おじさんは臭い、汚い、ウルサイ。 最初に口にした者は、軽いジョークのつもりだっただろう。 しかし、それが事実に変わるのにそれほど時間は掛からなかった。
実の娘はもちろん、妻でさえ夫の身に付けていた物は、鼻を摘んで指先だけで持つようになっ
た。 テレビでは、おじさん達の臭いを消す洗剤のコマーシャルが当たり前に流された。
父親をバカにしていた息子達は、次は自分の順番だと気付くことは無かった、自分が父親と同じ歳になるまで。
おじさんの犯罪者はいた、しかし全ての犯罪者がおじさんだった訳ではない。 人の気分を損ねることは、年齢性別に関係なく誰にでもある。 しかし、おじさんは気分を損ねる全ての原因とされた。
ハラスメントの誕生である。
おじさん達の地位は落ち、肩身が狭い中で暮らし続けることになった。 だが、それでも満足しない者たちがいた。 ブサイクに話しかけられると気分が悪い、デブは視界に入ると気持ちが悪い、そう言い出した。
言葉はやがて条例となり、法律となった。 新迷惑防止法が制定された。
世の中から必要無いとされたオジサン達は、それでもしぶとく生きていた。 そんな時、他の惑星から来訪者が現れた。 彼女達はおじさん達を見ても、臭いとも汚いとも言わなかった。
おじさん達は、自らの意志で彼女達の惑星への移住を決めた。 おじさん達は必要ないと言われ続けた地球から、銀河へと生活の場を移したのだ。 おじさん達は銀河で輝く星となるのか、それとも星屑となって消えるのか。
これは、そんな時代に生きていた一人のおじさんの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-18 13:48:23
132565文字
会話率:46%
「あ、あ、あ、あのですねぇえ! しゃ、社長様はおられますかぁ!」
とあるビルの一室。入室と同時に発されたその声は窓を割れんばかりに震わせたが、声の主もまたガタガタブルブル。また、名指しされ、社員一同の視線が集まった社長も震えあがった。
社長はいそいそと立ち上がり、出入り口付近に立つその者に向かう。
何の用で来たかはわかっている。先ほど取引先から電話があったのだ。今回のミスついて、直接謝罪にお伺いする……と。
「あ、あのね、ま、まず、そんな大きな声出さないで貰えるかな? このビルはさ、他の企業さんも入っているんだよ。迷惑になっちゃうからさ、うちなんて、ははは、小さい会社だからさ、睨まれちゃうと肩身が狭いというか、いやぁ参っちゃうんだよね」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-07 16:00:00
1792文字
会話率:80%
法事のあとの会食その席。身内だけの集まり。大部屋で畳に座椅子。その大きな窓の向こうにはまだ緑が広がっているが、秋の風とやや雲に覆われ弱気な日差しが、これより来る冬を想起させなくもない。そう高くはない和食処。早々に食事を終えた子供たちが集ま
り、遊んでいる。女たちは口に手を添え笑い、話に花を咲かせ、男たちもまた足を崩し、近況報告。
柳原家。長女、長男の二人姉弟。
長女は息子が二人。嫁ぎ先である旦那は今日は仕事で来ていない。二人の息子のうち一人は結婚し、女の子が一人。
長男夫婦には息子が三人、娘が一人。息子は三人とも結婚し、子供が一人ずつ。男の子が二人に女の子が一人。娘のほうは結婚しているが、子はまだで旦那が同席。腰を低くし、どこか感じている居心地の悪さを顔に出さないよう、また溶かそうと笑顔で振るまっている。
結婚している者はいずれも夫婦ともにこの会に参加している。ゆえに、ひとりだけ結婚していない長女の息子は少し肩身が狭いところだが能天気なので、ほとんど気にしていない。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-04-20 11:00:00
2163文字
会話率:66%
辺境を守るドラゴネシア一族の娘、レティシア・ドラゴネシア。
彼女はドラゴネシア一族の体格が良いことで不美人と笑われ、社交界では肩身が狭い思いを味遭わされている。そんな彼女に婚約を申し出てくれたはずの婚約者は、彼女に婚約破棄を迫る。
君が不細
工なのが全て悪いと。
彼女は婚約者を切り捨てる選択をするが、すると、国一番の美貌の騎士に纏わりつかれ始めるのだ。
「俺は君がきれいだとずっと思ってた」
「信じられません」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-28 20:55:59
82930文字
会話率:40%
その昔、嫡男が『真実の愛』騒動を起こした伯爵家のその後の話の1コマです。
最終更新:2024-02-21 19:04:13
5189文字
会話率:38%
人気魔法少女のオマケ扱いをされてきた魔法男子の日常。
最終更新:2023-12-30 19:56:03
26915文字
会話率:65%
仕事をクビになり無職になった佐々木太一は山に小屋を建てて自給自足生活をしようと思いつく。だが無職で金が無い。そこで高校時代の同級生、石田香織に頼み込み消費者金融でカードを作らされるのと引き換えになんとか数十万円を借りて早速小屋作りに取り掛か
かる。同時に香織と二人で配信チャンネルを作り、小屋作り作業を動画サイトにアップして収益化&ニート脱出に向けてがんばるのだった……しかし小屋の完成と共に小屋のど真ん中に異世界への穴が開く。その異世界の資源を日本に持ち帰って金儲けしようと企む太一と香織だったが、実は過去に地球人は異世界に来ていて、しかも大量殺人犯だという……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-15 12:42:09
261261文字
会話率:44%
重さを変える何ともパッとしない能力。
戦闘ではあまり役に立たない補助役。
そんな俺を暖かく迎え入れてくれたこのパーティが大好きだった。
ただ、最近はなんだか肩身が狭い。
S級パーティになり皆は凄い能力を有しているのに、俺は重さを変
える能力しか使えない。
それでもなお、受け入れてくれる皆が本当に大好きだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-03 23:16:37
6335文字
会話率:50%
王立学校に入学早々、私は肩身が狭い。
姉が自由気ままに高位貴族相手に浮名を流したせいで!
それでもくじけないのは同じ男爵位の婚約者がいるおかげ。
私は彼と学内でひっそりと過ごし、静かに愛を育んでいたの。
ところが、その姉が高位貴族と婚約破
棄騒動を起こしてしまう!
王太子、公爵家長男、侯爵家長男の三人と!
何考えているの、バカじゃない!?
この一件で姉は国外追放になる。
我が男爵家はお取り潰しにはならなかったけど傾いてしまう。
普通ならここで私は婚約を解消されてもおかしくなかった。
けれど、彼はそれでも私がいいと選んでくれたの!
ああ、愛してるわ!
ところがこの後、なぜかあの三人が私の前に現れるようになる。
誰もが羨む地位と美貌と才能を持ってる方々。
そんな人達が姉の面影を追って私に言い寄ってくるの。
羨ましいですって?
何考えているの、バカじゃない!?
やらかした直後にその妹で同じ事を繰り返す気なの?
大体、あっちがダメならこっちだなんて、私のことをちっとも見てくれていないじゃない!
誰が何と言おうとも、私は絶対に婚約破棄なんてしませんからね!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-30 00:00:00
19605文字
会話率:45%
教師オースティンは学問に狂っていた。人生の大半を研究に費やし、世界のありとあらゆる謎を解き明かすことを本懐としていた。
これまでに何度も転生を繰り返し、そのたびに新たな学問に触れては次の学問へと意識を向けていた彼は今、世界のあらゆる叡智が集
まるユグドラス総合学院で教師をしていた。
彼が教えていたのは超マイナー学問の縫合術。ただでさえ肩身が狭いのに、加えてどういうわけかその教室には、ユグドラス総合学院に知らぬ者はいないと言われるユグドラス王国の姫、リアリス第二王女が参加していたものだから、周囲の余計な嫉妬を買っていた。
結果、無能な上司、ユグドラス王国の貴族という地位だけでオースティンの上に立っていた男に学院から追放されてしまう。
そのことで学院を見限ったオースティンは、王国を離れることを決意する。
リアリスが後悔し、上司を学院から排除するものの、その時にはすでにオースティンは学院を離れてしまっていた。
そうして一人(正確には、相方の精霊がいるのだが)自由の身となったオースティンは、旅先の宿屋である少女と出会う。
その少女はオースティンが知らない、未知の魔術を操る少女だった。当然、これに興味を示すオースティン。
しかし、この時彼は同時に、彼の長い長い転生人生において初めての出会いを果たすことに成る。
少女――ライラはアイドルを志していた。オースティンは彼女の魔術を目にすると同時に、彼女のアイドルライブもまた、目にするのだ。
彼らはまだ知らない、この時オースティンが目にしたライブが、彼の長い長い研究人生に衝撃的な変革をもたらすことを。
このことが、巡り巡って、余りにも大きな事件の引き金となることを、まだ誰も知らない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-22 20:00:00
14456文字
会話率:33%
人は静かに何かを見る
キーワード:
最終更新:2020-12-26 23:00:00
200文字
会話率:0%
戦え落合光(26歳無職)! 悪の女幹部から正義の心に目覚めて、魔法少女マジカルダイヤモンドとして! 2万のために!!!
最終更新:2020-07-28 22:45:16
6368文字
会話率:59%
最近はよくあるお話、異世界転生にあった高校生の俺の名はバアル。ちゃんとチートも作用し世界最強の勇者となった。しかし恐怖は身近にいた。魔界最強の大魔王になった母親ツクヨミ。大妖怪の姉のアーシラト。朝寝坊をメテオで起こす大魔王な母。恋人に呪いを
かける真っ暗な姉。家族に生命を握られながら、俺は正義を貫く!……たぶんな。
多種多様な人種と考えが交錯する、ハイファンタジーを舞台にした、二人の転生勇者を中心とした異世界バトル群像劇。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-24 17:41:14
219517文字
会話率:41%
アルメリアは十二都市「ドユナーツ」の御用達の商家の娘として育てられた。
結婚直前にとある理由から破談となり、商会見習いとなるが、商会の中では肩身が狭い存在だ。
そんな中、両親の懇願により、十二都市を治める領主に望まれた商品をもとめ、海を隔て
た八都市「ヴォース」旅立つが、商船での旅の中、不思議な子供たちに出会う。
「ローシェン」という国の十二都市を巡る、アルメリアの旅にまつわる物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-24 00:51:59
774文字
会話率:0%
西川晴人は、友人であり、変態と呼ばれる極度のゲーマーである、田村蓮と異世界に転生した。のだが、蓮は異世界を不遇職かつ素手縛りで攻略しだした上、そのまま無双を始めてしまった。チートな友人と一緒で肩身が狭いが、頑張って異世界を楽しもうとするお話
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-08 22:09:41
12552文字
会話率:65%
かつては強大な悪魔が存在していたが、今ではそう強い悪魔は出なくなった世界。
小学生の少女、黒野華凛は先祖の大悪魔の能力に覚醒した。
両親は人に迷惑を掛ける悪魔がいるせいで悪魔の肩身が狭いと悩んでいた。娘である華凛にも自分が悪魔だと言わ
ないように注意していた。
その日は朝から人質を取って立てこもった犯人のニュースが大きく報じられていた。両親が悩むのはこんな悪魔がいるせいだ。華凛は人知れず悪魔の力で現場に直行し、人に迷惑を掛ける悪魔を打ち倒すことに決めた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-18 09:13:59
98053文字
会話率:42%
2020年、3機のUFOが地球に不時着した。トラピスト1系列惑星から来たことで、この宇宙人達を〝トラピストの使徒〟と呼ぶようになった。トラピストの使徒は地球温暖化を阻止するため、太陽から地球を0.12天文単位、外にずらしてくれた。
宇宙人の技術が当たり前になった数十年後、一部の宇宙人は過激思想に感化され、テロを企て、人類を抹殺しようとする。それに、対応するために〝アンタレス〟という対宇宙人部隊が組織される。
物語の主人公、真田(さなだ)バサラは、宇宙人テロリストを憎むアンタレスに所属してるが、肩身が狭い。なぜなら宇宙人の血が入った、いわゆる〝ハイブリッド〟だからだ。
真田バサラは金密輸に関与し、アンタレスをクビになるかと思いきや、上層部から宇宙人の深層部の情報を盗み出せと命じられる。宇宙人が怪しい動きを見せ、激しいバトルが始まる。
エブリスタ、セルバンテス、カクヨムにもup折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-14 12:43:01
103677文字
会話率:73%
───3499年11月15日
♢♢♢♢♢
人々は己が必ず手にするはずである自由
を奪われかけていた。
犯罪,主に殺人や誘拐、その他の罪に
問われる事は勿論、男女での勝手な交際,
勝手な車などの私物所有,勝手な外出,
学生の場合、登下校時の私
語,他にも沢山
いろいろな自由が制限されていたそんな
時代。人々は何故、そのような制限を
したのか。全人類が震え上がる程
恐ろしく、そして悲しいあの大事件から
2480年…何故、こんなにも月日が経って
いながらも、このような人々を縛り
付けるような制限をかけたのか…。
未だかつて、その真相を知る者はただ1人
それを作った者しかいなかった…。
♢♢♢
月ヶ瀬 璃叶(つきかせ りと)大体15歳。
自分のこれから始まる(であろう)新しい
スクールライフに胸を踊らせ入学式の朝
を迎えるも、自分の部屋のドアが"何故か"
開いているという不自然な出来事を始め
とし、いくつかの"不自然"に見舞われる。
璃叶の住む世界。それはもう自分達に
とっては当たり前でも、異世界の人から
したら少し理解が出来ないであろう
ルール、規律、秩序が渦巻く世界。
璃叶達は、そんな肩身が狭い世の中で
生きている。……はずだったのだが。
『…あれ?俺が知る世界って、こんなに
うるさかったっけ?』
まさかの世の中のルールや規律が殆ど
無くなってしまうという衝撃、いや人生
最大の衝動が起こったのだ。勿論
世界中は大パニック。何十億パニック、
パニパニと言ったところだろう。
いや確かに俺たちゃ批判ばっかしてきた
けども政治家のおっさん達!!!!と、どこ
からか出てきた若造でさえ生放送の画面
が映っている液晶に向かって叫ぶ。
『何故かは知らんが、まあとにかく
楽しんどけば良いだろう!!』
という軽い思考で、璃叶はある日、入学
してからずっと一目惚れしていた相手に
告白をする。その返事はなんとYES。次々と信じられない事が起こる中で、
確かに、少しずつ世の中のおかしな規律
の歯車が回り始めていたのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-24 23:28:30
2832文字
会話率:34%
お前の坊やの魂を頂きに行くぞ!
私の名前は、『北山 加奈美』39歳、やっと待望の子供が私の
お腹の中にデキたのよ!
最終更新:2019-06-15 03:00:00
1985文字
会話率:20%
風が少し、肌寒く感じられる。
肩身が狭い。
もう都内ではあまり見かけなくなってしまった場所で、独りの男が燻っていた。
最終更新:2019-05-03 03:45:08
1190文字
会話率:0%
男女比の激変。
男が激減した世界。
今日も俺は肩身が狭い。
最終更新:2019-02-08 22:30:18
28446文字
会話率:43%