ダンジョンが出現して10年。元物理学徒の神崎譲(かんざきゆずる)は、『状態保存』『現象観測』という地味スキルしか持てず、落ちこぼれ探索者として燻っていた。ある日、パーティーに見捨てられ死に瀕した彼は、土壇場でスキルの真髄――物理法則への限定
的干渉力――に覚醒する。「時間停止もエネルギー固定も可能…これは『法則操作』だ!」譲は忘れかけた科学知識を総動員し、地味スキルを最強の武器へと昇華させる。状態保存で敵の攻撃を無効化し、現象観測で弱点を精密分析、化学知識で即席兵器を生成!常識外れの科学的ダンジョン攻略で、世界の法則(ルール)すらハックする!落ちこぼれからの知"的"成り上がり譚、ここに開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 22:00:00
205875文字
会話率:29%
俺は潟梨翔平(かたなししょうへい)大学生。
毎日無気力に生きて、年の瀬のバイト帰り、除夜の鐘をたまたま突くことになるが、その時に何かが体から解脱する感覚を得る。
特に意識もせずに家に帰った元旦の朝、そこには赤褐色の肌を持つギャル鬼の羅璃(ら
り)がいた。
ぶっきら棒でガサツで喧しいそのギャル赤鬼は、自分の煩悩が分かれて生み出されたのだと語る。
煩悩を受け止めて昇華しないと消えてしまうという羅璃がオレのことを連れまわすことになるのだが…果たしてその煩悩の塊である彼女の行動に振り回される俺はこの問題を受け止めて解決することができるのか?
波乱の年明けから起きる青春破天荒コメディ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 19:00:00
3966文字
会話率:23%
契約、裏切り、そして一億円の違約金請求――。
僕はかつて、教育フランチャイズの教室を運営していた。子どもたちの未来のために尽くした日々。だが突然、本部から送られてきたのは「違約金一億円を請求する」という内容証明だった。
見えない包囲網。
計画された裏切り。信じていた人々が仕掛けた罠。
なぜこんなことになったのか。誰が何のために。
絶望の中で、僕は物語を書きはじめた。
これは、小説を書くことで、かろうじて「自分」を保ち、生き抜こうとした男の記録。
「物語」とは、誰のものか。誰を救うのか。
これは、現実とフィクションのあわいで生まれた、もう一つの"灰色の正義"の物語。
これは、僕が小説を書く理由を綴ったエッセイです。
人生を壊すほどの裏切り。それでも“正義”を信じたくて、僕は物語を書き始めました。
実話に基づきながらも、それは小説『灰色の正義』という物語へと昇華されています。
本連載では、小説家になることを志した“心の軌跡”を、静かに、しかし確かに語っていきます。
物語を書く人、物語を読みたい人、そして正義を信じるすべての人へ――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 23:13:30
1792文字
会話率:10%
甲子園を目指した高校1年の大気は、吹奏楽部の千紗に心を奪われる。
台風の朝、偶然出会った二人は惹かれ合うが、大気は突然姿を消す。
失意の千紗は、大気の親友・信二に支えられながら、最後のコンクールに挑む。
演奏するのは、最愛の人を失った悲し
みを昇華したバーンズの『交響曲第3番』。
音楽を通して過去と向き合い、成長していく切ない恋、突然の別れ、そして再生。感動の青春群像劇。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 22:38:37
127534文字
会話率:26%
SFファンタジー小説です。
琥珀銀河を舞台とした架空小説となります。
第3部構成
●ウルス戴冠 【完結】
https://ncode.syosetu.com/n0278gy/
●春風戦争 【公開前】
●統一戦
外伝
●王太子誘拐事件 【
完結】
https://ncode.syosetu.com/n1275gs/
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この作品は、第2部「春風戦争」です。
星暦1002年
琥珀銀河は国家間の戦争状態に突入した。
戦乱という非日常は人々の心を狂わし、
遂に人類は禁断の果実に手を染める。
魔法
人は科学で解明できない出来事をそう呼んだ。
人類が魔法に出会ったとき、
そしてそれが、戦争という時代であったとき、
人は、魔法とどう接するのか?
魔法を使う人はどう生きるべきなのか?
人類はその選択を迫られる!
宇宙は人類の進化を望んだ。
人類の選択は?
戦争というドラマと
人類の葛藤を描く第2部
そして歴史は伝説から、神話に昇華する。
~100話 ブックマーク 件
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 17:46:33
205475文字
会話率:12%
王都の薬局で薬師をしている魔女見習いのロゼッタ・ジェーン。
厳しいが優しい師匠。おっとりやさんで頼りになる姉弟子と共に毎日修行に励んでいた。
ある日、王宮に薬の配達受注にでかけ、恋人の浮気を知ることに。怒りに任せ恋人との関係を一気に終わら
せる。虚しさと悲しさはポーション作りで昇華させる。と、今日も頑張って薬を作ります。
8話で一応完結です。
恋愛要素が薄いのですが、浮気男なので異世界恋愛?いや薬屋なのでハイファンタジー?と迷いましたが異世界恋愛とします。でも、恋愛薄いですかもです。すみません折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 07:10:00
689517文字
会話率:48%
作品特性:
本作は、“人外娘フェチ”のための幻想譚である。
異形と美の融合、見た目と魂のギャップ、触れてはならぬ神秘と、
本能を刺激する色気・愛しさ・背徳感を併せ持つヒロインたちが登場する。
可愛い、綺麗、怖い、エロい――その全てが
、異形という魅力に昇華されている。
対象感性:
→ 「ふつうの女の子では物足りない」読者の感性に刺さる
→ 「異形なのに可愛い」「モンスターなのに抱きしめたい」
そんな矛盾を肯定する者たちのための物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 23:29:16
27675文字
会話率:19%
齢千年の時を経て神へと昇華した狐、薔薇《しょうび》。
これからはより高みの神格へ邁進せんと神様ライフを踏み出すのだが、そんな折に上級神である玉藻《たまも》の陰謀に巻き込まれてしまう。
折角神様になったのに、気が付けば病弱可憐な侯爵令嬢ロッ
タローゼとなっていた。
「苦労して神様になったアタシの尻尾《ちから》を返せ!」
よわよわ美少女に憑依してしまった新人神様の行く末はいかに!?
※カクヨムにて貴津名義にて全年齢版を先行公開しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 09:30:30
10483文字
会話率:19%
あの事件から五年。
タケトは一級術師として活躍し、裏の世界では『神に最も近づいた人間』『呪いを神へと昇華させた傑物』『妖怪の王』と噂され、知らぬ者はいない程になっていた。
そんな彼にも弟子ができて、しかし一筋縄ではいかぬ弟子に、むしろ弟子の
方にこそつかみどころの無い変人として厄介に思われ…
そんなある日、とある取引があると協会にタレコミがあり、タケトに上層部から直々に指令が与えられた。
特級呪物、神器『九十九の尾』
その未知なる神器を巡っての新たなる戦いが始まろうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 10:36:55
247401文字
会話率:64%
人族は脆弱である。
魔族のように魔力に優れている訳でもなく、獣人族のような強靭な肉体もない。
エルフのように精霊に愛されてもいないし、ドワーフのようなチートな魔道具もない。
ヴァンパイアのような不死でもないし、竜のように最強でもない
。
ただ脆弱だった。
故に、技を開発した。
剣術を、体術を、武術を編み出しては、それをひたすらに磨き続けた。
弱いところを補おうと、必死に知恵を働かせた。
その果てに、氣という生命エネルギーを用いた人族独自の技術を開発した。
それは脆弱な人族のみが扱うことの出来る一縷の希望の光となる。
しかし未だそれは他種族には及ばず、搾取される日々が続いていく。
もし、仮に、やがては女神へと昇華する神の御子が、人族の赤子として誕生し、生まれながらに数多の英傑たちの叡智を宿していたとしたら、一体どこまで上り詰めてしまうのだろうか?
コレはそのIFの答えとなる物語。
一人の死んだ直後の赤子が、神の恩恵を得て蘇り、そして産まれたその日から最強無双を成すという、大体はそんな筋書きである。
叡智と神域の魔力に、氣という生命エネルギーがケミストリーして大爆発を引き起こし、世の中をひっくり返す、銀の薔薇が紡ぐ英雄譚のご開帳である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-06 21:12:38
195591文字
会話率:22%
人が死んだ時は魂をこの世に残す
魂には喜、愛、楽などの正のエネルギー
である(昇華エネルギー)と憎悪、嫉妬、悲、後悔などの負のエネルギー(停留エネルギー)が含まれている。魂に含まれるこれらのエネルギーの含有量は生前に魂に蓄積された感情に依
存する。
魂に含まれる昇華エネルギーの含有量が停留エネルギーを上回ると魂は天に運ばれ
停留エネルギーが上回ると魂はこの地に留まり続ける。昇華エネルギーと停留エネルギーの含有量がほぼ同じ状態を拮抗状態と言い、昇華エネルギーが停留エネルギーに変化する(侵食)が起き停留エネルギーを帯びた愛の昇華エネルギーを含む魂が進化を遂げると(ミチズレ)という化け物に進化する。
ミチズレは生前に愛した人の魂を喰らう
特に魂に含まれる昇華エネルギーのみを喰らい魂に含まれる昇華エネルギーを増やし天に登ろうとする。こんな内容
登場人物
秋葉陽次郎 45歳(現在)
秋葉陽次郎が22歳の時に両親と恋人か事故で他界
仕事も上手いかず首を吊って死のうとしていたところ目の前に亡くなった筈の妻、智子が姿を顕す。
あまりの衝撃で膝から崩れ落ち智子を抱きしめようとした瞬間。家に乗り込んできた不審者らしき人物が智子に刃物らしきものを突き立てる。陽次郎はその男にしがみつき止めようとしたが智子の右胸には何かが突き刺さっていた。陽次郎は激昂し男に襲いかかるも男の手刀によって気絶してしまう。気を失う間際男ははっきりこう言った「君には此れが人間に見えるのか」と
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-06 00:21:34
9277文字
会話率:36%
魔物が蔓延り、研究者たちは魔法を求めて日夜頭を悩ませるこの世界で、17歳という未成年が金を稼ぐのは難しい。時代の進歩で仕事の少ないギルドをバイトに、学園だの国からの命令だの、生きていくので精一杯。けど、まぁ……神様、俺たちはそこそこ楽しく生
きてます。
これは、魔法のない、しかし魔力を用いる手段を見つけた世界で生きる青年の大変な日常を描いたファンタジー。人から昇華した神は、何を思い何を見る……
この作品はカクヨムにも掲載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-01 17:00:00
295177文字
会話率:30%
史上最強の異能「破天裁魔」を持って生まれた主人公:ウルティノア・アルヴァルト、
通称【ノア】は全ての理を無視できるその異能で、文字通り縦横無尽、酒池肉林…
まさに天上天下唯我独尊といった生き方をしていた。
しかしやりたいことはほとんど出来て
しまうその能力ゆえ、対等な存在として異能生命体【センチネンクルス】を創造し、センチネンクルスが欲する力を次々に与え自らに最も近い存在へと昇華させた。
そうして生まれた個体の一体、【焔】(ほむら)というセンチネンクルスに持ちかけられたゲームに異能を使わずに挑戦してみないか?と誘われて興が乗ったノアはその勝負をしてしまう。
しかし、それは自身の異能の権限を賭けた勝負だった!
敗北してしまい異能の権限こそ完全に失わなかったノアだが、西暦2000年代にまで逃げて来なければならなかった。だがしかし。
そこには本来の歴史では存在しない強者たちが待ち構えていた!
当然、前回の敗北によって「破天裁魔」を利用できるようになった「焔」によって仕組まれた過去改変であり周到に用意された罠で、2度目、そして今度こそ完全敗北したノアは自身の異能はもちろん命をも奪われることになる。
死の直前に、自らの最後の異能行使により輪廻転生を可能にしたノアは、
西暦1000年代の時代に転生する。
「炎=アンクロス・ロード」として転生したノア。
やはりこの世界が、「焔」により、徹底的に異能因子の生まれた時点より先を過去改変された世界であることを確信したノアは元の人格「アンク」を手助けしながら自身の異能「破天裁魔」を取り戻すと心に誓う。
「さーて、“ガキんちょアンク”次はどうしたい?」
「だからオレの体は貸さないっての!」
3000年にも渡る時の壁を越えて組まれた師弟コンビが野望打ち砕く異能バトルファンタジー開幕!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-28 08:17:55
112739文字
会話率:51%
三十五歳、会社員としても家庭人としても不完全燃焼のまま命を落とした藤堂直樹。──目を覚ますと、そこは剣と魔法が支配する異世界アル=グランゼだった。弱小伯爵家の次男レオンとして転生した彼に女神が授けたのは、努力を“才能”へと昇華するユニークス
キル《天賦再誕》。
しかし旅立ちの朝、嫡男の陰謀で爵位を剥奪され家を追放されてしまう。無一文で荒野へ放り出されたレオンを待っていたのは、魔物の襲撃と、数奇な出会いの連続――騎士を志すツンデレ令嬢、癒やし系ハーフエルフ、百年の眠りから覚めた魔族の王女。
「もう逃げない。今度こそ本気で生き抜く!」
努力で最強へと駆け上がる青年と個性豊かなヒロインたちが、古代より甦る闇の神に挑む冒険と恋の大河ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-20 11:00:00
14158文字
会話率:35%
冒 頭
「落ち着いて聞いてね彪牙。………貴方のお母さんは今は亡き女神様なのよ。だから貴方は神と人の間に産まれた半神なの。」
オレは白鷺学園高等学校に通う高校2年生榊 彪牙(さかき ひゅうが)突然、幼馴染十六夜 美
冬(いざよい みふゆ)に人間ではなく半神だと言われた。今まで人間だと思って生きてきたからそんな突拍子もないことを言われてびっくりして言葉が出なかった。そんなオレを見てニヤっとした表情で見る転校生鳳凰院 揚羽(ほうおういん あげは)。そんな人間だと思っていたオレと美冬と揚羽が天使と悪魔の戦争に巻き込まれてなんやかんやあって他にもヒロインが増えライバルが出来てオレが復讐者になってその復讐を2人が協力してくれてその後色々あって戦争を終わらせ世界を救う話。
※主人公は幼い頃から実家の道場で古流武術を習っている為結構強いです。それに一度見た技で使えそうだと思ったものは模倣してオリジナルに昇華して使うといったチートみたいな事が出来ます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-10 23:00:00
58901文字
会話率:64%
西暦二〇三〇年、魔法という新たな兵器の登場により第三次世界大戦が勃発。それは地図をも書き換える、まさに大災厄だった。この一件を皮切りに、地域紛争の数を加速度的に増やしていき、歴史的大災厄のもの恐ろしさをさらに昇華させた。
あれから一世紀以上
の時を経てその数を減らしている現在でも、世界中の魔法闘士「ストライカー」たちが、戦場の最前線で血を流している。闘っている理由も知らずに最期の一瞬まで涙を飲み続けた者も、彼らの中には少なからざる数そういった人間が存在する。
しかしながら、この星で魔法闘士は人気の職業である。
今年の春も、魔法闘士育成第一機関「月島学園」には、数多くの受験生が夢と希望を背負って訪れている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 18:00:00
87605文字
会話率:28%
「美への執着」を「芸術」へと昇華させた一人の変人の物語。美女コレクター・田中翔太は、AIという新たな道具を手に入れ、理想の女性像を創造する天才へと変貌する。技術の進化と市場の荒波に揉まれながらも、彼の「変態的情熱」は揺るがない。デジタル時代
の美とは何か?創作の本質とは?「この世に存在しない、でも存在して欲しい」美を追求する壮大な旅が今、始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-21 23:56:13
4472文字
会話率:10%
【異説:ネクロマンサー】あなたはネクロマンサーの本当の姿を知っていますか?
「要するに、根源は鎮魂であり救済なんだよ」
父親の廃業をきっかけにネクロマンサーとして開業した青年、ユニアス・ジャックフォードと、彼が蘇らせた死者であり助手の少女
、アーデルハイトが織りなす、依頼人との奇妙で優しく時に残酷な日常譚。
時には死者、時には遺族からの要請で死者を「仮蘇生」し、生者だけではどうにもならない事象や事件を解決することもネクロマンサーには可能である。嘗ての英雄による殺人事件、金持ちの相続問題、幼馴染の魔術師の冤罪事件、名家の秘宝探索などを経過するうち、ユニアスは自分がネクロマンサーを継いだきっかけであるアーデルハイトの過去に触れることで自身との隠された繋がりを知ることになる。未練を残しながらも生前の記憶がない彼女を救済し、無事にその魂を昇華させることはできるのか――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-15 19:12:55
68027文字
会話率:73%
夜の帳(とばり)が降りる頃、目を覚ます勒枢薇朧(ろくすいびろう)。彼は、孤独な部屋で酒をあおり、心の闇を言葉に託す詩人である。性別の檻に閉じ込められ、精神の病に苛まれながらも、詩を紡ぎ続ける。
彼の詩は、救いを求める魂の叫び。それは、彼自
身の苦悩を昇華させるための、唯一の手段。
物語は、彼の独白を通して、彼の過去、現在、そして未来への渇望を描き出す。
彼は、酒に溺れ、夢を追い、詩を紡ぐ。
その姿は、まるで夜空に浮かぶ星のように、儚くも美しい。
これは、一人の詩人の、孤独な夜の記録である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-13 20:33:58
421文字
会話率:0%
『霊術』、それは世界に当たり前のように存在する、異能。
誰しもが持つ、一人一つの固有能力である『霊能力』と、霊能力を分析し、その能力を霊符に込めることで誰しもがその力を使えるように昇華された技術『媒体霊術』、その2つをまとめて『霊術』と呼ぶ
。
『霊術』は武力としてだけでなく、生活の一部として使われるほど世に定着していた。
そんな世界で、霊術界の権化であり頂点『水無月家』に産まれた少年、水無月 祐。
彼は平和が好きだった。
誰しもが、権力に怯えず過ごせるように。
誰しもが、心を寄せ合い笑えるように。
そんな世界を目指していた。
だが………彼は、ある日を境に全てを失った。
家族、級友、富、名誉。
命以外の全てを奪われたその少年は世界に失望し、心を閉ざした。
『平和こそ人生の極地』
世界の「平和」を志すために、自身の胸に刻んだその言葉はいつしか、「孤独」であることを肯定するための自己擁護となっていた。
だけど、彼はそれでも、人が好きだった。
人と触れ合いたい。
笑い合いたい。
いつしかの記憶がそう呼びかけるが、自らが抱える「孤独」が、それを阻む。
「孤独」と「平和」の矛盾を抱え、少しずつ心に傷を負いながら、それでも何も無いフリをして生きていく日々。
そんなある日、彼は唯一この世に存在する友人「神崎 恭也」に、入学するはずなかった高校へ無理矢理連行される。
そこは霊術士を育てるための高校とは名ばかりの養成所である『月園高校』。
平和と同時に霊術士としての道を捨てた彼にとって、そこは自身の存在が許されない場所だった。
元「権力者」である彼を周りは否定し、悪態と誣言が飛び交う。
そして………………そんな、否応なく導かれた地で彼は、ある少女に出会った。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-28 19:48:28
227938文字
会話率:38%