冷たい仮面の奥に感情を隠し続ける令嬢クラリス・フォン・ローゼンブルク。
婚約を破棄され、貴族社会で悪女と囁かれる中、国王レオンハルトにより王宮へ呼び出される。
接待係として働く中で見せる誠実ぶりは、やがて周囲の見える目を変え、名誉回復への道
が開かれる。
無表情の奥に隠された繊細さに気がついたレオンハルトは次第にクラリスに惹かれはじめる。
一方、彼女を敵視していた聖女エミリアとの関係も、ある事件をきっかけに意外な絆へと変わっていく。
仮面を外した時にクラリスが手にするのは?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 21:31:33
6174文字
会話率:44%
「斎木死す、そして僕は女の子に!♂♀」
川口凛音(リオン)は静岡の日本平ダンジョンで冒険者として活動するブロンズ級の青年。尊敬するシルバー級冒険者・斎木直樹の死をきっかけにショックで引きこもるが、TS病で美少女に変身。気持ちを切り替え、ダン
ジョン配信者として再起し、斎木の妹ミリアや妹マナミとチーム「スターライト」を結成。ディメンジョン・イーターを討伐し、マジック・バッグを入手。配信を通じて仲間と共に成長し、斎木の名誉回復を目指す冒険が始まる!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 19:10:00
95564文字
会話率:46%
2018年12月。新米の女性刑事、佐倉(さくら) 悠夏(ゆうか)が配属された部署は、警視庁の"特課(とっか)"という新しい部署であった。メンバーは、ロボットの警部”鐃警(どらけい)”と2人だけ。某ドラマなどを想像し、窓際
かと思えば、さまざまな部署や地方の事件で活躍して、警察の名誉回復を目論んだ人事らしい。が、そんな目論見などお構いなしに、当の本人達は自由に活動する。東京都内や関東近郊で発生した事件や、悠夏の地元である四国の事件など、全国各地へ。
さらに、事件は小さなものから不可解なものまで様々。現実では説明できないファンタジーな事件に遭遇も。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 22:00:00
800426文字
会話率:55%
公爵令嬢リアナは、社交界デビュー直前に濡れ衣を着せられ、全てを失い紅灯区へ追放された。しかし彼女には秘密があった――前世は国家に仕えたエリート諜報員! その知識とスキルを武器に、遊郭の情報屋"花季"として生きることを決意
する。気弱な錬金術師や訳ありの情報屋を仲間に引き入れ、独自の諜報網を構築。貴族たちの汚職や不正を次々と暴き、自分を陥れた者たちへの復讐と名誉回復を誓う。「覚悟なさい? 私を舐めていたこと、必ず後悔させてあげるわ!」 没落令嬢による痛快成り上がり×ざまぁファンタジー、開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-05 09:22:39
106554文字
会話率:36%
「婚約破棄――そして王都からの永久追放」――嫉妬に狂った“白百合の聖女”ミリィの罠によって一夜にして一切を奪われた公爵令嬢リシェル。だが彼女は涙も喚きもせず、辺境の小さな村ベルミアへと足を踏み入れる。斧は折れ、鍋は焦げ付き、井戸のバケツは壊
れる──それでもリシェルは泥まみれの毎日に全力で挑む。読み書きのできない子どもたちに教鞭をとり、傷ついた村人を手当てし、魔獣から村を救ったその智略と度胸は、かつての“悪徳令嬢”の面影を覆すほど。やがて王都から名誉回復の使者が訪れるが、リシェルは真実の幸せを掴んだ心温まる暮らしを捨てることなく、新たな人生を選ぶ──ざまぁ勝利のスローライフ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-26 00:59:46
2302文字
会話率:39%
古今、巡礼は私の楽しみの一つになっております。
ただ本日は何時も以上。何せずっと楽しみにしておりました展覧会が行われるので。
少しづつでも、貴方様の汚名返上、名誉回復が行われていた事、私も大変嬉しく思います。
注意事項1
起承転結はあり
ません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
今日も、推しが、本当に、尊い。
行って良かった。勇気出して行って良かった。
もう、本当に。買ったものもう、宝物にします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 14:01:03
773文字
会話率:0%
農業立国にあって体が弱い王太子ヘンリーは、かねてから体力お化けの婚約者・伯爵令嬢イライザ・アッシャーのことが苦手だった。
だからある日、謁見の間で婚約破棄しようとしたヘンリーだったが、噛んだせいで「婚約者とこんにゃく破棄」だと誤解され、窮地
に追いやられる。
何故なら、この国の蒟蒻生産は全世界の95パーセントを占め、各国のダイエット需要に応え大金を稼ぐ基幹産業であり、国防の要の一つでもあったからだ。
そして王太子とアッシャー家で進めていた伝説の「黄金のこんにゃく」復活は国の悲願の一つでもあった。
王太子の身分を剥奪されたヘンリーは、王都を追放されることに。
共犯者と疑われたイライザもまた共に、名誉回復のため、誰もが納得する蒟蒻の新品種を育て上げなければならなくなった。
しかし実はヘンリーは大の蒟蒻嫌いで……。
「新品種は、蒟蒻らしくない蒟蒻にする。これは苦手な国民向けの言い訳と免罪符だ。あと医療費削減とお腹の健康」
「そんな。宗教改革は各方面に喧嘩を売って、物議を醸しますよ」
それでも真剣さに心打たれたイライザは一蓮托生を覚悟し手を携え……るうちに、婚約者の様子がおかしくなって?
蒟蒻嫌いで甘いものが好きな元王太子と、どちらも好きな令嬢の蒟蒻スローライフ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 12:12:21
18284文字
会話率:46%
元銀狼騎士団の騎士ゼノン・クレイヴンは、「カルナスの惨劇」で団が壊滅し、汚名を着せられ追放同然となって以来、戦商として荒廃したエルドラ大陸を旅している。彼は惨劇以降、危険や悪意、人々の感情を感じ取る謎の「視界」という能力に苦しめられていた。
ある日、焼け落ちた村で出会ったエルフの孤児リラを旅の伴侶とする中で、彼女の古代エルフ魔法と自分の能力が共鳴していることに気づく。やがて、謎の組織「黙示録」が彼らを監視・試験していることが判明。その目的は、ゼノンの中に眠る世界を揺るがす可能性を秘めた力の評価だった。
名誉回復への執着を手放し、「黙示録」の思惑に従うことを拒否したゼノンは、リラとの共鳴によって力を制御し始め、「名誉ある追放者」として自らの道を歩むことを決意する。灰燼の中から拾い上げた小さな種は、今、確かな意志を持って芽吹こうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-30 18:00:00
5046文字
会話率:37%
菊池寛が文芸春秋社を創設して成功したが、彼が若い時に描いた「忠直卿行状記」で越前福井藩2代松平忠直は精神を病みご乱行のはてに異国へ流されるひどい大名としてのレッテルが張られてしまう。越前松平家の末裔である松平慶民は宮内庁に努める高級官僚だっ
たが、調べてみると先祖である忠直が実際には領民のためにいろいろ頑張った名君であったが、家臣団の内紛に巻き込まれ乱心というレッテルを張られ、辞めさせられた不運の大名であったことを知る。そこで大成功して文壇に大きな影響力を持った菊池寛に面談し、松平忠直の名誉回復を図れるような作品の発表を依頼する。菊池はその依頼を一応聞くが、忙しさから作品作成には至らなかった。しかし菊池が何回か不思議な体験をする。その中で松平忠直が菊池に直接訴えかけてくる。悲運の名将、忠直を再評価する作品となっている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-10 09:08:16
27576文字
会話率:44%
二本松中学校で社会科を教える杉下と三田は江戸時代の授業で福井藩と松岡藩を扱う。その中で松平忠直と松平綱昌の悲劇を知り、調査することになる。調査の過程で松岡藩の菩提寺で綱昌の手紙を発見する。綱昌は発狂したとされているが、江戸幕府や福井藩の家臣
の派閥争いから謀られた無念さを示していた。その名誉回復のため生徒の研究発表を利用してマスコミに取り上げてもらい、福井藩の名誉回復を計ろうとする。大反響となって名誉が回復される。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-16 17:37:47
30463文字
会話率:19%
若くして聖人の称号を得たユリウスは、その血を残すよう散々命令されているにも関わらず、あてがわれた女に聖典の教えを説き始めるほどの枯れ系人間。そんな中、没落令嬢アリシャ・セザールに、ユリウスを誘惑し、その潔癖を克服させるという任務が下る。セザ
ール家の名誉回復のため、ユリウス様は絶対に私が堕とす! アリシャはさっそく夜這いをしかけるが……。絶対におとしたいヒロイン×絶対おちないヒーローのラブコメディです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-07 06:30:00
13251文字
会話率:51%
ここは探検者がダンジョンで得た素材で巨万の富を得ることを夢見る世界。
ファーナスは探検者の装備を作る鍛冶屋。今日も父のような鍛冶屋を目指し腕を磨く。誰も死なせないために。
いつもの日常、ある日初心者の男の子がやってきた。名前はヘルト。
この男の子もダンジョンブームの熱に浮かされた人だろう。しかし彼は他の探検者とは事情が違っており、一族の名誉回復のためにダンジョンを制覇するという。
ダンジョンに夢を見るファーナスと、華々しく命を散らそうとするヘルトとの職業系ラブストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-28 13:50:26
50654文字
会話率:56%
かつて剣術の大家だった父の名誉回復をかけて、江湖の剣客に勝負を挑んでいる青年・律九珠。
ある日、竹林の隠者・簫無唱との戦いで九珠はあっさり敗れてしまう。ところが簫無唱は九珠を弟子にすると言い、最強の剣術と新たな「剣の道」を伝授して再び江湖に
送り出す。
一方、江湖では、九珠に伝説の剣客「李玉霞」の面影を見出した者たちが動き始めていた。様々な人々と交流するうちに、九珠はかつて繁栄を極め、内乱で滅亡した名門鏢局の真相を知ることとなる。
謎、名誉、伝説、凋落。
野心と陰謀が渦巻く江湖で、最後に九珠が見出した道とは——
【おもな登場人物】
・律九珠(りつ きゅうじゅ)
青年剣客。かつての誇りを取り戻すという父親の悲願のために江湖を渡り歩き、強者たちに勝負を挑んでいたが、簫無唱との出会いで変わり始める。
・簫無唱(しょう むしょう)
竹林の中の寂寧庵を守る女の隠者。圧倒的な実力を持ち、九珠の新たな道標となる。
・律峰戒(りつ ほうかい)
九珠の父。かつて江湖でその名を轟かせたが、大一番に敗れたことで落ちぶれ、その恨みを晴らすべく九人の息子たちに家伝の「律白剣譜」を仕込んでは名だたる剣客と戦わせている。
・飛雕(ひちょう)
大英雄になりたい弓使いの少年。九珠を兄と慕い、行動を共にする。
・常秋水(じょう しゅうすい)
江湖最強の剣客。律峰戒と同世代で、彼とは覇を競い合った好敵手同士。
・鄧令伯(とう れいはく)
商業都市・蘇口に拠点を置く大富豪。武術好きという一面を持ち、江湖の英雄たちとも交流がある。
・李玉霞(り ぎょくか)
かつて江湖の頂点に君臨した女剣客。その後鏢局を営む名門一族・公孫家の次男に嫁いだが、一族の滅亡とともに姿を消した。
※カクヨムからの転載です。カクヨムにて公開中の同名の短編を長編として加筆修正したものになります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-20 00:00:00
134670文字
会話率:45%
伯爵家長女のマージェリー・ヴァンダービルは、八歳の時誘拐されたことを理由に、十年間家族に虐げられてきた。
家名を汚したと責められつづけ、追い詰められるマージェリー。
彼女が心の支えにしていたのは、誘拐犯から助けてくれた見知らぬ少年の記憶だっ
た。
そんなある日、一人の青年がマージェリーの前に現れる。
それは十年前、助けてくれた人────なんと彼は王弟殿下だという。
だが、二度も助けてくれた恩人だというのに、彼はなぜか、自分のせいでマージェリーが虐げられたと謝罪してくる。
おまけに罪滅ぼしと名誉回復のためにといって求婚してきて……!?
「殿下はお人が良すぎます!
贖罪のための求婚はお断りします」
そんな虐げられ令嬢と王弟殿下の攻防劇。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 16:17:21
77373文字
会話率:32%
公爵令嬢であるレリアナ=サレスティアは婚約者であった第一王子であるラインハルト=アリスロイアから男爵令嬢アルマリア=リリアルカに対するイジメが発覚し、婚約破棄を言い渡される。
彼女の父親はレリアナの名誉回復をさせる為に家庭教師として冒険者の
リーグストを依頼で呼び寄せた。
リーグストとの出会い、妖精との出会い、この二つの出会いがレリアナの運命を大きく変える事となった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-03 02:00:00
92550文字
会話率:63%
貴族学院の回廊で、王太子のフォーアン殿下から婚約破棄を告げられたクラリス。その理由は、クラリスが我が国において初の女性文官として仕事に邁進し、婚約者としての立場を蔑ろにしているから、らしい。
「夫となる俺を立てず、いつも上からものを言う態
度も気に喰わぬ」
「仕方がありませんわぁ殿下。お姉さまは子どものころから、ああいう性格なのですものぉ」
殿下は、クラリスの妹アイラを隣に配し、婚約者を変更すると宣言。
事態を収拾すべく動いたのは、クラリスに同行していた、職場の上司にして王弟のローウェル。
彼は、貴族階級の婚姻・出生管理を取りまとめる部署の室長だった。
夫が複数の女性を家に置くことが黙認されている王国で、妻の定義について考えるおはなし。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-04 20:25:46
15768文字
会話率:41%
キージェはFランクのクエストさえ失敗し、冒険者資格を剥奪されてしまった。
しかし、元冒険者の老人から自分の父や母の秘密や呪いについて聞き、名誉回復の旅に出る。
ゴブリンに襲われていたFランクの女冒険者クローレを助け、彼女の従者となる。
雪狼のハーフエルフ、追放悪役令嬢なども仲間に加わり、Aランク冒険者からの嫌がらせを受けながらも、彼の旅は続くのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-17 22:21:13
115555文字
会話率:38%
この作品は、文中でのお約束を果たし、2021年投稿の「戦姫エイプリルと4人の護衛騎士」を改稿したものです***辺境伯の二姫・エイプリルは、伝統に従い戦姫として姫隊を率いて辺境伯家の指揮官のひとりとして日々を送っている。隣国との絡みで、王国の
第三王子妃に指名され、王都の学園に上がる。ハニトラに掛かった第三王子の婚約破棄により再び故郷に帰ることを得る。隣国は侵略・併合の手段を変え、武力対決となる。その戦の中で、戦姫を嫌った第三王子とその側近は、自らの娘が戦姫となるさまをその目で見届けることになる***各編のあらすじ、登場人物紹介等は、“目次”の、フィエール辺境伯領編、王都編、国土回復編と書いてある場所をクリックしていただけるとお読みいただけます。なお、R15は、国土回復編で戦争となり、戦死の描写や、戦場での卑怯な作戦や大規模トラップ、悲惨な大量死があるため、年少者への配慮として指定しました。***婚約破棄は、王都編19‐21です。ざまぁまでを十分に楽しみたい方、まず王都編7と8で、第三王子が両親からきっちりお説教されるシーンをエンジョイして、18でエイプリルの対婚約破棄作戦へ、そこから婚約破棄シーン、最後に国土回復編1と2へ。王子も侍従候補も壊滅、ハニトラ掛けた女性たちも見逃してもらえません折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-12 14:18:24
153007文字
会話率:42%
SNSで同世代の女子から絶大な支持を誇るインフルエンサーの瓦木亜矢。彼女は、ある日ライブ配信中に、恋人の鳴尾はるかの浮気現場に遭遇し、そのまま別れを告げられるという屈辱を受ける。自分の名誉回復のため、友人との賭けに乗った亜矢は、学内の冴えな
い男子・深津寿太郎を学園祭の人気投票トップに変身させるべく奮闘するが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-01 18:35:51
157299文字
会話率:36%
冤罪による断罪を受けたパーカー侯爵家のボニーは決闘による名誉回復を選んだ。しかし代理人を立てようにも王子サイドの裏工作で……ならば女の闘い方を見せてやる!
最終更新:2023-04-17 01:25:11
7620文字
会話率:48%
《ユニークスキル【土下座】の効果の波及を確認。対象者三名の敵愾心及び害意が45%低下しました。危険域を脱しました。》
その俺の動きに、その所作に、ヤツらは皆動きを止め、戸惑うようにお互いに顔を見合わせている。
「ギャッ!?」「あがぁっ
!!」「ぐぶッ!?」
その絶対的な隙を突いて銀色の閃光が瞬く間に駆け巡り、俺達を襲ってきた盗賊三人組は地に伏した。
「サイラス様。やはりこの方法は心臓に悪いです。まだマトモに戦った方がマシですよ。」
「そうは言うがな、アンネ。向こうは三人、こっちは二人。数的不利を覆すには、またと無い方法じゃないか。」
苦言を呈しながら無表情で淡々と盗賊達の骸を処理するアンネを見ながら、俺は溜息混じりにそう反論する。
本当なら俺だってこんな事――たとえ自衛のためだとしても、人殺しのためになんかこの【スキル】を使いたくない。
けどマトモに戦えばアンネが危険に身を晒す事になる。
それを許すくらいなら、俺の泥まみれの頭の一つや二つ、いくらでも下げてやるさ。
「サイラス様、片付けが終わりました。」
「うん。それじゃ行こうか。次は俺のせいで領都に住めなくなった、酒屋の一家が越した町だったな。」
「はい。しかしサイラス様……本当に、憶えている限りの方達に、謝罪をして回るのですか……?」
「何度も言ったじゃないか。俺のせいで貶めた実家の名誉を取り戻す。そのためには先ずは、俺の愚行で傷付けた民達に謝罪をするのが筋だって。」
「ですが……御身はそれでも、公爵家に連なる身なのですよ?」
アンネが無表情を崩して、悲しそうに眉尻を下げる。
俺はそんな彼女の頭を軽く撫でてから、歩くように促した。
「これも何度も言ったよな? 俺が与えられたこの力――ユニークスキルの【土下座】は前世の俺の未練で……そして俺の贖罪のための力だって。だから、俺は謝りに行く。たとえ許されなくても、俺の誠意を【土下座】に乗せて、伝えるんだ。」
天気は快晴、路銀は僅か。
俺は8歳から18歳までの10年間で、あの時からの10年間で迷惑を掛けた、虐げた、貶めた民達への謝罪へと、旅から旅へと歩き続ける。
今日も何処かで、俺は額を地面にぶつけ、擦り付けるんだ。
……出来れば芝生の上が良いな…………!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-16 20:26:00
125060文字
会話率:41%