蝉時雨の降りそそぐ真夏日の午後。
伸ばす手は届かなかった。
恋人・遥香(はるか)が飛び降りた瞬間のトラウマに苛み、救えなかった、と罪悪感に苦しむ淳一(じゅんいち)は、その記憶から、そして日本から、逃げ出した。
語学留学を口実に、英国の片
田舎ケンブリッジでの生活を始める淳一。
そこで出逢ったのは5つの国、7人若者たちだった。
敬虔なクリスチャンであるドイツ人兄弟、フェリックス(18)&マーティン(26)・コッフェ。
天真爛漫なクラスメイト、スイス人の美少女、カリン・ミューレ(20)。
同じくスイス出身でありながら、女性恐怖症のホームメイト、不細工ニック(23)。
トルコ出身で、情が厚く淳一の親友となるイスラムニスト、エンディ・クント(23)。
内気で心配性の、フィンランド出身のクラスメイト、アニカ・ルースカ(18)。
そして、もう一人の日本人留学生、クラスメイトとなる沢木亜衣子(25)。
彼らとの交流を通し、淳一は少しずつ心を再生させてゆく。
活力に溢れたカリンとフェリックスの際限のないケンカや、アニカの優しい気遣い、亜衣子の励まし。また、いつも傍にいて大きな包容力で包んでくれるエンディの存在。両足が麻痺し、神とともに生きるマーティンから突きつけられる日本の宗教観念に対する批判と、それに対する淳一の答え。赤面症のホームメイト・ニックのピュアな片想いと壮絶な恋の結末、そして別れ。
人間としての急速な成長を求められる中で、淳一はそっと遥香との記憶を紐解いてゆく。
それは春の風もまだ冷たい札幌の、とある大学のキャンパス。
その日、淳一(20)は幼馴染の遥香(18)と8年ぶりに再会した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-30 03:31:21
157623文字
会話率:33%
フォル・ポラリスは13歳のとき、家の奥底でとある書物を見つけた。
その書物は、失われた重力魔法の事が書かれていた。
彼は最後の重力魔法士となり、重力魔法の再繁栄を目指すが……
最終更新:2021-03-07 21:00:28
245文字
会話率:0%
残り3年。たったそれだけのことだろうか。
最終更新:2020-12-24 03:11:27
10221文字
会話率:52%
若干ホラーな
街道沿い、宿場町の詩。
陽炎、白昼夢。蝉時雨、振り袖姿の娘、鬼の子。
いつもの、なとの不思議でちょっと怖い詩集。
最終更新:2020-11-17 02:05:06
798文字
会話率:17%
例年に比べて長く続いた梅雨が明け、夏の始まりを報せる蝉の声が一斉に響きだした八月某日。
とあるニュースが日本全土を震撼させた。
『女優 東雲すみか(28)死亡 自宅で首吊り自殺か』
そのあまりにも早すぎる訃報はたちまちSNS
上で拡散され、多くの悲しみの声と共に夏日最初のトップニュースを飾った。
各新聞やテレビの報道番組では、彼女の死を悼む言葉と共に女優〈東雲すみか〉が残した多くの功績を称える特集が組まれ、彼女の死の真相や発見に至るまでの経緯が記事として、議論として、多くの人の目に留まった。
特別、彼女に興味があったわけではないし、強い憧れや好意を抱いていたわけでもない。ましてやファンですらなかったと思う。
彼女が普段どんな表情で大衆の前に姿を見せていたのか、どんな演技で大衆を魅了していたのか、外の世界と隔絶した生活を送っていた僕はほとんど知らない。
——だけど。
……たった一度だけ、彼女と二人きりで話をしたことがある。
木陰に響く蝉時雨。
アスファルトを焦がす夏の日差し。
どこまでも澄んだ青い空と、天まで届く真っ白な入道雲。
時折海からやって来る潮風と、幻影のように漂い続ける煙草の煙。
忘れもしない。
暑い暑い八月の、僕と彼女だけが知っている、あの夏の日の記憶——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-23 20:00:00
17915文字
会話率:33%
蝉時雨と赤ん坊の泣き声、古びた建物からもうすぐ引っ越しする男の話。
最終更新:2020-08-29 15:11:48
1568文字
会話率:0%
蝉時雨に消えるよすがの初恋。
最終更新:2012-05-28 20:43:11
1859文字
会話率:40%
とあるビルの一角の話。
最終更新:2020-08-24 19:04:47
616文字
会話率:15%
「早く大人になりたい」が口癖の高崎陽菜。中学三年生の夏。突然現れた不思議な小さい男の子。その子は碧羽時雨と名乗る。帰りたくないと言う時雨を家に迎え入れる陽菜。
ある時、時雨にプレゼントをもらった陽菜は消し去られていた記憶が蘇りはじめ…!?
謎だらけの時雨の正体。そして時雨が伝えたい物とは…?
陽菜と時雨の時を超えた青春のお話を貴方はどう感じる?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-09 10:29:05
1586文字
会話率:56%
昔から雨の日に鳴く蝉はすごく不思議でした。
当時はなぜ不思議なのかわかっていなかったのですが、あるとき雨の日は羽根が濡れると飛びずらくなるから泣いたところでメスはやってこないという事を知りました。
だから、私は不思議だったのか。と一人納
得したことがきっかけの作品となっています。
カクヨム様・ノベルアップ+様でも同様の作品を投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-20 19:00:00
1764文字
会話率:20%
昴宿殿の女御、蓮華に仕える女房の鈴鹿は武家の娘。他の女御に比べて身分の低い蓮華がいじめられているのに日々悪戦苦闘していた。
そんな中、蓮華が懐妊する。
帝の寵愛篤い女御の懐妊に、他の女御とその実家が騒めきだす。
北斗殿の女御、蝉時雨は右大臣
家の姫。
恒星殿の女御、蛍風は左大臣家の姫。
帝には蝉時雨との間にできた皇子しかおらず、蛍風との皇子を亡くしている。
蓮華を寵愛する帝は、中宮を誰に据えるのか?様々な憶測が内裏を飛び交い、ついに呪が蓮華に襲いかかる……!
「呪? 夢でも見てたんじゃないですか」
呪も妖も、目に見えないモノは信じない! すべては物理で解決する!
そんな鈴鹿と陰陽師・晴縁の織り成すサイキック・アクション・ラブコメここに開幕!!
いきなり自分の職業全否定された晴縁の恋の行方は!?
*全話書き終わっています。全十話、一日一話更新。のんびりお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-15 07:00:00
39426文字
会話率:49%
連休の終わり、妙な女に絡まれた。
特筆するべき特徴といえば、人より腕っ節が強いくらい。あとは平々凡々……だと自分では思っている。
少なくとも俺の日常は大して代わり映えのしないものだったけど、あの出会いからちょこっとだけど青春っぽい何かが始ま
ったのかもしれない。
[不定期更新][一応青春系のつもり]折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-17 00:06:38
25586文字
会話率:49%
都市ローディナスにそびえる巨大な塔リグ・ヴェーダ。なぜそこにあるのか、なんのためにあるのか、何も明らかにならない中で、国や組織、そして人々が、それぞれの思惑で登頂を初めて数十年。未だに頂を見たものはいない。故郷を飛び出し武者修行中の少年アイ
ンは、その塔に挑むべくローディナスの地を踏んだ。胃袋ブラックホール娘メルティを相棒に、塔の頂点を目指そうとするが…。
■不定期更新以前に他作品の改訂とか滞ってるし、仕事の合間縫ってやりますので、まぁ、長い目で見てください■折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-05 00:13:14
55387文字
会話率:52%
魑魅魍魎の巣くう広大な大地。その危険な魔境に足を踏み入れ地図を作るダンジョンメイカー。
大切な人を失うも孤独に生きるダンジョンメイカーの青年は、金に困って請けた仕事の行き先でとある出会いを果たす。
守るために再び剣を持ったその時から、青年の
運命は動き出した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-30 18:39:44
215957文字
会話率:43%
高二生の僕は、ふと、あの未完成の夏を思い出す。
最終更新:2019-04-21 17:49:55
1699文字
会話率:39%
なんでもない夏休みだと思ってた…
でも、この夏休みの出来事が僕の最大の思い出になるなんて思わなかった…
それは蝉がけたたましく鳴いていた夏だった。
最終更新:2018-12-15 21:05:26
8198文字
会話率:100%
今年の夏は酷暑続きですね。
いつもにましてセミがうるさいのかしら。その蝉時雨の話です。
最終更新:2018-08-10 21:39:52
596文字
会話率:16%
小柴茜と木原蓮実は幼馴染だ。変わり者の蓮実に茜は振り回されながらも楽しい日常を過ごしていた。しかしそんな日常も残りわずかとなっていた。
※見方によってはガールズラブに見えるかもしれません。
最終更新:2018-08-09 00:24:18
1052文字
会話率:55%
大量の流星群が観測されたある夏、人々は流星群が「聞こえる」ようになった。
その「音」はまるで蝉時雨のようだという。
しかしそれは悲劇の始まりだった。
最終更新:2018-07-31 22:57:46
1257文字
会話率:0%
蝉時雨は、嫌いだ。
居なくなってしまった君を嫌でも思い出してしまうから。
蜜柑、朝顔、夕焼け、涙。
死に別れた妻を思い続ける夫が、現実と向き合うようになる話。
明治、大正あたりの日本のイメージです。
実際の史実とは異なる場面がございます。
ご了承下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-13 23:06:15
4574文字
会話率:15%
自分が何をしたいのかわからず、日々を周囲に言われるがままに生きてきた青年・優輝。
しかし、彼はそんな日々に疲れ果て、ある日会社をサボってしまう。
そして、逃げるようにしてたどり着いたのは古都奈良だった。
彼はその地でひょんな事から、天真爛漫
な謎の美少女・夏希に出会う。
夏希に振り回され、それでも楽しみながら、風情ある奈良の街を巡る二人。
そんな中で優輝は徐々に自分が何に悩んでいたのか、何がしたかったのかを次第に思い出して行く。
一方、普段は笑顔を浮かべている夏希にも日を追うごとに変化があって?
これは、自分の価値を見出せなかった青年が、一人の少女に出会って、成長してゆく、「想い」が宿る地を巡る物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-16 09:00:00
109778文字
会話率:28%
神を視ることができた少女、和花(のどか)は祖母を亡くしたことをきっかけに力を失っていた。
小さな村に生きていた彼女は、都市化の波に反して地域に伝わる祭りを復興させることに決める。迷い、戸惑いながら進む彼女の前に壁が立ちかだかる。
軽ト
ラックに轢かれかけたことをきっかけに、封印されていた力を取り戻す。
そして――――――
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文化祭用に書いた小説を長編用に書き換えたもの。
大賞に応募するあてもなくなってしまったので、ここにアップします。
どうぞ、お手軽に読んでもらえればと思います。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-08 22:59:22
83170文字
会話率:18%
『傘がない』『続・傘がない~下駄の男』『蝉時雨』(短編集「週末、公園のベンチにて」収録)に続く、下駄の男シリーズの第4弾です。
江戸川区にある笠井町。そこで多発する事故死。笠井町周辺を担当エリアとする江戸川南警察署の組織犯罪対策部所属の後
藤刑事は、自分がマークしていた暴力団員やその関係者の謎の事故死を追う中で、不思議な力を持つ男と出会う。
尾上弥太郎と名乗るその男は作務衣に下駄という風貌で自らを「拝み屋」だという。
下駄の男の力を借りて事件の真相に迫った後藤刑事とその部下鳴門刑事。しかし、それは大きな陰謀めいた闇の力の、ごく一部でしかなかった。一つの事件――傘による謎の交通事故の一応の解決をみたあと、笠井町のあるアパートに大量の蝉が発生し、またしても元暴力団員 権田聡が事故死をする。
その裏に隠されていた坂口姉妹の権田への復讐劇にたどり着いた三人であったが、そこに何者か=第三者が関与している可能性を下駄の男は指摘した。
「おそらくは、悪意を持ってこの外法を坂口由紀子に教えたものがおる。ワシはそうにらんでおる」
下駄の男がいう『外法』とは一体何なのか?
そしてその『外法』と使う人物とは?
笠井町を舞台に繰り広げられる奇伝
笠井町を守る刑事=後藤刑事、鳴門刑事
下駄の男=尾上弥太郎
外法を使う符術師=狩野紫明
下駄の男を師匠と慕う書画家=田中太山
笠井町の町に影を落とす闇の塔=東京スカイツリー
闇の塔を見守る猫=団十郎
政界、経済界、そして警察組織ですら陰で操る謎の人物=しわがれた声の主
さらに 短編集『休日、事務所のソファにて』収録の<魔法少女シリーズ>の主人公=魔法少女ミサも登場し、奇想天外な物語が繰り広げられます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-28 13:27:25
102812文字
会話率:58%