子爵令嬢である私、チェルシー・スウィフトに仕えてくれている十八歳の青年クルス。ひょんなことから彼に異能の力が開花した。
それは、人の頭上に花が浮かんで見え、その花言葉によって他者の心がわかるというものだ。
強盗の嘘を花で見抜くなど、それなり
に能力を活用していたクルスだけど、ある日、伯爵令嬢であるジュリアさんに彼への愛を示す真紅のバラが咲いているのを見てしまう。
クルスのことを好きな私はそれを知り、焦るあまりにジュリアさんの屋敷の門を叩く。
そこで知ったさらなる真実とは──折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-30 17:15:03
16312文字
会話率:35%
時は大正、小説を書くため、そして、自身の地位を築き自由を謳歌するため、多くの男女と戯れに関係を持つ女流作家、夜羽真紅(よはねしんく)を主人公とした物語。
※他サイトでも公開しています。
最終更新:2024-07-19 17:00:00
14554文字
会話率:47%
片田舎の剣術道場の娘ルティに、ある日自分の左胸に真紅の羽根のような痣が現れる。その痣は『聖女の証』だった。
しかし、ルティは聖女ではなく騎士になりたい。
聖女である事を隠して、騎士団に入団するのだった。
最終更新:2024-04-30 23:51:02
20086文字
会話率:41%
千種薫は月夜桜ギルドメンバー全員と共に新規開拓地カナダへ向かおうとした時だった。彼らはロンドン港から出発した大型漕船団(遊撃旗艦・真紅の天竺牡丹号/種別オスマンガレアス)を組んだ。しかし超大型竜巻、更にはここには居ないはずの幻神怪獣に遭遇、
大船団は散り散りに。
千種薫はMMORPG「大航海時代Online」で最強ギルド「月夜桜」のリーダーだった。しかし、ある日ゲーム内で起こった不可解な事件に巻き込まれてしまう。彼は自分が知らない別世界「大航海時代light」に飛ばされてしまった折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-25 15:41:39
26579文字
会話率:2%
ハイドラド大陸の考えは二分されていた。
西の竜王尊重派と東の竜王抹殺派に。
染みついた両者の価値観は、歩み寄りを許さず、大きな戦争へと発展する。
それが大陸史上最大の戦争『東西魔大戦』である。
血で血を洗う悲劇的な戦争の戦火は、大陸中に
飛び火。
両国の町や村や都市も戦場となった。
そして、その戦争で民間人に対する最大の被害を出した事件。
惨劇の夜。
それは村が一夜にして壊滅したことで名付けられた。
住民が皆殺しにあった悲しき事件だ。
しかし、この事件の裏には、生き残りの少女がいたのだ。
白銀の髪と真紅と碧眼の瞳を持つ少女。
これはその少女の運命の始まりの物語。
後の世で氷炎の魔女と呼ばれる少女の伝説の始まりである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-12 13:24:22
7274文字
会話率:31%
十五歳の誕生日、子爵家令嬢フェイリア・エルドリンドは自身の身に覚えのない罪を着せられることになる。
何も知らないフェイリアに下された罰は動物に身を窶し、家名を抹消の上で追放されるというもの。
見たことの無い薬によって猫にされたフェ
イリアは家から放逐され、慣れない身体で生き延びようと奮闘するも、それもすぐに限界が訪れる。
彼女が孤独に震えながら、ただ死神の足音が近づいてくるのを聞くだけとなった時、それは現れた。
全身を鮮血に濡らし、赤黒い中に真紅の目だけを爛々と輝かせる、怪物のようなそれが。
これは寂しい公爵と、一匹の猫の恩返しの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-06 19:53:16
101067文字
会話率:39%
安土桃山時代、天下統一を目前にした豊臣秀吉の前に立ちはだかる、一人の女武者がいた。忍城主、成田氏長の娘で名を甲斐という。当年十七歳。女だてらに真紅の鎧をまとい戦った彼女の歴史の一コマを、短編小説にしてみました。
最終更新:2024-04-01 20:00:00
2665文字
会話率:39%
連歌は続くよ
どこまでも
《連歌ノ法》が、施行された。
それ以来、日本中の神社本殿及び寺院本堂等の腰は、カラフルになった。
社寺の腰には、色とりどりのベルトが巻かれた。
神社仏閣の中心となる建物(本殿や本堂等)の外周りには、グルッと一
周、連歌を募る紙のベルト(帯)が巻かれた。
今、目の前にあるお寺の、本堂に向かって左端から始まる髪帯は、鮮やかなスカイブルーだった。
フォレストグリーン地の、Tシャツを着ている。
Tシャツには、前面真ん真ん中に、三つの図柄が入っている。
和尚さんは、天念に急かされ、草履を履き、庫裡をゆったりと飛び出す。
和尚さんは、天念に背中を押され、のけぞりながら、歩を進める。
青からの赤、鮮やかな青からの真紅の赤、スカイブルーからのヴァージンレッド。
僧侶二人組とは思えない色の軌跡を描いて、シグナルみたいな二人は進む。
その名も、[連歌ん雁]。
《ん》は、「私ん家、俺ん家」のような、《の》を表わす《ん》。
《雁》は、メジャーな渡り鳥を表わす。
よって、名が表わすものは、《連歌の渡り鳥》
この辺りの地域にある神社仏閣は、軒並み、紙帯の停滞に悩まされていた。
総じて、約一ヶ月前に投句された句が、停滞を引き起こしていた。
「なまじっか、連歌とか短歌とか俳句の心得があったり知ってたりするから、
《ん止め》と《本歌取り》に怯んでしまって、句を繋ぐのに、
二の足を踏むんだと思うんです」
連歌ん雁地元遊撃隊二チームは、盛況の内に決定した。
早速、明日より、各四チーム(飯与宗次一人チーム、県担当連歌ん雁チーム、PST、SCT)は、活動を開始することにする。
ちょうど、ヨサブソンという芸人が、テレビの中でネタをやっている。
三つの、半分にしたドラム缶のような、バケツのようなものに、細長いボードが入っている。
ボードには、文字が書かれている。
《お題作戦》を採用して以来、紙帯の停滞は、順調に解消されている。
U―22組の自由奔放と、O―23組のオーソドックスが、適度に矯正されて、ほどよくいい感じの句が詠まれるようになっている。
繋げ易い句が一度提示されるやいなや、各寺社の紙帯は、また滑らかに滑り出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-25 09:30:42
42205文字
会話率:30%
漆黒の髪と真紅の双眸を持っているというだけで、人々は悪魔と呼んで蔑む。戦を終えて戦利品の中から国王アージェスが見つけたのは、悪魔と蔑まれる少女ルティシアだった。かつて負傷したアージェスを助けた恩人でもある少女を、彼は庇護する為に愛妾として傍
におく。甘えることを知らないルティシアは、アージェスの傍にいながら心を閉ざして一人孤独に堪え続ける。その姿に、アージェスは次第に惹かれていく。美形国王と反逆者の娘との切ない恋物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-17 09:38:27
206814文字
会話率:30%
ヴィルヘルミネ=フォン=フェルディナントが世に生を受けたのは、帝歴一七七六年十月十日であった。
彼女は真紅の髪に紅玉の瞳を持つ、政戦両略の天才と呼ばれる才女――というのは、あくまでも多くの人の勘違い。
ヴィルヘルミネは本来、地位と金に対し
て意地汚く、イケメンと美少女が好きなだけのポンコツだった。これは、そんな彼女が何故か優秀な味方を得て、英雄と呼ばれるようになるまでの物語――。
ボーイズラブタグはヴィルヘルミネがイケメン好きの為、保険です。
ガールズラブは、ヴィルヘルミネが美少女好きの為、やっぱり保険です。
魔法や怪物、魔物など、一切出てこない世界観です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-31 23:08:09
1198157文字
会話率:41%
会社帰りに歩道の工事現場から穴に落ちた。
気づけば空から落ちている途中。
地面に叩きつけられた瀕死のヒロインの前に現れたのは、真紅の目隠しをした魔眼の騎士様だった――――。
なんの見返りも求めず、ヒロインの怪我を癒やしてくれる魔眼の騎士。
全てを委ねていいのか分からず、オドオドしつつも少しずつ心を開きだすヒロイン。
二人の想いは少しずつ近くなっていく。
そして、恋から愛へと変わっていくのだったが――――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-24 08:10:10
56139文字
会話率:39%
本日一番の主役の花嫁ーーとなるはずのフローティアは、結婚式目前に婚約者のディーンが浮気をしていたことを知った。結婚式に真紅のドレスを着て登場したフローティアは式が始まると同時に、本日二人目の主役の新郎ーーとなるはずのディーンに『婚約破棄』を
言い渡す。···が『それ相当の理由』をとディーンの父親であるヒラティス公爵に攻め立てられた。婚約破棄に向かって用意してきた証拠と証人。相当以上の理由を並べたフローティアの結末は!
結婚式で始まった婚約破棄のお話です。◇◇過去の話を元に婚約破棄を進行して行きます。おまけの王子視点も一緒にお楽しみ下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-16 19:23:04
10327文字
会話率:37%
冷え込みの激しい冬の日の朝。
女子大生の猪地乃紀は、軒先に出来た氷柱を払いのけようと下宿のドアに手をかけた。
ところが昨夜まで正常だった氷柱は、朝には血のような真紅に染まっていたのだ…
(本作品は、しいな ここみ様御主催の「冬のホラー企画2
」の参加作品で御座います。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-10 07:00:00
1438文字
会話率:22%
昔、歴史の授業で必ずといっていいほど習い皆の記憶に残るであろう歴史上の人物。メリー・ケーキトカパンンネット。ヨーロッパのとある国の王女で国の革命の渦に飲み込まれた悲劇の王女として語り継がれている。
さてそんな彼女が廊下をはいつくばりながら
迫っていた。首筋から致死量の血がしたたり落ちドレスがみるみる真紅に染まっている。
そしてアパートの自室への”帰り道”に彼女はいた。
「死、死にたくないデス・・・。タスケテ。」
「ヒィイイイイ。幽霊!? いやてけてけ? なんか出たーーーーー!@poiuiytrewqギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
言葉にならない悲鳴をあげたおれ。なんせ彼女は明らかに人外のオーラをまとっていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-15 12:00:00
5487文字
会話率:40%
悪堕ち魔法少女モノってだいたいアレじゃん?
エロありきじゃん? 基本的に18禁じゃん?
堕ちる過程を楽しんで、以降はズッポシじゃん?
毎夜蜜月じゃん? 見境なく濃厚接触じゃん?
そういうの大好きだし大好物だし
むしろ主食になるくらい性癖に
ぶっささりなわけだけどさ、
同じくして作者自身思いました。
そんなん同人漫画読めば事足りるやん。
もっとライトに読めるもんないのかと。
ないなら書いてやれ。
堕ちた〝後〟の日常ストーリーを、と。
なろうで書くんだし
ギャグテイストにできたらいいなぁ。
そんで垢BANされないギリギリを攻めよう。
もし仮にノクターンにでも堕とされたのなら
そのときは潔くそっち方面に話を広げていきます。
一一一一一一一一一一
登場人物。
・蒼井 美麗(アオイ ミレイ)さん
→主人公。基本的にこの子視点。
悪堕ちした〝元〟魔法少女。
悪の秘密結社のアジトでしっぽりと暮らしてる。
群青色の長く麗しい髪。モデル体型。
変身したらもちろんブルー。
心もたまに鬱ブルー。健気ですね。
悪堕ちしても元来のお嬢様気質は抜けないが、
羞恥や我慢が好きな被虐体質ですわ。
ここまで言えば分かるでしょ、キミも同志なら。
・小暮 茜(コグレ アカネ)さん
→主人公の元相方魔法少女。今は一緒に堕ちてる。
真紅の髪で小柄で元気いっぱい。
楽しいこと大好き!気持ちいいこと大好き!
頭空っぽで能天気!
夜は自分のベッドでは寝ないほどの行動派(意味深)
ホントは淫乱ピンクにしたかったが
変身ヒロイン青の反対なら赤だろと没になりました。
・ご主人様
→悪の秘密結社の総統。
悪そうなヤツ(物理的)はだいたい友達(部下)
堕とした子それぞれ優劣なく愛してるので
夜は忙しいです。この人を寝かせてあげて。
野望は世界征服だがホントに優秀なため
夢が現実になるのも時間な問題。
自分の欲に忠実なだけの割と普通に常識人。
権力も経済力もあるだなんて惚れない理由がないよね。
・その他怪人の皆さん(オーク怪人さんとか)
→安月給ながら身を粉にして働いてる会社員。
労災保険が頼みの綱。
普通なら竿役。しかしこの作品では割と常識人。
ほらだってみんな、それぞれ家庭があるのですから。
一一一一一一一一一
面白そうだと思ったら
感想やイイネコメント、ブクマをよろしくぅ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-07 11:15:01
1172269文字
会話率:26%
中学二年生の夏、僕は塾帰りに不良達に絡まれ大ピンチだった。
カツアゲされる――だけならまだいいのだが、最悪なことに彼らの目的は僕の体らしい。
「グヘヘ、引き締まったイイ尻をしてやがる……」
スポーツの類はしていないが、我が家は常に心身を
鍛えるべしという家訓があり、僕は文系の割には引き締まった体つきをしている。
どうやらそれが仇となり、狙われることになってしまったらしい。
「クッ……、殺せ……」
菊の花を散らすくらいなら、命を散らす。
そう覚悟を決めた瞬間――、男の一人が何かに気付く。
「ん? なんだ嬢ちゃん、もしかして参加希望か? 残念だが、俺達は美少年専門でなぁ。そういう願望があるなら、お隣の路地をオススメするブベァッ!」
男が最後まで言い終わる前に、強烈な打撃が腹に突き刺さる。
男達は瞬間的に近付いてきた少女がヤバイ存在と悟るが、時すでに遅く暴虐の嵐が吹き荒れた。
鮮血に染まる赤髪の少女は、真紅に染まった指をペロリと舐め上げてから、頭上の月を指さす。
「月を見るたび思い出しなさい!」
そう言い残し、赤髪の少女は去っていった。
あの夜以降、僕――いや、俺は、一から体を鍛え直した。
変わり者の師に武術を習い、戦うすべも身に付けた。
そしてある程度自信がついたころ、再び夜の街へと向かう。
目的は勿論、もう一度あの少女と会うためだ。
しかし、いくら夜の街を探し不良達と喧嘩をしようとも、少女が現れることはなかった。
あの少女は、一体どこへ行ってしまったのだろうか……
結局少女と再会することはなく、俺は高校生になった。
あの夜からもう、1年以上が経過してしまった……
しかし、俺は諦めない。
必ず彼女と再会し、そして――
※この作品は武 頼庵(藤谷 K介)主催の『月(と)のお話し企画』参加作品になります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-26 06:16:08
5012文字
会話率:32%
19世紀後半、魔法が物語の中でしか語られなくなった時代、イグノラント王国には国家秘密組織である「嘆きの夜明け団」という魔法専門の教団があった。この国の霊的治安を守るために、その教団の人間は魔法を用いて、魔物や違法な魔法から国や民衆を守る義務
を背負っていたのである。だが、アイリス・ローレンスは有名な魔女の子孫だというのに、魔力を全く持っておらず、任務中の破壊行動が多すぎたことで、教団のお払い箱とも噂される「魔具調査課」への配属が決まってしまう。また、そこに「呪われた男」と呼ばれる少年クロイドも配属され、「奇跡狩り」と呼ばれる極秘任務のパートナーだと言い渡されてしまうのであった。始まりの物語「黎明の魔女」http://ncode.syosetu.com/n7503ef/
※本作品の著作権は伊月ともやにあります。無断転載・無断引用・無断使用・自作発言は禁止しております。
※本作品はマグネット!様とカクヨム様にも同じものを投稿しています。
※本編内の挿絵は伊月ともやの自作です。表紙は神谷吏佑さんと和翔さんに頂いたものです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-18 15:44:18
2295894文字
会話率:40%
「魔女」の存在が浸透していた時代、魔女であるエイレーンは森の奥でひっそりと一人で暮らしていた。その暮らしは寂しいもので、近くの村の人間からは恐れられ、遠巻きにされていたが、それでも人として認められたいと努めていた。そんなある日、村を襲撃した
魔物を倒したにも関わらず、この惨状を自分のせいにされてしまう。さらに、異端審問官が自分を捕まえにきたことを知ったエイレーンは命からがら逃げることとなった。――「良い魔女」とは何か、人にとって自分とは何か。止まっていたものは動き出し、エイレーンの苦悩が始まる。「真紅の破壊者と黒の咎人」へと続く始まりの物語。→ http://ncode.syosetu.com/n6178dn/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-14 14:26:34
111276文字
会話率:46%
化け物に取り囲まれ、窮地に陥る一人の少女。 しかしその時、彼女を中心に真紅の霧が発生する――。
真紅のドレスに身を包んだ美しい姿へと変貌。
紅蓮の炎に身を包み、襲い来る化け物を焼き尽くす。
気がつくとと孤児院で保護されていた。
少女リュー
ナは親友のクレアと様々な経験を経て成長していく。
やがては、世界の真実に迫る。
ちょっと勝手気ままな少女がおりなす剣と魔法のファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-06 08:00:56
1957文字
会話率:15%
ギロチンに掛けられ亡くなった、善良な兄マリウス。その死の真相を知る為に、ギロチンで身内を亡くした遺族の会──通称赤いリボンの集いに参加するサシャ。喪服をまとい、ギロチン遺族の証の赤いリボンを首に巻いて集い合う、人、人、人。
サシャはそこで青
年ラファエルと出会い、惹かれ始め──。
Ruban rouge=真紅のリボン
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-30 23:05:53
5248文字
会話率:35%
人間に恋をした天使、メフィストフェレスは、彼女恋しさに天上界から堕ち、人間の世界を彷徨い歩く。
しかし彼女との再会は彼にとって地獄の幕開けとなった。
人を呪い、神をも呪う存在となり、『光を愛さぬ者』となったメフィストフェレスは、古城を
塒に眠り続けた。
しかし、ある時一匹の妖魔が人間の手から逃れ、メフィストフェレスの眠る古城へと迷い込む。
妖魔の名はイーヴァ。彼女は自分が人間ではないから蔑まれ、疎まれるのだと考え、人間になることこそが自分にとっての救いであるとメフィストフェレスに伝える。
メフィストフェレスは魔力を集め、イーヴァの額の宝玉が真紅に染まる頃、願いを叶えてやると約束をした。
歳月が流れ、イーヴァは 『古城のサキュバス』と謳われ人々から恐れられる存在となった。
彼女はキスにより人間から魔力を奪う。
人間になる事を夢見ていながら、人間から魔力を奪う必要があるイーヴァは、常に孤独を抱えていた。
自分の存在を否定し、孤独から逃れたいと考えた矢先、イーヴァを退治しに一人の男が古城へと足を踏み入れた。
彼の名はヴィートリヒ・クライバー。クライバー伯爵家の家長であるヴィートリヒは、実直な性格の持ち主だった。
王命としてイーヴァを討伐しに来たヴィートリヒは、討伐に失敗し、イーヴァを小さな子供の姿へと変えてしまう。
幼女さながらに泣き喚くイーヴァを前に困惑し、いくら妖魔とはいえ、子供に乱暴な事などできないと、ヴィートリヒは彼女を自分の邸宅に連れ帰る事にした。
しかしヴィートリヒは数々の妖魔討伐依頼に忙殺され、妻もいなければ人生を楽しむ余裕もない、寂しい生活を送っていた。
イーヴァはといえば、隙あらばヴィートリヒから魔力を奪おうと試みるが、ヴィートリヒは「幼女姿のそなたとは犯罪だ!」と、逃げ惑う。
次第にイーヴァはヴィートリヒの優しさに惹かれていき、人間になれなくてもヴィートリヒの側に居られるのならばそれで良いと思い始めるが——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-30 17:01:37
76775文字
会話率:48%