これは私の30年にわたる一つの恋の記憶の回顧録です。
私が大切に抱いてきたこの恋を、誰でもいい、誰かに知っていてもらいたかった。
成就しなくても、思い出だけでも恋は持続することができる。あの時のときめきが現世の生きる糧になるんだと、知ってい
てもらいたいのです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-29 00:14:40
764文字
会話率:0%
平凡な中年サラリーマン田村秀明には30年間欠かしていないことがあった。
それは「駅のホームで電車を待っている時、いつ突き飛ばされてもいいように対策しておくこと」である。
彼はなぜこんなことをしているのか? またどんな対策をしているのか?
そして、そんな自分自身に何を思うのか……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-26 16:35:15
2291文字
会話率:9%
私、下江千咲が一生懸命に生きた30年間の話です。
誰にも話してなかったことや
本当に苦しかった、楽しかった、全てのことを
整理したかった。願わくば誰かに知ってほしい。
そして最後には、自分を認められますように。
今何も無いように感じてる私へ
、何か変わりますように。
そんな気持ちを込めて、お話させてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-19 02:32:23
15411文字
会話率:9%
なぜ日本経済は30年間ほぼゼロ成長なのか?
日本は簡単に言うと国の予算の使い方があまりにも下手すぎます。
以前僕はPB黒字化目標を癌だというエッセイを書きましたが、それも確かに問題はあります。
しかし、いくら予算のプールを増や
したとしてもその使い方そのものが間違っていれば、
結局のところ何の意味も無いのです。
これは、各利益者集団や外圧の意見を聞いて妥協した結果、日本国民にとって利益にならない政策が展開されていることが原因としてあります。
また、ここ2年は20兆円の枠組みだけを作った「予算繰越し」が20兆円もあり、これらを早急に有効に使って欲しい。そしてこのことをもっと国民の皆さんに知って欲しいと思いました。
皆で知って皆で声を上げていければ国も少しは変わると思います。
ということで、今回は日本の予算の中で問題のある経済政策を中心に述べていこうと思います。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-16 18:00:00
39348文字
会話率:4%
1989年、戦後の平和な時代にとある噂が流れた。とある山で不気味な人影を見たというものだ。
ある夜に三人組の男が噂の山で肝試しをしていると巨大な繭を発見する。発見後すぐさま繭は爆発し、そこから呪妖と呼ばれる怪物があふれ出す。
2019年、裏
社会で生きていた妖跋隊と呼ばれる組織は30年間の間で日の目を浴びるようになる。
日々呪妖の危険にさらされる日常から危険を排除できるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-20 10:21:56
5975文字
会話率:67%
そこは地球という名の惑星。
宇宙には多元宇宙論といって、複数宇宙の存在があると仮定した理論物理学による論説があるらしいが、そんな事はどうでも良い事として話を進めるとしよう。
地球に存在する人間の中にはおっさんと呼ばれる存在がどれだ
けの数生きているのだろうか、おっさんとは中年男性を表したおじさんを変化させた多分に軽視した意味合いを込めて用いる言葉で、紳士的にここではおじさんと表現していく事にする。
おじさんの生態系と題した時、とある人物がそこに生活をしていた。
そのおじさんは古着を粗末にしない性格の持ち主で、30年間使えるものは大事にしていた。
毎年、両親が好きで食べていた苺大福を用意し、墓参りへ行く為に揺られる電車内に鎮座していた。
突如としてその時が来た。おじさんにだけ襲いかかる大地震が起こったのである。
その突然の振動に抗える身体能力は無く、抵抗虚しく意識を失ってしまったおじさん。
どれだけの時間意識を失っていたのか分からないまま、目覚めてみると、おじさんの前にはお決まりの女神様がおじさんに微笑んでいた。
見た目は麗しく、見た目は知的な感覚を印象付ける佇まいにおじさんも警戒心を徐々に緩めようという気持ちになっていた。
しかし、悲しい事におじさんの目の前に現れた女神は想像に反し、短期的言動を進めてはおじさんの反応に応じる隙を見せてはくれない様子で話は進んでいくのであった。
突拍子もない話が進み、おじさんが話を出来る番が訪れ、今の状況に文句を言いながらも女神におじさんの要望を発言していく。
おじさんの混乱している状況を女神は把握し、女神魔法を発動。おじさんの頭の中に何がどうして起こったのか一部始終を刻んでいく。
混乱の解けたおじさんの中に新たに発生した葛藤は女神を微笑ませると女神の恩恵を与えると女神の権限魔法が発動する。
権限魔法は数あるスキルの中でいくつかのスキルを選ぶことが出来るというものであった。
おじさんはそのスキルを選ぶ事で異世界に存在する種族間同士の紛争を止めるという使命を達成しなければ、元の世界には帰れないと女神より語られるのであった。
数多くの生命が溢れる異世界でおじさんの幸せはどうなっていくのか、今新たな生活が幕を上げる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-09 21:00:00
2117文字
会話率:32%
自覚のある『異常』が、30年間の眠りから覚めたら滅茶苦茶にカオスな世界だったって話
この作品は
・主人公以外の人物がハーレム(主人公は多分純愛)
・かなーり強引な理論
・見る人によっては気持ち悪い主人公・登場人物の性格
等々が含まれます
。ご了承ください
初投稿です 拙い文章ですが見てくださればありがたいです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-14 01:18:02
370文字
会話率:34%
天正9年。佐久間信盛は、30年間仕えた信長のもとを追放されて、熊野温泉で湯治中であった。そんな信盛は、湯に浸かりながら、かつての主君である信長のことを思い出していた。
最終更新:2021-11-11 21:09:07
6855文字
会話率:47%
いっけな~い、遅刻遅刻ぅ~☆
アタシ、神那しおり! チョッピリうっかりな夢見る乙女!
などと脳内モノローグを繰り広げながらバタバタと不格好に走る不審者。彼女の斜め後ろでは煤けたマスコットが呆れたように大きなため息を吐く。
「こ~れ
だからしおりは。ちゃ~んと準備しておかないから慌てるハメになるッピ~」
「…うっるっせえー! 元はといえばアンタが勝手にお茶請け用の菓子を貪り食ったせーだろーが!!」
「ギュエエ!! ギブギブ!!! 首締まっちゃう首!!!」
神那しおり。42歳。
彼女はタルピーという|謎の生命体《マスコット》のせいで伝説の魔女っ子ヤヌーシュカとなり、闇の組織シャーデンフロイデと戦う宿命を背負う。
が、それより大切な使命は――会社のおばちゃん軍団と恙なく仕事をこなすため、持ち回りのお菓子を絶対に忘れないという事であった!
急げ、しおり! コンビニはあと500メートルくらい先にある!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-22 00:00:00
10347文字
会話率:42%
飯塚良也はこの30年間、自堕落な日々を過ごしていた。
パッとしない学生生活を送り、その後も定職に就けず、派遣社員として安定しない生活を送る。
そんな彼の人生が変わったのは、気まぐれに同窓会に出席したのがきっかけだ。
その同窓会で、良也は
衝撃の事実を聞く。
「由美ね、飯塚くんのこと好きだったんだよ――」
桜庭由美といえば、大宮西高校でも超絶美少女として有名だった。男であれば、誰もが彼女に憧れる。
反して、良也は誰もが憐れむ陰キャ。
まさか、そんなわけないじゃないか――と良也は否定するが、由美はすでに交通事故で他界しているという。
もはや確かめる術などなかった。
その瞬間、良也はなんと高校三年生にタイムスリップしてしまう。
高校三年生。
由美からのアタックを全無視し、大学受験を諦めた時期だった。
良也は改めて知った。
ここが自分の人生の分岐点。
過去の自分はここで逃げてしまったために、人生そのものが転落してしまったのだと。
ひどい人生を歩んできた。
もし――暴言を吐き続け、ひどく傷つけてしまった両親を大事にできたら。
もし――いまから頑張れば人生は変わるのか。
もし――桜庭と付き合えたら、彼女の命を救えるのか。
これは、元おっさんが人生をやり直す物語である。
※日間、週間で1位獲得!
※感想欄で「泣いた」との感動のお声を多数頂戴しています! ありがとうございます!
※ハーレムタグありますが主人公はヒロイン一途です。
※コメディ要素もありますが基本シリアスです。
※いわゆる「なろうテンプレ」は完全に無視しています。
※アルファポリス様でも掲載中です!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-09 19:29:41
117290文字
会話率:33%
剣聖の息子、ナラト=シニシュアは自分でもびっくりするくらいの無能だった。運動もダメ、勉強もダメ、おまけに気弱でヘタレなクソザコナメクジである。
ナラトは千年単位で現れる『魔王個体』と呼ばれる魔物と戦う宿命にあった。剣聖の息子として期待さ
れる一方、当のナラトは魔王討伐なんてことはとっくに諦め、魔道学院にも通わず自宅で魔物の卵を収集する趣味に没頭しながらニート生活をしていた。
そんなナラトをよそに、日本では30年間ずっと自宅警備員をしていた男性が死亡した。
彼の名はイトウ。親から部屋引き摺り出され、渋々ながらハロワに向かう途中、不幸にも大型トラックに撥ねられこの世を去った。
イトウが目を覚ますとそこは異世界。目を覚ますと冴えない少年が目の前に鎮座し、しかも自分が人間ではなくイモムシに転生している事に気が付く。
戸惑いながらもイトウは目の前の冴えない少年、ナラトに協力しながら異世界生活を送ることとなった。
しかしイトウは知らなかった。自身に『魔王個体』へと至るスキルがあることを。二人が人類の存亡を賭けた戦いに巻き込まれていくことを。
ナラトとイトウ。二人のニートが出会う時、物語は動き出す!
知識とスキルを駆使して弱肉強食の世界を生き残れ! 極限バトルファンタジーが今始まる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-01 12:09:56
97244文字
会話率:30%
私は彼と約10年間の友人期間を経て、私が彼の一人暮らしの家に引っ越しする形で同居し、結婚することになりました。月並みな言葉ではありますが、同居して初めて、私は彼との価値観の違いを痛感することになりました。恐らく彼も私との価値観の違いを感じ
たことでしょう。この価値観の違いは、お互いの生まれた星が違うのではないかと思うものばかりであり、不思議と友人期間では気付かなかったものばかりでした。
「人は出会った言葉でできている」
これは、聖教新聞のCMのワンフレーズです。私は、幸か不幸か、今まで人生30年間、彼に言われた言葉に出会ったことがありませんでした。
もし、私が今までの人生の中で、彼の言葉に出会っていれば……、もし、彼にこのような言葉を言われた時は、こう対応しようとシミュレーションしていれば……、彼に対して神対応が出来たのではないかと思います。
ここでは、星の王子様とも言える彼の迷言集を掲載しています。私に彼を見極める能力が皆無だったことは言うまでもありません。しかし、読者の皆様が彼の迷言集に出会った時は、私のようにグウの音も出ない状況を避け、華麗に神対応していただき、ストレスを溜めない人生を歩んでいただけたらと思います。
結婚式の場において、ご両家の皆様や職場・友人の前で、牧師さんに、「読者の皆様、あなたはここにいる彼を、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」と聞かれ、「はい、誓います。」と言声高らかに宣言し、これから彼と約50年間の人生を共に歩むとなった場合を想定した上で、彼の迷言集を読んでいただけたら幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-05 12:00:00
5380文字
会話率:48%
1978(昭和53)年生まれの42才主婦が
あっちゃこっちゃで見たり聞いたり体験したことを
記憶頼みで自分目線のみで書き綴るというか書き殴る
平成という30年のクロニクルです。
1話から時代が順行するようになっています。
1〜25話までが
昭和63年から平成10年です。
27〜50話までが平成10〜15年です。
53〜100話が平成15〜平成20年夏です。
タイトルが分かったり興味がある部分だけ読むもよし
平成という時代を誰かの目線で体感するもよし
自由な読み方をして下さい。
たまに自分語りや鬱展開が入ることをご容赦ください。
読んで頂きありがとうございます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-17 05:36:20
122757文字
会話率:19%
統合失調症の30年間、寛解(病気の症状が軽減またはほぼ消失し,臨床的にコントロールされた状態。治癒とは異なる。白血病・バセドー病・統合失調症などの病気のときに用いる)までの軌跡
最終更新:2020-12-09 12:50:54
10134文字
会話率:49%
シングルファザーとして子育てをしながらもロックバンドをやり続た男の平成と言う時代30年間の生き様。就職、転職、結婚、貧乏、病気、逮捕、離婚、起業。自身の人生と体を使った人体実験の記録。
最終更新:2020-11-16 21:44:07
2658文字
会話率:0%
1618年5月23日――
ボヘミア王国首都プラハの宮殿の窓から、神聖ローマ帝国の代官ら3人が投げ捨てられた。
この〈窓外投擲〉事変をきっかけに、 かねてよりくすぶっていたカトリック・プロテスタントの確執に火がつき、30年間に渡って中央ヨーロ
ッパ全土が戦火に覆われることとなる……。
30年戦争の通史です。
ISBN4-88708-317-3 刀水書房刊 『ドイツ三十年戦争』 C.V.ウェッジウッド著 瀬原義生訳
を基礎資料としています。
他の参考資料及び登場人物一覧は後ほど(全編テキストはロールアウト済み。調整次第順次リリースします)。
2010年から2014年まで同人誌として不定期で刊行していた作品の完成版です。26話で中断していましたが、実はラストまで書いてあったので、誤字脱字、明確な誤りを修正して公開します。
各話サブタイトルは「クーゲルシュライバー!!(ギャギィ!)」のノリなのであんま気にしないでください。
小生はドイツ語に限らず語学は日本語以外落第生だったので正確性は保証できません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-27 20:47:20
386355文字
会話率:4%
中世、数百年に渡り人類(人間、エルフ、ドワーフetc・・・)と魔族(魔王族、オーク、ゴブリン、鬼etc・・・)が幾度となく戦争を繰り返して来た世界において。
主人公サミュエルが繰り広げる旅と冒険を描く。
30年間、大陸の西に位置する経済
大国、ウィンスト王国を治世したサミュエルは、前王(ぜんおう)という称号を与えられ既に玉座を息子ミカエルに明け渡し王宮にて自由気ままな生活を数年間送っていた。
しかし、彼の脳裏には常に自分が倒した魔王の妃、エルザが言い放った言葉が張り付いていた。
「私を倒しても終わりは来ない」
そのため、日々の鍛錬は怠らなかった。
そんなある日、魔王の娘ヒルダが成人し、自らの母親の命日に宣戦布告の文書を主要な大国へと送りつけた時点から、物語は始まる。
果たしてサミュエルは、親子二代に渡り世界侵略を成功させようとする魔王一族の野望を打ち砕く事ができるのであろうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-20 11:41:31
40936文字
会話率:19%
30年間連れ添った妻が交通事故で意識不明の重体になった。
最終更新:2019-10-14 23:41:29
2634文字
会話率:32%
俺は前世で医者だった。
職に縛られたまま、30年間勤め、過労死。
2度目の人生は必ず自由に生きることを決意した俺は、魔法が飛び交うファンタジー世界へ飛び込む。
前世の記憶を武器にし、最強へと成り上がる。
この世界では弱肉強食の法則のもと、殺
し合いはざらだ。
そんな世界の中で俺は今日も強くなる。
人の死を糧にして。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-06 18:14:06
97359文字
会話率:24%
かつて、人族が、他種族と覇権を争っていた時代・・・。
本来、肉体的に劣弱で、数的にもそう多くはない人族は、覇権以前に生存そのものが脅かされていた。心身ともに虚弱な人族には「知力」や「技術」、「多様性」という種族的な特性があったが、それを
いかす余裕もないまま弱小種族として消え去るはずであった。
しかし、人族に、大いなる存在が出現した。勇者である。
勇者出現以前と以後では、人族は種族的に変質したと言ってもいい。
ただ一人の勇者が、時に屈強な魔王と戦い、時に無数の大軍を食い止める。その様を見た人族は、勇者に声援を送り、更に勇者を助けるべく自ら武器を取り、ついには自ら勇者たらんと心身を鍛え・・・いつしかその「知力」を磨いて魔術を、その「技術」で開発した武具を、その「多様性」を発展させて文明を手に入れた。それは勇者の「勇気」を手に入れ、失敗を恐れず正しく前進した人族の成長。挑戦を続けた人族の勝利。
いつしか勇者を中心に結束を始めた人族は、多くの種族・・・亜人と言われる・・・に打ち勝ち、覇権を手にした。
更に時が過ぎた。人族は、いつしか支配を当然のものとし、他種族を蔑視するようになる一方、手に入れた果実を失なうことを恐れるようになった。発展した魔術や科学、文明は巨大な産業社会を成立させ、戦いの規模を大きく、組織的にしていったが・・・。
いつしか戦場に勇者は不要になった。
むしろ、清算なき戦いを行う時代遅れの愚者となった。
そして、人族から「勇気」が失われていった。
勇気なき「知力」は打算となり、勇気なき「技術」は模倣に終わり、勇気なき「多様性」は不和を生み・・・人族は挑戦を、前進を、発展を止めた。
今から、30年ほど前、人族に従属していた亜人がついに一斉に蜂起した。彼らは人族の魔術を学び、技術を模倣し、文明を受け入れ、人族を追い越していたのだ。
大陸にあった多くの人族の国は滅び、南方の族長連合、中央の王国、そして北方の帝国だけが残った。守勢に立った人族は、城郭都市を築きあげ、以後30年間、その残された版図を維持することに終始した。
現代の人族の決戦兵器は城郭都市である。
勇者がついに復活したと言われる今でさえ、それは揺らがない。
勇者は時代遅れの決戦兵器、これは、そう呼ばれる時代の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-30 16:38:19
178769文字
会話率:46%
統一歴390年、それは今から30年ほど前。人族に従属していた亜人がついに一斉に蜂起した。彼らは人族の魔術を学び、技術を模倣し、文明を受け入れ、人族を追い越していたのだ。
大陸にあった多くの人族の国は滅び、南方の族長連合、中央の王国、そ
して北方の帝国だけが残った。守勢に立った人族は、城郭都市を築きあげ、以後30年間、その残された版図を維持することに終始した。
現代の人族の決戦兵器は城郭都市である。
勇者がついに復活したと言われる今でさえ、それは揺らがない。
勇者は時代遅れの決戦兵器、これは、そう呼ばれる時代の物語である。
そんな時、族長連合では一年に一度の満月の日に、異世界よりの才能ある者を転生させる試みが始まった。18年前、17年前、16年前、15年前と4年連続で転生に成功させるしたものの、そのうち一名は有意な才能が認められず、記憶を封じられ、一族から追放された。
猟師の息子として育ったパルシウスは、家族を失い、いつしか人族最強の城郭都市ホルゴスで、街を守る『影守』として、密偵や暗殺に従事するようになっていた。
統一歴421年、パルシウスは、やってきた勇者の一行に密偵として潜入する。しかし、その一行とは、彼と前後して召喚された、勇者エンノ、戦姫ソディア、護姫シルディアの、かつての姉妹たちだった。勇者の仲間は、勇者の復活こそが人族の巻き返しの嚆矢とする陣法師コルン。イケメンだが、意味不明のことわざを連発する魔術師セウルギン。大柄で無口だが人が好過ぎる聖職者キーシルド。ドジでノロマなダメスカウト、ミュシファ。
ホルゴスをめぐる策謀に気づいた勇者たちと、己がかつての兄弟であり、またその仲間を裏切っている密偵である、そういう秘密を抱えたままパルシウスは、仲間ととも暮らし、ホルゴスを救う戦いを繰り広げていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-05 14:59:50
194974文字
会話率:41%