「はあぁぁぁぁぁぁい、いらっしゃ……い。お好きな席にどうぞー……」
夜、とあるラーメン屋。店の中に入ってきた客を見た瞬間、店主は思わず口ごもった。
「店長、今入ってきた人、なんか変な感じですね……」
「いいんだよ、気にしなくて。ほら
、早く水を出してこい」
店長とバイト店員が奇妙に思ったその理由。どこか着慣れてなさそうなスーツを着た坊主頭のその男は、店に入るなり鼻の穴を大きく広げ、深呼吸したのだ。
そして、男は厨房を覗き込むように首を伸ばし、カウンター席に座った。店員が男の前に水の入ったグラスを置くと、男は目を丸くし、がっつくように飲み、まるで酒を飲んだかのようにぷはーっと大きく息を吐いた。
「ご注文お決まりになりましたら、いつでもどうぞー」
店員が男にそう言った。
「あ、えっと、とんこつラーメンを一つ、あ、麺大盛で、チャーシューも大盛で、えっと次はなんだっけ……なんか……何言ってたっけ……ああ、麺は一番硬いやつで、ああ! トッピングは全部乗せで!」
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-09-12 11:00:00
3034文字
会話率:80%
深夜。とある牛丼屋。
「はい、牛丼の並でお待ちのお客様、お待たせしましたぁー」
「んー、はぁ……」
「え、ど、どうかされましたか? 何か……」
カウンター席に座るその客の男に大きくため息をつかれ、店員の男は出したばかりの牛丼をカ
ウンターの内側から覗き込むように見下ろした。何か不備があったのかと思ったのだ。しかし、髪の毛など不純物はない。出す前に確認したから当然だ。量だって適正である。視線を牛丼から男へ移すと、その男は言った。
「いつもの店員さんならサービスしてくれるのになぁ……」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-09 17:00:00
1322文字
会話率:92%
とある居酒屋。男が一人で酒を飲んでいると、そっと隣の席に座り、話しかけてきた者が。
「あなた、もしかしてですけど先日の……」
「ああ、まあね、どうもー」
と、初対面の相手だったのだが、彼は慣れた様子。それもそのはず。彼がしたある事
により、最近こうして話しかけてくる者が多いのだ。
「いやはや、中々できることではないですよ。大変、素晴らしい」
「ははは、そうでもないですよ。まあ、当然のことというかね。まあ怪しいなとは思ったんだなぁ」
「この居酒屋で、でしたよね?」
「そうそう、ちょうどこのカウンター席で。件の男は三つ離れたその辺かな」と、彼は指で差し、ご機嫌にビールを飲む。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-30 12:00:00
2954文字
会話率:52%
アラサーおじさんがクールダウナー系女子大生に懐かれた結果、毎週金曜日に立ち飲み居酒屋のカウンター席で飲むようになった二人の話。
最終更新:2024-08-17 12:10:00
181672文字
会話率:63%
その日、仕事を終えた沼尻大吾は、モヤモヤを抱えたまま家に帰る気にはなれなかった。
しかし、飲んでも飲んでも、ふとした瞬間に昼間の不快な出来事が頭をよぎる。
「あのクソ!」
カウンター席に独り、
また怒りが込み上げてきて、気が付くと声に出して
いた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-30 17:50:00
8504文字
会話率:0%
とある港町のラーメン屋。そこではカウンター席に食品サンプルが置かれていた。
同じ話をカクヨムに投稿しています。
最終更新:2024-06-08 18:10:00
1077文字
会話率:6%
夜にだけひっそりと開くカウンター席のみの星喫茶(純喫茶風のお店)を営む店主の少女。
そしてそこに集う人びとの交流を描く日常の物語。
店外に出ている看板にある「星喫茶」という名にふさわしく、店内には古びた天球儀などの天体観測道具、骨董品や鉱
石などが並べられています。
店主(正式には代理)の上のの名はキピアといいます。
昼間はショーウインドウから外を眺めているビスクドール(西洋風のアンティーク人形)のが本来の姿。
しかし夜になると店主として「つかれた」お客さまをお迎えしているのです。
この物語の今夜の主人公は、あなたかもしれません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-24 21:32:20
7987文字
会話率:38%
今夜も大盛況のバーの、バーテンダーと向かい合うカウンター席には、今夜もどなたもお着きになりません。皆さん、ご存知なのです。そこがこれからあの世へ旅立つ死者の専用席だということを。そこで甘いカクテルを召し上がったお客様は、どなたでも天国に行く
ことができるのです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-19 08:37:34
1836文字
会話率:62%
酒を飲むことは、心を呑むこと。
最終更新:2023-12-08 07:00:00
219文字
会話率:0%
大学二年の頃、人生で一番酷い一年を過ごした。彼女にはフラれ、サークルでは大喧嘩し、そのせいで勉強にも身が入らなかった。友達と呼べるような人間はいなくなり、大学に自分の居場所がなくなったような気がした。そんなある日、叔父にある提案をされた。
それは「一年休学して、俺の喫茶店を代わりにやってくれないか?」というものだった。乗り気でなかったが、叔父の熱意にほだされてつい引き受けてしまった。
カウンター席が五席、四人掛けのテーブル席が一つ。山手線内の某所にある、小さい喫茶店。誰が来るんだと思っていたけど、来る客は有名人ばかりで……?
カクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-21 12:00:00
9383文字
会話率:61%
タッチパネル注文を導入している飲食店のカウンター席で発生したある現象。
しょうもない失敗談ですが、笑っていただけると幸いです。
最終更新:2023-09-14 19:19:49
3130文字
会話率:19%
僕は年に一度、繁華街のウイスキーBarで酒を飲む。その日は、カウンター席に座る僕の隣に、白髪の老紳士が座った。彼は言った。「あなたは、人を殺したことがありますか?」 そして老紳士は、自分の過去を語り始めた。
最終更新:2023-08-18 13:13:18
1070文字
会話率:44%
商店街の路地を一つ曲がると見渡せる飲み屋街。カウンター席のみの飲み屋。高志とさくらの違和感。二人の視線の先に見える者とは。
最終更新:2023-05-08 21:00:00
936文字
会話率:41%
ある繁華街にある、一見何の変哲もない居酒屋。しかし、そこに入った者には霊が憑くという噂があった。1人客には必ず幽霊が憑くため、カウンター席を取り払っていた。キャバクラかよ。
最終更新:2022-08-05 17:21:51
2214文字
会話率:40%
とある街の小さな喫茶店、席はカウンター席が五席と狭く味わい深い内装だ。
その店を気に入って通う本作の主人公は、奇妙な体験をしてしまう。
狸ホラーを書きました。
最終更新:2022-07-28 00:26:28
941文字
会話率:11%
名古屋は錦町。
歓楽街で賑わうその街中には、裏通りが数多くある。その通りを越えれば、妖怪変幻や神々の行き交う世界───通称・『界隈』と呼ばれる特別な空間へと足を運べてしまう。
だがそこは、飲食店や風俗店などが賑わうのは『あやかし』達も
変わらず。そして、それらが雑居するとあるビルの一階にその店はあった。数名のカウンター席に、一組ほどの広さしかない座敷席のみの小料理屋。そこには、ちょっとした秘密がある。
店主が望んだ魂の片鱗とも言える『心の欠片』を引き出す客には、店主の本当の姿──猫の顔が見えてしまうのだ。
これは元地獄の補佐官だった猫が経営する、名古屋の小料理屋さんのお話。地獄出身だからって、人間は食べませんよ?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-18 16:15:16
317992文字
会話率:49%
ここは『時の休息』と言う小さな喫茶店。
お客様は多種多様で、皆様いつも疲れきった状態で、ご来店して来てた。そんな喫茶店の店内は、壁と天井は星々が散りばめられ輝いており、床は焦げ茶色の木目の床だ。その小さな空間には、小さなテーブル席が1つ
とカウンター席が数席、そして店内の一番奥には、160弁の巨大なディスクオルゴールが、カノン等数種類の曲を、耳心地の良い音色を奏でて、店内を包み込んでた。
そんな喫茶店で働くのは、マスターである私クロとウェイトレスのノルンの2人だけた。
さてさて本日ご来店のお客様には、どの様なおもてなしをしましょうか……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-04 06:34:17
5613文字
会話率:59%
その日、セシルは酔っていた。
ツイてないことが重なったので、ふらりと入った店で独りでお酒を呑んでいた。ふとカウンター席の隣に座った男の人をチラ見すると、自分好みのイケオジ風。これはきっと運命だ!酔いに任せて逆ナンしたは良いけれど、それは小さ
い頃セシルに意地悪ばかりしてきた近所のお兄ちゃんのマティアスだった!まずいと思ってお持ち帰りされた部屋を逃げるように出たが、休み明けに職場に行くとマティアスと私が婚約していた!?なにこれ悪質な嫌がらせ!?運命の再会なんて信じない!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-25 21:19:00
8222文字
会話率:30%
■あらすじ
晴海の鮮魚市場で仲卸として勤める辰巳功二が子どもが学校でいじめられていることを知る。翌日、勤務を終えて同僚の千川要とファミレスに酒を飲みに行くと近所のタワーマンションの住人らしき若い奥様方おり、辰巳立ちに向けて心ないことを話し
ていた。
翌日、市場に小学生の一団が学校の社会科見学でやってきていた。小学生たちは「魚臭い」「きたねぇ!」「早く帰りたい」などと騒いでいた。
この日、勤務を終えて辰巳は千川と牛丼チェーン店に入った。瓶ビールを飲みながらカウンター席で飲んでいたが、若い店員の何気ない一言にブチ切れた千川が、この店員をぶん殴ってしまう。
後日息子の授業参観に来ていた辰巳は、他の父兄と口論になり、教師に出て行くよう促されてしまう。
翌日、仕事から帰宅した辰巳は、辞表を書いて上司に提出しようとする。
※400字詰め原稿用紙換算枚数:23枚
※非ラノベ作品です。
※こちらの作品はエブリスタ、カクヨム、小説家になろうの各小説サイトにも掲載中です。
※【未成年の飲酒は法律で禁止されています】飲酒は20歳になってから。
■ターレーとは
「ターレットトラック」の略称。法令上は「ターレット式構内運搬自動車」と呼ばれる、後部に荷台を有し荷物を運搬できる小型特殊自動車のこと。市場や倉庫、工場等の構内運搬用として広く使われている。
「ターレット」「ターレ」とも呼ばれることがあり、特に市場関係者からは「ぱたぱた」もしくは「ばたばた」と呼ばれることもある。
なお「ターレットトラック」の名称は、かつて存在した株式会社朝霞製作所の登録商標(現在は商標取り消し)。
※参考:Wikipedia「ターレットトラック」2020年10月21日閲覧
■所感
今回は8000字の小津安二郎を目指してみました。主人公の心情を地の文に直接書くことを徹底的に排除してシーンのみで物語を展開。
読んでいて取っつきにくいところもあるかと思いますが、読者の皆さんの脳内を映画館のスクリーンにできれば嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-25 00:00:00
7631文字
会話率:22%
疲れ切った青年が、いつの間にかいたのはカウンター席。
賑やかに飛び交う喧噪が、青年を包み込んでいく。
最終更新:2020-11-22 20:02:25
7262文字
会話率:50%
食い意地が張っている。食の好みが合わない。そんな理由で、男爵令嬢リリアローズは婚約破棄された。塞ぎ込みがちな彼女に、父は「ゴルフでもして気分転換したらどうだ」と勧める。体を動かしてスッキリしたリリアローズは、いままでやったことがない事に挑戦
しようと思い立つ。それは「カウンター席でうどんを食べること」である。しかし隣の席には「異世界からやってきた同級生」ことマコト・タケモトが居たのだった。
※世界観は雑です。なんでも許せる方向け。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-27 19:14:04
7111文字
会話率:39%
とある酒場のカウンター席に男が二人。
いい感じにお酒が回り上機嫌だった人間族の男が一転、なにやら深刻そうに話を切り出した。
「ここだけの話、そろそろ俺も身を固めようと思ってな……」
最終更新:2020-06-07 08:33:56
3488文字
会話率:74%