メロディ・ヒストリア伯爵は、類希なる容姿や実力をもって「氷柱の白百合」と謳われている少女だ。
幼少の悲壮な経験とともに順当に実績を積んできた彼女は優しい婚約者とともに貴族として果てると思っていた、のだが……「真実の愛を貫かせてほしい」と婚約
解消を提案されてしまった。
平然と受け入れてみせたものの、数少ない気を許せる存在だった婚約者の心変わりに動揺し、年若い乙女は人知れず涙を流した。
一夜明けて、ぐっすり眠ったメロディは気持ちを切り替えると憧憬を胸に真実の愛を解明しようと決意。周囲を巻きこんで研究を進めていく。
そんな彼女の言動に導かれるように時代を揺るがす大事件、運命の歯車は動き出した。
【エレアの子守唄】
綾なす波に誘われ
炎にくべた言葉 集めて旅路を紡ごうか
とこしえ待てず 影は征く
凍りついた静けさは 焦がれる地に綻ぶ花
あせない調べにつつまれて
ささやかな風にゆられよう
重なる季節の訪れを
八千代の夜をこえて 願う
昨日は 舞い降りた光抱き
あなたはひとりねむるのでしょう
夜のまにまによすが得て
涙雨がさらう心 奏でて記憶を綴ろうか
奮い立たせて こだま聴く
悠久に流るるは 宿木知らぬ渡り鳥
ちとせの灯に花が咲き
蝶はわらう宝に留まる
待ちわぶ季節の過ぐときを
八千代の時をこえて 祈る
明日は 光る風に迎えられ
あなたはひとりさめるのでしょう折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-22 22:00:00
557701文字
会話率:62%
世界は色で階級を決められる。白は尊く、黒は忌色。
会社員だった早池はある日突然、水戸場と言う名の男と共に異世界へと召喚された。召喚早々、切り捨てられる寸前で生き延びた早池は、“聴き壁”という謎のスキルを持っていた。話を聴けば聴くほど力を
増す盾となる謎すぎるスキルであった。
忌色と呼ばれる黒を持つ、異例の勇者として選ばれた水戸場と共に、鎖国している妖精国メルクトへ仲間と共に赴くこととなる。勇者一行の壁役を務めることとなってしまった一般人すぎる黒を持つ女、早池が、人間に門戸を開かぬ妖精王が治める妖精国へと旅立つ話。
※全二十三話となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-22 19:12:10
90108文字
会話率:68%
切なくて、どこか色っぽくて。笑って泣ける、愛情と友情の感動ストーリー。
―― あなたは一人ではない ――
すらりとした見た目で、元運動部の筋肉質。長い人差し指で眼鏡を持ち上げ、理路整然としたショウジ。
その風貌からも、「淡々としていてク
ールだ」と周りからは評されるが、実際は大きな難問を抱え、強引に夢の世界へ落ちる日々を過ごしていた。
大学で出会った友人、純粋無垢で天然ボケな遊の発言に、「何を言ってるのかわからない」とたびたび固まりつつも、居心地の良さを覚えていたある日、遊の紹介で、ひとつ年上の先輩、力也と会うことになる。
指定場所は、【ウィンク・ハート】なる喫茶店だった。
まるで洋館のようなアンティーク調の店内。窓から差し込む太陽の光。サイフォンから漂う、コーヒーのいい匂い。
人知れずロマンチストでもあるショウジは、ウィンク・ハートに胸が高鳴り、おおらかなマスターともすぐに打ち解ける。
そして、力也と対面を果たすことになるのだが……。
【※以下、ネタバレを含みます】
力也を目の前にしたショウジは、息をのんでしまう。
華奢な身体、さらさらの黒髪、長いまつげと、黒い瞳。白い肌に、柔らかそうな唇。
甘くて、濃厚で、上品な、いい匂い。
穏やかな声と、優しい微笑みで挨拶をされ、全てが自分と異なる力也を前にし、ショウジは今までに感じたことのない衝撃が体に走ってしまう。
しかし、力也は微笑みの裏でトラウマを抱え、うまく眠れない日々を過ごしていた。
光を失う黒い瞳、寂しそうな眼差し……。心配するショウジだったが、ウィンク・ハートで開催される小さなコンサートで、力也の歌声を聴くことになる。
僕を月に連れて行って――――?
力也の清らかな歌声と、身をよじって歌う艶っぽさに、鼓動が高鳴るショウジ。
俺が守りたい。そう思いながらも、会うたび、声を聞くたび、あと少し、もう少しと、力也に近づきたくなる自分に戸惑ってしまう。
「この感情を解いてしまって、力也さんに会えなくなったら嫌だ」
月に近い力也の家で、その愛しい寝顔を見守りながら、気持ちを偽ろうとするショウジ。
だが、友情に熱く、正義感の強い遊に諭され、励まされ。
ショウジは自分が抱える偏見と難問に向き合い、力也に思いを伝える決意をする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-22 09:38:01
112414文字
会話率:40%
龍笛奏者を目指す鈴歌は老師の紹介で兄弟子の元へ一人出向く。
兄弟子の住む街の新年祭に奏者として参加するため、鈴歌の試練が始まる。
*2023年10月に一度完結とした作品ですが、今後も手直しを入れて行きたい思い入れの強い作品ですので、更新は
遅くなります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 17:00:00
38108文字
会話率:24%
これといった特徴のない平凡な男。
そのはずだった俺、朝宮 日向は目を覚ますと怪物になっていた。
異世界転生したのかと心を躍らせていたのも束の間、剣も魔法もなく、これまで日向が育ってきた現実世界のままだと気づく。
怪物に成った日向は、どう
生きれば良いのかと絶望していると刀を携えた一人の少女が日向の前に現れる。
突如襲い掛かる少女を返り討ちにし、事情を聴く日向。
どうやらこの世界、意外と魔法や怪物、妖怪等の神秘的あるいは超常的存在もいるようで、日向は少女の式神となり戦いの日々を送ることとなる。
あれ?俺強くね…
敵対する怪物共と戦う中で日向は自分の強さが常軌を逸していることに気づく。その強さは人を救うために使うのか…己の欲望のために使うのか…日向の選択は如何に…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 21:20:00
21528文字
会話率:28%
これは超人的な身体能力を持つ、わけでも、ずば抜けて頭の良い、わけでもなく、ただ“人の心が読める”だけの少年【星河天】の、日常のお話。
最終更新:2025-05-17 19:57:08
2373文字
会話率:26%
登場人物
小日向 甘夏(こひなた あまなつ): 中学2年生の少女。明るく行動力がある。幼稚園の頃に母親を亡くしており、幼なじみのハッサクのことを意識している。
今井 八朔(いまい はっさく): 中学2年生の少年。甘夏の幼なじみ。アニメやラノ
ベ好きだが、ネット関係は苦手。口数が少なく、時折哲学的な問いを口にする。
あらすじ
2017年9月、団地で遊ぶハッサクは見知らぬ女性からエリマキコアラのキーホルダーを渡される。「君に返しに来たんだ」という言葉を残して女性は去り、ハッサクはそれを大切に持ち続ける。
2025年5月、中学生になった甘夏は、隣に住むハッサクと登校する。ハッサクのキーホルダーに甘夏は二人の関係への疑問を抱く。テーマパーク「ノスタワールド」に誘われた甘夏はハッサクと向かうが、ハッサクの態度は曖昧だ。昭和レトロな空間で、二人はウォークマンとシンディ・ローパーの音楽をきっかけに1984年へタイムリープする。
1984年、甘夏は亡き母と再会する一方、ハッサクの妹・蜜柑は存在しない。パラレルワールドに戸惑いながらも二人は生活する。甘夏は元の世界に戻ることを迷い始めるが、ハッサクは蜜柑を想い帰還を強く望む。多摩動物公園でエリマキコアラのキーホルダーを見つけ、ハッサクは元の世界で蜜柑に渡したいと告げる。クリスマスイブ、ハッサクは甘夏と秋葉原へ行き、帰還の決意を伝える。団地の階段でグリコじゃんけんをし、二人で戻ることを決めるが、甘夏はハッサクだけを元の世界へ送る行動に出る。
2026年4月、ハッサクは2025年の世界に戻り、蜜柑も存在するが、甘夏の記憶は消えている。再びノスタワールドを訪れ、ハッサクは「タイム・アフター・タイム」を聴く。
ノスタルジックな世界で愛を育む二人が、現代に戻ることに逡巡・葛藤し意外な結末を迎える、切なくも愛おしい恋物語。
※シンディ・ローパーの楽曲が出てきますが、直訳ではなく、ノスタワールドのガイドスタッフの言葉としてアレンジされています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 05:00:00
40103文字
会話率:45%
真胴《まとう》と呼ばれる巨大な鎧人形が戦いあう不二の国。紅城の真胴者、天野泰輝は隣国である蒼司との戦闘中危機におちいったところで、唐突に少女の声を聴く。レディという名の声に「体を貸すのであれば現状を打開してあげる」と提案された泰輝がそれを受
け入れるとそこには髪を七色に染め分けた少女が現れた。
この作品はカクヨム・ノベルアッププラスにも投稿しています。
何事もない限り毎週月曜、十四時更新予定です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 17:30:52
115857文字
会話率:69%
王子様との政略結婚が決まった侯爵令嬢イレーネ。
けれど、実は彼女には、夜な夜なこっそり続けている秘密があった。
それは、魔道具を使った匿名朗読配信——
《月語りの小箱》の語り手〝ルナ・リシタ〟として、声だけで誰かの心を癒やす、ささやかな趣
味。
そんな彼女に、いつも丁寧な手紙をくれる常連リスナーがいた。
名前は〝蒼月〟。
その人だけは特別で、王子との初夜は延ばし延ばしに──
イレーネの気持ちを尊重してくれる王子。
その優しさに、少しずつ惹かれていく自分にも気づいてしまう。
けれど同時に、どうしても忘れられない〝蒼月〟の存在。
彼女が最後に選ぶのは王子か、それとも……?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-13 18:02:04
9095文字
会話率:19%
ふと立ち寄ったお店で、とあるCDを見つけた。そんな日。
最終更新:2025-05-11 23:45:37
740文字
会話率:0%
青年リュートは傭兵団「銀狼の群れ」のメンバーの一人だった。
傭兵団は人類を守る組織の一つで、基本荒くれ者の集まりだが、この傭兵団だけは仲間うちの絆意識で「家族」を形成し、時には小馬鹿にしあい、時には全力で助け合うなどの他の傭兵団では見ること
のない特徴を誇っていた。故に、誰もが仲間内で「裏切り」が発生するとは思ってなかった。
ある日の出来事、仲間の一人にお酒をたらふく飲まされたリュートは深く眠ってしまった。
翌日、目を覚ませば拠点には火の手が上がっていて、外に出ればたくさんの仲間が地面に倒れている。
その中で息をしている者は無く、遠くから聞こえる剣戟の音に導かれて近づけば、団長と仲間の一人であるガーディが戦っていた。
ガーディのそばには謎の四人組と、小脇に抱えられた妹がいて、リュートはすぐさま裏切りが起こったのだと理解した。
リュートは妹を取り戻そうと奮闘するがそれは叶わず、瀕死の重傷を負って谷底へ落とされてしまった。
しばらくの後、リュートが目を覚ませば、そこは病室だった。
彼は全てを失ったと理解した時、彼のそばに学院長と名乗る人物が現れた。
その人物は彼の事情を聴くと、彼に提案した。
リュートを学院所属の傭兵として雇う代わりに、君が求める妹の情報を集めて提供することを。
それを受け入れたリュートは、その人物が妹の情報を集めている間、後の未来に起こる魔物の大襲撃を防ぐために各地に派遣した生徒を呼び戻す依頼を受け、その人物達を探しに旅に出る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 22:15:13
412288文字
会話率:28%
「うるさいな!私の体でしょ!好きにさせてよ!」
高校生の十和田風音の日常は、ある朝突然一変した。体の中から聞こえてきた見知らぬ声。それは彼女の内臓たちだった。
胃は不規則な食事に文句を言い、心臓は運動不足を嘆き、脳は哲学的な問いかけを投
げかける。最初は戸惑い、時に反発する風音だったが、次第に内臓たちとの対話を通して、自分自身を見つめ直すようになる。
思春期特有の体型の悩み、風邪との戦い、そして初めての恋。風音は内なる声に耳を傾けながら、自分の体と、そして自分自身と向き合っていく。
「みんなは私の一部で、私はみんなの集合体なんだよね」
声が聞こえなくなっても、体との対話は続く。自己受容と成長の物語が、あなたの心と体に共鳴する。
自分の内側にある小さな宇宙との対話が、今始まる――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-07 08:00:00
51139文字
会話率:51%
神獣の声が聴こえる少女リィナを求めて黒衣の男が現れる。神獣ルガと契約を果たしたリィナは,黒衣の男から逃げながら,かつて人と神獣が共にあった国ティラルを目指す。
最終更新:2025-05-05 10:41:34
2087文字
会話率:16%
思いがけない切っ掛けで高校の吹奏楽部でコントラバスを弾くことになった長身の少女、江崎千鶴。
その千鶴の中学時代からの親友で吹奏楽部でフルートを吹く少女、小阪未乃梨。
そして、千鶴に興味を持つ艷やかな長い黒髪の大人びた少女。
ディスコードと
は時に音楽を鮮やかに描き、時に聴く者の耳を惹き付けるクライマックスを呼ぶ、欠くべからざる「不協和音」のこと。
これは、吹奏楽部を切っ掛けに音楽に触れていく少女たちの、鮮烈な「ディスコード」に彩られた女の子同士の恋と音楽を描く物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-02 19:29:39
784483文字
会話率:40%
ここは、音楽が絶対的な力をもつ世界。
この異世界での「音楽」は、科学や物理法則を簡単にねじ曲げてしまう、不思議な力をもっている。
神によって選ばれた能力者(ギフテッド)たちが演奏する楽曲は、人の感情をゆさぶり、物質に影響を与え、時には自然
界の法則すら書き換えてしまう。それゆえ、一人の偉大なアーティストの登場は、都市の、そして国家間の勢力図さえもガラリと変えてしまう。
そんな世界に、一人の天才的歌姫が生まれた。その名は、ユーノ・ヴァン(V)・ロード。
燃えるような深紅の髪と瞳を持った少女。彼女が神から授かった才能(ギフト)は、「勇気」。聴く者を勇気づけ、鼓舞し、強化(エンハンス)する。
ステージを求めてスラム街に迷い込んだ彼女が、その圧倒的な歌声を武器に、地元の歌姫→大都会の歌姫→国民的歌姫→世界の歌姫へと成り上がっていく、そんな壮大なサクセス・ストーリーを裏方として陰で支えていく冴えない平凡な男の物語です。
World End Jokers:
ユーノ・ヴァン(V)・ロード
Special Thanks:トーマ・ハツネ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-02 16:12:09
32357文字
会話率:33%
以前は『アホダクション』という作品をこのサイトで連載していました。
(現在は削除済み)
仕事の都合上、再びクラシック音楽を聴くようになったので、
その記録を残しつつ、いつかまた小説を書き上げる日のための足がかりに(できれば良いなぁ)。
ちなみに少し分かりづらいのですが、二段階評価方式を採用しています。
(左:鑑賞直後、絶対評価 右:余韻や印象点、相対評価など)
評価点は2024年2月以降に聴いたものに対して記載しており、
4月からは再生環境をより良くしたため、評価基準も(少し甘めに)変わっているかもしれません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-30 23:00:00
168965文字
会話率:1%
このサイトの年齢層が若くて30代以下が80%だということを知ってちょっとビックリしました。そうした若い、この作品の潜在的な読者のためにタイトルの由来から説明しておきます。俳句などというと若いひとには敬遠されそうですが、これは俳句を作るため
ではなく、俳句を味わうため書かれた作品です。現実の世界をただ写生しただけのような俳句にリアリズムという言葉を使っている文章を読んだことがありますが、俳句だって詩なのですから現実の世界をいくらリアルに写生してみたって、本来、それが詩になるはずはないのです。それなのにどうして、まあ、すぐれた俳人の作品に限りますが、現実をただ写生しただけのような俳句が、結果として、楽園のように美しい世界をリアルに写生しているような素晴らしい印象をあたえることになるのでしょう。そう考えていて思いついたのが楽園のリアリズムというフレーズです。本文を読んでいただければわかることなのでくだくだとは申しませんが、意味作用から解放されて世界をただ写生しただけのような俳句こそ、どのような詩にもまして、もっとも純粋な詩、もっとも純粋な詩的言語となっているはずなのです。
そうした俳句というすぐれた一行詩の詩情(ポエジー)を本書のなかでくりかえし味わっていけば私たちの感性が影響を受けないはずはありません。.高校初級程度の文語の読解力さえあれば、俳句の素養なんてなくても味わえるようなやさしい俳句ばかりを全体で700句読んでいくつもりですが、おなじ句を何度も利用させてもらっているので本書をくりかえし読んでいただければ《(700句+α)×読んだ回数》分の素晴らしいポエジーを味わうことになります。ほかに俳句なんか読まなくたって。人生が変わってしまうほどの極上のポエジーを、それもたっぷりと。
そのくりかえしが、読者の感性を変革し、詩的想像力や詩的感受性や詩的言語感覚を育成しないわけはなく、読者の方が若ければ若いほど、そのあとのゆたかな長い人生が約束されていることになるでしょう。当然の結果としてふつうの詩も味わえるようになるはずですが、まあ、詩を読むかどうかはご本人次第ですけれど、人生そのものがグレードアップして、たとえば好きな音楽を聴くだけでも、その曲や歌詞がいままでになくいきいきと心に触れてきて、そのことに信じられないような驚きと喜びを味わうことなるでしょう。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 08:59:52
7990文字
会話率:14%
このサイトの年齢層が若くて30代以下が80%だということを知ってちょっとビックリしました。そうした若い、この作品の潜在的な読者のためにタイトルの由来から説明しておきます。俳句などというと若いひとには敬遠されそうですが、これは俳句を書くため
ではなく、俳句を味わうため書かれた作品です。現実の世界をただ写生しただけのような俳句にリアリズムという言葉を使っている文章を読んだことがありますが、俳句だって詩なのですから現実の世界をいくらリアルに写生してみたって、本来、それが詩になるはずはないのです。それなのにどうして、まあ、すぐれた俳人の作品に限りますが、現実をただ写生しただけのような俳句が、結果として、楽園のように美しい世界をリアルに写生しているような素晴らしい印象をあたえることになるのでしょう。そう考えていて思いついたのが楽園のリアリズムというフレーズです。本文を読んでいただければわかることなのでくだくだとは申しませんが、意味作用から解放されて世界をただ写生しただけのような俳句こそ、どのような詩にもまして、もっとも純粋な詩、もっとも純粋な詩的言語となっているはずなのです。
そうした俳句というすぐれた一行詩の詩情(ポエジー)を本書のなかでくりかえし味わっていけばどのようなことになってしまうだろう。高校初級程度の文語の読解力さえあれば、俳句の素養なんてなくても味わえるようなやさしい俳句ばかりを全体で700句読んでいくつもりですが、おなじ句を何度も利用させてもらっているので本書をくりかえし読んでいただければ《(700句+α)×読んだ回数》分の素晴らしいポエジーを味わうことになる、ほかに俳句なんか読まなくたって。人生が変わってしまうほどの極上のポエジーを、それもたっぷりと。
そのくりかえしが、読者の感性を変革し、詩的想像力や詩的感受性や詩的言語感覚を育成しないわけはなく、読者の方が若ければ若いほど、そのあとのゆたかな長い人生が約束されていることになるだろう。当然の結果としてふつうの詩も味わえるようになるはずですが、趣味の問題ということもあるし詩を読むかどうかはご本人次第ですが、たとえば好きな音楽を聴くだけでも、その曲や歌詞がいままでになくいきいきと心に触れてきて、そのことに信じられないような驚きと喜びを味わうことになるはず、とは自信をもって断言しておきます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-30 10:31:59
8006文字
会話率:14%
この本を開くと、影が卵を産みます
『砂時計の奥で、羽根が振り子になる』
── 石に刻まれた朝と
孵らない夜のあいだで
言葉たちが
逆立ちして歩く詩集
最終更新:2025-04-14 00:31:12
3535文字
会話率:40%
何処かの城の何処かのダンスホールで、私達は向かい合っていた。私は燃えるような赤いドレスを、瑠衣は瑠璃色のタキシードを来て、お辞儀をした。
手を取り合って、足を差し出して、互いに向かい合って、鏡合わせになるように。
注意事項1
起承転結は
ありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
某曲を聴くと、何度も回ってお辞儀をする場面が浮かぶんですよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 18:14:14
863文字
会話率:16%
人生に置いてやり残した事は無いかと言われれば、沢山ある。あり過ぎるかも知れない。
夜の大都会を歩きたい。夜の水族館に忍び込みたい。夜の岬で踊りながら歩きたい。
あ、起きた。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳
御座いません。
注意事項2
自慢ですが、私の選曲に狂いはないと思ってますよ。
メジャー、マイナー問わず、様々なところから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-02 21:26:48
972文字
会話率:40%
風邪を引いた。考えて見たら一年前も同じ時期に風邪を引いた。本当に面倒臭いな。
やる事を終わらせて布団に潜り込むと、不思議な夢を見た。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
儚い和楽器の
曲を聴くと、子守唄の様に思えるんです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-15 21:37:40
905文字
会話率:7%
異世界に転生された瀬戸滝丸は、魔族と戦う戦闘スキルも味方を支えるサポートスキルも皆無で早々にハイファンタジー路線から外れてしまう。
こうなったら唯一女神にいただいた『無機物の声を聴く』ユニークスキルを活かして身を立てるしかない。
しかし
普通の買取鑑定所を営んでも勝負にならないと危惧したセトマルは、呪われた武器やアイテムを積極的に買い取って除呪する『除呪師』になることに。その過程で、呪われた武器やアイテムを誤って装備してしまった人からそれを解除する「呪縛解除」の技術を会得し、更に痛みを感じないよう改良することに成功したのだが、、、
それは当事者にとてつもないエクスタシーを与える副作用があり……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-04 10:40:56
19943文字
会話率:62%