菊池寛が文芸春秋社を創設して成功したが、彼が若い時に描いた「忠直卿行状記」で越前福井藩2代松平忠直は精神を病みご乱行のはてに異国へ流されるひどい大名としてのレッテルが張られてしまう。越前松平家の末裔である松平慶民は宮内庁に努める高級官僚だっ
たが、調べてみると先祖である忠直が実際には領民のためにいろいろ頑張った名君であったが、家臣団の内紛に巻き込まれ乱心というレッテルを張られ、辞めさせられた不運の大名であったことを知る。そこで大成功して文壇に大きな影響力を持った菊池寛に面談し、松平忠直の名誉回復を図れるような作品の発表を依頼する。菊池はその依頼を一応聞くが、忙しさから作品作成には至らなかった。しかし菊池が何回か不思議な体験をする。その中で松平忠直が菊池に直接訴えかけてくる。悲運の名将、忠直を再評価する作品となっている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-10 09:08:16
27576文字
会話率:44%