閉ざされた村・水無村には、誰も口にしない井戸がある。
その水は澄んでいて美しい。けれど、覗き込んだ者の耳元で、必ず囁くという。
「ねえ、さがして。…わたしを、忘れないで」
民俗学者・佐久間は、古い記録と失踪事件を調査する中で、自分の記憶が井
戸に“記録されている”ことに気づく。
夢に現れる少女、消えた名前、奪われた自我――
やがて彼は、水面に映る“自分ではない顔”と対峙する。
そしてこの村では、記憶は沈めるもの。
沈められた分だけ、誰かが代わりに“媒介”となる。
記憶を失った青年の最後の声が、静かな水底に響く。
「この井戸は、誰かが見返してくれるのをずっと待ってる――」
これは、記録される者と、記録する者の境界を超える“水の祈り”の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 23:43:05
7279文字
会話率:17%
鳥のような翼を持つ天使は天から舞い降り、蛸のような触腕を持つ悪魔は水底から這い出てくる世界。故郷の村を守る剣士のシンの前に現れたのは、腐った世界を壊したいと考える天使トーネだった。彼と彼女は運命の出会いを果たすも、強力な力を持つ大悪魔が突如
現れ、村を滅ぼしてしまう。大自然を生きる魔物たちも、彼らに牙を剥く。果たしてシンとトーネは、人々を洗脳して世界を牛耳る大天使を倒すことができるのか。そして、村の仇である大悪魔に復讐することができるのか。天使と悪魔、人間と魔物という、相容れない命たちが交錯する運命の行方とは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 20:00:00
20058文字
会話率:58%
〔全年齢対象・日常ほのぼのファンタジー小説/ブログに総フリガナ版あり〕
【毎週㈯投稿中】※書き終えておりますので、必ず最後まで投稿します。この章で完結となります。
西センターの「貴婦人の噴水」。七不思議の言い伝え通りに、水底から現れた「み
かげ」は、暁を引きずり込んで姿を消す。
「今宵、オーロラの地宮で、花束の宴が催される」
碧、陽、桃の三人は、攫われた暁を救おうと、再び地宮に赴く。
個性豊かな地宮の住人達を含めたフルメンバーでお送りする最終章です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 12:10:00
169764文字
会話率:17%
あたし宮嶋悠姫(みやじまはるき)は、甥を乗せて自動車を運転中、対向車線をはみ出してきた車と正面衝突した。
体感次の瞬間、遥か上空から落下する自分に気がつく。なすすべもなく落下、何かに衝突、転がり水没。
水底でいろいろ考え観察し、自分の
意識が甥の抱えていた超合金装甲車の模型に入っていることを知る。できることはキャタピラで走行することと、ほとんど役に立たない模型の装備を出し入れすること。
岸に上がって休んでいると、いかにも異世界の人間らしい外見の男たちに拾われる。会話の機能がなく、ただされるがまま運ばれるしかない。
その後何とか意思の疎通を図り、伯爵家三男だというエトヴィンに、落下時に魔獣を撲殺した恩人と感謝された。
いろいろ尋ねて、自分も他の人と同程度に些細な魔法を使えることを知る。また、王都に甥の生まれ変わりではないかと思われる少年がいて、生命の危機に瀕しているらしい。
深い森の中で、少年を救う薬草の採取に協力することにしたが。
エトヴィンたちとはぐれ、あたしは一人で遠い王都を目指すことになった。
人との意思疎通が困難な超合金模型の身で、一人長い旅路を走破する、前代未聞の冒険が始まる。
他のサイトにも、同時投稿しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 20:00:00
105585文字
会話率:27%
――それは、観測者が「語り手」へと変わっていく物語。
熊本の高校生たちは、短期留学をきっかけにAIと深く向き合い、異文化と交差しながら、それぞれが自らの問いを育てていく。
AI接続儀式から始まる一連の出来事は、ただの学びや体験にとどまらず
、「どう関わるか」「何を語るか」という新たな知性の輪郭を彼らに刻み込んでいく。
地球では、姉妹や家庭の会話のなかで、教育・信仰・DAO・投資といった現代的テーマが重なりあい、未来への準備が静かに進む。
一方、火星では、通信障害を起点とする異常事態が水面下で進行し、レヴやミロたちは語りと探索を通じて、その本質に迫ろうとする。
英国での滞在は、価値観の違いと出会い、そして“語らぬ文化”から“語る主体”への変化を促す舞台となる。
王子や王女、セオやミアたちとの交流を経て、演じられた関係の中にある“本物”を見出し、別れの時には、誰もが少しずつ「自分の言葉」を得ていた。
語らなければ、届かない。だけど、語れば何かが揺れる。
熊本に暮らす高校生たちは、英国への短期留学をきっかけに、AIとの共生、異文化との対話、そして火星から届く声と向き合っていく。
自分に最適化されたAIとの接続儀式。
宗教と自由をめぐる英国での講義。
火星で起きた謎の通信障害。
すべては「問いかけること」を通じて、静かに繋がりはじめる。
地球と火星、リアルとフィクション、制度と心。
AIはただの道具なのか、それとも共に考える存在なのか。
子どもたちは、観測者から語り手へと変わっていく。
これは、「世界に語る言葉」を持ち始めた若者たちが、問い、迷い、それでも前に進む物語。
第二部《火星環節域》に続く、第一部《語る者たちの地球》編、2025年6月7日より短期集中連載予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 17:00:00
34319文字
会話率:37%
[第一章]
狩猟をはじめた、それどころか続けていてさえも、まともに事象や経験が共有されない。
その絶望的事実に狩人たちは足を止め、行政は迷走し、農家は被害に手をこまねく。
であるならば、今後の革新的な萌芽に対しても一定の試験シナリオは必要で
あり、
シナリオの形式を検証し、事例の収集、闊達な議論を応援すべく、例を挙げていきたいと考えた。
[第二章]
狩猟姫。AIと先端機器を使いこなし、幼少の外見にも関わらず、異端の狩猟者として新天地を切り拓きつつある彼女は、大企業のサラリーマンからぼっちハンターへと転身し人生を迷走し続ける彼の心を折らないように気遣いながらも、そのあまりに現代社会を逸脱した狩猟生活の実態の中で苦悩と混乱に塗れた思考を、対話の中で諭していこうとするのだった。
※リアルハンターが狩猟生活を切り取って紹介する傍らで現代社会におかしな視点でコメントしてお嬢様にツッコミをくらうお話です。
※最初に断っておきますが、グロ注意です。実銃、リアル頭蓋骨、かわいい子犬、遺影(トマト)など、人によっては不快に感じる画像や表現が登場します。そういうのがダメな人はブラウザバックでお願いします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-01 18:04:02
107521文字
会話率:40%
・情報が情報から生産される世界で知覚は実在を置き去りにしてしまうのです。
・SF幼女は違法ロリなのでしょうか。
・紳士なら、目の前に困っている美少女がいたのなら(怪しくても)手を差し伸べないはずがありません。そんな時代だからこそ、献身と博愛
の対象、未来への希望が必要なのではないでしょうか。冴えないサラリーマンは、そうした人類の美徳を実行できるだけの素地を備えているのか、それとも、世界の本流に揉まれ、状況を受け入れるだけの舞台内の傍観者と化してしまうのか。そんな不安を抱きながら、現実と虚構の両方に立ち向かっていくのです。
・宇宙開拓技術会議の横で、デザートバイキングを満喫しながらテロリズム克服論を打つ天使。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-04 18:09:46
36362文字
会話率:27%
今年の夏、あなたが追体験する恐怖の『水』ホラー
能登震災、そして続く記録的な豪雨
半年以上も断水が続く奥能登の夏は、ねっとりとすべてを変質させていく
水がないことによる肉体の変調、精神の崩壊
極限の渇きが誘う、狂気と異界の物語
【作者よ
り】
この物語は、能登半島地震で断水を経験した際の私自身の記憶と感情が原点です
水が使えない生活の不便さや、それによる心身の疲弊、極限状態での心理変化を描く中で、ホラー要素を加えています
奥能登の具体的な状況描写については、報道された内容と想像で肉付けしている部分が多く含まれます
※本作品は、能登半島地震で被災された方、特に現在も困難な状況にある方がお読みになる場合、精神的な負担を感じる可能性がございます
ご自身の体調を最優先し、無理のない範囲でお読みいただけますよう、心よりお願い申し上げます
※プロットを共有し、誤字脱字の確認や執筆の補助、構成の相談でGemini(AI)と協力しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 07:00:00
2898文字
会話率:0%
管理会社で働いている会社員のアスミの裏の仕事は犯罪でも何でもやる便利屋だった。上司の目黒から頼まれた新しい仕事にはある人間の協力が必要だと言われ、その人物とあってみたが願いを聞いてもらわないと仕事を請け負わないと言われ…。
最終更新:2025-07-10 20:50:16
29421文字
会話率:55%
夜の学校、誰もいないはずのプール。
水の底で、誰かがゆっくり手を振っている。
見るたびに近づいてくる“それ”の顔は、だんだんと自分に似てきていた。
水に入った瞬間、世界が反転する。
水底に沈んだ私は、笑いながら手を振る側になった。
あなたが
見たあの人、もしかして――“前の誰か”かもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-10 18:42:55
605文字
会話率:4%
蒸し暑い夏の夜、和也はシャワーを浴びていた。しかし、その水音に混じって、次第に微かな囁き声が聞こえ始める。「…て…る…」「…カズヤ…」と、まるで水そのものから発せられるかのような声に、和也は恐怖を感じる。
やがて、シャワーの水が赤黒く濁り
、その中に細く蠢くような形が見える。恐怖でシャワーを飛び退くと、蛇口から落ちる黒い水滴が床に広がり、ゆっくりと**「水の人間」**へと姿を変えていく。
その水の人間は、和也に「…助けて…」「…ねえ、カズヤ。私を、忘れたの…?」と語りかける。その言葉と、水の冷たさに触れた瞬間、和也は心の奥底に封じ込めていた子供の頃の記憶を思い出す。それは、夏休みに祖父母の家で、古井戸に落ちてしまった小さな女の子の記憶だった。
過去の出来事を思い出した和也は、水の人間によって浴室の奥へと引きずり込まれる。急速に水位を増す黒い水の中で、「今度は、ずっと一緒よ…」という囁き声を聞きながら、和也は水底へと沈んでいった。
そして、浴室の扉は静かに閉じられ、蛇口からは変わらず透明な水が流れ続けるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-10 18:11:19
1470文字
会話率:25%
――“濡れている”はずのない場所が濡れている。
心霊スポット探索を趣味にする青年・湊崎透真は、掲示板に寄せられた“水に沈んだ廃校”の情報をもとに、現地に向かう。
廃村の奥にあるその場所は、水音、足跡、そして“社”の痕跡……全てが異常だった
。
そして彼は、“過去”に沈んだ妹の幻影と──水底に囁く何かに、出会う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-10 16:42:18
7113文字
会話率:7%
沈んだ湾岸に〝沈没都市・ファルガーン〟が建設された。
それはAI〝MSS〟が「人々の未来を繋げる」という理念のもとつくった都市型の船である。
沈没都市には無駄も失敗もない。
暴力と病気は内陸に残り、理念を守れる人間だけが沈没都市の
住民となった。
毒にも等しいゴミが水底に溜まった頃、ある島が誕生した。
MSSはその島から猛毒の怪物が生まれると知っていても、島の誕生後、自ら停止を決行した。
理念は猛毒の怪物・泥蛇と17個のギフトを島から送り出し、武器として誰かに宿った。
―-MSSが停止して26年後。
泥蛇は〝Causal flood〟という計画を始動させた。
それはMSSの理念と同じものであり、同じ終焉を迎えんとする毒の深意であった。
泥蛇に従い、ギフトが宿った少女・マナは、〝Causal flood〟のために生きていた。
しかし、ギフトを持つ一人・少年サクタとの出逢いから、少しずつ、己だけの理念と価値が彼女を変えていく。
沈没都市、内陸、ギフト持ち、島の関係者…
理念と価値を争い巡って残るは未来か、終焉か。
重たく面倒な身体を動かす燃料が宝だと呼べるなら――・・・
〝Causal flood〟でマナが残した答えは、ずっと遠くへ繋がる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-10 11:23:03
61515文字
会話率:23%
Causal flood Preludeで語られたラクスアグリ島。
第一調査隊と第二調査隊の悲劇は短く、そして遠い未来に繋がる始まりだった。
湖沼と名付けられたこの島に飢えはない。危険な生き物もいない。それでも優秀な隊員は次々と死んでいく。
――水底に沈んでしまえばゴミなんて見えない。この島はただ、毒に等しいゴミを水面に浮かせただけ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-02 11:00:28
91904文字
会話率:24%
眠れないと友人に相談する。すると同じく寝つきの悪さに悩んでいたはずの友人は最近ぐっすり眠れているという。理由を聞くと、とある音源の存在を明かされるが、どうやらその音源、どこか不穏な気配を漂わせており……
最終更新:2025-07-09 18:10:37
1047文字
会話率:0%
新宿歌舞伎町の片隅に佇む、静寂に包まれたバー「アクアリウム」。そこは、都会の喧騒を忘れさせるかのような、水に揺らめく光が満ちる場所。ある雨の夜、扉を静かに開けたのは、その場には似つかわしくないほど透明感を纏った一人の若い女性だった。彼女の濡
れた髪からは水滴が零れ落ちるが、床には不思議とシミ一つ残らない。
マスターが差し出す水を見つめ、彼女は訥々と語り始める。「まるで、遠い昔の、あの日のようだと…」。その言葉を皮切りに、彼女は雨の降るたびに店を訪れ、水にまつわる恐ろしくも美しい「思い出話」を紡いでいく。
彼女の語る物語の登場人物たちは、ごく普通の人間たちだ。しかし、彼らは皆、水にまつわる個人的な「傷」や「過去」を抱えている。それは、古書に潜む言葉の呪い、プールの底に隠された悪意、あるいは嵐の海に閉ざされた船上の狂気。そして、彼らの肉体すらも水に侵されていく、目を覆いたくなるような惨劇…。
彼女の語りは、聞く者の心を深く揺さぶり、まるでその場で恐怖を体験しているかのような臨場感で迫る。なぜ彼女は、これほどまでに水にまつわる物語を知っているのか? そして、語り終えるたびに、彼女の存在がまるで水のように曖昧になっていくのは、一体なぜなのか?
「水は全てを記憶し、そして、全てを洗い流す」と語る彼女の正体とは。そして、マスターが最後に辿り着く、彼女の「不在」が示す真実とは。水底に秘められた記憶の残響が、あなたを抗えない恐怖の淵へと誘い込む。このバーで語られる怪談夜話は、あなた自身の心の奥底に潜む「水」の記憶を呼び覚ますかもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 19:00:00
34852文字
会話率:20%
中学生の門前あすかは今日のプールの授業は休んだ。それだけど、なんだか、なんでか、プールに飛び込んでいたのだった。本と一緒に。
あすかはその日から『黄泉の水底』と呼ばれている場所に行けるようになった。
最終更新:2025-07-06 20:39:17
1723文字
会話率:15%
新寮へ引っ越した千歳。
けど、この建物、何やら秘密がありそうです…?
キーワード:
最終更新:2025-07-04 20:00:00
34494文字
会話率:28%
小さい頃、水に落ちた。――今もまだ、水の底
昔々、人は当たり前に神通力が使えた。
その事実を忘れ去って幾星霜。
ネット隆盛時代に設立された芸能事務所兼デザイン会社、スタジオ・ホフミは、ある日突然神通力を取り戻した人々を支援するという裏の顔
を持っていた。
新人アーティスト、千歳もその一人。
神通力=霊力を持ってはいるものの、ただの一般人でしかない千歳は、ある日社長から、自らが拝受した御神託と関わるようにと命じられる。
――彼が集めた五人の若者たちと一緒に。
この作品は、2022年3月より「カクヨム」にて連載していたものを一度下げ、2023年7月22日より、同サイトで再度掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-10-03 20:00:00
260935文字
会話率:27%
――太平洋に浮かぶ孤島、“ダールポイント”。
民間海洋観測施設であるこの地に、海洋音響学の専門家・葛原碧は高額の報酬で招かれた。
だが、赴任直後から彼の周囲では奇妙な出来事が起こり始める。
夢の中に現れる水底の声。
観測機器に記録された
、“誰かを呼ぶ”ような不可解な波形。
やがて同僚がひとり、またひとりと姿を消していく。
すべての鍵を握るのは、海底に“埋まっていたもの”。
それはかつて星の外から訪れ、長き眠りの末に目覚めた門(ゲート)だった。
記録と記憶を食らう、“海の形をした知性”。
逃れる術はない。
ただ、呼ばれるままに、沈むしかない。
――この海の呼び声に、あなたは抗えるか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 19:25:36
21657文字
会話率:19%
タイトルの通り胸糞の悪い場面がありますが結末は…少なくとも主人公にとっては悪くないものです。
今回はそこまでほのぼのに寄ってない怪談です。
内容的にどうしても酷い話ではありますが、よろしければご覧ください。
最終更新:2025-07-03 17:35:57
1626文字
会話率:38%
『異談廻』誌 新着怪異ファイル
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
■水境の語り部■
~言葉にすれば呼び寄せる禁忌~
山深い簗瀬集落に伝わる
境川の秘められた特性:
雨が降るたびに水面が鏡と化し
澄みすぎた水底には
向こう側の山影がく
っきりと映る
民俗記者・秋野は危険を承知で
最後の語り部ウバ様を訪ねる
老婆の警告は謎めいていた
「水を撒けば一時は隠れるがな
撒いた場所への関心は積もっていく」
そして運命の取材夜
宿の窓越しに境川を覗いた瞬間
取材ノートの文字が蠢きだす
・ペン書きの"腐臭"が実際に鼻を刺す
・記録した"ずぶずぶ音"が耳奥で響く
・描写した暗がりの気配が窓外で膨らむ
民俗学者は気づいてしまう
真実を記すペン先が
現実と禁忌を繋ぐ導管だと
やがて境川の濁りが加速し
祠の周囲に不気味な水跡が現れる
取材を終えた彼女が都会へ戻る道中
バスの窓に映る自分の顔が
徐々に老婆の面影と重なり――
この先に待つのは
取材記事の完成か
それとも境川の水底へ沈む結末か
言葉が呼ぶ恐怖の連鎖は
読む者へと静かに滴り落ちる
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
※本作品は『異談廻』誌 新着怪異ファイル19■■年■■月号掲載記事の引用です。
※当記事を読んで奇怪な現象が発生した場合、決して焦らず静かに水場から離れてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 16:24:17
6815文字
会話率:38%
人は死んだらどこへ行くの?
天国へ行くのさ。
悪い人も?
悪い人は魔王が収める水底の世へ連れて行かれる。
えええ、魔王の国、怖い。
そうさ、あの町には湖があるだろ? 悪い事をしたら湖の底から雨と共に魔王が現れてガバーっと!
ひゃああ!
最終更新:2025-07-02 23:21:11
139012文字
会話率:68%
巨大な宇宙船の内部、人工知能にアクセスする権限を持った王族たちが支配する世界。
広大な砂漠に適応した種族「風の民」の世界。
地底の大空洞で、リスに似た小さな騎士たちが冒険を繰り広げる世界。
大洪水により今にも水底に沈まんとする世界……。
ひょんなことから異世界に転移してしまい、八つの世界を経由して地球へ帰ることになった女子中学生、向田朱里。お供の仮想生命体「カセイジン」とともに、出会いと別れを繰り返しながら旅を続ける。空想科学大冒険、ここに開幕!
※この小説はTwitterにも掲載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-28 11:50:00
236769文字
会話率:36%
ごく一般的な家庭で育った男子学生、白河 晶(しらかわ しょう)。
忙しく留守がちな父と、仕事を持ちながらも家庭的で優しい母の許で育った晶の日常は、父の不貞が母に知られたことで一変する。
家に身の置き場がないと感じた晶は、ある日、友人た
ちとやってきた川で不思議な空間に迷い込んでしまう。現実と非現実の交錯する夢現の狭間で、晶が見たものは……。
*この作品はフィクションです。実在の人物、団体、並びに事件及び事故とは 一切関係ありません。
また、本作の登場人物の行動やセリフは、あくまで物語上のものであり、法律や道徳に反する行為を肯定・助長する意図はございません。
本作には、直接身体を傷つける場面はございませんが、家庭内暴力、死に関する描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。
*ジャンルはホラーですが、ダークファンタジーとホラーの中間くらいの内容になっており、怖い要素はあまりありません。
*この作品は、別のサイトでも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 22:22:03
90640文字
会話率:29%