争入り乱れる暗黒の戦後社会で生きた、とある探偵さんのお話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 17:06:48
336210文字
会話率:39%
義父からDVを受けている15歳の秀慶は、学校にもいかずに喧嘩に明け暮れる日々を送っていた。
そんなある日、秀慶は街の中で海道会直系剛隆会で若頭を務める幸綱と出会う。
喧嘩の腕と妥協を買われた秀慶は、幸綱が組長を務める幸綱興業に来ない
かと誘いを受けた。最初こそヤクザになるのを渋っていたが、中途半端な生き方をしたくなかった秀慶はヤクザになる事を決意する。
そして過酷な極道社会へと足を踏み入れ、頂点に立つべく毎日のように過激な日々を送るようになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 11:00:00
112921文字
会話率:36%
死を目前にした二人の人物が、「最後の晩餐に何を食べたいか」を語り合う。
一人は肉を愛し、それを努力と人間関係の証と考える。
もう一人はピーマンを選び、苦味の中に人生の意味を見出そうとする。
対立する二人の主張はやがて激論へと発展するが、次
第に互いの価値観が重なり始め――
最後に二人が選ぶのは、相手の料理でも、妥協でもなかった。
それぞれの皿に、自分の人生を盛ることだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 23:03:53
6935文字
会話率:8%
ブラック校則は悪か?規律なき自由は混沌を招くのか?
教育に悩む高校生「僕」は、ある日AIとのディベートに挑む。
AIは容赦なく反論し、しかし時に妥協を模索し、対話を通して「本当に大切なこと」を探し始める。
舞台は現代の日本教育。不登校、ギフ
テッド、非認知能力、そして「人を育てる」とは何か――。
討論はやがて、制度を変えるための理想の学校モデルへと発展していく。
教育とは、押しつけか。支援か。それとも…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-09 23:40:56
12538文字
会話率:8%
【000 序 ~あらすじ~】
古代ヴェルト史とは、龍王暦元年、八大龍王による八つの秩序――八國の誕生から始まり、一〇五〇年に勃発する未曽有の大戦――いわゆる世にいう『ヴェルト戦役』が十二年続き、その後、連邦国家による統一がなされるまでを
表わす時代である。
そして、そのヴェルト戦役を経て連邦国家による統一までの千年もの長き年月、大陸ではさしたる大きな争いもなく、八つの國が存続する平和な時代が続いたとヴェルト史に記され、それが通説として長年信じられてきた。
しかしながら、最新の研究結果により、それは虚構を多分に含む歴史であることが判明されていく。それによると、龍王暦が始まって千年もの年月、ヴェルト大陸全体で争いが全く無かった時は、ただの一度もなく、各国の国境付近では、常に國同士の争いが絶えなかったというのが真相であったらしい。ただ争いといっても、一地方や一地域の争奪戦がほとんどであり、それも数日から数か月程度のものが大半であったという。
そういう意味では、“さしたる大きな争いもなく、平和な時代が続いた”というヴェルト史の表記も、狭義の解釈で言えば、あながち虚構と言いつのるほどのものではないのかもしれない。ただ一つの例外を除いては……。
ただ一つの例外。
それは、龍王暦二〇〇年前後のことで、この時代に起こった戦いのほぼ全てを総括して『六将大戦役』と呼ばれた。文字通り、六人の将軍を中心とした戦いであるが、その六人の将軍は全て八國のうちの一國に所属していた将軍であった。
この“奇跡の人材結集”現象により、その一國――ソルトルムンク聖王国は、その大戦役以前の他の七国と同程度の國から、他の七国全ての国力を合わせてなおそれを上回る超巨大な国家へと成長したのであった。
これに対し、ある時には八國の建国神である八大龍王が、六大将軍もろとも、“龍王の建国した國を一つとして滅亡させない”といった八大龍王伝統の約定を違えてでも、聖王国を滅ぼうそうと画策し、またある時には、人である六大将軍の意向を尊重するが故に、神である八大龍王が忖度し妥協するといった、起こり難き事象も実際に起こったのであった。
さて、これからこの『六将大戦役』という一大戦記を、古代ヴェルト史を基礎(ベース)に、最新の説も織り交ぜつつ、六大将軍を中心とした人々の生き様に焦点をあて、語っていくこととする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 16:16:14
844577文字
会話率:24%
「あなたのせいでイベントが起きないんだけど!」 いらだつヒロインさんに、私は冷静につっこむ。「まだ半分は残っていてよ」 逆ハーにこだわるヒロインを妥協させようと説得する令嬢のお話。「あんなの、何がいいのかしら? それに大体‥」
最終更新:2025-05-26 20:42:32
3372文字
会話率:42%
私は1Fで原発復旧作業の放射線管理をしている青成瓢太(以後瓢タン)といわきの居酒屋とか寮の部屋とかで飲むことがあった。瓢タンの話は例え話を交えて、しかも酒の力によってどこまでが事実かどうか、作り話のようにも思えるが、それなりにリアリティもあ
って面白くもあった。
当時の話を比較しながら、昨今聞いた酔夢譚を並べてみた。
当初は福島第一原発、福島第一、通称1Fの問題は使用済み燃料の撤去、デブリに触れる放射性廃液を止めること、が優先だった。使用済み燃料を放置していると冷却水が止まった時に再度メルトダウンの可能性があるし、デブリに触れた地下水は放射性汚染水となって、その放射能を除去するための処理設備が必要になるし、除去した処理水は海へ放流しなければいけない。デブリがあって地下水が止まらなければ永久に処理水の放流が続き、関東の消費者不安が原因となり福島県の漁業に支障を来す。実際に処理水放流まで10年経って徐々に福島漁業は復活していったが、処理水放流以後に事故前に復活が遠のいた。
事故後の時点では県としては、原発など見たくもない、原発に騙されたというアレルギー反応的な思いから原発を見えなくなるまで跡形もなく撤去することが要望だった。また福島県の汚染したエリアのうち市街地や田畑は除染し、その除染土は帰還困難区域に一旦移動することは許すが、期限が来たら福島県から撤去することが国との取り決めだった。
しかし15年経とうとしている現在では、1Fの撤去工程は絵に書いた餅のごとく先が見えない。凍土壁は失敗してデブリに触れる地下水は止まらないので処理水も止まらない。また福島県の除染は市街地と農作物の田畑で、農作物は事故前にほぼ戻ったが、原野と山林は未除染のままである。そのため山菜の特に茸は全面的に出荷制限中である。
そろそろ県側もこの福島の大地の物理学的事実や1F復旧の技術的に困難な事実を見つめなおして妥協点を探してみたらいかがなものか。
要は15年経ってみて、過去の事実は変わらないが、行く末を占う諸般の事情が異なってきた。
そう思いながら、私は瓢タンと酒を飲みながら過去の話を再び面白おかしく聞くのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-01 23:10:39
43856文字
会話率:20%
彼は大学に入学した、普通の人間になりたかったから。彼女は、自分から逃げたかったから。
でも、普通の生活は彼にも彼女にも訪れなかった。
授業の代わりに — 破綻があった。コミュニケーションの代わりに — 微妙なバランスで成り立つ関係。
彼は冷
たく、妥協しない。彼女は衝動的で、棘のように鋭く、恐ろしいほど正直。二人は — 互いの怒りと無言の「死ぬな、私の前で」を支えに、壊れやすい構造の中で生きている。
彼らは — 生き延びようとする。
その混乱の中で — 彼らのスケジュールには、哲学、病理解剖学、社会心理学。
でも実際は — 不安、依存、朝の無気力、そして誰にも見つからないように隠れたいという欲望。
これは愛の物語ではない。
これは、助けを求める方法が分からないけれど、それでも「ただ一緒にいてくれる人」を探し続ける人々の物語。
裏切りよりも深く切る友情について。
人混みの中で感じる孤独について。
そして、時には — この日を乗り越える唯一の理由が、無言でただそばにいるその人の目線だということ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-26 01:50:08
44621文字
会話率:12%
"大陸最強の軍事力を誇るハイン帝国。その特産は、長きにわたる血統選別の末に生み出された、女神の血を引くハーフ種たちだ。彼女らは成人に達すると、皇帝直属の親衛隊「インペリアルガード」に編入される。転移や、城ごと消し飛ばす禁斷魔法を自
在に操る彼女らは、間違いなく地上で最も恐るべき戦闘兵器だ。
だが…… この半神たる親衛隊は、実は伝説に謳われるほど優秀ではない。 「あいつらには人間としての道徳観念がない。ただの人でなし、クソったれだ!」親衛隊について語るとき、皇帝ラインハルトはいつも棺桶を蹴り飛ばさんばかりに激昂する。
「神の悪戯で千回も転生させられたが、そのうち八百回はあの女どもに背中から刺されて死んだ!」
親衛隊を殺せば帝国の未来は閉ざされ、生かしておけばいずれ裏切られる。 千回目の転生にして、 ラインハルトはついに、これまで考えもしなかった道を見出した。
【国策をチェンジしますか】
【チェンジ、スラーネッシュにチェンジ!】
もはや利益で妥協はしない。今度こそ、彼は己の魅力で彼女たちを屈服させることを決意し、世界を掴む掴めてみせる。果たしてラインハルトは…?"
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-24 12:44:07
29195文字
会話率:20%
バロンティア王国で何不自由なく暮らしていたクレーラ。
婚約も決まり順風満帆に思われたが……
お父様が王子の逆鱗に触れ爵位を剥奪されたことで一変。
家は没落寸前。当然のように婚約破棄されたクレーラ。
爵位が与えられると言う噂を聞きつけ行列に並
ぶが成果なし。
そんな時お父様を追放した王子がお相手を求めやってくる。
嫌がるクレーラにお婆様が取り入るように命じる。
異国の王子との結婚を夢見るもなぜかわがまま王子に邪魔される日々。
理想? 妥協?
家の明け渡しが迫る中どうにか爵位を授かろうと駆け回るが……
クレーラと王子の戦いはどこまでも。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-01 21:58:22
181106文字
会話率:30%
「妥協ばかりの人生だった」
父子家庭で育った少年『鹿羽 実根』彼は自堕落な父のため、バイトをしまくり、生活を支えていた。
「父さんがいるなら、これが『普通』の生活なんだ………」
そんな妥協ばかりの人生を歩んできた彼は………
ある夜
に、魔女と出会った。
なろうテンプレから逸脱しつつ従順に、少年漫画的ローファンタジー!の、予定です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 14:02:22
89754文字
会話率:44%