――少年と少女が、満月の元を歩いていた。
「あの日も、こんな綺麗な月だったわね」
「あの日って……どの日だ?」
「……一番最初」
「あの日か」
「あの日よ」
少年は、少女と初めて出会った時の事を思い出した。何も持たなかった少年が異世界
で様々なものを拾い始めた、その切っ掛け。
「せっかくだし、思い出話でもしましょ」
「ああ。――月がこんなに綺麗なんだし」
これは白から始まる、最初の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-30 18:06:40
6542文字
会話率:57%
東京在住で、大学を卒業し職業相談所に勤めて2年目になる西条琴子。10年前に同級生で親しい間柄だった柏木未生から、突然のメールを受け取る。突拍子もない文面に、誰かのイタズラだと思い込んだ琴子。しかしその翌日、ニュースで未生の名前を目にすること
になる。10年前、あうんの呼吸で通じ合っていた親友は、殺人を犯していた。三ツ谷聡史という、二回りほど年上の男性の首を、パソコンのコードで絞めて殺害。三ツ谷が生き絶えたあと、その場で食べかけのケーキを完食し、いつものようにベッドで眠った。しかも殺害現場となったマンションの部屋は、殺された三ツ谷が未生のために借りていたものだった。10年前の穏やかな未生のイメージとはつながらず、混乱する琴子。
そんな琴子のもとに、未生の国選弁護人となった原から連絡が来る。原はまだ若く頭の切れる男だった。「未生さんに、会ってほしいんです」拘置所の面会室で、アクリル板越しに顔を合わせた未生は、美しい女性に成長していた。思い出話はやがて、未生の生い立ちや恋愛の話にまでおよぶ。原は未生が三ツ谷殺害に到るにあたり、あまりに多くの苦悩や葛藤を抱えていたと予想をつけた。刑を少しでも軽くするのが弁護人の仕事だ。原は情状酌量の余地を見い出すべく、未生の苦難の道を辿る。大学時代のレイプ未遂、父の死、夜の仕事、そこには想像を絶するような出来事がいくつもあった。そしてその線上に浮かび上がるのは、幾人もの男たち。琴子は原を通して、全く知らない未生の姿に気付くこととなる。「私ね、私の知らなかった未生をもっとちゃんと知りたいと思うの」琴子の知る穏やかな未生とはかけ離れた、あまりに暴力的なもう一人の未生の姿。三ツ谷とはどこでどう出会い、なぜ殺さねばならなかったのか。裁判の日は刻一刻と近づく。
「ここでぜんぶを止めてしまわないと、私何もかもだめになる」
最後に未生が琴子へと書きつづった手紙の中には、未生の人生における最初で最後の恋の話が書かれてあった。淡い恋はどうして絶望へと変わったのか。これはひとりの女性が辿らざるを得なかった“運命“の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-24 18:00:21
65499文字
会話率:63%
私の祖父について、ちょっと思い出話などを。
最終更新:2019-10-17 20:59:52
1737文字
会話率:11%
子供時代に焼き芋をした時の思い出話。
最終更新:2019-10-15 22:15:47
1246文字
会話率:0%
懐かしい街の、とある喫茶店。
この場所で、彼女と再び出会った自分は、彼女に10年前に「あの場所」であった話を振られる。
「あの場所」、閉鎖された廃病院、「中森病院」。
10年前当時、そして今でも残り続けている廃病院。
それは、あの日、彼ら
が肝試しに行ったとされる場所。
そして、彼らが行方不明になる前に行ったとされる場所。
あの日、彼らに何があったのかを知りたがる彼女に、自分は、自身があの場所で体験したことを話すことにした。
廃病院という廃墟に訪れ、そしていなくなった5人の学生達。
彼らは、何故いなくなったのか。
そして廃墟という空間に、何が潜んでいたのか。
一人、別行動をしてた自分が見た、あの日、そこで起こったこと。
それは、廃病院という空間の中に潜む、「何か」との邂逅であった。
そしてあの日の出来事は、まだ終わっておらず、今でも続いているのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-08 23:11:07
9629文字
会話率:19%
負け犬だった男の遠吠えにすらならない独り言です。よろしくお願いします。
最終更新:2019-08-27 00:07:54
1118文字
会話率:0%
“お話”で酔ってもらうという意味で「お話カクテ ル」と銘打った、大人向けのストーリーテリングのライブ活動を続けています。
カフェや、私のオフィス、依頼を受けた先のご家庭や会場で、蝶ネクタイをして物語を語る「お話バーテンダー」が私のもう
一つの姿です。
お客様にメニューを見てもらい、お話のリクエストを受けます。
私は、頭の中にある物語のイメージを引き出して、会場の雰囲気に合わせて、即興で少 しずつ言葉に変えて語っていくのです。
ちょうど、旅から帰ってみやげ話をするように、思い出話をするように、飾らず、素朴に語っていきます。
約30作品の語りをすべて記憶に頼っており、書き起こしたテキストがありませんので、内容や表現が少しずつ変わっていきます。
すべての物語が私の オリジナル作品で、生命や自然、人間、愛などをテーマにした“癒しと気付き”の創作物語で参加者からは感動したとの感想をいただいています。
その即興の語り用の物語のレパートリーを順をおって、内容を豊かにふくらませながら書き下ろしていきます。
感想やご意見をいただけると嬉しいです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-12 19:14:50
76955文字
会話率:11%
軽い気持ちで近場の心霊スポットに来た圭吾とその友達の祐介。
最初は思い出話をするほどの余裕があったが、だんだん2人は恐怖に支配されてゆく。
人とは違う何かの気配。水没した地下室。消えた親友。それを乗り越えた先に何が待っているのか。
そしてそ
こに見えたものとは折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-28 00:43:08
9091文字
会話率:49%
小百合は一年前に自殺した。突然の出来事だった。
蓮と別部は、小百合とは中学時代からの腐れ縁だった。
大学二年生のとある夏の日。蓮と別府の二人は車で小百合の墓参りに行っていた。その途中、三人の思い出の場所へ立ち寄ることになった。蝉の声が鳴り響
き、蜃気楼が立ち込める中で、二人は思い出話に花を咲かせる。しかしその話の途中で、ある事実が浮き彫りになっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-01 23:42:46
9378文字
会話率:46%
私から姿を消さなかった猫の話。
カクヨムでも掲載しています。→https://kakuyomu.jp/works/1177354054890119601
最終更新:2019-06-26 20:18:31
3032文字
会話率:15%
世界観を同じくする連作の第三話。これだけでも楽しめると思います。
酒の席での、少年時代の思い出話。
ただし、語っているのは前々作「面影湖奇譚」に出て来た、人に視えないものを視る男・武田春樹。普通の初恋話にはなりません。
この作品は、エブ
リスタ、ノベルアップ+、アルファポリスでも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-18 11:42:43
6342文字
会話率:29%
リタイアして10年ほどの元ライター&編集者が、10年前らへんの出版業界やゲーム業界の現場のお話をします。実話および体験談がメインですが、登場人物たちの言葉や行動、判断などがそれぞれの業界にとって普遍的なものとは限りませんので、「そんなことも
あるんだ」ぐらいの温度でお楽しみください。
【追記】今どきエディトリアルライターとは呼ばないということで、あらすじ部分を改訂しました。ググると絶滅危惧種のような件数でヒットはしますが、そもそもが誤用なんじゃなかろうかあの呼称。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-25 04:14:36
20417文字
会話率:6%
ライフル射撃部で自分にはないものを持っている天平を羨む藤枝。
才能に恵まれている彼が羨ましかった。いくらでも投資が出来る彼が羨ましかった。面倒くさいが理由で自分が手にできるものを切り捨てられる彼が妬ましかった。努力しないと自分が手に入れられ
ないものを、何もなしに手に入れてしまう彼が眩しかった。だからこそ、そんな全てを持っている彼が、いつも怠惰なのが許せない。天平を超えたい藤枝が最後に知ることは。
ライフル射撃部のお話。
彼は自分にないものを持っている。だから悔しい。
大学生活も終わりなので、思い出話として書いてみました。
(2013.10)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-20 21:00:00
46019文字
会話率:54%
ロンドンに駐英日本大使館が初めて設置されて間もない頃……。
一人の日本人駐在武官が、大使館内の密室から忽然とその姿を消した。
非公式の捜査に当たったのは、まだ修行時代のシャーロック・ホームズ。
ホームズがワトソン博士に思い出話を語ります。
最終更新:2019-05-17 20:00:00
14858文字
会話率:38%
私が日常生活で感じたこと、出会った人や本、思い出話や社会問題について、幅広く書いていくエッセイです。不定期更新です。書くときはたくさん書きますし、書けないときは全然書けません。あらかじめご了承ください。
このエッセイを通して、皆さんに何
かを感じていただければ幸いです。
※タイトルにそれほど深い意味はありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-14 21:11:48
9527文字
会話率:0%
私の知り合いには、オンドリ親分という人物がいる。
彼は、虚空部隊の隊長をしている。
今回は、私と彼との大学時代の思い出話をする。
最終更新:2019-05-09 01:11:21
2036文字
会話率:50%
前作「ハルかカナタ」の続編となります。
あらすじから壮大なネタバレとなっています。前作より読んで頂けると幸いです。
前作「https://ncode.syosetu.com/n0053bz/」
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無事に春と律子を未
来へ連れて来る事が出来た沙美。しかしここがゴールではなく、律子の病気を治す課題が残されていた。治まっていた頭痛も日増しに酷くなり、過去にも来ていた後輩、美香と手術を施すが……。
沙美の両親はもちろん、過去で出会った人々に会いたいと言う律子の願いを聞くべく、山本光介、八重子、長谷川美穂、菊川さん、そして律子の両親との再会の旅へと出かける。ただの思い出話で片付くはずが、みな口を揃えて「会いに来る事は知っていた、過去の事も全部、ある女子高生から聞いた」と言う。更には誰の口からも「美鈴」と言う名前が出てきた。
事情を把握するや、律子はタイムパラドックスの危険性を懸念する。
未来から来ているであろう高校生の美鈴。沙美は、彼女と再会する事は出来るのか。そして、この時代へ来ている美鈴の目的とは……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-26 23:05:29
3275文字
会話率:33%
これは、落語です。剣術の師匠と弟子のユタ蔵のお話です。
ユタ蔵は入門したのは良いのですが
年がら年中、薪割ばかりさせられて、うんざりしていた。
そこに師匠があらわれ、剣術ならぬ、ダジャレ合戦を展開。
そしてユタ蔵の思い出話に、師匠が説いた
内容とはいかに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-20 09:00:00
4398文字
会話率:9%
僕こと氷室炬燵がPS4を買います。
新しい物を買うまで、少し時間がかかりそうなので、懐かしみながら、昔のゲームを回想します。
小説というよりプレイ日記。プレイ日記というより思い出話です。
最終更新:2019-02-01 16:00:00
83024文字
会話率:3%
ハキダメ思い出話、第二弾です。前回の反省を踏まえて、今回こそは華美な妄想の花を追うのをやめたいかと存じます。花をとりさった世界。凸面ではなく、凹面的なケの世界。ほんとうは僕はそれを書き、みずから触れていたいのですからね。自慰的に。
タイトル
は暫定的に、逃げてはならない、と致しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-30 19:30:18
961文字
会話率:0%