少年が目を覚ました。
|黄蘗《きはだ》色の短髪に灰色の瞳をした|痩《や》せ気味の少年である。
寝台から降りて日除けを開けるとささくれだった床板に|仄《ほの》かな灯りが差し込む。
朝だというのに輝かしくないのは、空が百年以上も玉
虫色に鈍く光る|靄《もや》で覆われているからだ。
超大国ロデスティニア。
彼の名はシェザード・トレヴァンスという。
繋世歴662年、夏。
少年はリオンと名乗る少女と出会った。
これは虚ろなる山にて十一の鐘を数え、時の眠りしを見守る時の賢者が冒険家ニールに語る追憶の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-01 00:01:45
218576文字
会話率:30%
あれは僕がまだ駆け出しの記者だった10年以上も前、携帯電話も、もちろんスマホなどない時代、ノートパソコンがやっと持ち出せるくらいに小さくなり、メールで記事を飛ばすことができるよになった頃に遭遇した不思議な出来事だった。
最終更新:2021-07-22 10:33:44
6764文字
会話率:39%
―よし。このぐらいにするか。
書いていた日記を閉じる。
今日は、やけに体が重たい。まだ、時計の針は12時を超えていないが、寝るにはちょうどいい時間だろう。
さっきまで筆を進めていた手帳を机の引き出しに仕舞い、寝台に向かう。
寝台
に仰向けに転がり、目を閉じる。体の力を徐々に抜いていく。
ゆっくりと眠りの世界に落ちていく感覚があった。今日は久しぶりにぐっすり眠れる気がる。
―起きろ。おい、いつまで寝てるんだ。
―誰だい?
―いつまで寝ぼけるつもりだよ、早く起きろ。
目を覚ました僕は、死んだはずの友人が僕の横に立っていることに気付いた。
この日を境に、僕は夢の中で、死んだ人と会うようになった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-23 13:26:51
18746文字
会話率:1%
寝台特急『北斗星』を中心に、今は亡き鉄道車両が別の日本に転生して活躍する話
他サイトにも掲載
ハーメルン
→https://syosetu.org/novel/259041/
pixiv
→https://www.pixiv.net/n
ovel/series/7312152折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-19 17:00:00
4451文字
会話率:81%
17歳の古永小春は寝台列車に乗り、温泉郷タマノイを目指す。
途中、猫の神様や列車強盗に出くわす。
ちょっと不思議なやわらか旅小説。
最終更新:2021-06-12 09:14:39
4287文字
会話率:19%
週に一度、練習を兼ねて400字詰め原稿用紙一枚前後で短編小説を書いております。長編のワンシーンを切り取ったようなイメージで書いているので、様々な世界を覗き見ていただけたらと思います。
はてさて、今回は、豪華寝台列車の旅が当たった“彼”の物
語――――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-30 18:00:00
515文字
会話率:0%
貴族学院で野生の男爵令嬢ジュリエットによろめいてしまったりしつつも、子供の頃から婚約していた公爵令嬢ジュスティーヌと結婚した王太子アルフォンス。
だが結婚して3ヶ月経っても、ジュスティーヌの大親友兼侍女となったジュリエットにシバカれるばかり
で、寝台で寝ることすら許してもらえない。
ある夜、婚約以来アルフォンスがジュスティーヌに個人的な贈り物をしていなかったことがジュリエットにバレ、例によって小突き回される破目になる。
今までの分を一気に補填できるような、超絶素敵な誕プレをしろとジュリエットに命じられ、ジュスティーヌになにが欲しいか訊ねたら
「一生に一度でいいから『逆ハー』してみたい」
という、品行方正貞潔無比の王太子妃とは思えないまさかの答えが。
……ていうか君、男とか房事とか苦手って言ってなかったっけ??
---------
というわけで、新婚の妻(いまだ同衾させてもらっていない)に、なんとか「逆ハー」で楽しんでもらおうと苦闘する、顔はいいけどなにかと残念な王太子アルフォンスのお話です。
※「『王太子』とかけて『種馬』と解く」(https://ncode.syosetu.com/n3507gx/)の続編です。
※単体でも話はわかるようにしたつもりですが、先に前作をご覧いただいた方が良いかもです。
※他のシリーズ作品とはつながっていません。
※前書きや後書きに、ちょいちょいYouTubeの音楽動画への言及が入ります。苦手な方はすみません…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-26 20:28:41
15285文字
会話率:20%
私はシオン、霊の声を聞くことができる降霊師です。王太子に婚約を破棄されたのがショックで心臓発作で死んだという悪役令嬢ベルモット嬢が夜な夜な私の寝台に現れて、破棄の原因の一つである階段から今の王妃を突き落としたとかいじめたというのも、自分が死
んだ後、王宮を襲った数々の不幸も私の呪いではなく冤罪だからそれを晴らしてくれと泣き落としをして脅すので私はほとほと参ってしまい、王城で陛下と王妃に謁見をして、冤罪を晴らすことになってしまったのですが…。
報復をしてくれ、冤罪を晴らしてくれという霊のお願いを私はかなえることができるのでしょうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-22 16:06:43
4996文字
会話率:54%
寝台特急に乗ること。
最終更新:2021-03-14 19:54:06
903文字
会話率:12%
密林での民族大亡命作戦を成功させたライドウとシスルの二人に
トガベ少将は思わぬ褒美を与える。
それは非業の死を遂げたシスルの姉が眠る街、迂恕《うど》へ向かう、
寝台列車の乗車券だった。
常夏の都、拓洋《たくよう》を旅立つ二人
四日間にも
及ぶ列車の旅で、二人はこの世界の有り様を目の当たりにする。
異世界エスピオナージファンタジー
『月桃館五〇三号室の男』
『密林に消えた貴公子』と『天譴の山』
二つの物語の間をつなぐ冬の旅の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-21 19:55:24
18364文字
会話率:20%
この惑星には大陸がいくつもあり、そのなかでもフロストリア大陸は一番大きな大陸であった。大陸には一本の長い鉄道が通っていて、今日は汽車が煙を上げながら常夏の国から雪の北国まで走っていた。汽車は寝台列車と連結していて、そのなかでも先頭車両は豪
華な客車になっている。その客車の中にいた少女は紅茶を啜りながら窓の外の雪降る景色を見るのだった。
この作品は銘尾 友朗様主催『冬の煌めき企画』の参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-19 00:20:43
7652文字
会話率:49%
ハガリー国、エリザベトの館では、灰がまかれる。
枯れた桜の木に、
庭の土の上に、
部屋の寝台の回りに・・・。
部屋にまかれたその灰は、
液体を吸いとり赤黒く色を変えた。
最終更新:2021-01-02 08:00:00
2602文字
会話率:10%
「ニア・ユーリオ伯爵令嬢、君との婚約は破棄する。そして、アリアナ・ヴィンセント子爵令嬢への殺人未遂で捕らえさせてもらう」
グレアム・ミスト侯爵子息からの宣言に、私は死を悟った。
学園の卒業パーティー、私からグレアム様を掠め取ったアリアナ嬢
が憎くて、憎くて、憎くて……私は、刃物を持ち込んでしまった。そして、殺人を犯す間際にグレアム様に刃物を叩き落とされた。
私の凶行によって全て無くし、死刑を待つ牢屋の中で、どうしてこうなったのかを考えていたら……そもそも、グレアム様に固執するのがよくなかったのでは無いか?あんな浮気男のどこがいいのか?と、思い至る。
今更気付いた所でどうにもならない、冷たい鉄の板に薄布が敷かれた寝台の上で「やり直せるなら、間違わないのに」そう呟いた瞬間、祖父からもらった形見のネックレスが光を放って……気付けば学園入学時に戻っていた?!
よくわからないけどやり直せるならやり直す!浮気男(共)の本性はわかっている、絶対に邪魔はしない、命あっての物種だ!
だから私、代表して晴の舞台で婚約破棄というざまぁをされます!
さぁ皆さん、ヒロインのアリアナ嬢はあちらです!
※感想の取り扱いについては活動報告を参照ください。
※アルファポリス様でも連載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-24 10:00:00
32086文字
会話率:34%
ある夏の日、恋人のゆかりとともに、寝台特急に乗って旅行に出かける事になった葵。
その特急には「あの世とこの世の狭間にある、『名前のない駅』を目指す死者の魂を乗せている」という、不気味な噂話があった。
噂を信じず列車に乗り込んだ葵だったが、そ
の直後から周囲に異変が起こり始め……。
オカルトを信じない青年が遭遇した、一夜の怪異の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-12 21:00:00
44927文字
会話率:23%
社会人2年目の普通女子が、テンプレな異世界転移をした、その日記的記録。基本的に独白スタイル、たまに会話形式です。
下部+注意+の赤字部分にもある通り、このお話はフィクションです。音楽・医療・その他の事柄は、作者の夢の中の出来
事であり、事実に即しているとは限りません。ご承知おきください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-06 09:00:00
86055文字
会話率:46%
『午前1時発、星原(ほしばる)行き、寝台特急は、0番乗り場より発車いたします。発車まで今しばらくお待ちください』
夏のホラー2020に合わせ投稿。
前作に比べてファンタジー要素は減っているのかどうなのか…
ホラー作品を書いていたらホラーよ
りファンタジー要素が大きくなってしまった、そんなお話2作目です。
暴力、出血表現あります。ご注意ください。今回は少年のお話です。
※転載禁止。1989折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-19 00:00:00
7400文字
会話率:60%
『午前1時発、星原ほしばる行寝台特急は、0番乗り場より発車いたします。発車まで今しばらくお待ちください』
気づいたら寝台列車に乗っていた。モリタアカネは慌ててホームに降りようとする。
そこで見たものは何もない闇に浮かぶホームだった。
こ
の物語は、夏のホラー2020に投稿しようと書いていたらホラーというよりファンタジー要素が強くなってしまったお話です。
※無断転載禁止。1989折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-03 01:00:00
7687文字
会話率:58%
今は無き『寝台特急日本海3号』が舞台の細やかな事件。
テッちゃん相手だと、この表題と前半部分だけでオチバレしてしまうだろうか。
最終更新:2020-08-18 21:17:01
2822文字
会話率:20%
人生最後の旅は、寝台列車。
そう決めて、片道切符で列車に乗り込んだ私は……
夏のホラー2020参加作品です。
最終更新:2020-07-23 02:37:27
8895文字
会話率:33%
人形師のレニは、リリーという操り人形を使った人形劇をして生活している。だが彼の人形劇は観客から面白くないと言われ続け、レニはそれにずっと悩まされてきた。
だがそんなある日の朝のこと。目を覚ますと、人形であったはずのリリーが、ドレスを着た
美しい少女になって寝台のそばに立っていたのだった。
「ご主人様。私に、恩返しをさせてくれませんか?」
――――突拍子もない出会いから始まる 人形×人形師 の恋愛物語。
彼らの紡ぐ物語には、きっとハッピーエンドこそがふさわしい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-31 20:17:01
3043文字
会話率:23%
ローズが目覚めると、若き教授ルーファスが隣に眠っていた。
ルーファスは学院でも下世話な噂の絶えない美貌の人物だ。
そんな彼とどうして同じ寝台で?
ローズは記憶を呼び起こすべく、痛む頭をフル回転させた。
最終更新:2020-03-28 12:00:00
30584文字
会話率:27%