あれは忘れもしない、二年前の事。当時の新聞には小さく扱われた飲酒運転事故の記事。
”正午過ぎ、歩道に乗用車が突っ込み三名死亡。運転手からは基準値を大幅に上回るアルコール量が検出され、過失運転致死傷罪により現行犯逮捕”
国内で累計一千
万部を突破し、翻訳版まで出版されたライトノベル作家、棗 遼平(なつめ りょうへい)。彼の家族がその被害者だった。
一瞬で、それも法廷の場に立たされてなお反省の色が全く感じられない男によって家族を失った彼は、怒りの感情も沸かず、ただただ呆然としているだけ。
殺された両親と弟に、本来なら自分の作品が世界中で読まれるようになったと嬉々として報告するはずだった。判決がどんなに重くても、多額という言葉が霞むほどの賠償金を受け取る事になっても、突然一人ぼっちにされてしまった遼平の心の傷は癒える事は無い。それどころかSNSではどこからその知らせを聞いたのか、彼の作品を嫌う者達の嬉々とした祝辞が殺到し、彼の心は更に荒み、リビングの床が酒の瓶で埋まるほどのヤケ酒を起こしていた。
そして今日はその丁度二年目を迎えたのを節目に、執筆業を再開できるようになったと無理矢理前へ進む事を選んだ遼平は執筆に使用しているパソコンを立ち上げた時の事だった。
『兄貴、見えているなら返信してくれ』
それはパソコンにインストールされているチャットソフトの通知だった。なんと死んだはずの弟、棗 修助(なつめ しゅんすけ)からメッセージを受け取ったのだ。
弟の死後、アカウントは削除したはずである。しかし彼が生前に使っていたアカウントからメッセージが送信されている。時刻は丑三つ時、そういうオカルトに巻き込まれたのか? 疑問はあったが、反応が気になった遼平はそのメッセージに対して怒り任せに通話を開始する。
そこに映っていたのは、生前より子供っぽい弟と、何故か妹と化した母親である棗 真琴(なつめ まこと)に、何と遼平が完結させた代表作の敵幹部である女性と夫婦になっていた父親である棗 圭一郎(なつめ けいいちろう)が映し出されていた。
これは完結した作品のその後を紡ぐ、作品ではモブキャラだった人物に転生してしまった弟や家族の第二の戦いの物語。毎晩の丑三つ時、たった三十分のやり取りで、弟の修助を中心に運命が動き出す。
※カクヨム・pixivにも掲載します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-22 19:00:00
246810文字
会話率:42%
日番谷陽翔 22歳 大学生。陽翔はどこにでもいるごく普通の男子大学生だった。ある日、大学からの帰宅途中音楽を聴きながら交差点を渡っていると信号無視したトラックがものすごいスピードで突っ込んできた。当たり所が悪かったらしく陽翔は死んだ。原因は
トラックドライバーの居眠り運転だった。暫くして目を覚ますと真っ白な空間におり、目の前にはお茶を飲みながらイスに座っているキレイな女性がいた。目を覚ましたことに気づくとその女性は死んでから後のこと、この場所のこと、彼自身のことなど様々なことを話してくれた。話によると目の前の女性は創造神でここは彼女の自室であることがわかった。そして、創造神の願いとは自分たち神々が顕現できないので代わりに陽翔に『世界の監視』を名目に『神の使途』として世界中を見て回り、危険などがあった場合は対処して欲しいらしい。そのためのスキルや技術、知識、眷属などは用意するとのこと。それを陽翔は了承した。
そして彼から最後の選択として『このまま輪廻転生されるか、私の願いを聞き異世界転生するか』の選択を迫られてしまう。しかし、陽翔は嬉々として異世界転生を選択した。それはもう創造神も引くほどに・・・そんな彼女のために創造神は彼に【トレーディング期間】を設けた。期限は1000年。その間に他の神々に協力してもらいスキルや知識・技術などを習得し自分のモノとし強くなれと。
そして、トレーディング期間が終了し、いざ転生させようとした時創造神からとんでもないスキルと権利をもらうことに。転生した世界が無意味な戦争や差別などが蔓延る世界ならそれを壊滅させる権利、人間または国がなんの理由もなく戦争したら両方を捌く権利、自分が認めた者を眷属とし能力強化を行える権利、理不尽な者やことに対してのどうするかの決定権、犯罪や大罪またはそれに準ずる行為をしたものからスキルを奪取・剥奪する権利などをもらうことに。
これはそんな元日本人が神々に育てられ『神の使途』として異世界転生し、無双し最強なパーティーを作り上げ、最終的に世界をどうするのかというお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-04 22:36:13
13571文字
会話率:37%
「君を愛する事は出来ない――――が、心はともかく、君のお腹は満足させよう、絶対に!」
『人形令嬢』アリーシャは困惑した。それはもう大いに戸惑った。
何故なら、夫となるべき男がそんな事をのたまったからだ。
無機質・無表情・無感情
。心を持たぬ芸術品とあれ、と育てられ、社交界では見世物として畏怖される自分だ。
女として愛されることなど初めから期待していない。これは政略結婚。男女間の恋愛感情などそこに在り得る筈が無い……のに。そも、この旦那様が恋するのは人でなく食べ物だった。もう一度言う、食べ物だった!
『美食伯』セシル・シュトラウス伯爵。彼は、美味しい物を食する事に己の全てをかける、稀代の変人貴族だったのだ!
「我が血、我が肉と為すこの世の食材全てに、私は敬意を捧げている。それ、すなわち愛だ」
――どうしよう、どうしよう。この伯爵様は変な人だ。もの凄くおかしい人だ!
そうして始まった結婚生活は不可思議そのもの。
見たことも無い料理をたらふく食べさせられ、その薀蓄を語られ、嬉々としてアリーシャに構う伯爵に振り回される。
けれど、そんな日々が『人形』の凍てついた心に確かな変化をもたらして――
これは心を持たぬ人形として躾けられた令嬢が、食べる愉しみと生きる悦びに目覚め、幸せを知る物語。
※前・後編合わせて二編の短編となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-20 12:07:12
73861文字
会話率:32%
「フレデリック殿下、私が十七歳になったときに殿下の運命の方が現れるので安心して下さい」と婚約者は嬉々として自分の婚約破棄を語る。
それを阻止すべくフレデリックは婚約者のレティシアに愛を囁き、退路を断っていく。
そしてレティシアが十七歳に、フ
レデリックは真実を語る。
※王子目線です。
※一途で健全?なヤンデレ
※ざまああり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-11 08:12:43
6476文字
会話率:46%
アビィナは気づくと知らない部屋に居た。部屋の外が騒がしい。「西のアビィナが婚約破棄された!」と、嬉々とした使用人たちの声が聞こえる。「え? わたし婚約破棄されたの?」呟いた声は、自分のものではなかった。身体を入れ替えられてしまったらしい。
今は、東のマフメラの体のようだ。
小国の王は息子のために後宮を用意した。というのは建前で、近隣の貴族の娘を人質として差し出させる目的だ。アビィナはブランジ家の人質として後宮に暮らしていたが王の息子レイヴンの寵愛を受ける身となっていた。
マフメラの体に入れられたアビィナの元へ、レイヴンが訪ねてきた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-08 12:04:01
4848文字
会話率:35%
「右の頬をぶたれたら、左の頬も差し出しなさい――そんで油断して殴りかかってきたところにカウンター決めてやれってなあ!」
ステフ・アンドーラは、嬉々として叫びながら対戦相手の拳を避け、そして殴り返した。予想外の反撃に一撃でノックダウンした対
戦相手をあざ笑い、颯爽とリングをあとにする。観客の大ブーイングに中指を立てて返しながら。
違法地下闘技場――興行名『モンテカルロの夜』。
ステフ・アンドーラはそこで無敗の女王として君臨していた。
挑戦者を返り討ちにしては、荒稼ぎの日々。
しかし、そんな日々も長くは続かず、あえなく犯罪者としてお縄についてしまう。
懲役を命じられ移送された先で出会ったのは、同じく犯罪者であるサディストの姉妹、ブタをこよなく愛する教誨師、それから看守のイベリコ豚や気の良い騎士たち。
そんな彼らと共に、ステフは命がけの懲役に従事することに。
罪とは、贖罪とは、イベリコ豚とは――。
十代目異世界ハーレムヒロイン〝ステフ・アンドーラ〟のそんな人生を描いた物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-07 18:58:12
27543文字
会話率:54%
辺境伯令嬢のリリアナは聖剣の力を引き出せる存在、「剣の乙女」である。
王国を守護するため、王太子との形ばかりの婚約をしていた。
けれどもその生活は気づまりなことばかり。
だから、後釜と挿げ替えるための婚約破棄宣言も嬉々として受け入れたのに
…………。
故郷へつながる道は事故で塞がり、さりとて王都で与えられていた家も王の命で既に壊されてしまった。
行き場をなくした彼女が選んだのは、騎士団長であるミハルの手を取り、いっぱしの剣士となる道であった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-03 16:03:31
26662文字
会話率:24%
妹の噓に陥れられたアイシャは家から追放され森の中を何日も彷徨った。やがて力尽きて倒れたアイシャだが、次に目を覚ますと大きなベッドの上だった。
アイシャを救ったのは白髪紅眼の青年、フィル。広い屋敷に一人で住み、たった一人の給仕から「大馬
鹿野郎」と呼ばれている。
「一目見て貴女に心を奪われた! どうか僕の妻になって欲しい!」
フィルは求婚した。アイシャが命を救われた恩を返すため首を縦に振ると、彼は急に慌て始める。
「待て待て待て、良いのかい? そんな風に頷いてしまって? だってほら、見てくれ、白髪だ。こんな男を愛せるのかい?」
フィルは軽薄そうな口調とは裏腹に、奥手だった。
結局、二人はお友達から始めることになる。その記念としてフィルがアイシャに願いを聞くと、彼女は仕事が欲しいと答えた。こうして、アイシャは花屋を営むことになった。
それからアイシャの新しい日々が始まる。
実はヘタレな主人に溺愛されながら、大好きな花を売る日々は、気弱な彼女の心に変化をもたらした。
その一方で、姉を陥れ、その婚約者を奪い取った妹は、思い通りに進まない日々に鬱憤を抱えていた。それを解消する手段を探していた彼女が耳にしたのは花屋の噂。その店主が自らの姉と知った彼女は嬉々として足を運ぶのだが……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-03 20:14:26
25037文字
会話率:39%
天使の手違いで死んでしまった主人公は異世界転生することに。そして、お詫びに一つだけ望みを叶えてもらえることになった。
すると彼は嬉々として言い放った。
「僕ハーレムをつくりたいんです!」
最終更新:2022-09-29 22:26:42
5134文字
会話率:56%
冴えない社畜(23)である花月錦は、『Real Life Online』――通称RLというVRMMOを遊び始める。しかし彼が選択した職業は『商人』で、RLで一番の不遇職とされていた。
そんなある日、彼は最後と決めたクエストでPKに遭う。一
対二の絶望的な状況の中、商人の隠しスキルに目覚めた彼。そのスキルによってPKを返り討ちにした後、彼の中である想いが芽生えていく――『もっと強い奴と闘いたい』、と。
その後はPKに嬉々として挑んで打ち負かし、未撃破のボスを討伐したりと暴れていく内、彼はRLにて、そしてRLを辞めていった同職達にも、大きく注目を集める事になる。
戦闘描写があります。
(三章が終わり、現在充電期間中です。申し訳ない……)
(読者様のおかげで、なんと日間週間月間共にVR1位、日間総合27位を記録しました……本当にありがとうございます)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-12 20:00:00
651092文字
会話率:37%
「これよりシルバーグラスを名乗ることは許されないと覚えておきなさい」
身体強化と魔力操作しか使えず、スキルを覚えなかったヘルザートは魔術学院への進学の道を断たれ、一族を追放される。
ザートと名を変え魔獣溢れるブラディア地方で冒険者をはじめる
が、相続した防具が収納と解析をする法具であるとわかる。
他人に知れたら面倒な事になると考えたザートはソロ冒険者として生きる事を決意する。
「おお、すごいの発掘しちゃったな」
地中に埋まった物も発掘できる法具を嬉々として活用しつつ順調に冒険者生活を送るザートだったが、
「パートナーを募集しているなら私と一緒にいかない?」
女冒険者リオンと半ばひきずられるようにパーティを組む事になる。
けれどリオンが冒険者となったのには理由があった。
狼獣人だって事、隠しててごめん——
これは獣人の姫とスキルをもたない少年が『聖域』をつくる物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-24 21:56:57
945546文字
会話率:31%
侯爵令嬢である私、カリナ・デュソリエは学園卒業パーティーにて、数ヶ月後政略結婚をする予定だった婚約者に婚約解消を求められた。━━が。それは私にとっては喜びでしかなかった。なので、嬉々として婚約を解消した。
‥‥のだが。解消した翌日に侯爵邸を
訪れたのは『忘れられた第4王子』と呼ばれる方で!?
これは『忘れられた第4王子』と呼ばれた王子と、彼についていくことをあっさり決めた思い切りのよすぎる侯爵令嬢の話。
※本編完結済み。今後は不定期に別視点話を投稿していきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-23 19:00:00
73952文字
会話率:64%
ひょんな事から『謎の組織』から変身アイテムを貰い、戦う変身ヒロイン『エンジェルプリンセス』に変身して『悪の組織』と戦う事となった、変身ヒロインに憧れている『田島奈々』。
変身名のダサさに若干戸惑いつつも、変身ヒロインとしての生活に期待
を持っていた。
ただ誤算があるとすれば、それは……『謎の組織』と『悪の組織』のレベルの差がありすぎた事。
うっかり戦いに負けてクッコロ展開も若干期待していた奈々だったが、どうあがいても負けようの無い戦力差に完全に作業ゲーと化すハメに……
それどころか、何故か同じ学校に通っている『悪の組織の女ボス』に正体をカミングアウトされたうえに親友認定されてしまい、正体を明かせないまま『エンジェルプリンセス討伐手段』や『世界征服への段取り』などの相談にのるハメになる。
とはいえ、アニメや漫画のような普通の変身ヒロイン物っぽく、少しは苦戦したり負けそうになったりするイベントが欲しい奈々は嬉々として相談にのり『エンジェルプリンセス』を倒す方法がガチで模索し……
結果、自分で考えた作戦を自分で潰すという酷いマッチポンプ状態に陥る事に……
ある意味、自分が所属している事になっている『謎の組織』の技術力に、バレないようケンカをふっかけている、そんな変身ヒロイン奈々の日常の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-18 00:25:51
81863文字
会話率:28%
大賢者アルフォードは記憶は定かでは無いが転生者だ。しかし重大な欠陥があった。魔法の才で魔法省に押し込められるもある日突然罷免を言い渡される。その理由は攻撃魔法が使えないえから。その言葉を聞いたアルフォードは嬉々としてスローライフの準備を始
めるのだったが、そこの二人呼んでいないのについてくるな。一人で隠棲するはずだったのにこぶ付きとか聞いていない。どうなるのかアルフォードのスローライフ。
※ この作品はラブコメではありません。
※ なろうとカクヨムに投稿してます折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-15 18:00:00
100964文字
会話率:56%
とある世界、とある時間。
時を同じくして、あまりにも自分勝手な理由でそれぞれの場所から追放される事となった少年シキ・テンリュウと少女リナ。
二人は追放された現実を――なにひとつとして恨む事無くめっちゃ嬉々として冒険の旅に出る。
武人のシキは、未知の強者との出会いを。
魔法使いのリナは、ただひたすら世界の素晴らしい光景を。
それぞれ探して求め、旅をする。あとついでに美味い食い物。
道中気ままにドラゴンをぶちのめしたり国を救ったり邪神を滅ぼしたり好き勝手にやり散らかし。
――そして、出会った。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-13 22:44:05
104653文字
会話率:39%
主人公は飲み会の帰り道、女性が踏切の遮断機を乗り越えて線路に飛び入り撥ねられるという事故現場に友人コウタと共に居合わせてしまう。
その現場を嬉々として写真に取り、SNSに投稿するコウタだったが、その後彼に異変が起こり始める。
最終更新:2022-07-29 12:09:54
1930文字
会話率:17%
眼前に広がる世界。現実と変わらない五感。
嬉々としてそこへ飛び込む奴らがいた。
『奴ら』は友を呼ぶ。
脳筋は脳筋を呼んだ!変人は変人を呼びこんだ!
世界はいつしか超人化物幻想的アホポンイカレ有能っな魑魅魍魎共の巣窟になったのだ!
運営
も尖っていた!こんなぶっ飛んだ世界を作るのだから、さぞ有能で素晴らしい人達に違いない!
『モウヤメテクレー!』
『こんな魑魅魍魎は望んでいなかった!』
『ブルンブルン!○ク○○○メー!!』
『マジモウムリ……』
『ぁぁああ"あ"?!ぁぁあ↑あぁぁ↓ああ→!あぁ……』
自由度を高めすぎたツケが今、運営に重くのしかかろうとしていた……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
注意書き)
※不定期更新。
報告)
※113話あたりからステータス表記の変更をしています。
筆者からのコメント)
※進行上の不都合はサイレント修正することがあり
※誤字脱字報告ありがとうございます。
いつの間にやらPVが100万を超えました。いと、ありがたし。ユニークが10万を超え、いと嬉し。
あとリアルチートに異世界産の魔法を含みます。
本編で主人公達が異世界に行くことも転生する予定もございませんので異世界系のタグはつけていません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-20 23:50:58
581590文字
会話率:45%
汐崎星吾(しおざきしょうご)は平凡ではない大学生。立派に超のつく力を持ち、世のためヒトのため超常現象と戦う毎日を送っていた(有料)。彼らのような人間を管理するのは国家機関の某役所。失敗でもしようものなら戸籍を剥奪されてしまう、リアルに囚わ
れの身の上なのであった。
ある日彼は某役所の入り口で怪しい美人と接触する。機密事項である彼らの尻尾をつかみ、自分の計画に使おうとしている女は名前を松井深葉。どーとでも回避できる計略はどーにも回避されず、イタズラ好きの上司のタワムレにより、汐崎は深葉にあごで使われる立場となってしまったのだった。
彼女の計略とは彼女の野望、「素敵なお屋敷を格安で手に入れること♪」。
レトロな屋敷には不思議が付き物、そのために安く売り出されている屋敷の現象を解き明かし(あるいは退治したりして)、害がないなら買いましょう、という魂胆なのである。
嬉々として大望を語る深葉に、組織の命令とあれば逆らえずに汐崎が連れてこられたのは、まずは信州の山の中。金持ち社長がイギリスから移築したという塔も見事な洋館だった。かつては栄華を誇ったこの屋敷、社長の死後は怪奇現象が相次ぎ、以後何人もの持ち主の手に渡り離れて、現在は相場の半値以下で売りに出されている状態だった。
屋敷の造りは美しく、深葉はお気に召した様子、しかし塔の検分となれば、彼らはとんでもない、妖精(!)に遭遇などしてしまう!! 掟により妖精――その名をプティット・ローズ――の面倒をみなくてはならなくなった現代の美女と、ドライな男の、ありえない日々の開幕編である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-15 00:43:55
18547文字
会話率:49%
これは読者諸君の住む世界とは別の世界の少女のお話。
とあるエルフの村に住む彼女は、魔石屋の娘としてこの世に生を受けた。
少女の名はローズ・ブロッサム。父は人間で、母はエルフ。ローズは幼い頃に母を失っている為、母の声すらも憶えてはいない
。それでも、それなりに幸せな毎日を村で過ごしていた。
「ローズは魔結晶を創るのが上手いなぁ」
父が初めてそう言ったのは、ローズが六歳の頃だった。
実際幼いローズの創った魔石は、既に商品として店に並べるには充分すぎる程のクオリティを備えていた。
そして、それから十年。
魔結晶の創造以外に長所と呼べるものを見つけられなかったローズは、嬉々として唯一のアイデンティティを伸ばし続けた。父の魔石屋を継ぐという夢の為に。
そんなある日、ローズの住む村に一人の騎士が訪れる。
それが全ての始まりだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-08 21:06:19
7977文字
会話率:43%
”アルディオスの森”。其処は決して立ち入ってはならぬ禁断の森。
禁を破り、その地に足を踏み入る者あらばアルディオスに名を連ねる者達が嬉々として命を刈り取っていく。
その森には、国家、種族、個人の思惑が絡み合い純粋な欲望の前では人の歩みは止
める事は出来ない。
そんな森の中で、日々繰り返される”凄惨な死”に心を痛めた一人の幼女が立ち上がった。
心優しき幼女の名はマルゴレッタ=アルディオス。
世界中の国家、勢力から付け狙われる最強最悪のアルディオス家が生んだ最後の良心。
いかな理由があったとしても一片の慈悲も無く容易く侵入者を殺してしまう、色んな意味で頭のネジが緩んだ愛すべき家族達から彼等を守るべく奮闘する献身幼女の物語ーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-03 10:00:00
65943文字
会話率:48%