見た目は少年、中身はジジイ。不老の英雄アイム・ユニティは千年前、大地を砕こうと宇宙より飛来した「赤い星」を逆に砕き、自分達の星を救った。ところが災厄の欠片は微細な粒子「怪塵」と化し、大量に取り込んだ獣を狂わせ、時には「怪物」を形作り人々に
害を及ぼすようになった。
千年後、どうしても完全に滅することのできない「怪塵」との戦いを続けていたアイムは、人類の天敵であるはずのそれを自在に操る少女が現れたという噂を聞く。にわかには信じられなかったが、件の人物の足取りを追った彼は本当にその「怪塵使い」を発見した。
しかし、その少女はとんでもない臆病者。世間知らずで頭脳は幼児。鈍くさく、挙句に自分を嫌っている陽母教会に育てられた修道女。
彼女の能力に怪塵との戦いを終わらせる希望を見たアイム。果たして彼は、このポンコツシスターを無事「英雄」に育て上げることができるだろうか?
見た目はボーイ・ミーツ・ガール。中身はジジイ・ミーツ・ベイビー。何もかも正反対の二人による、星の大掃除が今、開始された。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-22 22:17:15
518546文字
会話率:47%
千年前、異界から来た神々と創世の神々とがぶつかり合い、三つに分断された世界。ガナン大陸では最北の国カーネライズの皇帝ジニヤが狂気に走り、邪神の眷属「魔獣」を復活させ自国の民以外を根絶やしにしようとしていた。
だが大陸の半分がその狂気に飲
み込まれてしまった時、伝説の舞台となった聖地オルトランドの丘でそれを再現するかのように創世の三柱の使徒「天遣騎士団」が現れ、窮地に陥っていた人々を救う。
その後、天遣騎士団は魔獣の軍勢を撃破しながら進軍し、ついには皇帝ジニヤを打倒してカーネライズの暴走に終止符を打った。
一年後、天遣騎士団の半数はまだカーネライズに留まっていた。大陸全土の恨みを買った帝国民を「収容所」と称した旧帝都に匿い、守るためである。しかし、同時にそれは帝国の陥落直前に判明したあるものの存在を探すための任務でもあった。
そんなある日、団長ブレイブと共にこの地に留まっていた副長アイズ、通称「黒い天士」は魔獣の生き残りに襲われていた少女を助ける。両親を喪い、成り行きで天遣騎士団が面倒を見ることになった彼女の世話を「唯一の女だから」という理由で任せられるアイズ。
無垢な少女との交流で彼女の中に初めての感情が芽生え始めたことにより、歴史はまた大きく動き始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-20 00:00:00
423050文字
会話率:45%
ついに全世界に自分とモモハルが神子であること、そして世界の崩壊が近付きつつあることを明らかにしたスズラン。しかし彼女には迫り来る危機以上に気がかりなことがあった。しばらく前から自分を避けるようになった親友。そしてアイビーから頼まれた、彼女
の千年来の友人に関する願い。自分はどうすべきなのか、どうすべきだったのか──迷いながらも少女は北の海へと船出した。世界の命運を左右する重大な決断を下すために。
そして、とうとう彼等は到来した。自らが生み出した全てのものを消し尽くすために。
今ここに最終決戦の幕が上がる。
◆最新作「最悪の魔女6 彼女と歩いた物語」にてシリーズ完結しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-05 00:48:45
119084文字
会話率:54%
大陸の西側に位置し、四つの地区で成り立つ八大王国の一つ、冬春国。大国にしては領地が狭く、植物も中々育たず農作ができない。技術も退化し、輸出物がほとんどない。では何故、八大王国に数えられるのか。理由は単純。軍事力が八大王国と並べても頭一つ抜け
ているからだ。もう一つ。軍事力で何をしているのか。これは単純なものではない。古代の王がこの荒れた地で何を事業すれば良いか考えた結果、依頼を募集し、それを達成すれば金がもらえる、そういう事業を立ち上げた。当初はただ荷物運びだったり、誰にでもできる平和なものばかりだった。だが、各国が冬春国に目をつけた。そこから全てが変わる。国を滅ぼして欲しい、とある人物を殺害して欲しい…平和なものではなく、血生臭い依頼ばかりが殺到するようになった。しかし、依頼を受けないと、金がもらえない。だから、方向性が捻じ曲がったとしても依頼をこなし続けた。
そこから、何千年と。現在冬春国は戦争の国と呼ばれ、各国から蔑まされた。蔑ますでは飽き足らず、冬春国に一度でも入国したら、戦争の思想に染まったとして、他の国に入ることが拒絶される。冬春国は、他国から蔑まされる対象へと成り変わったのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-22 15:50:06
60062文字
会話率:54%
今から遡ること千年前。
妖と呼ばれる異形の存在が時に災害を起こし人々を脅かしていた。
そこで妖を退治するべく立ち上がったのは【対妖討伐隊】。
彼らには妖に対抗する為の退魔の力が備わっており、妖と人間との戦いは現在でも続くことになる。
対妖討伐隊には主力の四家がおり、東野家・西条家・南場家・北都家である。
この四家は妖に強い憎しみを持ち、妖討伐の最前線にいた。
しかし、この中で東野家だけこの争いに疑問を持ち始める。
『このまま妖と戦うより、仲良くした方がよくね?』
当然他の三家からは非難の嵐である。
争い事が嫌いなのは何も人間だけではなく、勿論妖の中にも争い事が嫌いな妖は存在しており、その妖たちは東野家に集まった。
流石に主力の一家と争いたくない対妖討伐隊は一部の地域のみで人間と妖の共存を認めた。
それが【人妖町自治区】。
今では【人妖町】と呼ばれている場所である。
「……うん、話の内容が長いよな」
現在の東野家の跡取りとなる一二三。
残念ながら、面倒くさがり・マイペース・無気力の3Mが揃ったいわゆるダメ人間である。
そんな一二三に差出人不明の荷物が着払いで届き、これがきっかけで運命が動き出す。
「差出人名ぐらい書いて、しっかりお金を払って郵送しろよな」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-22 10:00:00
287735文字
会話率:60%
古竜や悪魔が徘徊していた時代が終わり千年間もの間大陸の派遣を人を握っていた。
大陸に現存する国の一つ、オスティロ帝国の辺境、スラナ村。そこに、とある夫婦がいた。そして、その夫婦の間に一人の娘が生まれた。レナと名付けられた少女は天性の
才能、ネイチャーを持っていた。ネイチャー:マナタンク。そのネイチャーの影響で生まれつく言葉を喋れない少女は、授けられた魔力を使うことが出来ないまま十年が経った。そしてある日、覚醒する。
無詠唱。魔法を詠唱なしで扱うその特別な技術を会得した少女は、周りの人たちの力を受けてどんどん成長する。やがて少女は、旅に出る。もっともっと、強くなるために。
これは、そんな少女の旅の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-21 23:08:33
310409文字
会話率:53%
多くの犠牲の末に魔王を討伐した勇者カインは魔王が最後に放った攻撃によって二千年以上封印されていた。封印が解け、現代でも生きていた仲間である大賢者メイアに「カインまた勇者になるため学園に通ってくれ!」っと強引に学園に入学された。これは少年がも
う一度、勇者になる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-21 10:00:00
2450文字
会話率:37%
【和風 × 妖怪のダークファンタジー】
妖怪たち生きる世界に、一人の少年が迷い込んだ。
見た事もない異形の蔓延る世界だったが、両親の顔を知らず、友人もいない少年にとって、そこは次第に唯一の楽しみへと変わっていった。
そんなある日の
こと。
少年はそこで、友達の咲夜を護る為に命を落としてかけてしまう。
幸い、咲夜の特別な力によって一命は取り留めたが、その過程で自身も妖となってしまったことで、元居た世界へは帰れなくなってしまった。
『帰れないの……?』
方法は一つだけ。
妖たちの宿敵である妖魔の長『酒吞童子』を、『封印』ではなく倒すことのみ。
非現実的だとされるその方法に少年は、
『ぼく、こんどこそ、さくやさまをまもるヒーローになる! ぼくがそいつをやっつける!』
迷うことなく、高らかに宣言してみせた。
そんな宣言を、仲の良かった妖らは馬鹿にもしたが。
十年の修行の末——
青年となった少年は、妖たち国『桜花』を護るための部隊へ所属することとなる。
大切な居場所を護りながら、自身が元居た世界へと戻る為に躍動する一人の少年。
彼の行きつく先は……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-20 23:40:00
116850文字
会話率:44%
『千年の春』は、現代を生きるIT企業勤務の青年・野村隆介が、ある春の早朝にふと目覚めたことをきっかけに、清少納言の『枕草子』と出会い直し、その言葉の力に導かれて自身の感性や日常の在り方を見つめ直していく物語です。静岡の竜爪山の夜明けに「春は
あけぼの」の情景を重ねた彼は、自然の移ろいに心を動かされ、忙しい日常のなかで忘れていた「美しさへの気づき」や「言葉の力」を再発見していきます。父との語らいを通じて古典文学への理解を深め、さらには京都への旅を経て平安の風情に触れることで、自身の内面にも静かな変化が生まれます。その変化は仕事のプレゼンにも活かされ、周囲との関係にも良い影響を及ぼしていきます。春から夏へと季節が移ろうなかで、「をかし」の心を抱いたまま隆介は新たな一日へと踏み出していく、静かで深い余韻を残す一編です。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-20 19:54:55
15367文字
会話率:40%
千葉出身の女子高生・春香は、韓国の人気グループ「STARLIGHT」のメインボーカル、キム・ミンジュンに熱烈な思いを抱いている。彼女の部屋は等身大ポスターやグッズで埋め尽くされ、スマホには数千枚のミンジュンの写真が保存されている。
担任の佐
藤先生から『更級日記』を勧められた春香は、千年前の少女が『源氏物語』に夢中になる古典と、自分のアイドル追求に共通点を見出す。粘土でミンジュンの人形を作り、彼に近づくため韓国語を学び始める春香は、念願の東京の大学に合格。外国語学部の韓国語専攻に進学し、「推し」に近づける喜びに胸を膨らませる。
大学では韓国文化研究会に参加して「K-POPアイドルと古典文学の共通性」について発表し、同級生の清水と親しくなる。二人で念願のコンサートに参加し、ハイタッチ会でミンジュンと一瞬触れ合うが、理想と現実のギャップに戸惑う春香。
その後、ミンジュンがスキャンダルに巻き込まれたことで、春香の心に変化が訪れる。「あやしうこそ、物はかなきさまに思ひなされけれ」という『更級日記』の言葉が初めて心に響く瞬間を経験する。
卒業論文では『現代アイドル文化と更級日記における理想と現実の相克』をテーマに選び、自身の経験を投影。成長した春香は、アイドルへの熱狂と古典文学に表れる憧れの普遍性を理解し、単なるファンから、自分自身の物語を紡ぐ存在へと変化していく。
千葉から東京へ、夢中から冷静へ、そして憧れから自立へ—春香の成長の物語は、千年前の『更級日記』の少女と響き合い、新たな希望へとつながっていく折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-12 12:46:26
5993文字
会話率:54%
このエッセイは、筆者が雨の日に思い出す京都旅行の記憶を綴ったものです。十一月の雨の京都で、紅葉の最盛期に訪れた筆者の体験が描かれています。
筆者は京都駅に降り立った瞬間から、その特別な空気感に包まれます。最初に訪れた南禅寺では、雨に濡れた紅
葉や苔むした石垣、煉瓦造りの水路閣の風情に心を奪われます。続いて永観堂へ向かい、「もみじの永観堂」の名にふさわしい鮮やかな紅葉の景色に感動します。
その日の最後の目的地は東寺でした。筆者は特別拝観で五重塔や立体曼荼羅(二十一体の仏像)を見学し、幻想的な風景と荘厳な仏像たちに深い印象を受けます。
エッセイの中で筆者は、雨が持つ不思議な力について考察しています。雨は日常の景色を一変させ、過去の記憶を呼び覚ます力を持つと述べています。特に京都の雨は、単なる天候ではなく、千年の歴史と文化を感じるための特別な演出のように感じられたといいます。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-04 16:48:00
2660文字
会話率:12%
【000 序 ~あらすじ~】
古代ヴェルト史とは、龍王暦元年、八大龍王による八つの秩序――八國の誕生から始まり、一〇五〇年に勃発する未曽有の大戦――いわゆる世にいう『ヴェルト戦役』が十二年続き、その後、連邦国家による統一がなされるまでを
表わす時代である。
そして、そのヴェルト戦役を経て連邦国家による統一までの千年もの長き年月、大陸ではさしたる大きな争いもなく、八つの國が存続する平和な時代が続いたとヴェルト史に記され、それが通説として長年信じられてきた。
しかしながら、最新の研究結果により、それは虚構を多分に含む歴史であることが判明されていく。それによると、龍王暦が始まって千年もの年月、ヴェルト大陸全体で争いが全く無かった時は、ただの一度もなく、各国の国境付近では、常に國同士の争いが絶えなかったというのが真相であったらしい。ただ争いといっても、一地方や一地域の争奪戦がほとんどであり、それも数日から数か月程度のものが大半であったという。
そういう意味では、“さしたる大きな争いもなく、平和な時代が続いた”というヴェルト史の表記も、狭義の解釈で言えば、あながち虚構と言いつのるほどのものではないのかもしれない。ただ一つの例外を除いては……。
ただ一つの例外。
それは、龍王暦二〇〇年前後のことで、この時代に起こった戦いのほぼ全てを総括して『六将大戦役』と呼ばれた。文字通り、六人の将軍を中心とした戦いであるが、その六人の将軍は全て八國のうちの一國に所属していた将軍であった。
この“奇跡の人材結集”現象により、その一國――ソルトルムンク聖王国は、その大戦役以前の他の七国と同程度の國から、他の七国全ての国力を合わせてなおそれを上回る超巨大な国家へと成長したのであった。
これに対し、ある時には八國の建国神である八大龍王が、六大将軍もろとも、“龍王の建国した國を一つとして滅亡させない”といった八大龍王伝統の約定を違えてでも、聖王国を滅ぼうそうと画策し、またある時には、人である六大将軍の意向を尊重するが故に、神である八大龍王が忖度し妥協するといった、起こり難き事象も実際に起こったのであった。
さて、これからこの『六将大戦役』という一大戦記を、古代ヴェルト史を基礎(ベース)に、最新の説も織り交ぜつつ、六大将軍を中心とした人々の生き様に焦点をあて、語っていくこととする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-20 18:54:43
841407文字
会話率:24%
【000 序 ~あらすじ~】
人類史に神話として語られている時代より、さらに数万年さかのぼる時代。
まだ人と竜(ドラゴン)が共存していた頃の話である。
ヴェルトと呼ばれたある大陸に、八人の神々が天界より降臨し、混とんとしていたその大
陸を八の秩序にまとめ上げた。
八の秩序は、やがて『國(くに)』と呼称されることになる。
八の國にまとめ上げられたヴェルト大陸の人々は、それぞれの國を作り上げた八人の神々を、建国神として崇め、神々を八人の龍の王――八大龍王と呼んだ。
八人の神々が、國という秩序を作り上げるに当たり、それぞれが天界の龍を使役したのがその由来である。
八大龍王は大陸を平定した後、それぞれの國の運営をヴェルトの民に委(ゆだ)ね、天界へ戻っていく。
龍王より國の運営を委ねられた者は、『王(おう)』と呼ばれ、王は自國を束ね続けられなくなった時、次代の王を選定することにより、その國を存続させていった。
八大龍王がヴェルト大陸に秩序をもたらし、八國を建国した年を、ヴェルトの人々は龍王暦元年と定めた。
八大龍王は、天界に戻った後も、ヴェルト大陸の動向に常に目を配り、場合によっては、天界から國々に干渉することもあったという。
こうしてさしたる大きな争いもなく、大陸は千年もの長き間、八つの國が並立する平和な時代が続いた。
しかし、八國建国からおよそ千年後の龍王暦一〇五〇年、未曾有(みぞう)の戦乱が勃発する。
八大龍王同士の争いが引き金となったその戦乱は、同暦一〇六一年十二月までのおよそ十二年もの長い歳月、ヴェルト大陸全域を混とんとした世界へと変貌させた。
これから八大龍王、並びにこの乱世の時代を駆け抜けた人々によって織りなされた、一大歴史戦記を、古代ヴェルト史をひも解き、語っていくこととする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-31 09:42:16
1962478文字
会話率:23%
先に連載した長編SF小説「銀河皇帝のいない八月」の続編。
数々の障害を乗り越え銀河皇帝に即位した女子高生、遠藤空里(あさと)。
だが、その地位は安泰とは程遠いものだった。
空里を仇敵と狙うラ家当主レディ・ユリイラをはじめ、銀河帝国の反対勢力
によって空里はあらぬ嫌疑をかけられ、皇帝でありながら賞金付きのお尋ね者として銀河をさすらうこととなる。
そんな中、空里は惑星〈千のナイフ〉を巡る数千年に及ぶ紛争を知り、それに終止符を打つことを決意。
完全人間ネープ、人猫シェンガ、元老クアンタら仲間と共に、危険な紛争宙域に乗り込んでゆく…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 21:00:00
113785文字
会話率:34%
人類が「荒ぶる気候」を避け、ドーム都市「護糧閣(テラス)」に住むようになって数千年後。
とあるテラスに、プラネタロイドという、プラネタリウムのアレイ型投影装置を模したロボットがやってくる。
プラネタロイドは、ドーム都市に暮らすようになった人
々に星を見せるため、各地を渡り歩いていた。
子供の頃、プラネタロイドが見せてくれた星に憧れ、再びやって来るのを待っていた女性ラキは成長して技術者となる。
やがてプラネタロイドが再びやってくるが、それは他のテラスによって略奪のための兵器に改造されている恐れがあった。
ラキはテラスの外でプラネタロイドと再会し、調査を開始するが…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-20 17:13:45
9988文字
会話率:24%
赤き竜の肌は細かく尖った鱗でささくれだっており、彼自身がそう望んだわけでもないのに、まるで他者からの接触を拒むようにできている。彼の身体そのものが触れる者すべてを傷つけるようにできているのだ。なんの因果かと思ったりもするのだが、事実は覆しよ
うがなく――。赤き竜に同種の仲間はいない。彼は同族に出会ったことがない。だから内心寂しく感じている。今更そんなことを口に出しても仕方がないので、ただただ静観するように、世捨て人のように生きている。千年も続いている彼の時間ではあるが、生きている限りは誰に対しても誠意を示そうとかつて決めた。種族を問わず、そうあるということは、あたりまえの矜持だ――と、赤き竜は信じている。赤き竜自身、そんな自分の考え方が古ぼけた価値観であることくらいは知っている。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-18 03:37:36
5527文字
会話率:40%
見た目は幼女だが、スフィーダは二千年以上もの時を生きている特別な存在である。そのため、人々からは魔女と呼ばれたり、神と崇められたりしている。そんな彼女の現状の立場はプサルムという国の女王陛下。ヒトを超越した自らが政治や戦争に参加すべきではな
いとの方針に基づき、国の運営は配下の者に任せている。
よって、スフィーダにはこれといってやることがない。
まったくと言っていいほど、やることがない。
だけど、相手をしてくれる側近くらいはいて、その男の名はヨシュア・ヴィノーという。年齢は二十三歳。融通のきかないところはあるが、間違いなく有能だ。他愛のない話に紳士的に付き合ってくれる忠臣でもある。
それでもおしゃべりをしているだけでは、どうしたって退屈だ。
ゆえに、彼女は今日も暇を持て余すのである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-21 00:13:17
9827文字
会話率:51%
────三千年。それは、重い歴史の流れ。
一体誰がそんなことを考えつくだろうか?
一体誰が気付くことができるだろうか?
自分が被験体だということに。
だから、少年は戦う。機械の支配から地球を救うために。自分の存在意義のために。
人智を超えたちからをもってして。
これは、人間を辞めさせられた少年たちの未来をかけた戦記。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-16 23:02:07
90907文字
会話率:65%
この国は五十年前、勇者と名乗る者たちにより滅ぼされた。
彼らはこの国の人々から居場所を奪い、食料を奪い、金品を奪い、命を奪った。
それに耐えかねた皇帝陛下、つまり勇者の言う「魔王」は言った。
自分の命と引き換えに領民だけは助けてほしい、と
。
勇者はその提案に乗った。そして、彼の首に剣を差し込んだ。
だが、彼は死ななかった。正確に言えば、死ねなかったという方が正しいだろう。
剣は折れ、その破片は地面に無残に転がった。
勇者は彼を殺すのを諦め、彼を永遠に太陽を見ることのない城の地下室に幽閉した。
それから五十年、ある少女が彼に言った。
「それなら、私と一緒に外に出てみますか?」
魔王と殺し屋の儚い恋物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-15 07:26:43
10176文字
会話率:33%
千年を生きるエルフが多数派を占める多種族国家アランティア。カイルは、リリアと共に犯した罪により、エルフの法が支配する法廷に立たされる。二人には等しく重い刑が宣告された。しかし、その判決が意味するものは、二人にとって全く異なっていた。
最終更新:2025-04-14 08:00:00
1942文字
会話率:25%
魔術がまだ世界にあふれていた時代。
大陸の北で栄華を誇るシュタイン王国で、千年を超える寿命を持つといわれる白銀の龍が生まれ変わりの時期を迎えていた。
偶然、龍が命を繋ぐ場に居合わせた伯爵令嬢ヒルデガルトは龍と血の契約を結び、龍の力を持つこと
に。
その強大な力を持て余しながら、ヒルデガルトは己の運命を探す旅に出る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-14 06:55:22
394732文字
会話率:37%
ある夏の日。東京の公園に不思議な少年が現れた。
なぜか長袖長ズボン、コート、マフラーを着込んでいる。
不審に思ったおまわりさんに声をかけられるとこう答えた。
「母は大地(だいち)に。父は天(てん)に。息子の僕はクロノス。きょうだいは1
1人いるんだ」
少年は、遠い昔ろうごくに封じられたギリシアの神、クロノスだった。
ゼウスに『釈放(しゃくほう)してほしいなら、今日から一年のあいだ人間として暮らせ』と言われていたのだ。
クロノスが囚われていた数千年の間に、人間界は大きく変わっていた。
はたしてクロノスは人間として一年生き抜けるのか。
これはギリシアの神々が現代日本で暮らす、ほのぼのコメディ。
作中に登場する人物・お店・ちっさな公園等は架空のものです。歌舞伎町に行ってもゼウスの店はありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 21:29:45
5097文字
会話率:44%
おまけ:数千年続いた帝国に伝わる断片的な物語集『帝国雑文物語録』の要約
あの伝説の時代から近代まで数千年も続いた帝国。
かつて世界の覇権を大陸の西から築いたというその重厚な歴史には、様々な有名無名の人物の逸話や小咄が存在する。
しかしな
がら『帝国雑文物語録』は古典的な難解な文体で書かれている。
これを装甲騎兵ボ✘ムズの銀河万丈が次回予告で語るように要約する。
…お前は読めたか!?
…その古典的な格調高い文体の本編を?
貴様は見たか!?
…くだらない小咄でも語り口が変化すると”何処となく物語の感じ方が違う”ことを?
ここでは「付録」として『帝国雑文物語録』の内容を
あの名作アニメ『装甲騎兵ボト✘ズ』の次回予告調で要約する、お・ま・け・だ!!!
…この要約を記したAIは何も”夢”は見ない。。。…多分。
(この紹介文そのものは、穂上龍 本人がAI不使用で執筆しました)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 20:03:12
1930文字
会話率:22%
今は中東と呼ばれるティグリス川とユーフラテス川、数千年前に栄えたメソポタミア文明、その現実とは異なる神話のただなか。
その都市の一つ、ウルクで生まれ育った少年エタリッツは家族のために迷宮に挑むこととなる。
非才の身でも、神に愛されずとも、も
がけ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 18:00:00
400186文字
会話率:36%
ごく平凡な大学生、三渡カイは、ある日目が覚めたら異世界で美少女になっていた。
異世界転生!?しかもTS!?と驚愕半分浮かれ半分なカイのもとに現れたのは、三人の美男美女。彼らの話を聞くところによると、カイは八年前にこの世界に召喚され、三年の月
日をかけ、見事世界を『百年災嵐』なる脅威から守り抜いた救世主だという。しかしその代償として、五年間もの昏睡に陥り、さらにはこの世界にきてから一切の記憶を失ってしまった、と。
とても信じられない話だったが、カイは確かに異世界にいて、その身は美少女へと変わっていた。おまけに身の回りの世話をしてくれる三人は、なみなみならぬ感情をカイに抱いているようだった。
命でも救わない限り、ここまでされることはないだろうというほど、身を尽くしてくれるのだ。
カイは混乱しつつも現状を認め、彼らの話を信じた。
そうして災いが去ったあとの世界で、自分のことが好きすぎる三人と共に、のんびりとスローライフを送り始める。
まずは昏睡中に失われた体力を取りもどすためのリハビリ。それから「霊力」という力を用いた術の習得。さらには「ケタリング」なる飛竜を乗りこなす練習。もといた世界への郷愁を抱えながらも、三人の愉快な仲間と共に、カイは異世界での生活を満喫した。
しかし同時に、その胸の内には違和感が膨らんでいた。
三人は明らかに、カイに隠し事をしている。
優しい嘘で、彼をなにかから守ろうとしているのだ。
それは一体なんなのか?
過去になにがあったのか?
自分は本当に世界を救ったのか?
そしてこの身体は、本当は一体誰のものなのか?
やがてカイは、一人の青年との出会いにより、真実にたどり着く。
「お前はなにひとつ救わなかった!」
――――これは誰かのために犠牲となった、愛する人たちを救おうとした、彼らの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 06:44:06
1202029文字
会話率:39%
舞台は約千年前の日本によく似た世界。
海に生まれた彼女は人間より遥かに長い時を持つ。
一度咲けば人が喜び宴し、そして散るのを嘆く さくら花 とはそんなに良いものなの?
完結済の長編「月に咲く花」より、登場人物「月夜」がほんの少し語るお話。
キーワード:
最終更新:2025-04-10 18:00:00
2283文字
会話率:28%
舞台は千年ほど前の日本に似た世界の小さな村。十八歳の人間の少女 白百合 と、人間ではない見た目は十八程度の男 空月 は数奇な運命を経て恋人となった。それから初めて迎えた秋、白百合の提案で二人は山へ紅葉狩りに出掛ける。人間同士ではない少しの不
安と幸せとが入り混じる日々の一欠片。
完結済の長編「月に咲く花」より、第45話~第46話の間のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-17 19:19:45
4107文字
会話率:28%
日本から勇者として召喚された菊池。魔族との戦いを終えた後、当てもない放浪の旅に出ていた。砂漠に雨を降らせている何者かの話を聞いて探していると、見つけたのは不思議なゾウだった。
主人公の死で終わる、切なめの話です。
全十話。全て書き終わってい
ますので、毎日投稿していきます。
***自作品『転生ヒロインと人魔大戦物語 ~召喚された勇者は前世の夫と息子でした~ 』のスピンオフ、およそ四千年前の話になります。長編を知らなくても読めますが、長編を読まれている方は、432話(第十二章、帝都ルベニア:雨を降らすゾウの真実)まで読んでいないとネタバレになりますので、ご注意下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-10 07:10:00
21756文字
会話率:54%