大学入試・共通テストを脅威の満点、二次試験ではとある理由で一問のみの失点で、国内最高偏差値の最高学府である東慶大学・医学部への次席合格を果たした男、夏瀬 雪渚。しかし、彼は四年後の西暦二〇二五年。逗子海岸に面する相模湾で入水自殺を図り、死亡
した。――ハズだった。目を覚ましたのは八十五年後、西暦二一一〇年の未来。「異世界転生」ならぬ「現実世界蘇生」となってしまった彼は、異能が跋扈する異能至上主義の新世界で、ギリシャ神話の法と掟の女神・テミスの名を冠する異能を手にする。何故かメイド服を着て、老いずに生きている彼女・天音と共に、彼は新世界で生き抜く決断をする。彼の二度目の人生では、彼の念願だった、「最期に笑って死ぬ」夢は叶うのか。
※毎日22時過ぎに更新予定
※大長編予定(70話程度ストックあり)
※完結保証
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※『カクヨム』様でも同時連載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 21:32:09
601238文字
会話率:65%
人類の希望として育てられた少年・レオン。
聖剣に選ばれ、王国に讃えられ、仲間と共に旅を重ね、ついに“魔王討伐”を成し遂げる。
――世界は救われた。
誰もがそう信じ、歓喜に沸いた。
だが、魔王は最期に言い残す。
「世界を滅ぼすのは……我
ではない。お前たち“人間”だ」
その言葉が、レオンの心に消えない火種を残す。
戦いの果てに待っていたのは、祝福ではなく、違和感。
勝利の凱旋の中、王の笑顔、民の歓声、仲間たちの笑顔の裏に、
“なにかが違う”という感覚が確かにあった。
やがてレオンは知る。
魔族との戦争の記録は書き換えられ、和平の申し出は握り潰され、
すべては王国の“拡大と支配”のために行われていたことを。
正義を信じ、剣を振るった自分は、真実から目を背けていた。
斬ってきた敵の中には、守るべき命もあった。
これは、正義を疑った勇者の“反逆の物語”。
かつての仲間と訣別し、今度は“人間の王”を倒すための旅に出る。
剣は、世界を救うためではない。“守りたいもの”のために振るうために。
勇者、世界を滅ぼしに行く。
それは、真の平和を取り戻すための物語――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 19:00:00
5869文字
会話率:29%
労咳に倒れた新選組一番隊組長・沖田総司は、千駄ヶ谷の地で孤独な療養生活を送っていた。そんな彼のもとに現れたのは、一匹の漆黒の猫「クロ」。
クロの存在は、総司の乾いた心に温もりを灯し、生きる希望を与える。病が進む中、総司はクロの瞳に、かつて
自分を庇って命を落とした親友の魂が宿っていることを知る。
最期に訪れた土方歳三との別れ。「俺は幸せでしたか?」と問う総司に、土方は「お前は俺の誇りだ。間違いなく幸せだった」と応える。
そして訪れる、穏やかな最期。総司は、クロの温もりの中で、悔いなく人生を受け入れ、静かに息を引き取る。
時を超え、現代。過去を知らない一人の少年が、再び、あの漆黒の猫と出会う。これは、一人の剣士と、彼を見守り続けた黒猫の、時を超えた魂の絆の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 18:00:00
10618文字
会話率:9%
加藤貴志は、ある日目を覚ますと、自分の“部屋そっくりの寮”で横たわっていた。
そこは《創界》──幸福を見つけられずに若くして命を落とした者たちが、もう一度人生をやり直すために転生させられる世界だった。
自分が“生き埋め”で亡
くなっていたことを知らされ、驚愕する加藤。
彼には、神の使いである守護神「レアー」が付き添い、やがて彼の“死因”に基づく特殊な能力が目覚める。
同じく死因を抱えた同級生たちと過ごす異世界学園生活。
そこで待ち受けるのは、友情、記憶の復活、そして“もう一度、幸せを見つける”戦いの日々だった。
死に損なった過去に別れを告げて、もう一度人生をやり直す。
__今度こそ、最期に笑って。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 20:00:00
32988文字
会話率:65%
アマンダの最愛の夫・ミカエルはある日魔物に襲撃され、ただ肉体が生きているだけの、花壇に咲く花のような存在になってしまった。
仕事と家事育児に追われながら、膨らみ続ける莫大な医療費に困窮していくアマンダは、ある日いつ意識が回復するともしれない
夫か、自分と娘の将来かの選択を迫られ追いつめられてしまう。その夜、夫が夢に現れ、結婚式の日の誓いを全うすると言い出して――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 15:23:39
8790文字
会話率:33%
「僕は狂ってる」
中学三年生のマサトは、五年前から毎日、死んだ姉・サトミの幻を見ていた。夏休みに入ったある日、事故だと聞かされていた姉の死が実は自殺であったことを知ってしまう。姉に何が起こったのかを知るため、マサトはサトミの幼馴染・カナと
ユウトに会いに行くが、彼らは「何か」を隠していて………
五年前の夏、様々に重なった狂気たち。少女はなぜ命を絶ったのか。少女を追い詰めたのは誰なのか。少女は最期に、何を思ったのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 10:09:12
12654文字
会話率:32%
異世界転生先で育てのお婆さんが亡くなった時、少女は転生前の出来事を思い出す。
どうやら自分は短命の運命に囚われて記念すべき100回目の輪廻転生を果たしていたようだった。
何故自分は短命なのか。転生前に現れたクマはなんなのか。
そして、お
婆さんは一体何者なのか。
育てのお婆さんが最期に与えたお使いという名の旅に出た少女は自分と世界を知っていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 23:56:49
15335文字
会話率:52%
黒い羽を生やした少年は、明後日処刑されることを知る。
親兄弟は既に先立ち、仲間なんて存在しない。ならばせめて、憧れの空を夢に挑もう。どうせ死ぬのであれば、最期に1つくらい自分の好きに生きようとした。明け方に収容所を脱走し、禁則地の岩山に足を
踏み入れる。頂上でなにが起きるのか、少年はまだ知らない。青空への期待に胸を膨らませて、一歩ずつ登るのだった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 19:05:54
25994文字
会話率:50%
「おばあ様、小さな頃に聞いたあのお話を聞かせて欲しいの」
それは時をかける物語。
人が生まれ、そして死ぬ。その当たり前の営みのなかで得て、失い。
「きっと、これが最期になるわ。ーーそうね、全て話しましょう」
500年もの昔から禁
足の地とされている地域へ足を踏み入れ、止っていた時が動き始めた。
これはそんな、ある1人の少女の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 18:00:00
42832文字
会話率:48%
大人気アイドルのライブで知り合った彼女は、俺の目の前で『喰われた』。
たった独りでチケットを手にやってきた、人気急上昇中のアイドルグループ〖Muse!〗の結成1周年記念ライブ。そこで俺は、そのチケットを見て話しかけてきた女子高生風の女の
子と知り合った。
お互い同じライブをぼっちで見に来た同士ってことで名前も名乗り合わぬまま仲良くなり、席が違うから一旦は別れたけれど、ライブ終わりに姿を見かけて再び声をかけた。今見たライブの感動を語り合いたい彼女に促されるまま歩き出したその時、言いようのない不安感に襲われる。
「おい、君!」
「えっ?」
彼女が振り返った瞬間、さらにその向こうから現れた大きな口だけの異形の怪物が襲いかかり、彼女の脇腹を食いちぎった!
「いたい……わたし、死ぬの……?」
どう見ても致命傷だった。ひと目見てもう助からないと分かってしまう。
「死にたくない、か」
そこへ突然現れた黒づくめの謎の男。
男は言う。「“人形”として浅ましく生きるか、人として尊厳をもって死ぬか、最期に選べ」と。
そして男の背後に現れた6人の人影。それは先程までステージで躍動していた〖Muse!〗のメンバーたちだった⸺!
彼女たちは何者なのか。あの化物は何なのか。
訳も分からないまま拉致された俺は、彼女たちの“マスター”として、共に戦いつつひとつ屋根の下で彼女たちと共同生活を送ることに!?
◆スクエアエニックス様より2017〜2021年に配信されていたスマートフォン用タップアクションRPG『プロジェクト東京ドールズ』の二次創作として書いていた未発表作品を下敷きに、作者独自の世界観と設定で新たに再構成したオリジナル小説になります。
設定の一部を二次創作から流用しているため若干似通った部分がありますが、盗作等ではありません。ただしなろう運営及びスクエニ様よりご指摘を頂いた場合には削除するかも知れません。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。どの作品も独立しているのでそれぞれ単品でもお楽しみ頂けますが、合わせて読めば二倍楽しいです。多分。
◆この物語はフィクションであり、実在の人物、団体、企業、国家などとは無関係です。また法令違反や暴力行為を推奨するものではありません。
◆なろう限定公開となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 19:00:00
563102文字
会話率:49%
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛の予定です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品はアルファポリスでも公開します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 21:00:00
40554文字
会話率:29%
五感の全てを失い、最後は死に至る病を患ってしまった子爵令嬢のアンジェラ。
もうすぐ結婚するはずだった伯爵子息のミッシェルと異母妹が抱き合っているのを見て、逃げるように家を去った。
一人きりの新しい生活。だが、病気の進行で不安を感じ始めた
アンジェラは、「時間売買魔法店」で、自分を看取ってくれる人と契約することに。
「初めまして。もうすぐ死んでしまいますが、どうぞ最後まで宜しくお願い致します。」
ほとんど顔も見えない契約者との不思議で温かい、最後の生活が始まった。
※この作品は全てフィクションです。
※気弱なヒロインです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 20:20:00
61742文字
会話率:24%
非人道的な人体実験を繰り返す研究所。
そこに囚われていた少女ミズキは、薬物や改造により心も身体も限界に達していた。
そんな彼女を救おうと、孤児院でのかつての親友ひなが研究所に放火し、命がけで助けに来る。
火の手をかいくぐり、ふたりは逃げ出す
が──その途中、研究員の放った銃弾がひなの身体を貫いた。
逃げ延びた先で、ふたりは静かに寄り添う。
死が目前に迫る中、ミズキは「誰かのぬくもりを感じながら死ねること」に救いを感じていた。
そして、ひなもまた、ミズキを守れたことを嬉しく想っていた。
最期にふたりは手を取り合い、同時に言葉を交わす。
「また来世で」
夜の静けさの中、ふたりの命はそっと溶けていった──。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 00:49:29
926文字
会話率:14%
都市の名前はネメア。いまは遺構すら無い古代都市だ。これは、ネメアの為政者だったレオ・レグルスの数奇な最期についてまとめ記したものである。
最終更新:2025-07-23 00:10:00
3738文字
会話率:6%
宮城県の松島湾に浮かぶ妣之島。世界有数の人魚の棲息地として知られるかの島は、日本屈指の観光地であると同時に有名な自殺の名所でもあった。
生きることを諦めた少年・香山璃久は、不遇続きの人生を終わらせるため島へと上陸する。ところが人魚信仰の
盛んな妣之島には、世界で唯一人魚を飼育展示する水族館『マリンピア妣之島水族館』があった。
最期にひと目、島の神である人魚に会ってみるのも悪くない。
そう考えた璃久はひとり、水族館へと足を運ぶ。そこで出逢う美しき人魚、リィンに心奪われることになるとも知らずに──折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 20:32:50
131783文字
会話率:49%
誰の人生にも、言えなかった想いと、やり直したかった瞬間がある。
けれどそれは、誰かを愛した証であり、生き抜いた証でもある。
春の風と共に、想いは形となり、一つの組み紐へとよりあげられていく。
――― 人生最期に後悔することって、それはな
んですか?
話のボリューム:10話、2万字たらず折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 07:27:00
19432文字
会話率:19%
ジュエリアル帝国第二皇子レオンハルトの元に、皇太子である異母兄アデルバートの危篤の報せが届いた。
病床の兄の元へと急ぎながら、レオンハルトは兄と過ごした日々へと想いを馳せる。
兄と出逢った日、兄と夕陽を見た日、兄の腕の中で眠った日――
―。
幸せだった幼い日々を想い出すたび胸に刺すような痛みが走るのは、自らの犯した罪のせい。
償うことも赦されることもない罪を抱えたまま、レオンハルトは最愛の兄を見送った。
数ヶ月後、兄の葬儀のあと新たに皇太子となったレオンハルトの前に一人の侍女が現れる。
レオンハルトの異母妹たちに仕える彼女は元々、第六皇妃のローズマリーが祖国から連れてきた侍女だった。
かつて皇太子妃候補と噂されながらも皇妃として皇帝に嫁いだローズマリーは、レオンハルトにとって今なお忘れられない初恋の女性。
そしてアデルバートが最期に呼んだのも、彼女の名前だった。
妹姫の懺悔、侍女の昔語り、父による断罪。
最愛の兄の死後、次々に明かされる真実に、レオンハルトは自らの犯した罪の重さを知る。
※現代パートと過去パートが交錯して話が進んでいきます。
※最初の方は皇子とゆかいな従者たちが主ですが、最終的にはシリアスです。
※ざまぁは無いし、救いもないです。レオンハルトは終始どうしようもないです。
※ハッピーエンドがお好きな方はご注意ください。
※本編はすべてレオンハルト視点で進んでいきます。
※レオンハルトの半生をダイジェストでお送りしてる感じです。
※本編完結済です。
※現在レオンハルト以外の登場人物視点の番外編を不定期に更中。
☆或る側妃の献身
最愛の姉を喪ったセレスティアが色んな人に色んな人の面影を求めて依存していく話。
☆或る教育係の渇望
ブラコンとか初恋とか忠誠心とかいろいろこじらせたジャンが無い物ねだりして迷走する話。
☆或る侍女頭の内証 ※現在更新中※
自己肯定力低めのステラが様々な出逢いによって自分にとって一番大切なものは何かを考える話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 00:00:00
626113文字
会話率:26%
ここは人々の信仰がカタチとなった世界。
十二の動物を従える、名もなき神が、消えた—
「我らは八卦、この結末に反逆する者である」
"八卦"を名乗る謎の集団により、信仰は侵され物語は塗り替えられてしまった。
&quo
t;名もなき神"が最期に残した十二支の概念。
それにより喚ばれた十二の神々。
新たな十二支として、信仰を守り結末を取り戻すために戦う—
サイト:https://tota996.wixsite.com/jyu-nishinwa折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 21:30:18
8746文字
会話率:49%
【 優しくて厳しく愚痴っぽいお母さん! 娘として最期に聴いてください……! 】
◆秋山純生(あきやま・すみお)は、高校三年生で、進路を美術系か理系の大学か悩んでいた。
母、秋山幸子(あきやま・さちこ)が、「二つとも卒業すればいい」と助け船を
出す。
おそらく、父、善(ぜん)は大反対だったろう。
最初の美術大学で人間関係と卒業制作のテーマへの批判に挫折を感じ、マンドリン・ギター部でも残念な思いをした。
二つ目の理系大学でも管弦楽部のデカダンスさに辟易し、偶々同じ学部の学生でも痛い方々と気を配って疲れていた。
究極の避難として退学しようと思っていたが、母が押しとどめた。
二年生となり、友人の玉(たま)ちゃんもできたことだし、気分を一新しようと趣味の合う部活へ入り直した。
アニメーション研究会の門戸を叩く。
紅林朝(くればやし・あした)と知り合い、初めての恋は走り出し、将来は結婚へと夢を描いていた。
純生は先に社会人となった彼を追って東北の果てまで大学院へ進学するが、慣れない環境のせいか病に伏してしまう。
書類上の入籍をし、紅林純生となったが、生活は別々にしていた。
翌年の春、私は同居が必要なほどにだらっと崩れてしまう。
彼の職場と私の大学院との中間地点に居を構えた。
病魔は激しく私を揺さぶり、夫が夜に帰宅して早朝出勤するだけでは、ひとりで留守番は無理なことは明白で、医師からひとつの提案があった。
「日中の面倒をみてくれる方を呼べませんか?」
夫は新婚家庭が乱され、蔑視している者が分け入ることに抵抗したが、実母の幸子が東京から高速道路で駆けつけてくれた。
父の善は、私を怠け病だと笑いものにした。
怠けていたら皆勤賞がとれるのですか。
怠けていたら上位三パーセントの成績で人物も推薦される特待生になれるのですか。
後に、父は母のいない家に屈服する。
弟の陽太(ようた)にお金のかかる時期だったので、仕送りは少ない。
私は殆ど家を出られず、誰かが付き添ってくれても難しいのに、川岸へ母の好きな自然観察をしに散策することがあった。
二人の瞳には、美しいとか生きるとかの安い羽飾りは要らない。
「白鳥だ……。向こうに白鳥がいるね」
景色と月日が流れるだけでいい。
そして、家族の形は変わっていく——。
◆登場人物
紅林純生
紅林朝
秋山幸子
◆カクヨム様にも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 18:30:00
9997文字
会話率:45%
【 ゴッホのひまわりを巡る時間旅行!高校生の恋きらら! 】
◆ゴッホの名画『ひまわり』が、香月菊江(こうげつ・きくえ)と那花壽美登(なばな・すみと)の眼前にある。
ゴッホは、生前は売れない画家だった。
『ひまわり』とは、花瓶に生けたひまわ
りをモチーフとした幾つかの作品群を示す。
その一つが莫大な額で日本に競り落とされてビルに飾られている。
壽美登が幼馴染の菊江を巻き込んで、遠方まで鑑賞に来た理由は、陶芸一家の壽美登の家に不思議な益子焼の壺が舞い込んだ件で相談をしたいからだ。
ある人が所蔵する名画『ひまわり』と深い関わりがあるらしい。
遺伝子解析など科学的側面から突き止めようとする香月菊江と実際に模写などをして芸術的な側面から迫る那花壽美登が、協力して壺の謎を解く。
その過程で、お互いの悩みが明らかになり、二人の間に絆のようなものが生まれる。
時に現代、時にゴッホの生きていた時代へと、ひまわりの壺の持つ力で転移をし、そこで手にしたゴッホの弟が遺したものでゴッホの苦しみ生きる様を追うように時代の行き来を繰り返す。
果たしてゴッホの芸術として人としての姿はどのようなものであろうか。
時を越えて二人の旅が始まった。
ゴッホの最期に立ち会って、菊江と壽美登は何を感じるのだろうか。
◆登場人物
香月菊江(こうげつ・きくえ):女性。17歳。高三。理系大好き。母はTU総合研究所に勤める。生物が得意で、DNA解析も好き。那花壽美登のことは幼馴染の優しい人だと思っている。
那花壽美登(なばな・すみと):男性。17歳。高三。芸術系大好き。陶芸工房の息子だ。はたからは知識も豊富で将来有望と囁かれるが、まだまだ陶芸の道のりは遠いと悩んでいる。香月菊江のことを大切な女性だと幼い頃から寄り添って来た。
フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ(Vincent Willem van Gogh):男性。1853-1890年。(0歳から37歳)。オランダの実在した画家。代表作に『ひまわり』がある。
テオドルス・ファン・ゴッホ(Theodorus van Gogh):男性。1857-1891年。(0歳から33歳)。フィンセントの弟。兄を支援して行く。
*この物語は、フィクションです。
◆『カクヨム』様、『魔法のiらんど』様にも掲載されております。
◆よろしくお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-09 08:00:00
121532文字
会話率:36%
かつて異世界イリスティアに転生した青年・黎(くろ)は、2000年前に“勇者”として魔王を討った存在だった。
だが、魔王の最期に放たれた「その剣は、いずれお前の大切なものを斬ることになる」という言葉を胸に刻みながら、彼は静かにその役目を終えた
。
……そして目を覚ますと、彼は再びイリスティアの地に立っていた。時は流れ、そこはかつて黎が歩んだ世界の2000年後。
自身の伝説は人々の記憶の中に朧げに残っていたが、誰も黎が“あの勇者”であるとは気づかない。
「今度こそ、自分のためだけに生きる」と決めたはずの黎だったが、その“最強”すぎる力が、再び運命を巻き込んでいく。
歴史の表舞台から姿を消した最強の剣士が、再び世界に足を踏み出すとき──物語が静かに、始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 21:36:04
12132文字
会話率:37%
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
アルファポ
リス様で先行投稿中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 20:57:44
649297文字
会話率:37%